Newsletter 02.2016

Kienbaum Consultants International
日系企業グループ ニュースレター
2016 年 02 月
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Kienbaum Consultants International
Japanese Corporate Business Newsletter 02_2016
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記事
キーンバウムがコネクテッドカーに関するサーベイ
を発表。自動車産業はデジタル化へ
ネットワーク化された車の時代へ。ノウハウやプロセスの問題解決
が目下の課題。
こちらの記事に関するご質
問は日系企業グループまで
お願いいたします。
自動車メーカーと販売業者は、現在次の 1 点で意見が一致している。すなわち、車
のネットワーク化とデジタル化がますます重要な位置を占めている、という点であ
る。これにより、新たに競合する企業も増えてきている。自動車産業における
93%の企業が、グーグル、アップルをはじめデジタル大手を将来における競合先と
して認識している。同時に、2020 年にはコネクテッド化とソフトウェアが車の価格
決定の際 3 分の 1 の要素を占めるようになると予測される。これは、キーンバウム
コンサルタンツが今回発表したコネクテッドカーに関するサーベイの結果が明らか
にしたものである。
「今回のサーベイの結果により、コネクテッドカーと車のデジタル化が将来の自動
車産業を左右する最重要要素のひとつとなることが明らかになった。これは自動車
産業において、従業員からマネジャーまで、さらに決定プロセスやビジネスモデル
全体を含むすべての点において、重要な転機訪れていることを示している。」本サ
ーベイの著者でありキーンバウムの自動車産業を専門とする Tilman Eichstädt はこの
ように指摘する。
コネクテッドカーは顧客(ユーザー)主体の新しい開発プロセスを必要とする
コネクテッドカーは、車内でより多くのソフトウェアの使用を可能にする。これは
同時に、製品開発のプロセス自体も変わらなければならないことを意味する。今回
の調査対象企業のうち全員が、将来において開発サイクルが明らかに短くなり、そ
れにより開発プロセスも迅速でなければならない、との認識を明らかにしている。
「ここでは顧客、つまりユーザーのニーズにより強く着目することが特に重要とな
る。実際、人気のソフトやアプリは、すべてユーザーのデータを徹底的に分析する
ことにより生まれ、繰り返し改良されているものだ。」Tilman Eichstädt はこのよう
にコメントする。
組織図や管理系統にも変革が必要
車のネットワーク化が進み、より進化するにつれて、企業においては新しい環境や
組織作りがより重要となってくる。今回の調査では、ソフトウェア開発側と従来の
自動車エンジニア側との協働を成功させるためには、業界全体の環境の変革が不可
欠であることが明らかになった。調査対象の 79%がこのように回答している。
「組織がこの新しい課題にオープンに取り組むことが重要である。ヒエラルキーを
複雑にしてはならない。というのも、インターネット業界では常に『スムーズな組
織』というモットーに基づき組織が組まれているからである。これにより優先順位
や課題の急速な変化に柔軟に対応できるのである。」Tilman Eichstädt はこのように
語る。
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調査対象企業の 4 分の 3 が、これらの事情を踏まえて自動車産業の企業全体の構造
が根本的に変わらなければならないと認識している。「これに平行して、マネジメ
ント環境もよりオープンに、かつ、失敗に対しより寛容になることを求められてい
る。これまではどちらかといえば保守的であった、この業界の管理体系を根本的に
変えていく必要がある。このような環境の変化は一朝一夕には達成されない。」
Tilman Eichstädt はこのように指摘する。
自動車産業のデジタル・リーダー欠如はもう始まっている
車におけるソフトウェアの重要度が増すにつれ、企業内のデジタル知識の欠如が浮
き彫りになってきている。すでに今日において、調査対象企業の 61%が、企業内
のソフトウェアおよび IT スペシャリストの数が十分でないと回答している。83%
は更に、このことは将来において重大問題となるだろうと予測している。
IT 知識は、特に部品製造業において、今後のビジネス成功の鍵となると言える。調
査対象企業の 92%は、市場で生き残るのは IT およびソフトウェアに強い部品製造
業だと考えている。更に、71%の企業が、IT およびソフトウェア知識を持たない部
品製造企業との取引は将来的には減少・停止すると予測している。
自動車製造業・部品製造業、共に新しい研修制度や複合学歴を推進
将来的にコネクテッドカーの製造に必要な IT 知識を得るために、企業は新しい研
修制度や、大学における新たな履修科目・制度を必要と考えている。73%の企業が
このように回答している。具体的には、例えば電子工学、情報工学、機械工学にデ
ータ・マネジメントやデータ科学をミックスしたような複合的な履修科目の取得を
推進したいとしている。
 出所: Kienbaum Consultants International
デジタル化マネジャーの不足
キーンバウムの調査:デジタル化におけるトップ責任者の不足
こちらの記事に関するご質
問は日系企業グループまで
お願いいたします。
大部分の企業ではデジタル化におけるマネジャーが存在していないのが実情であ
る。現在ビジネスモデルおよびビジネスプロセスのデジタル化における責任者のポ
ジションを設置している企業は、わずかに 11%に過ぎないことが、キーンバウ
ム・コンサルタンツの最新の調査で明らかになった。更に、企業の過半数は、現状
維持で良い、との回答を示している。今後 12 ヶ月以内にこのような責任者ポジシ
ョンの設置を予定している企業は、調査対象の 7%のみであった。この調査はドイ
ツ、オーストリア、スイスにおける 80 の企業を対象に行ったものである。
「CDO(チーフ・デジタル・オフィサー:最高情報管理責任者)は今日、世界で最
も注目されているポジションであるといえる。企業のデジタル化はひとつのプロセ
スであるため、その管理者もプロジェクトリーダー的存在との認識が必要である。
数年のうちにデジタル化の重要なプロセスが終了すれば、同ポジションは必要なく
なる、というのが理想像であり、その後は別の関連部署が責務を引き継ぐ形とな
る。」キーンバウムのマネージングパートナーである Fabian Kienbaum はこのように
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語る。
多くの企業ではデジタル化は部署を超えた全体的な課題
CDO を持たない多くの企業では、デジタル化プロセスはこれまで部署ごとの責任で
進められている。48%の回答が、デジタル化において責任を担う特別な部署を持た
ない、としている。ただし、デジタル化がある部署の責任で推進される場合、IT 部
門が通常その役割を担う。調査対象の 35%がこのように回答している。
「デジタル化は本部から中心的に行わなければ意味がない。第一に、デジタル化の
全課題をコントロールし推進していくには、明確な責任者の存在が不可欠である。
第二に、企業の組織図に並列した位置づけとする、例えば『デジタルユニット』の
ようなグループを設置し、各種デジタル化プロジェクトを開発、推進するイノベー
ション部門とする。デジタル時代に則した戦略と共に、優れた CDO と、デジタル
ビジネスの推進に必要な具体的な改革手段を熟知するチーム、この 2 点が必要とな
る。」Fabian Kienbaum はこのように説明する。
デジタル化の責任者は主にマネジャーレベルで活躍
すでにデジタル化プロセスの責任者のポジションを設置している企業を見ると、ポ
ジションの位置は、56%が管理職(マネジャーレベル)、3 分の 1 がスペシャリス
ト・専門職レベル、11%が経営者レベルとなっている。
デジタル化責任者の典型的なプロフィールは以下のようである:同ポジションに就
任して 3 年以内、大卒、企業本部の位置する国のみのデジタル化プロセスを担当。
 出所: Kienbaum Consultants International
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サーベイ
キーンバウムの給与サーベイ:ハンガリーの給与
は 2015 年におよそ 3.7%上昇
キーンバウムの給与サーベイ:ハンガリー
キーンバウムの給与レポート
2016「ハンガリー」は、1100EUR
(税別)でお求めいただけま
す。日系企業グループまでお問
い合わせください。
ハンガリーの給与は昨年と比べ平均 3.7%上昇した。ハンガリーにおける取締役
の現在の給与(ボーナス含む)は EUR83,000 (HUF25,834,000)であった。マネジ
ャ ー レ ベ ル で は EUR34,000 ( HUF10,738,000 ) 、 シ ニ ア レ ベ ル の 従 業 員 で は
EUR17,200(HUF5,344,000)であった。これは最新のキーンバウムの給与サーベイ
(2016 年、ハンガリー)が明らかにしたものである。このサーベイは、さまざ
まな企業規模、業種の 60 もの企業における 13,000 ポジションのデータを基にキ
ーンバウムが分析したものである。
「ハンガリーにおいては、企業の福利厚生が広く一般化されていることが明ら
かになった。カンパニーカー、食費、子供の学校に必要な出費専用のクーポン
をはじめ、リフレッシュクーポンや健康保険などが従業員に高い人気があり、
また重要である。これらの福利厚生の充実により、企業はバランスの取れた給
与構造を引き続き維持し、同時に従業員のモティベーション向上を促進でき
る。」キーンバウム・ハンガリーの給与エキスパートである Andras Saghy はこの
ように語る。
カンパニーカーはマネジャーレベルで特に人気が高い
社用車は付加価値として人気が高く、取締役レベルの 91%、マネジャーレベル
の 48%、シニアスタッフレベルの 12%がその恩恵に預かっている。社用車の価
格を見ると、取締役レベルでは平均 EUR41,500(HUF12,900,000)、マネジャーレ
ベ ル は EUR24,400 ( HUF7,600,000 ) 、 シ ニ ア ス タ ッ フ レ ベ ル は EUR18,700
(HUF5,800,000)となっている。また、人気の車種は取締役レベルでは VW、マ
ネジャーレベルは Skoda、シニアスタッフレベルは Opel という結果が示され
た。
「付加価値のパターンとしての社用車の支給は、取締役レベルでは依然として
人気が高い。良い人材を企業に留めておくため、あるいは新たなマネジャーの
獲得に、社用車というオプションは今後も活用できると言える。」Andras Saghy
はこのようにコメントする。
企業の多くは優秀な人材の獲得に苦労
今回のキーンバウムのサーベイでは、人材の質という観点からもハンガリーの
市場の成長を見ることができる。5 企業のうちの 2 企業が、質の高い人材の不足
を指摘している。また、現在の人材の学歴・職歴レベルについての問いには、
調査対象企業の 28%が「十分でない」と回答、半数は「『可』レベル」と回答
しており、わずかに 13%のみが「『良』レベル」と回答している。
市場において優秀な人材が不足している一方で、企業の雇用の需要は高く、
82%がこの 1 年で優秀な人材の需要が増すと回答している。「この需要・供給
の動きは同時に、ハンガリーの給与が以前より大きく上昇する可能性があるこ
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とを示す」と、Andras Saghy は分析する。
 出所: Kienbaum Consultants International
キーンバウムのサーベイ:チェコの給与は 2015
年におよそ 4.5%上昇
キーンバウムがチェコの給与サーベイを発表
キーンバウムの給与レポート
2016「チェコ共和国」は、
1100EUR(税別)でお求めいた
だけます。日系企業グループま
でお問い合わせください。
昨 年 の チ ェ コ 共 和 国 の 給 与 は 、 平 均 4.5%上 昇 し た 。 取 締 役 レ ベ ル は 年 収
EUR117,000(CZK3,170,000) 、マネジャーレベルは EUR46,000(CZK1,242,000)、
シニアレベルは EUR22,000(CZK590,000)であった(いずれもボーナス含む年
収)。これはキーンバウムの最新の給与レポート「2016 年、チェコの給与」が
明らかにしたものである。キーンバウムコンサルタンツは、さまざまな規模、
および業種の計 90 もの企業の 17,000 以上のポジションを対象に調査分析を行っ
た。
「チェコでは福利厚生のシステムが以前にも増して普及している。ミールクー
ポン、研修制度、リフレッシュ休暇などの導入は従業員の間で人気が高く、こ
れにより企業はバランスの取れた給与体系を維持しつつ、同時に従業員の満足
度、そしてモティベーションを高めることが可能となる。」キーンバウム・プ
ラハオフィスの給与エキスパートである Radek Primus はこのように語る。
業種間で給与に大きな差
チェコ共和国においては、業種の違いにより給与に大きな差異が生じているこ
とが明らかになった。今回の調査によると、給与トップはゴム・プラスチック製
品の製造業で、チェコ全体の平均給与より 36%高い。続いて環境技術・リサイ
クル業の 23%高となっている。最も低い値を示したのはロジスティック・運輸
業で、平均給与より 21%低い。
今回の給与調査で注目すべき業界は 2 種ある。一方は建設業で、昨年は平均以
下の給与であったが、今年は平均よりわずかに高くなっている。もう一方は機
械・設備・自動車・輸送機器の建設・製造業で、こちらは昨年の平均より 11%
高い値から、平均より 6%低い値へのマイナス成長となっている。
カンパニーカーはマネジャーレベルで特に人気が高い
チェコでは、社用車の支給は付加価値として人気が高い。支給を受けているの
は、取締役レベルの 95%、マネジャーレベルの 60%、シニアスタッフレベルの
13%で、この数値は昨年と変わらない。カンパニーカーの価格については、取
締 役 レ ベ ル は EUR45,800 ( CZK1,238,000 ) 、 マ ネ ジ ャ ー レ ベ ル は EUR29,400
(CZK795,000)、シニアスタッフレベルは EUR20,700(CZK559,000)である。人
気の車種についても昨年と同様、取締役レベルは Audi、マネジャーレベルおよ
びシニアスタッフレベルは Skoda となっている。
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「カンパニーカーは依然として人気が高い。自家用車の所有はさまざまなコス
トがかかるため、その費用をすべて企業側が負担する、という形で、企業は従
業員の帰属意識を高め、あるいは優秀なマネジャーを獲得する際にアピールで
きる。」Radek Primus はこうコメントする。
多くの企業は優秀な人材の不足を指摘
今回のキーンバウムの調査では、人材の質という観点からもチェコの人材市場
の成長を見ることができる。調査対象の企業の半数以上が、優秀な人材の不足
を指摘している。3 分の 1 の企業は、市場の人材の質を「不足」と判断、半数は
「『可』レベル」としており、わずかに 18%が「『良』レベル」と回答してい
る。更に、多くの企業は、企業の研修制度を用いても人材の質という問題はほ
とんど改善されないだろうと予測しており、3 企業のうちの 2 企業が、自社にお
ける研修制度の導入・強化を行わない、と回答している。
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