政策評価懇談会委員から事前に提出いただいたご意見

資料7
政策評価懇談会委員から事前に提出いただいたご意見
平成28年3月9日
株式会社三菱ケミカルホ-ルディングス取締役会長
小林
喜光
「平成28年度財務省政策評価実施計画(案)
」に関するコメント
① PDCAサイクルの適切な運用について
昨年6月の「平成26年度財務省政策評価書」に対するコメントとして、
「S評価が22、
A評価が1という今回の評価結果から、PDCAサイクルを適切に回して行くための
政策評価手法として有効であるか否かという観点で、
「目標レベル」の設定自体に課題
がないか等を確認する事が必要ではと感じている。
」と申し上げた。
その趣旨は、財務省として真摯に対応しておられる適正な「政策評価」手法を通じ
たPDCAサイクルの効果的運用という観点からは、よりハードルを上げた「目標レ
ベル」、言い方を替えればこの四半世紀の経済社会の構造変化を踏まえたよりチャレン
ジングかつ測定指標としてより効果的な「目標レベル」の設定をしていかないと、結
果としてPDCA自体がマンネリ化し、形骸化してしまうのではという危惧を持って
いるということです。
勿論、政治的要因との関係で財務省としての考え方だけでは、踏み込みには制約があ
る事は理解できるが。そういった観点から、今回の総合目標2(税制)につき大いに
期待している。
② 総合目標2(税制)について
・ 直近の内閣の基本方針を踏まえた総合目標2「.
...、若い世代に光を当てることによ
り経済成長の社会基盤を再構築するなど、経済社会の構造変化を踏まえた税体系全般に
わたる構造改革(オーバーホール)を進める。」という目標の見直しについてだが、本
質的な点では従来目標の継続と認識してはいるが、財務省としてはより踏み込んだ文案
となっており期待している。
・ また政策目標2-1-1として、経済成長の社会基盤再構築により、経済の好循環を
確実なものとするための税制の着実な実施と喫緊の課題に応えるための税制の検討を
掲げており、人口オーナス(⇔人口ボーナス)下という厳しい環境の中で、単に財政健
全化目標の達成に留まらない歳出面を含めた統一的な方針に基づく施策、即ち財政/税
制全般の構造改革との位置づけと認識している。最終的には、社会保障と地方問題、グ
- 1 -
ローバルなビジネスモデルに適合した国際課税ルールの再構築財政という大きな課題
解決の一環として位置付ける事になろうが、各府省庁からの租税特別措置要望時に、
「政
策の達成目標」の実現状況を各府省庁が行った政策評価内容を踏まえて議論し、政策目
的と整合的な手段として税制が機能するか等につき検証を行うこととしている点も、効
果的なPDCA実施の一環として評価している。
・ しかし、上記に係る測定指標として、単に「平成28年度税制改正の着実な実施と平成
29年度税制改正の検討」とされていることは、政治等との関係で難しい点があるとは想
像できるものの、PDCAサイクルを適切に回して行くための評価指標としては目標具
体性の点で不明瞭と感じている。何らかの工夫が必要ではないか。
また、財務省もご認識の通り、設定している参考指標については他のもっと良い指標が
無いのかにつき検討が必要と感じている。
以上
- 2 -