平成28 年度 与那国町長 外 間 守 吉 目 次 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1.いきいきと働けるまち ■島の活力の定住人口を維持するための産業振興の推進・・・・3 2.癒しと安心のまち ■安心して暮らせる医療・福祉の充実・・・・・・・・・・・・8 ■ 島 の 未 来 を 担 う 地 域 ・ 人 づ く り の 推 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 3.人材を育て・つなぐ交流のまち ■ 広 域 連 携 に よ る 交 流 ・ 観 光 の 推 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12 ■ 情 報 通 信 技 術 を 活 用 し た 島 内 外 交 流 ネ ッ ト ワ - ク の 確 立 ・ ・ ・ 13 ■ U I タ - ン 施 策 の 拡 充 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 14 ■ 島 外 と の 交 流 を 支 え る 基 盤 の 充 実 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 15 4.循環と共生のまち ■ 「 健 や か な 自 然 ・ 人 ・ 生 活 を 育 む 島 」 に 相 応 し い 環 境 保 全 ・ ・ ・ ・ 16 ■ 人 と 環 境 に や さ し い 生 活 基 盤 の 維 持 ・ 充 実 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 17 5.海を守り、支えるまち ■ 安 全 ・ 安 心 に 暮 ら せ る 島 づ く り の 推 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18 6.伝統文化に支えられた自治と自立のまち ■ 与 那 国 の 伝 統 文 化 の 継 承 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 19 ■ 住 民 自 治 と 推 進 と 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 性 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 20 ■ 行 財 政 改 革 推 進 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 20 ■ 公 共 施 設 統 合 ・ 整 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 21 む す び に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22 平成28年度施政方針 平成28年第1回与那国町議会(定例会)において、平成28年度一般会 計予算案をはじめ、各特別会計予算案並びに諸案件を提案し、ご審議をお願 いするにあたり、町政運営に取り組む施政方針と、政策の概要を申し上げ、 町民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。 はじめに 町長就任から10年余りが経過致しました。振り返りますと、これまで医 療福祉の充実を始め、与那国島の地理的条件を活用した施策を掲げ、町政運 営に取り組んでまいりました。平成21年6月に浜田防衛大臣へ、 「与那国島 への陸上自衛隊部隊配置に関する要請」を行って以来、自衛隊誘致に賛成、 反対、さまざまな運動がなされてきましたが、昨年の2月22日、 「与那国島 への自衛隊基地建設の民意を問う住民投票」が実施され、自衛隊配備に賛成 票が多数を占め、その問題については一定の区切りがついたと考える、多く の町民の声が寄せられているところであります。来る3月末には、160名 の自衛隊員と、94名の家族が居住する予定であります。15名の児童生徒 の転入により、与那国小学校の複式学級が解消されることなど、自衛隊誘致 の効果が早速現れております。 今後は、多くの家族連れ隊員が、与那国町に移住を希望できるような、環 - 1 - 境を整えていきたいと思っております。 昨年の9月28日に襲来した台 風 2 1 号 は 、最 大 瞬 間 風 速 8 1 .1 メ - ト ル を 観 測 し 、 1 9 5 7 年 の 観 測 開 始 以 来 、最 大 を 記 録 し 、全 国 の 観 測 史 上 4 位 の 風 速 を 記 録 し ま し た 。過 去 に 私 た ち が 経 験 し た こ と の な い 強 風 は 、多 く の 家 屋 や ラ イ フ ラ イ ン に 甚 大 な 被 害 を も た ら し ま し た 。現 在 は 、関 係 者 の 迅 速 な ご 努 力 に よ り 、ラ イ フ ラ イ ン は ほ ぼ 復 旧 致 し ま し た が 、町 民 の 生 活 が 正 常 に も ど る ま で に は 、ま だ か な り の 時 間 を 要 す る も の と 思 わ れ ま す 。ま た 、全 国 各 地 か ら 心 温 ま る 義 援 金 が 寄 せ ら れ ま し た 。義 援 金 は 、被 災 さ れ た 方 々 の 一 日 も 早 い 生 活 復 興 に 役 立 て る よ う 、確 実 に 届 け さ せ て い た だ き ま す 。こ の場をお借りいたしまして、与那国町民を応援して頂いた皆様に、 厚く御礼申し上げます。 「与那国・自立へのビジョン」の更新については、与那国町の現状を踏ま えた上で、独自の最上位指針であること、及び沖縄県の計画等との関連を整 理して、年度内完了を予定しております。今後は、ビジョンの進捗状況を確 認しながら、町民のご要望にお応えしていきたいと思います。 平 成 2 8 年 度 は 、沖 縄 県 が 描 く 将 来 像 の 実 現 へ 向 け た 、沖 縄 2 1 世 紀 ビ ジ ョ ン 基 本 計 画 の 中 間 地 点 に あ た り 、当 ビ ジ ョ ン の 達 成 状 況 や 、計 画 の 見 直 し ・ 改 善 を 沖 縄 県 と 一 緒 に な っ て 行 い 、与 那 国 町 の 諸施策が着実に展開できるよう、取り組んでまいります。 - 2 - 沖縄県の翁長知事が就任してから1年余りが経過しましたが、引き続き県 政には、離島振興を強力に推進するよう、要請していきたいと思います。 我が国の経済は、政府による直近の発表によりますと、景気は一部に弱さ もみられるものの、緩やかな回復基調が続いているとされております。 沖縄県内の経済は、観光関連指標が前年を上回るなど、堅調な動きを維持 し、景気は好調であります。 平成28年度の沖縄振興特別推進市町村交付金(以下、一括交付金を呼ば せていただきます)の配分額は、すでに決定しておりますが、与那国町への 配分額は、前年度と同額の、2億 8 千万円になる見込みであります。 次に、平成28年度における施策の概要について、主なものをご説明申 し上げます。 1 いきいきと働けるまち ■島の活力と定住人口を維持するための産業振興の推進 離島における生活必需品等の価格を、低減することにより、離島住民の割 高な生活コストを軽減し、離島における定住条件の整備を図ることを目的に、 「離島食品・日用品輸送費等補助事業」が、平成28年7月から実施されま す。 本事業は、沖縄県が平成27年度において、本島周辺の離島を対象に実証 - 3 - 事業を実施し、沖縄本島との小売価格格差が縮小されております。 生活必需品等に係る運賃は、航路事業者に支払われることから、事業効果 を検証することが必要となり、価格低減に対する住民実感度など、事業効果 の発現状況を把握しながら、事業実施に取り組んでまいります。 観光産業については、与那国空港へのジェット機乗り入れがプロペラ機と なり、空路での輸送力が大幅に減少する傾向の中、昨年の入域観光客数は、 前年比121パ-セント増の37,855人となりました。今年も着地型旅 行商品を推進し、カジキ釣り大会やマラソン大会への参加者増の取り組みに 加え、今年6月オ-プン予定の与那国島歴史文化交流資料館を核に、誘客活 動に取り組み、4万3千人の入域観光客数を目指します。 なお、与那国空港に現在就航している、機材の更新を進めている沖縄県の 施策により、平成27年度から3カ年をかけて5機、ダッシュエイトQ 400EC(50 席)へ、機材が更新されます。平成27年度で導入された2機のう ち1機は、今年4月に与那国空港へ就航する予定であります。 平成25年3月の新石垣空港開港を機に、八重山観光は好調を維持してい ます。昨年の八重山の入域観光客数実績は、目標の120万人には及ばなか ったものの、平成28年八重山観光の入域目標は、クル-ズ船の増加見込み により、125万人と設定されました。 八重山三市町が連携し、更なる八重山諸島の観光振興を図るため、一般社 団法人八重山ビジタ-ズビュ-ロ-を中心に、取り組んでまいります。 - 4 - 平成26年度に雇用の場を創出するため、どぅなん・ファンドを設立致し ました。同ファンドは、ふるさと納税により設置された、 「ばんたドゥナン島 基金」を活用し、与那国島の地域環境の保全・改善を目的に実施する、 「どぅ なんまちづくり活動」や、与那国町の新たな雇用創出に向けて実施する、 「ど ぅなん活性化事業」を企画する個人や団体に、引き続き助成を行ってまいり ます。 貴重な観光資源である通称「海底遺跡」については、与那国を象徴する海 底地形に対して学術的な調査を実施し、文化財的な価値、及び自然科学的な 価値に関する検証を行います。その調査の結果・検証を受けて、国の史跡登 録や世界遺産登録、ジオパ-ク登録等も想定した取り組みを検討致します。 また、保全と適正な活用方法に関して、新たな条例の制定を含めて検討を行 ってまいります。 こ の 度 、町 民 待 望 の 新 製 糖 工 場 が 装 い も 新 た に 完 成 に 至 り 、大 き なトラブルもなく、予定通り操業が開始されました。 新 施 設 の 完 成 に よ り 、農 家 の 所 得 安 定 、及 び 製 糖 事 業 者 の 経 営 安 定 化 に 向 け た 支 援 と あ わ せ 、黒 糖 ブ ラ ン ド の 確 立 、販 路 開 拓 や 、多 用 途 利 用 等 に よ る 需 要 拡 大 を 図 り 、与 那 国 島 の 経 済 を 、引 き 続 き 潤 して行くことを期待しております。 特産品の活用や開発については、さとうきび・長命草・畜産品、 カ ジ キ 、泡 盛 を 五 大 特 産 物 と 位 置 づ け 、島 外 に 出 荷 で き る 特 産 品 の - 5 - 開 発 に 努 め ま す 。ま た 、最 近 、脚 光 を 浴 び て い る ク シ テ ィ や 、未 活 用 水 産 物 の 特 産 品 化 、及 び 加 工 品 、健 康 食 品 の 開 発 等 を 積 極 的 に 推 進致します。 さ と う き び の 振 興 に つ い て は 、与 那 国 町 の 基 幹 作 物 で あ り 、農 家 の 安 定 的 な 生 産 を 支 援 す る た め 、一 括 交 付 金 を 活 用 し 、農 水 産 業 活 性化事業、 「 与 那 国 町 さ と う き び イ ネ ヨ ト ウ 防 除 事 業 」を 実 施 致 し ま す。 畜 産 振 興 に つ い て は 、和 牛 生 産 を 推 進 す る と 共 に 、繁 殖 牝 牛 の 改 良 を 促 進 し 、生 産 基 盤 の 拡 充 ・ 強 化 を 図 り 、 肉 用 牛 の 資 質 向 上 を 図 る た め 、一 括 交 付 金 を 活 用 し 、 「 優 良 繁 殖 牝 牛 導 入 事 業 」を 行 い 、購 入 費 用 の 2 分 の 1 以 内 、1 頭 あ た り 3 0 万 円 を 限 度 と し て 、優 良 繁 殖牛の購入農家を対象に、負担軽減を図ります。 与 那 国 町 特 産 の「 長 命 草 (ボ タ ン ボ ウ フ ウ )」に つ い て は 、 2 7 ha が 作 付 さ れ 、生 産 量 (生 葉 )は 300 ト ン 前 後 と な っ て お り ま す 。長 命 草 の 生 産 は 、大 手 企 業 の 参 入 に よ り 、規 模 の 拡 大 が 図 ら れ 、現 代 社 会 の 多 様 化 す る ニ ー ズ に 応 じ た 事 業 が 、進 め ら れ て い る と こ ろ で あ ります。 ま た 、与 那 国 産 の ク シ テ ィ( パ ク チ - )は 、他 地 域 産 と は 違 っ て 特 異 な 味 、香 り が あ り 、ハ - ブ 愛 好 家 か ら 脚 光 を 浴 び て い ま す 。与 那 国 産 ク シ テ ィ の 特 徴 を 生 か し 、長 命 草 に 継 ぐ 特 産 作 物 と し て 推 進 - 6 - してまいります。 畑 か ん 営 農 の 推 進 に あ た り 、安 定 的 な か ん が い 用 水 を 確 保 す る た め の 整 備 と と も に 、地 下 ダ ム の 建 設 を 、関 係 機 関 へ 要 望 し て い る と ころであります。 県 営 事 業 に よ る 土 地 改 良 整 備 に つ い て は 、南 帆 安 地 区 、及 び 島 仲 地 区 の 本 工 事 が 円 滑 に 推 進 出 来 る よ う 、関 係 機 関 と 連 携 を 図 っ て ま い り ま す 。野 底 地 区 採 択 に つ い て も 、引 き 続 き 国 ・ 県 へ 要 望 し て ま いります。 平成25年度より実施しております、農業基盤整備促進事業は、 平 成 2 7 年 度 で 完 了 致 し ま し た 。今 後 は 、土 地 改 良 区 内 の 農 道 舗 装 事業の推進に、努めてまいります。 近 年 漁 業 従 事 者 を 取 り 巻 く 状 況 は 、高 齢 化 が 進 む と と も に 、過 疎 化 も 進 ん で い る こ と か ら 、島 内 外 か ら 次 世 代 の 担 い 手 を 積 極 的 に 育 成 す る た め 、船 舶 の 購 入 や 、資 機 材 更 新 に 補 助 を 行 い 、漁 業 経 営 の 安 定 化 を 図 る こ と を 目 的 に 、引 き 続 き 、与 那 国 町 漁 業 担 い 手 育 成 プ ラン事業を実施いたします。 ま た 、沖 縄 本 島 ま で の 水 産 物 輸 送 経 費 の 一 部 に 対 し て 、引 き 続 き 補助を実施いたします。 - 7 - 2 癒しと安心のまち ■安心して暮らせる医療・福祉の充実 公 益 財 団 法 人 地 域 医 療 振 興 協 会 が 、平 成 2 3 年 1 0 月 よ り 、与 那 国 町 診 療 所 の 指 定 管 理 者 と な り 、診 療 所 の 運 営 を 開 始 し て か ら 5 年 が 経 過 し ま し た 。指 定 管 理 開 始 か ら 3 代 目 の 医 師 が 着 任 さ れ 、住 民 が 安 心 し て 暮 ら し 、生 活 環 境 の 向 上 に 欠 か せ な い 医 療 体 制 を ご 提 供 いただいております。 今 後 も 、診 療 所 運 営 の 安 定 化 を 図 る た め 、同 協 会 に は 指 定 管 理 者 を 継 続 し て い た だ き 、少 子 高 齢 化 が 進 む 住 民 の 健 康 づ く り を 推 進 す る た め 、同 診 療 所 と 行 政 が 連 携 し 、個 々 の 事 情 に 応 じ た 健 康 支 援 を きめ細かく行う、持続可能な体制づくりに努めてまいります。 ま た 、「 福 祉 と 健 康 づ く り の つ ど い 」や 、「 戸 別 訪 問 に よ る 指 導 の 強 化 」、「 健 康 教 室 」 な ど の 事 業 を 通 じ て 、 さ ら な る 課 題 を 抽 出 し 、 具体策を検討してまいります。 県 立 八 重 山 病 院 は 、さ る 2 月 に 起 工 式 が 行 わ れ 、平 成 2 9 年 度 開 院 に 向 け て 、工 事 が 進 め ら れ て お り ま す 。引 き 続 き 、救 急 医 療 、離 島 支 援 医 療 の た め の 、地 域 医 療 拠 点 病 院 と し て 、地 域 住 民 が 、安 心 し て 生 活 の で き る 医 療 体 制 を 確 保 す る た め 、機 能 強 化 、及 び 医 療 従 事者の確保等がなされるよう、要請していきたいと思います。 妊 産 婦 が 島 外 医 療 機 関 を 受 診 す る 場 合 は 、経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 - 8 - るため、 「 少 子 高 齢 化 対 策 事 業 」を 実 施 し 、妊 娠 か ら 出 産 ま で に 必 要 な渡航費等を助成いたします。 「 こ ど も 医 療 費 助 成 制 度 」に つ い て は 、 子 ど も が 安 心 し て 適 切 な 医 療 が 受 け ら れ 、疾 病 の 早 期 発 見 と 早 期 治 療 を 目 的 に 、保 護 者 が 支 払 っ た 医 療 費 の 自 己 負 担 分 を 、自 治 体 が 助 成 す る 制 度 で 、市 町 村 が 実 施 主 体 と な り 、県 と 市 町 村 で 、自 己 負 担 分 を 2 分 の 1 ず つ 、助 成 しております。 沖 縄 県 が 通 院 医 療 費 助 成 に お い て 、平 成 2 7 年 1 0 月 よ り 、助 成 対 象 年 齢 を 、3 歳 児 か ら 就 学 前 に 拡 大 し た こ と に 伴 い 、与 那 国 町 は 独 自 に 対 象 年 齢 を 引 き 上 げ 、県 の 助 成 対 象 か ら 外 れ る 年 齢 に つ い て 、 入 院 対 象 年 齢 に 準 じ た 、通 院 対 象 年 齢 を 、中 学 卒 業 ま で 拡 充 し 、単 独助成を行っております。子育て世帯の経済的な負担軽減を図り、 「 安 心 な 環 境 で 、子 ど も の 産 み 育 て 」 が で き る よ う 、支 援 し て ま い ります。 ま た 、医 療 費 の 自 己 負 担 分 が 、原 則 無 料 と な る 受 給 方 法 に つ い て は、保護者が市町村窓口に出向いて、手続きする必要がなくなる、 「 自 動 償 還 払 い 」方 式 を 、多 く の 市 町 村 が 導 入 す る 中 、 本 町 も 平 成 27年度より、実施しております。 生 涯 に わ た り 健 康 で 豊 か な 生 活 を 実 現 す る た め に は 、子 ど も た ち の 健 全 な 育 成 を は じ め 、ラ イ フ ス テ - ジ に 応 じ て 、調 和 の と れ た 食 - 9 - 生活を営むことが、重要であります。 また、 「 食 」と は 生 き る た め の 営 み で あ る だ け で な く 、健 康 管 理 、 産 業 振 興 、文 化 継 承 、環 境 保 全 な ど 、多 方 面 へ の 広 が り を も っ て お り 、「 食 育 」 の 重 要 性 が 強 調 さ れ て い ま す 。 町 全 体 で 食 育 に 取 り 組 む た め 、「 与 那 国 町 食 育 推 進 計 画( 仮 )」策 定 に 向 け 、関 係 機 関・団 体 が 連 携 し 、検 討 し て ま い り ま す 。平 成 2 8年度は、現状課題把握のため、実態調査を実施してまいります。 超 高 齢 社 会 を 迎 え る 中 、与 那 国 町 も 高 齢 化 が 進 行 し 、介 護 を 必 要 と す る 高 齢 者 が 増 加 の 一 途 に あ り 、高 齢 者 が 住 み 慣 れ た 島 で 安 心 し て暮らせるよう、 「 第 6 期 介 護 保 険 事 業 計 画 」に 基 づ き 、適 正 な 介 護 サ-ビスの提供に、努めてまいります。 一 昨 年 7 月 に オ - プ ン し た 、与 那 国 町 社 会 福 祉 協 議 会 が 運 営 す る 、 「 ケ ア セ ン タ - が ん ど ぅ 」は 、計 画 以 上 の 利 用 率 に よ り 、関 係 者 を 安 堵 さ せ て い る と こ ろ で あ り ま す 。家 族 介 護 の 負 担 軽 減 が 、大 い に 図 ら れ て い る も の と 思 い ま す 。今 後 、通 所 介 護 、訪 問 介 護 等 の 各 種 介護サ-ビスの拡充に、努めてまいります。 ま た 、継 続 的 に 実 施 し て い る 、 「 独 居 高 齢 者 へ の 配 食 サ ー ビ ス 」を 通 し て 、高 齢 者 の 肥 満 や 、生 活 習 慣 病 を 意 識 し 、 栄 養 バ ラ ン ス の 取 れ た 、健 康 的 な 食 事 を 提 供 す る と と も に 、安 心 安 全 に 暮 ら せ る よ う 、 見守り体制の確保に、努めてまいります。 - 10 - ■島の未来を担う地域・人づくりの推進 急 速 な 少 子 高 齢 化 の 進 展 に よ り 、子 ど も た ち の 教 育 環 境 も 大 き く 変化し、学校教育は、従来のような学校を中心とする枠組みでは、 対 応 が 難 し い 時 代 に 入 っ て い ま す 。こ の よ う な 中 で 、変 化 の 激 し い 社会をよりよく生きていくために、教育の在り方が問われており、 学 校 教 育 を は じ め と し て 、地 域・社 会・家 庭 教 育 に 、対 応 が 求 め ら れております。 こ う し た 課 題 に 対 し 、子 ど も に「 生 き る 力 」を 身 に つ け さ せ る た め 、小 学 生 の 段 階 か ら 、 「 キ ャ リ ア 教 育 」の 推 進 が 求 め ら れ て お り ま す 。また 、社 会的 自 立や 、共生・協 働の 精 神を育 み 、将 来 の与那 国 町の担い手となる、人材の育成が、最重要課題となっております。 そ の た め 本 町 に お い て は 、子 ど も 達 の 夢 や 将 来 の 希 望 を 培 う た め 、 米 国 へ の「 ジ ュ ニ ア 海 外 語 学 研 修 」や 、 「台湾花蓮懸小学校へのホ- ムステイ」事業を、継続して取り組んでいるところであります。 ま た 、学 習 環 境 、教 育 内 容 の 充 実 に 関 し て 、離 島 の 不 便 性 を 補 う た め 、す べ て の 子 ど も に 学 び を 保 障 し 、テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 活 用 し た 、無 料 町 営 塾 を 開 講 し て お り ま す 。現 役 東 大 生 を 講 師 に 、双 方 向 ラ イ ブ の 授 業 を 提 供 し 、単 に 知 識 の み で な く 、勉 強 の 方 法 や 、学 ぶ 姿 勢 を 身 に つ け さ せ る 場 を 提 供 し 、都 市 部 と 同 じ 授 業 を 受 け る 事 が可能な、教育環境の整備に努めてまいります。 - 11 - さらに、 「 特 別 支 援 教 育 支 援 員 」の 配 置 に よ る 、学 習 困 難 を 抱 え る 子 ど も 達 の 、 学 校 生 活 支 援 体 制 の 拡 充 、「 ス ク - ル カ ウ ン セ ラ - 派 遣」による、教師・保護者・幼児、児童生徒への、支援・指導、及 び教育相談体制の充実を、図ってまいります。 加 え て 、今 後 ま す ま す 進 展 す る 情 報 化 社 会 に 対 応 す る た め 、特 に 英 語 を 通 し た コ ミ ュ ニ ケ - シ ョ ン 能 力 の 向 上 を 、図 っ て ま い り ま す 。 そ の た め 、今 年 度 も 外 国 語 指 導 助 手( ALT)を 小 中 学 校 に 配 置 し 、英 語 に 親 し む 環 境 を 整 備 す る と 共 に 、学 校 図 書 推 進 員 を 配 置 す る な ど 、 学校図書館の充実に向けた、取組を推進してまいります。 一 方 、教 育 環 境 の 整 備 に つ い て は 、学 校 給 食 の 完 全 無 料 化 、教 育 諸 活 動 に 係 る 、島 内 外 へ の 派 遣 支 援 事 業 を は じ め 、 「離島高校生修学 支援事業」を、今年度も継続してまいります。 さ ら に 、自 然 災 害 に よ る「 学 校 施 設 修 繕 計 画 」に 基 づ き 、校 舎 や 体 育 館 の 再 整 備 等 を 進 め 、教 育 環 境 の 向 上 と 、中 長 期 的 な 歳 出 抑 制 の両立に向けて、取り組んでまいります。 今 後 も 、幅 広 い 視 点 で 教 育 委 員 会 と の 連 携 を 深 め 、方 向 性 を 共 有 し、総合的に推進してまいりたいと考えております。 3 人材を育て・つなぐ交流のまち ■広域連携による交流・観光の推進 - 12 - 与那国島の歴史・文化を継承し、観光交流促進の拠点となる、 「与那国島歴 史文化交流資料館」は、今年6月に開館を予定しております。当館の運営管 理は、一般社団法人与那国フォ-ラムを設立し、指定管理者として委ねる方 向で、調整を進めております。当館は、従来の公共施設とは異なり、町民の担 い手が参加し、運営を行う「唄ラボ」、 「食ラボ」、 「風ラボ」などを配置し、開 かれた多様な運営プログラムを展開するため、各ラボの人材育成を進めてき ました。このような設備の整備効果を最大限発揮するため、当館とどぅなん の様々な自然・観光資源とを結んで、与那国町全体の観光交流を、図ってま いります。 「 八 重 山 を 走 ろ う 」を キ ャ ッ チ コ ピ - に 、八 重 山 広 域 市 町 村 圏 事 務 組 合 が 実 施 し て い る 、八 重 山 三 市 町 マ ラ ソ ン 大 会 完 走 者 表 彰 事 業 は、5年が経過いたしました。その効果もあって、平成27年度、 「日本最西端与那国島一周マラソン」の参加者は702人となり、 毎年増加しております。 平 成 2 8 年 度 も 引 き 続 き 、与 那 国 島 一 周 マ ラ ソ ン 、石 垣 島 マ ラ ソ ン 、竹 富 町 や ま ね こ マ ラ ソ ン 大 会 を 、八 重 山 三 市 町 が 連 携 し 、推 進 してまいります。 ■情報通信技術を活用した島内外交流ネットワ-クの確立 沖 縄 県 は 、 離 島 地 区 情 報 通 信 基 盤 整 備 推 進 事 業 、すなわち離島地区 - 13 - において、本島都市部との情報格差を是正し、高度な情報通信技術の利活用 環境の形成を図るため、沖縄本島と、各離島を結ぶ高速大容量の中継伝送路、 (海底光ファイバーケーブル)を整備し、安定的かつ高度な情報通信基盤を 構築する目的で、平成28年度までに、沖縄本島南部周辺離島や、八重山地 区離島の3離島を対象に、海底ケーブルを整備することとしております。 また、沖縄県は、平成28年度において、与那国町と国頭村を先駆けに、 「超高速ブロ-ドバンド環境整備促進事業」によって、島内のアクセス回線 整備に取り組むこととなりました。このことについては、再三にわたり、国・ 県に要請してまいりましたが、事業化実現にご配慮頂きました、関係者の皆 様に厚く御礼申し上げます。平成28年度末には、超高速ブロ-ドバンド環 境が整い、インタ-ネットをはじめ、IP電話や高品質な映像伝送、クラウ ドサ-ビス等、多様かつ低廉な通信サ-ビスが受けられるようになり、特産 品の販路拡大や、観光情報の発信、遠隔医療、遠隔教育等、離島地域の条件不 利性に起因する、様々な問題が克服されるものと、期待しております。 ■UIタ-ン施策の拡充 農 畜 産 業 や 漁 業 、製 造 業 な ど の 事 業 者 や 、農・漁 業 協 同 組 合 、商 工 会 な ど が 連 携 を 図 り 、雇 用 創 出 事 業 等 を 活 用 し 、人 口 増 加 を 、目 的とした総合的な取り組み、UIタ-ン施策を実施いたします。 本町の公営住宅は、老朽化が顕著なため、公営住宅建替事業を、 - 14 - 平 成 2 4 年 度 か ら 実 施 し 、平 成 3 6 年 度 ま で に 、1 2 8 戸 の 建 替 え を 計 画 し て お り ま す 。今 後 、快 適 で 安 全 性 を 確 保 し た 住 宅 を 整 備 し 、 事業執行が円滑に進むよう、努めてまいります。 な お 、県 営 の 住 宅 整 備 が 図 ら れ る よ う 、沖 縄 県 へ 継 続 的 に 要 望 し てまいります。 老 朽 化 が 著 し い 、与 那 国 町 伝 統 工 芸 館 の 建 て 替 え に つ い て は 、一 括 交 付 金 を 用 い て 整 備 す る た め の 、調 整 を 行 っ て い る と こ ろ で す が 、 建 設 場 所 に 目 処 が つ き 次 第 、本 計 画 を 積 極 的 に 推 進 し て ま い り ま す 。 ■島外との交流を支える基盤の充実 老 朽 化 し た 与 那 国 空 港 の 旅 客 タ ー ミ ナ ル の 整 備 に つ い て は 、利 用 者 の 安 心 ・ 安 全 を 確 保 し 、 機 能 の 拡 充 を 行 い 、利 便 性 の 向 上 を 図 る 必 要 が あ り ま す 。 飛 行 場 灯 火 施 設 は 、航 空 機 の 着 陸 ・ 離 陸 を 援 助 す る た め の 施 設 で あ り ま す が 、そ の 灯 火 ・ 電 力 監 視 制 御 設 備 は 、整 備 後 1 7 年 が 経 過 し て お り 、機 器 の 対 応 年 数 を 超 え る 状 況 下 に あ り ま す 。よ っ て 、旅 客 タ - ミ ナ ル の 再 整 備 、及 び 飛 行 場 灯 火 施 設 の 全 面 的 な 改 修 を 、事 業 主 体 で あ る 沖 縄 県 へ 、引 き 続 き 要 望 し て ま い り ま す。 祖 納 港 は 湾 内 の 静 穏 度 を 高 め 、通 年 利 用 を 実 現 す る た め 、沖 合 防 波堤の整備などを継続して、関係機関に要望しております。 - 15 - 沖 縄 県 は 、平 成 2 6 年 度 か ら 祖 納 港 の 利 用 促 進 を 図 る た め 、港 内 の 静 穏 度 を 高 め る た め の 、波 状 堤 設 置 工 事 に 着 手 し 、平 成 2 7 年 度 は、40mの波状堤の整備を行っております。 ま た 、祖 納 港 は 水 深 が 浅 く 、利 用 す る 船 舶 の 航 行 に か か る 、船 底 の 接 触 事 故 が 危 ぐ さ れ ま す 。そ の た め 、港 湾 の 実 情 を 丁 寧 に 説 明 す る な ど 、一 連 の 改 善 が 着 実 に で き る よ う 、関 係 機 関 に 要 望 し て ま い ります。 4 循環と共生のまち ■「健やかな自然・人・生活を育む島」に相応しい環境保全 田 原 川 は 、こ れ ま で 数 回 に わ た り 氾 濫 し 、民 家 等 の 浸 水 被 害 が 発 生 し て い ま す 。平 成 2 1 年 度 に 、2 級 河 川 へ の 指 定 を 前 提 に 、田 原 川 概 略 調 査 が 実 施 さ れ 、河 川 改 修 事 業 計 画 の 概 略 検 討 が 行 わ れ た 結 果 、平 成 2 3 年 3 月 に 、2 級 河 川 の 指 定 を 受 け ま し た 。沖 縄 県 は 平 成 2 8 年 度 に お い て 、田 原 川 河 川 基 本 整 備 方 針 を 策 定 し 、平 成 3 0 年 度 の 事 業 採 択 に 向 け て 、与 那 国 町 と 調 整 を 進 め て い る と こ ろ で あ り ま す 。し か し な が ら 、諸 状 況 か ら し て 整 備 計 画 の 前 倒 し を 強 く 要 求し、町民が安心して暮らせる河川改修を、要望してまいります。 与 那 国 町 が 景 観 法 に 基 づ く 景 観 行 政 と し て 、町 固 有 の 風 景 も 保 全 し つ つ 、地 域 の 活 性 化 を 図 る た め 、地 域 住 民 、及 び 島 外 の 町 出 身 者 - 16 - な ど と 協 力 し 、町 の 古 民 家 、及 び 空 家 の 有 効 活 用 を 進 め る 、 「古民家 及び空き家再生事業」を展開してまいります。 今 後 は 、景 観 計 画 や 景 観 条 例 に 基 づ き 、与 那 国 ら し い 景 観 づ く り に向けて、取り組みを進めてまいります。 ■人と環境にやさしい生活基盤の維持・充実 県 道 2 1 7 号 線 に つ い て は 、祖 納 港 と 町 役 場 を 結 ぶ 重 要 な 通 学 路 と し て も 、早 急 な 整 備 を 行 う よ う 県 に 要 望 し て い た と こ ろ 、平 成 2 7年度に事業採択がなされました。 今 後 、地 権 者 や 県 と の 連 携 を 密 に し 、事 業 執 行 が 円 滑 に 進 む よ う 、 努めてまいります。 町 道 整 備 に つ い て は 、平 成 2 5 年 度 よ り 実 施 し て い る 、西 崎 線 道 路 改 良 事 業 が 、完 了 い た し ま し た 。今 後 は 、久 部 良 バ リ 線 、北 浦 野 2 号 線 の 道 路 改 良 事 業 を 推 進 し 、地 域 住 民 や 観 光 客 等 、利 用 車 両 に お け る 交 通 の 安 全 、利 便 性 が 確 保 で き る よ う 、道 路 整 備 に 努 め て ま いります。 上 水 道 に つ い て は 、水 質 が 硬 水 (カ ル シ ウ ム 塩 を 多 く 含 む 天 然 水 ) であるため、 「 洗 濯 に 不 適 」、 「 機 器 類 の 配 管 詰 ま り 」等 、町 民 の 皆 様 より、水質改善の要望を、数多くいただいております。 こ う し た ニ - ズ に 対 応 す る 為 、水 質 の 硬 度 軽 減 化 を 図 る 検 討 を 行 - 17 - い 、平 成 2 9 年 度 事 業 化 に 向 け て 、関 係 機 関 と 調 整 を 行 っ て ま い り ます。 一 般 廃 棄 物 に つ き ま し て は 、現 在 、最 終 処 分 場 に 直 接 埋 め 立 て ら れ て い る こ と か ら 、予 定 よ り も 早 い 時 期 で の 、埋 立 て 容 量 の ひ っ 迫 が 懸 念 さ れ ま す 。最 終 処 分 場 の 延 命 化 を 図 る た め 、平 成 2 6 年 度 よ り実施している、焼却施設整備事業を、引き続き実施いたします。 5 海を守り、支えるまち ■安全・安心に暮らせる島づくりの推進 沖 縄 県 内 3 6 市 町 村 の 1 1 9 番 通 報 を 一 括 し て 受 け 、管 轄 の 各 消 防 署 や 、市 町 村 に 指 令 を 出 す 、 「 沖 縄 県 消 防 指 令 セ ン タ - 」が 、嘉 手 納 町 の ニ ラ イ 消 防 本 部 に 設 置 さ れ 、同 セ ン タ - へ の 1 1 9 番 回 線 切 替 え 作 業 が 、昨 年 1 0 月 1 4 日 よ り 、嘉 手 納 町 な ど を 皮 切 り に 開 始 さ れ ま し た 。非 常 備 消 防 で あ る 本 町 に お い て も 、1 1 月 6 日 に 運 用 が 開 始 さ れ 、専 門 知 識 を 有 す る ス タ ッ フ が 常 駐 す る セ ン タ - に よ っ て 、救 急 対 応 な ど の 指 導 が 可 能 に な り ま し た 。2 月 2 6 日 の 石 垣 市 を 最 後 に 、加 入 団 体 す べ て の 運 用 が 始 ま っ て お り ま す 。同 セ ン タ - の 運 用 は 、情 報 を 一 元 化 す る こ と で 、大 災 害 時 の 周 辺 本 部 へ の 応 援 連 絡 が 、ス ム - ズ に な る こ と や 、離 島 の 医 療 格 差 が 縮 ま る な ど の 効 果が、期待されております。 - 18 - 現 在 運 用 中 の 町 防 災 行 政 無 線 シ ス テ ム は 、導 入 後 3 0 年 以 上 が 経 過 し て お り 、装 置 の 老 朽 化 に 伴 う 故 障 頻 度 の 増 加 に よ り 、維 持 管 理 費 が 増 大 し 、町 民 や 観 光 客 に 対 す る 平 時 の 広 報 、及 び 災 害 時 の 情 報 伝 達 へ の 信 頼 も 、低 下 し つ つ あ り ま す 。信 頼 の 回 復 と 、災 害 時 の 不 安 解 消 、及 び デ ジ タ ル 化 に よ る 機 能 拡 充 に よ っ て 情 報 伝 達 の 充 実 化 を 図 る た め 、平 成 2 8 年 度 か ら 3 カ 年 を か け て 、防 災 行 政 無 線 シ ス テムの整備を、行ってまいります。 島 内 の 死 亡 事 案 発 生 時 に 、遺 体 を 即 座 に ご 遺 族 に 引 き 渡 せ な い 場 合や、天候不良等により遺体を数日間保存する必要が生じた際の、 保 存 管 理 体 制 に 課 題 が あ り 、遺 体 安 置 施 設 整 備 の ご 要 望 を い た だ い て お り ま す 。ご 遺 族 へ の 配 慮 や 、適 切 な 検 死 を 行 え る 状 態 を 保 つ た め、遺体安置用冷蔵庫と、保管施設を設置いたします。 平 成 2 7 年 度 お い て 予 算 措 置 い た し ま し た 消 防 車 両 は 、今 年 6 月 末には配備される予定であります。 6 伝統文化に支えられた自治と自立のまち ■与那国の伝統文化の継承 町 固 有 の「 与 那 国 語( 国 内 で は 与 那 国 方 言 と よ ば れ て い ま す )」は 、 国 連 教 育 科 学 文 化 機 関( UNESCO)で は 独 立 の 言 語 と さ れ 、 2 0 0 9 年には、 「 重 大 な 危 険 」に 分 類 さ れ 、消 滅 の 危 機 に さ ら さ れ て い る 言 - 19 - 語 と し て 、指 定 さ れ ま し た 。消 滅 の 危 機 に あ る 与 那 国 語 の 伝 承 、島 固 有 の 祭 事 ・ 生 活 に 基 づ く 伝 統 文 化 の 継 承 、地 域 組 織 の 活 性 化 の 促 進 、青 少 年 の 育 成 や 、生 涯 学 習 環 境 の 充 実 、多 世 代 の 交 流 と 、地 域 の 活 性 化 を 図 り 、ま た 、与 那 国 の 魅 力 を 発 信 す る ス ペ シ ャ リ ス ト を 育 成 ・ 活 用 す る た め 、昨 年 度 に 引 き 続 き 、与 那 国 方 言 保 存 継 承 支 援 事業を実施いたします。 ■住民自治の推進と地域コミュニティの活性化 祖納集落の東地区に建設中の、 ( 仮 称 )ど ぅ ら い ど ぅ く る 施 設 は 、 地 域 の 住 民 が 気 軽 に 訪 れ 、住 民 同 士 の 交 流 を 図 る と と も に 、簡 易 宿 泊所の機能を有し、交流の場としても活用できる施設であります。 完 成 後 は 、東 自 治 公 民 館 に 指 定 管 理 を 担 っ て 頂 き 、伝 統 文 化 の 発 展 継 承 の 場 と し て 、地 域 に 愛 着 が も て る 施 設 に な る こ と を 、望 む と ころであります。 昨 年 の 台 風 で 被 災 し た 、十 山 御 嶽 の 拝 殿 に つ い て は 、公 民 館 連 絡 協議会と連携し、建て替えを推進してまいります。 ■行財政改革推進 地 方 公 務 員 法 の 改 正 に よ り 、平 成 2 8 年 度 か ら 、人 事 評 価 制 度 が 実 施 さ れ ま す 。昨 年 度 は 同 制 度 の 導 入 に 向 け 、職 員 研 修 を 実 施 し て - 20 - ま い り ま し た 。職 員 の や る 気 を 引 き 出 し 、組 織 の 活 性 化 を 図 る こ と を 目 的 に 、人 事 評 価 制 度 を 実 施 し 、人 材 育 成 、及 び 行 政 サ - ビ ス の 向上に、取組んでまいります。 税 負 担 の 公 平 性 を 図 る た め 、平 成 2 7 年 度 は 、沖 縄 県 税 務 職 員 に 対 す る 、町 税 務 職 員 へ の 併 任 辞 令 を 発 令 し 、徴 税 職 員 の 、徴 収 技 術 向 上 に 資 す る こ と を 目 的 と し て 、専 門 知 識 を 有 す る 県 税 職 員 の 指 導 を受け、滞納者の滞納処分を、実施いたしました。 平 成 2 8 年 度 は 、沖 縄 県 、石 垣 市 、竹 富 町 、及 び 与 那 国 町 税 務 職 員 の 相 互 併 任 手 続 き を 行 い 、捜 索 の 経 験 が 豊 富 な 、他 市 町 職 員 と 共 に 捜 索 を 行 う こ と で 、本 町 の 捜 索 ノ ウ ハ ウ の 向 上 を 図 っ て ま い り ま す。自治体が異なっても、共同で滞納処分を実施することにより、 圏域内の納税意識が向上することを、期待しております。 ■公共施設の統合・整備 現庁舎は、海岸から約400メートルしか離れておらず、標高も 6 メート ルと低く、沖縄県が公表した津波浸水予測においても、津波の被害を受ける 可能性がある地点に、立地していることなどに鑑み、平 成 2 6 年 度 で 、 庁 舎 建 設 基 本 方 針 検 討 部 会 を 立 ち 上 げ 、現 庁 舎 の 現 状 把 握 と 問 題 点 の 整 理 、新 庁 舎 の 必 要 性 の 確 認 と 概 略 の 機 能・規 模・施 設 内 容・概 算 事 業 費 の 検 討 、新 庁 舎 の 建 設 位 置 の 妥 当 性 等 、庁 舎 建 設 の 基 本 策 定 - 21 - に向け、情報の整理を行いました。 平 成 2 7 年 度 は 、町 内 の 代 表 者 、有 識 者 等 の 委 員 か ら な る 、庁 舎 建 設 検 討 委 員 会 が 発 足 し 、新 庁 舎 の 必 要 性 に つ い て の 合 意 形 成 、及 び 、建 設 候 補 地 の 選 定 を 踏 ま え 、建 設 の 実 現 に 向 け て 、規 模・機 能・ 施 設 内 容 ・ 予 算 な ど 、本 町 が 目 指 す 庁 舎 像 を 明 ら か に し 、新 庁 舎 建 設の指針となる基本的な考え方を示し、 「 建 替 え 」と「 移 転 」等 を 比 較 検 討 し た 結 果 、「 庁 舎 建 設 位 置 は 、与 那 国 中 学 校 東 側 と す る 」、と い う 内 容 等 の 答 申 を 受 け ま し た 。内 容 を 精 査 し た 結 果 、答 申 内 容 に 添って、計画を進めたいと思っております。本年度は、基本設計・ 実 施 設 計 を 行 い 、平 成 2 9 年 度 に 工 事 着 工 で き る よ う 、推 進 し て ま いります。 むすびに 平成28年度の町政運営にあたり、私の基本姿勢と、所信の一端を申し述 べてまいりましたが、これらの諸施策を執行するにあたりましては、職員と ともに、全力で取り組んでまいります。町民の「安心・安全」を重要課題と位 置づけ、常に、 「責任ある使命感」をもって、町政運営に邁進する所存であり ます。 平成28年度当初予算編成にあたっては、一括交付金をはじめ、国県補助金 の確保に努めるとともに、限られた財源を計画的、且つ、効率的に配分するこ - 22 - とを基本に、予算編成を行いました。 その結果、平成28年度予算については、 一 般 会 計 予 算 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2,700,000,000 円 国 民 健 康 保 険 事 業 特 別 会 計 予 算 ・・・・・・・・ 301,562,000 円 簡 易 水 道 事 業 特 別 会 計 予 算 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 77,105,000 円 介 護 保 険 事 業 特 別 会 計 予 算 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 161,163,000 円 農 業 集 落 排 水 事 業 特 別 会 計 予 算 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 41,375,000 円 漁業集落環境整備事業特別会計予算・・・・・・・・・・・9,107,000 円 後 期 高 齢 者 医 療 特 別 会 計 予 算 ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8,040,000 円 予 算 総 額・・・・・・・・・・・・・3,298,352,000 円 と編成し、予算案を提案する次第であります。 具体的な内容については、予算審議の際、ご説明申し上げます。 町民の皆様、町議会議員並びに関係者各位の、一層のご理解、ご協力を賜り、 課題山積の難局を、町民の皆様と共に、乗り越えることができるものと確信 しております。 伏してお願い申し上げ、私の施政方針といたします。 平成28年3月10日 与那国町長 - 23 - 外 間 守 吉
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