FTA - 日本アセアンセンター

タイ駐在員としての心得
<知っておくべき経営上の留意点>
矢島洋一
前ジェトロバンコク シニアアドバイザー
(現ネットロック株式会社 顧問)
2015年6月10日
タイの歴史
8世紀~
現在の中国雲南省より渡来
13~14世紀 スコータイ朝が成立(最初の王朝)
14~18世紀 アユタヤ朝
1782年
チャクリ王朝の誕生(現在の王朝)
1932年
立憲革命(クーデターによる政権 交代、
憲法改正の多頻度化)
1945年
第二次世界大戦の終結(タイは戦勝国)
1967年
ASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟
1974年
田中首相訪タイ時に反日運動
(日本製品の排斥運動激化)
2
タイの歴史
1976年
クーデター
1992年
軍と民主化勢力が衝突
(この年以降、民主的な政権となる)
1997年7月 通貨危機発生
(バーツが変動相場制に移行)
2001年1月 タクシン政権発足
2006年9月 タクシン政権崩壊(クーデタ-)
2008年2月 サマック内閣が発足
3
タイの歴史
2008年9月 サマック政権崩壊
2008年9月 ソムチャイ内閣が発足
2008年12月 ソムチャイ政権崩壊
2008年12月 アピシット政権が発足
2011年8月 インラック政権が発足
2014年5月
憲法裁判所による違憲判決で
インラック首相失職
2014年5月
クーデター(5月20日に戒厳令発令、
22日にクーデター)
暫定政権発足、現在に至る
2014年9月
4
タイの一般情報①
タイの一般情報
6,598万人(人口センサス: 2010年9月時点)アセアンの中
人口
でインドネシア、フィリピン、ベトナムに次いで4番目
首都
*6,446万人(タイ内務省: 2012年12月末、登録者ベース)
バンコク(同上、830万人、構成比12.6%)
*同上(同上、567万人、構成比8.8%)
民族
言語
大多数がタイ族、その他華人、マレー系、山岳少数民族等
タイ語
宗教
政体
仏教: 95%、イスラム: 4%、その他
立憲君主制
元首
立プミポン・アドゥンヤデート国王(ラマ9世王)
議会
下院: 500名(選挙区 375名/比例区 125名)
上院: 76名(公選 76名/任命 125名)
通貨
バーツ(2014年10月17月 US$1=32.4バーツ/1バーツ=3.3円
出所: 日本国外務省、タイ内務省、タイ中央銀行
インド
ミャンマー
ラオス
フィリピン
タイ
ベトナム
カンボジア
ブルネイ
マレーシア
シンガポール
インドネシア
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5
タイの一般情報②
【歴史】
国名「タイ王国」は、それまでの「シャム(サイアム Siam)」に代わり
1949年に制定された。「タイ」とは「自由」を意味する。
▼スコータイ王朝(1238-1438年)
・タイ族が長い年月をかけ中国東南部より南下。
・ラームカムヘーン王の頃に国力増強(ラオスからシンガポール
近辺まで領土拡大、タイ文字の制定、上座部仏教を国教に)。
▼アユタヤ王朝(1351-1767年)
・16世紀中頃からビルマ(ミャンマー)と戦い一時は属領に。
・日本と朱印船貿易で修好が始まる。
・ビルマによって滅亡。
▼トンブリー王朝(1767-1782年)
・将軍タークシンが挙兵、ビルマ軍を追放。
・クーデターで滅亡。
▼チャクリー王朝(1782-現在)
・チュラロンコーン大王(ラーマ5世)は中央集権化と近代化を実
施。軍制改革、奴隷制度廃止など近代国家としての基礎を作り、
絶対君主制を確立。
・1932年、欧州留学で民主思想を学んだ一部軍人によるクーデ
ター、絶対君主制から立憲君主制へと移行。
・現プミポン国王は貧困、福祉、災害復旧など様々な面での貢献
により国民から絶大な尊敬を集めている。
タイの国旗
1917年にラーマ6世によって制定された。
中央の青は国王(王室)を、その上下の白
は宗教(仏教)の潔白を、外側の赤は国王
(王室)と宗教(仏教)を守るタイ国民の団
結心を表している。
【タイ経済の構造】
①国土面積は51.4万㎢(日本の約1.4倍)
-ASEAN域内ではインドネシア、マレーシアに次ぎ第3位
②名目GDP:3,457億ドル(’11年)、3,660億ドル(’12年)
-日本の約6.1%
-ASEAN域内ではインドネシアに次ぎ第2位
-世界では第33位 (インドネシア16位、マレーシア35位)
③1人当たりGDP:5,115ドル(’11年)、5,390ドル(12年)
-日本の約11.8%
-ASEAN域内ではシンガポール、ブルネイ、マレーシアに次ぎ
第4位
-世界では96位(シンガポール9位、ブルネイ20位、マレーシア
65位)
-2013年は5,878 ドルに達する
④GDP構成比:製造業約34%、商業約13%、農業約13%
(農業就業人口は約4割)
自動車関連と電気・電子が工業の2本柱
⑤高い外需依存(GDPに占める輸出額割合は約70%)とFTAの
効果的な利用
【タイ社会の構造】
○大多数の仏教徒(小乗(上座)仏教)、僧侶・仏像は畏敬の対象
○敬愛を集める現国王、王室への不敬は厳禁
○華僑/華人の影響が濃い社会
○親日的(70年代には一時日本製品排斥も)
○マイペンライでサバーイ(深慮しなく陽気)な国柄・人柄
○南部にイスラム過激派、頻繁なテロ活動
6
タイの一般情報③
【教育】
○教育制度
日本と同様、6-3-3-4制を導入。初等教育及び前
期中等教育が義務教育である。近年、中等教育、高等教育の在
学率が上昇しており、特に高等教育の在学率が高いことが特徴
タイにおける在学率の推移
(%)
区分
2002年
2013年
就学前教育(幼稚園)
69.9
76.0
初等教育(初等学校)
104.8
102.7
前期中等教育(中学校)
82.2
96.8
後期中等教育(高等学校)
59.8
75.0
高等教育(大学等)
43.8
46.5
(注)在学率は、各教育段階における在学者数を
該当年齢人口で除したもの。
(出所)タイ国経済概況(2014/2015年版)より
○高等教育
大学としては、一般的な大学のほかに、地域総
合大学(地域の人材育成ニーズにこたえるために設立)、工科専
門大学(高度な技術の修得・研究を行うことを目的)などがある。
・一般的な大学 101校(国立30校(公開大学2校含む)、私立71校)
【例】チュラロンコン大学、タマサート大学、マヒド
ン大学など
・地域総合大学 40校 ・工業専門大学 9校 (注)学校数は2013年
【医療/メディカルツーリズム】
○主な病院:バムルンラード、サミティヴェート、バンコク、BNH、プ
ララーム9など。日本語可のタイ人医師、日本語通訳や日本人ス
タッフ(受付やコーディネーター)。総じて医療サービスや医療設備
の水準は高いとされる。
○中東、アフリカ、アメリカなどからの集客を狙い、メディカルツーリ
ズムに注力。高度な医療・検査体制と魅力的な観光地が武器。
2008年には約140万人の外国人が利用、700億B(約1,900億円)の
収入。うち200億Bが病院診療報酬、500億Bが観光収入で観光収
入全体の約10%に相当(出所:ネーション紙)。
【タイ滞在と労働】
○滞在許可(ノンイミグラントビザ)とワークパーミット(WP)
-WP(原則資本金200万Bで1人、10名限度、BOIなど例外あり)
○日系社会のサポート体制
-バンコク日本人商工会議所(JCCB、約1,370社加盟)
-タイ国日本人会(約7,600人、タイ国在留邦人は約5.9万人)
-県人会や大学同窓会
-多くの日本語フリーペーパー(経済、飲食などの情報満載)
○住宅事情
-駐在員はスクンビット、プルンチット/チットロム、シーロム/サトー
ンなどに居住。特にBTSプロンポン、トンロー周辺が多い。
-メイドを雇うかサービスアパートに滞在するパターンが多い。
-最近はシラチャ地区へ転居する例も(日本人学校も新設)。
【日本食材の調達/日本食飲食店の進出】
○伊勢丹、フジスーパー、エンポリアム、サイアムパラゴン、セント
ラル、イオン、トップスマーケット、ヴィラマーケットなどで日本の食
材調達が容易かつ比較的安価に可能。
○日本食飲食店の進出が続く。(例)大戸屋、モスバ-ガー、ペッ
パーランチ、池袋ばんから、Coco壱番屋、新宿さぼてん、ビアード
パパ、丸亀製麺など。
○タイ資本のタイ人向け日本食店も大賑わい(やよい軒、ZEN、
FUJI、Oishi)~日本食ブームの火付け役
7
タイ王国の社会構造
社会構造の基底
・華僑/華人の経済支配
政治、経済構造
・母系家族的で女性が戦力
(タイ人 75%/中華系 14%/その他 11%)
- タイ人との同化 <落地生根>
(インドネシア、マレーシアとは異なる)
- 女性の方が働き者である
・軍人もビジネスの才あり
- 軍政内閣時に外資導入策を策定
- 商業資本の工業資本化の進展
・国王の存在
・政治 (外交)と経済が一体化
- 君臨すれど統治せず
- 立憲君主制
- 上に政策あれば下に対策と
3縁あり(地縁、血縁、業縁)
・宗教(仏教)
- 国教ではないが国民の精神的
バックボ-ン(ミャンマーは仏教が国教)
8
タイの経済規模(主要経済指標)
・国内総生産(2013年名目GDP)
: US$3,873億
(2012年 一人当たりGDP : US$ 5,670)<’14年GDP数字は未発表>
・国家予算(2014年10月~2015年9月) : 2.525兆バーツ
・外貨準備高(2014年12月末)
: US$1,571億
・経済成長率(2014年)
: 0.7%
・対外債務残高(2014年12月末現在 ): US$1,491億
出所: 各種統計資料より
9
タイ経済、ワンポイント情報
・経済成長の軌跡
1961年から1985年まで: 平均成長率 7.1 %
1986年から1996年まで : - 同 - 9.2 %
以後、2012年まで年平均4.5%を維持
・工業化への道
1960年代に導入された投資奨励法により、
外資参入が始まる。
・日本企業の進出の加速化
1985年のプラザ合意による円高が日本企業
を急襲、タイへの進出ラッシュが加速
10
タイの主要な経済指標
実質GDP成長率(%)
名目GDP(10億)
1人当たりGDP(名目)
消費者物価指数伸び率(%)
外貨準備高(百万US$)
ドル/バーツ平均為替レート
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
7.8
0.1
5.9
2.9
0.7
US$319
US$346
US$370
US$387
未公表
US$4,992 US$5,394 US$5,471 US$5,674 未公表
3.27
3.81
3.02
2.18
1.9
167,530
167,389
171,106
159,022
149,064
30.2
31.7
30.6
30.7
32.5
出所: タイ中央銀行
11
タイ経済、ワンポイント情報
・バランスの取れた産業構造
自動車/電気・電子/化学/食品加工など
主要産業がクラスターを形成
・高産業集積度と広範でかつ深い裾野産業
完成度の高いサプライチェーン
・充実したインフラ
交通/生活/産業の各インフラの高い充実度
・自然災害に留意(特に洪水)
12
アセアン諸国(除くブルネイ)のインフラの整備状況の評価
港湾設備
空港
鉄道
道路
カンボジア
貧
可
貧
貧
インドネシア
貧
可
良
可
ラオス
-
貧
-
可
マレーシア
良
良
良
良
フィリピン
可
可
貧
可
シンガポール
良
良
良
良
タイ
良
良
良
良
ベトナム
可
可
可
可
ミャンマー
貧
貧
貧
可
2012年現在
評価の味方 : 良>可>貧
出所: Business-In-Asia.com
13
タイ経済、ワンポイント情報
・消費市場としてのタイ(中間層の台頭)
① 相次ぐ日本食レストランの開業
2014年6月には2,126店舗に
(2014年2月現在は約1,900店舗)
② 続々と開業する商業施設
セントラル百貨店の増設/第2エンポリアム
百貨店(エムクオーティエ)
(第3エンポリアムも計画?)
③ 年間の海外からの旅行者は2,600万人超
14
タイ社会、ワンポイント情報
・王室と仏教への尊敬
・食事のとき、器を持ち上げたり、音を立てて
食べたり/飲んだりすることは礼を失する
(宗教上の理由で牛肉を食べない人が多い)
・企業への帰属意識は低い(転職が多い)
・あせらない/あわてない/あきらめない(3つのあ)
・メンツを大事にする
・プライドが高い(植民地になったことがない)
15
タイ経済、ワンポイント情報
タイの課題
・インドネシアの猛追をうける自動車産業
タイは輸出力で凌駕するも国内販売は低迷。
一方インドネシアは国内販売は旺盛。
将来は生産台数は逆転か?
・ASEAN内で少子高齢化でトップグループに
若年層の人口減少による労働力確保は困難に。
潜在成長率は低下の懸念
・タクシン派/反タクシン派の対立の図式
軍部主導の政治改革はどこまで進むのか
116
タイ経済、ワンポイント情報
・財政状態の悪化傾向
タクシン政権、インラック政権、それに
続く軍事政権と政治体制が変化しても
相変わらずのポピュリズムを取る政策は
健在。数年前までの公的債務はGDP比約40%
強であったのが直近で60%程度にまで上昇。
対外収支が悪化する中で財政状態の悪化が
懸念。
17
タイ経済、ワンポイント情報
・労働者の不足が顕在化(極端に低い失業率)
建設/縫製/食品加工/皮革関連業種が深刻
・少子高齢化
2017年頃から人口オーナスが始まる
・タイプラスワン
労働賃金の上昇により、労働集約型産業
の周辺国(カンボジア/ラオス/ミャンマー等)
への工場全部または一部移設の動き
18
中長期的視点での投資有望国
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
国名
得票率
国名
得票率
国名
得票率
国名
得票率
国名
得票率
中国
77%
中国
73%
中国
72%
インドネシア
45%
印度
46%
印度
58%
印度
59%
印度
56%
印度
44%
インドネシア
46%
ベトナム
32%
タイ
33%
インドネシア
42%
タイ
39%
中国
44%
タイ
26%
ベトナム
31%
タイ
32%
中国
38%
タイ
35%
ブラジル
25%
ブラジル
29%
ベトナム
31%
ベトナム
30%
ベトナム
31%
インドネシア
21%
インドネシア
29%
ブラジル
29%
ブラジル
23%
メキシコ
20%
ロシア
15%
ロシア
12%
メキシコ
6%
メキシコ
17%
ブラジル
17%
米国
11%
米国
10%
ロシア
12%
ミャンマー
13%
米国
13%
韓国
6%
マレーシア
8%
米国
10%
ロシア
12%
ロシア
12%
マレーシア
6%
台湾
7%
ミャンマー
1%
米国
11%
ミャンマー
11%
出所: JBIC
China plus One
ASEANの拠点として
19
日本企業の海外展開(JBIC調査アンケ-ト結果より)
海外事業の展開について
海外事業は、依然として取組姿勢は積極的。特に、日本の市場縮小化を
懸念し、生き残りを図るために進出するという理由が2010年以降目立って
きた。(成長投資よりも生き残りのための投資が増加)
日本企業が考える進出有望国
海外進出の有望国は、中国が依然1位を保っている。
また、ベトナム、インド、ロシア、ブラジルをはじめとする他の新興国
を有望視する企業が増加するなど、日本企業が関心を持つ国・地域の
分散化が見られる。
国際競争力の維持・強化
国際競争力の維持・強化の取り組みは、新製品の開発、原価低減のほか
グローバル化対応人材の獲得、海外生産拡 大などを重視。
素材関連企業では原材料の安定調達を重要視。
今後の新規投資について
事業展開の予定としては、中国、タイは製造・販売とも高水準。
(拡張投資も引き続き活発化を予想)
20
タイにおける日本の存在感は大
タイへの直接投資(2014年の認可基準)
・外国資本全体: 4,789億バ-ツ(対前年比87.2%)
日本 : 1,819億バ-ツ
<全体の60.7 % >
米国 : 501.6
〃
< 同
2.0 % >
EU : 334.8
〃
< 同
8.5% >
中国 : 38
〃
< 同
1.0% >
(各国投資明細は次ページ参照)
・日本からタイへの直接投資残高額
446億ドル(2013年末)
(参考)日本から中国への直接投資残高: 981億ドル
出所: 日本財務省及び日本銀行資料よりジェトロ作成
21
国別のBOIの投資認可統計表(認可基準)
金額:百万バーツ
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
件数 投資総額 比率(額) 件数 投資総額 比率(額) 件数 投資総額 比率(額) 件数 投資総額 比率(額) 件数 投資総額 比率(額)
日本
台湾
香港
韓国
シンガポール
マレーシア
インドネシア
フィリピン
ミャンマ-
中国
インド
米国
カナダ
豪州
ニュ-ジ-ランド
イギリス
ドイツ
スイス
フランス
ベルギー
イタリア
オランダ
その他
外資合計
342 100,305
39
4,428
30 13,012
51
2,573
62 19,170
39
4,808
2
360
2
3
28 17,312
13
1,740
48
6,204
4
112
17
6,081
1
5
15
564
31
2,587
19
8,981
20
2,618
6
4,302
8
1,335
23 25,780
50 56,953
850 279,233
35.9% 484 148,968
6,035
1.6% 40
4,518
4.7% 19
35
7,024
0.9%
6.9% 25 25,176
6,135
1.7% 34
1
2
0.1%
1
10
0.0% 6.2% 36 16,922
1,693
0.6% 15
28
9,238
2.2%
7
1,096
0.0%
1,196
2.2% 21
2
69
0.0%
1,552
0.2% 17
2,392
0.9% 36
5
591
3.2%
3,045
0.9% 16
2
22
1.5%
5
105
0.5%
4,252
9.2% 21
20.4% 61 38,406
100% 911 278,447
53.5% 761 348,430
58 11,711
2.2%
33 12,864
1.6%
48
3,988
2.5%
9.0% 103 19,418
37
7,739
2.2%
1
43
0.0%
1
6
1
1
38
7,901
6.1%
25
6,100
0.6%
49
17,890
3.3%
2
8
0.4%
27 12,452
0.4%
0.0% 19
1,829
0.6%
34
2,942
0.9%
16
6,152
0.2%
11
251
1.1%
6
364
0.0%
8
131
0.0%
36 17,971
1.5%
46 70,763
13.8%
100% 1,360 548,954
63.5% 686 290,592
41
7,484
2.1%
51 38,610
2.3%
46
3,631
0.7%
84 20,039
3.5%
33 21,407
1.4%
0.0% 0.0% 0.0% 30
4,991
1.4%
16
1,621
1.1%
49
9,400
3.3%
7
3,653
0.0%
19
1,250
2.3%
10
1,333
0.3%
28
2,894
0.5%
11
5,185
1.1%
19
926
0.0%
0.1% 1
5
0.0%
25 33,147
3.3%
12.9% 100% 1,156 446,168
65.1% 417 181,932
42
3,230
1.7%
25 18,879
8.7%
44 14,860
0.8%
78 16,345
4.5%
22
1,351
4.8%
2
123
2
1,043
40 38,247
1.1%
13
2,016
0.4%
38
50,158
2.1%
6
642
0.8%
21
7,907
0.3%
20
5,536
0.3%
16
2,169
0.6%
13
1,088
1.2%
19 10,723
0.2%
10
751
8
9,144
0.0%
19
4,069
7.4%
855
108,714
100% 1,710 478,927
38.0%
0.7%
3.9%
3.1%
3.4%
0.3%
0.0%
0.2%
8.0%
0.4%
10.5%
0.1%
1.7%
1.2%
0.5%
0.2%
2.2%
0.2%
1.9%
0.8%
22.7%
100%
(注)・プロジェクトのうち、外資が10%以上出資しているものを計上
・2ケ国以上が出資しているものは、それぞれの国で計上
出所: BOI
22
日本からの業種別直接投資件数(2014年)
単位: 件/百万バーツ
申請
農林水産物、食品加工
鉱業、セラミックス、鉄鋼
繊維、宝飾品、軽工業
金属、機械、輸送機器
電気、電子
化学、製紙、プラスチック
サ-ビス、公共事業
直接投資合計
認可
件数
25
27
21
291
89
80
139
金額
18,812.6
7,768.7
13,293.9
139,786.7
50,566.8
41,000.0
22,105.8
件数
4
17
7
193
52
37
107
金額
1,732.0
5,204.8
8,466.4
147,950.3
6,511.3
7,790.0
4,177.3
672
293,334.5
417
181,832.1
出所 : BOI
23
なぜ日本企業の進出が続くのか?
タイの魅力
 整備されたインフラ
設備の整った工業団地/大規模な空港・港湾/全国津々浦々結ばれた舗装道路網/安定した電力供給等
 外資優遇政策、通商政策
過去から一貫した外国投資優遇政策の存在、FTAなどの締結
 長い進出の歴史に裏打ちされた産業の集積
タイの一大産業である自動車産業には約2,350社、従業員52万5千人の規模を誇る2次・3次サプライ
チェーンができている。(2013年7月タイ自動車協会)
 充実したサプライチェーンを背景にした部材・サービスの容易な調達
サプライチェーンが充実していることによる低いコストによる原材料等の調達が可能
 熟練労働者の存在
1980年代後半、日系企業は豊富で安価な労働力を求めてタイに進出し、上記のとおり裾野産業が
長年にわたって成長。それに伴い、多くの熟練労働者が育成された。
 日系企業等へのサポート体制
日系企業が集積していることにより、日系企業向けサービスが充実。また、日本大使館、日本人
商工 会議所、ジェトロ等との連携したサポート体制
 親日的な国民性・良好な駐在員の住環境
親日的な国民性は、企業運営(労務面等)での問題を小さくしている。また、駐在員の住環境も
充実している
 国内需要への期待
一人当たりGDPが5千ドルを超え、中進国のトップ集団を走るところまでに成長。日系企業が提供
する製品・サービスへの需要に期待
24
日系企業の進出状況
・日系企業の進出数
7,739社がタイに進出
(タイ商務省 2014年8月時点 <登記ベース>)
・広範囲な事業領域
製造業が全体の約48.4%、特に金属製造及びその
加工が約9.7%、輸送用機械が約8.5%、電気機器が
約6%となっている。
非製造業では、卸売業が約23.4%、サービス業が
約12.2%、運輸倉庫業が約3.7%、建設業が約3.5%
となっており、日系企業の事業活動の領域が
広範囲にわたっている。
25
大きな雇用を担うタイ日系企業
JCC加盟企業1,615社の総従業員数(2015年3月末時点)は、
約55万人(推計)
そのうち製造業は、739社(45.8%)
約38万人(推計)
(参考): タイの製造業における就業者数は、560万人(2012年)
在タイ日系企業総数の就業者数は推計で100万人以上(非製造業含む)
タイ国の労働人口(2013年11月末現在)
単位: 万人
人口
労働人口
就業者
失業者
6,733
3,802
3,949
23.7
(失業率: 0.6%)
就業者の業種別労働
農業関連 : 1,285 / 非農業関連: 2,517
◇日系企業の大規模雇用例
ミネベア
フジクラグループ
タイ矢崎グループ
松下電器グループ
タイ国トヨタ自動車グループ
タイホンダ製造グループ
33,000 人
25,000 人
16,861 人
16,000 人
15,510 人
8,125 人
(注): フジクラグループ8社は、2010年4月1日付で統合、
フジクラエレクトロニクスタイランドとして発足
出所: JCC(盤谷日本人商工会議所)/タイ情報通信省
26
2014年アセアン地区の昇給率
(含むインド/中国/日本)
あいうえお順
インド
10.0%
インドネシア
9.6%
シンガポール
4.3%
タイ
5.4%
中国
5.2%
日本
2.0%
パキスタン
13.0%
ベトナム
11.5%
香港
4.5%
東南アジアの平均昇給率: 6.9%
出所: Towers Watson Thailand
27
ASEAN及びその周辺国の法人税
2014年1月現在
国名
税率
国名
税率
シンガポール 17%
香港
16.5 %
マレーシア
25%
ロシア
20 %
ベトナム#
22%
韓国
24.2%
タイ
20%
中国
25%
(2011年以前は30%/2012年は23%/2013/14年は20%)
インドネシア 25%
印度
33.2%
フィリピン
30%
日本
40.7%
#: ベトナムは2016年1月1日より20%
出所: ジェトロ各事務所、日本は財務省より
28
タイの産業政策の変遷
持続的
投資
経済
危機
産業の自由化
と地方分散
輸出
促進
輸入
代替
産業
奨励法
の制定
経済
構造
改革
タイ投資年
経済/政治
の危機
- 新Vision
競争力
強化
- 持続可能
特別措置
な政策
権利恩典の拡大
- 2001年改正法
上限(Cap)引上げ
規制緩和
- WTOとの適合改正
- 積極型マーケティング
産業の近代化
の重視
の一層の推進
-産業奨励法
1977年改正版
1991年改定
-産業奨励法
-東部臨海開発
1960年版
-1966年BOI 設立
1954年
産業奨励法
29
タイ政府による経済構造改革
<投資奨励策の方針転換>
なぜ改革か?
持続可能な成長と中所得国の罠からの脱出
どう改革するのか
・国際競争力の強化と高付加価値産業の推進
・グリーン産業の奨励
・持続性のある産業育成のため、地方に産業
クラスターを形成
・海外投資の奨励
30
改正のポイント
a)高付加価値産業の増強
(High value-added industrial sector)
b)環境にやさしいグリーン産業の誘致
(Environmentally-friendly industrial sector)
c)産業クラスターの形成
(Cluster-oriented policy)
d)競争力低下のタイ企業の海外進出の支援
(Promoting outbound investment)
31
新投資奨励策の重要ポイント
① 競争力の向上
研究開発/技術革新/付加価値創出により、
国の競争力強化に寄与する投資の促進。
② 環境にやさしい投資活動の促進
省エネ/再生可能エネルギーなどの事業の促進
③ 地方発展を促すクラスターの促進
産業別クラスターの促進
32
新投資奨励策の重要ポイント
④ 南部国境県での投資促進
地方経済の安定化と活性化を図る
⑤ 国境地帯における経済特別区(SEZ)の促進
隣国との連結性を重視し、AEC(アセアン経済
共同体)を視野に同地域での投資を促進
⑥ タイ企業の海外投資の促進
競争力のあるタイ企業の海外投資の促進
33
新投資奨励策の恩典概要
基本恩典
プロジェクト価値に基づく追加恩典
(業種別による恩典)
<Activity-based incentives>
(メリットによる恩典)
<Merit-based incentives>
① 競争力向上のメリット
+
② 地方分散のメリット
A2
③ 工業地区開発のメリット
A3
(タイの産業発展の貢献に
対する投資奨励のための
追加恩典の付与)
A4
B1
B2
34
カテゴリー別の内容と恩典
A1: 競争力を向上させる、R&D/デザインに主眼
を置いたナレッジベースの事業
(投資額の上限に関係なく、8年間の法人所得税/
機械の輸入税の免除、輸出のために輸入する
原材料の輸入税の免除、税制以外の恩典付与)
A2: インフラ事業/投資がまだ少ないか、あまり
行われておらず付加価値の創造に高度技術
を使用した事業
(投資額を上限とし、8年間の法人所得税/機械の
輸入税の免除、輸出のために輸入する原材料の
輸入税の免除、税制以外の恩典の付与)
35
カテゴリー別の内容と恩典
A3: 既に少量の投資が行われているが、国の発展に
とって引き続き重要なハイテク事業
(投資額を上限として、5年間の法人所得税/機械
の輸入税の免除、輸出のために輸入する原材料
の輸入税の免除、税制以外の恩典の付与)
A4: インフラ事業/投資がまだ少ないか、あまり
行われておらず付加価値の創造に高度技術
を使用した事業
(投資額を上限とし、8年間の法人所得税/機械
の輸入税の免除、輸出のために輸入する原材料
の関税の免除、税制以外の恩典の付与)
36
カテゴリー別の内容と恩典
B1 & B2: 高度技術を使用しないが、バリュー
チェーンにとって重要な業種
B1: 機械並びに輸出用原材料の輸入に伴う
輸入税の免除、税制以外の恩典の付与
B2: 輸出用の原材料の輸入に伴う輸入税の免除、
税制以外の恩典の付与
37
カテゴリーA1に属する業種の例
・ゴミあるいはゴミからの燃料(Refuse derived fuel)による
電力または電力及びスチームの製造(第7類1.1)
カテゴリーA3に属する業種の例
・国際物流センター( IDC)(第7類4.2)
・乗り物用エンジンの製造(第4類7)
・クリエイティブ製品のデザイン/開発サービス(第3類9)
・特殊プラスチック包装材の製造(第6類7)
・電子設計(第5類6)
・環境保護工業団地または工業地区(第7類9.1.5)
・研究開発(第7類11)
・半導体及び半導体部品の製造(第5類4.9)
カテゴリーA2に属する業種の例
カテゴリーA4に属する業種の例
・電子製品の製造(第5類3)
・産業用化学品の製造(第6類1)
・特殊繊維の製造(第3類1.1.1)
・リサイクルプラスチック製品の製造(第6類8)
・高度技術を利用する乗り物部品の製造(第4類8.1)
・熱処理(第4類3)
・医療器具/機器及び部品の製造(第3類11)
・電子事務機器の製造(第5類3.6)
・鉄道貨物輸送(第7類3.1)
・衛生紙からの製品製造(第6類13.1)
カテゴリーB1に属する業種の例
カテゴリーB2に属する業種の例
・ワイヤーハーネスの製造(第5類2.4)
・貿易投資支援事務所(第7類7)
・国際貿易事業(International Trading Center- ITC)(第7類6)
・E-Commerce(第5類8)
・石油の精製(第6類3)
・コイルセンター(第2類16)
・工業用プラスチック製品の製造(第6類6)
・石膏ボードまたは石膏製品の製造(第2類6)
・地域統括本部(international Headquaters- IHQ)(第7類5)
・コイルセンター(第2類18)
38
業種別の基本恩典(6のカテゴリーに分類)
カテゴリーA
(法人所得税/原材料の税恩典/非税的恩典を付与する事業及びメリットベースの追加恩典)
機械の
輸出用に製造され
法人所得税
非税的恩典**
輸入税
る原材料の輸入税
A1
上限なしの8年
免除
免除
-
A2
投資額*を上限に8年
免除
免除
-
A3
投資額*を上限に5年
免除
免除
-
A4
投資額*を上限に3年
免除
免除
-
カテゴリーB
(機械設備/原材料の税的恩典/ファシリテーションを行う事業)
機械の
輸出用に製造され
法人所得税
輸入税
る原材料の輸入税
非税的恩典**
B1
免除なし
免除
免除
有り
B2
免除なし
免除なし
免除
有り
投資額* : 土地代と運転資金の合計額
非税的恩典** :投資奨励法に基づく、下記の項目
① 奨励事業に外国人技術者/専門家の入国許可(同法25条、26条)
② 土地の所有が可能
③ 外資による海外送金の保障
39
競争力向上のためのメリットによる追加恩典
(投資/支出の対象となる分野)
投資費用額
研究開発
自社での研究開発/タイ国内
業者への発注/外国との共同
研究開発
技術/人材開発資金/教育機関/
専門訓練センター/国内にある
R&D機関/科学技術分野の政府
機関に対する資金面での支援
追加免税上限額
(投資費用の%)
200%
100%
競争力向上へのメリットによる追加恩典
(追加恩典は投資費用比率による)
最初の3年間の収入
に対する投資費用
追加法人税免除期間
1%または฿2億以上
1年
2%または฿4億以上
2年
3%または฿6億以上
3年
地方分散のためメリット(追加恩典)
国内にて開発された、技術に
関するIPの購入/ライセンス料
の支払い
100%
高度技術の訓練
100%
ローカルサプライヤーの
開発(タイ資本が51%以上)
高度技術訓練/技術の支援
製品/パッケージの設計
(内製化/タイ国内での外注)
100%
1人当たり県民所得が低い20県*に立地すること
・法人所得税免除期間を3年間追加する。
ただし、既に8年間の法人所得税免除が付与
されるカテゴリーA1及び同A2の業種は、
それに代わり、免除期間終了後5年間に
わたり、法人所得税を50%減税する。
・輸送費/電気代/水道代に2倍までを10年間
控除することが可能。
・インフラの設置/建設費の25%を控除可能。
*は次ページ参照。
100%
工業用地開発のためのメリット(追加恩典)
工業団地または奨励されている工業区に立地
法人所得税の免除期間を1年間追加
40
対象となる20県
ガラシン、チャイヤプーム、ナコンパノム、
ナーン、ブンカーン、ブリラム、プレー、
マハーサラカム、ムクダハン、メーホーソン、
ヤソートン、ロイエット、シーサーケート、
サコンナコン、サケーオ、スコタイ、スリン、
ノーングブアラムプー、アムナートチャルーン、
ウボンラチャタニー
(特別奨励措置で奨励される南部国境及び特別経済
開発区を除く)
41
事業の認可基準
最低資本金
土地代と運転資金を除いて100万バーツとする。
ただし、電子設計/ソフトウエア/研究開発などの
ナレッジベースのサービス業に関しては、BOIが
指定する分野において就労する人材の年間人件費
の合計が150万バーツを最低金額とする。
資本金と負債比率
負債と登録資本金の比率は3:1以内とする。投資金額
は7億5千万バーツ(土地代と運転資金を除く)を
超える事業はBOIの様式によるF/Sの提出義務がある。
42
事業の認可基準
付加価値
・ 通常の事業では付加価値率20%以上、農業/
農作物事業/電子及びその部品事業/コイル
センター事業については、同10%以上の付加
価値を有すること。
また、近代的な製造工程は、もちろん新品の
機械を使用すること。
・投資金額は1千万バーツ以上
(土地代と運転資金を除く)
43
事業の認可基準
・投資金額(土地代と運転資金を除く)が
1,000万バーツ以上の事業については、
操業日より2年以内にISO9000または
ISO14000、もしくはそれ相当する国際
規格を取得しなければならない。
取得できなかった場合には、法人税免除
恩典を1年間取り消しとなる。
44
事業の認可基準
中古機械の輸入
① 製造年より輸入年まで10年以内の中古機械の
輸入は可能。
② 企業が生産拠点をタイに移設する場合には、
10年以上の中古機械の輸入も可能。
上記の①、②とも輸入税免除の恩典はない。
(中古機械を輸入する場合、機械の効率/環境負荷
への影響/エネルギー消費量/価格の妥当性につい
て、信頼すべき第三者機関が発行する証明書を
取得しなければならない。
45
旧奨励策と新奨励策の相違点
・ゾーン制の廃止
事業の種類に応じた恩典の付与
・業種の絞り込み
法人税免除恩典が3年~8年間の間で付与
されるカテゴリーAと法人税免除などの
租税恩典は付与されないが、土地の所有/
ビザ、就労許可証の円滑な発給が受けら
れるカテゴリーBに分類
46
主要工業団地の地盤の状況と標高(2014年7月1日現在)
工業団地名
所在県
1
Amata City Industrial Estate
Rayon 県
2
Amata Nakorn Industrial Esatate
3
杭打(概算) 標高(概算)
約 -5m
85m~120m
Chonburi 県
-12m
2m~5m
Bangkadee Industrial Park
Pathumthani 県
-19m
不詳
4
Bangpa-In Industrial Estate
Phra Nakhon Si Ayuttaya 県
-15m
2.5m
5
Bangplee Industrial Estate
Samutprakarn 県
-27m
2m
6
Bangpoo Industrial Estate
Samutprakarn 県
-23m
1.7m
7
Gateway City Industrial Estate
Chachoengsao 県
-3m
30m~50m
8
Hemaraj Eastern Seaboard Industrial Estate
Rayon 県
-8m
73m~111m
9
Hi-Tech Industrial Estate
Phra Nakhon Si Ayuttaya 県
-15m
2.3m
10 Indra Industrial Park
Singburi 県
-9m
8m
11 Kabinburi Industrial
Prachinburi 県
-7m
24m
12 Kaeng Khoi Industrial Estate
Saraburi 県
-3m
40.2m
13 Lardkrabang Industrial Estate
Bangkok
-21m
20m
出所:各工業団地管理事務所より聴取
47
主要工業団地の地盤の状況と標高(2014年7月1日現在)
所在県
工業団地名
杭打(概算) 標高(概算)
14 Navanakorn Industrial Zone
Pathumthani 県
-21m
2m
15 Navanakorn Industrial Zone
Nakornratchasima 県
-4m
203m
16 Nong Khae Industrial Estate
Saraburi 県
-7m
7m~10m
17 Northern Region Industrial Estate(Lamphun)
Lamphun 県
-10m
294m
18 Padaeng Industrial Estate
Rayon 県
-12m
不詳
19 Pichit Industrial Estate
Pichit 県
-12m
40m
20 Pinthong Industrial Estate
Chonburi 県
21 Rachaburi Industrial Estate
Ratchaburi 県
-9m
6m
22 Rayon Industrial Estate (Ban Khai)
Rayon 県
-8m
44m~75m
23 Rojana Industrial Park
Phra Nakhon Si Ayuttaya 県
-18.5m
2m
24 Saharattanakorn Industrial Estate
Phra Nakhon Si Ayuttaya 県
-15m
3.6m
25 Samutsakorn Industrial Estate
Samutsakorn 県
-22m
2.6m
26 Sinsakhon Printing City & Industrial Estate
Samutsakorn 県
-24.5m
3m
27 Suranaree Industrial Zone
Nakornratchasima 県
-8m
150m~300m
28 TFD Industrial Estate
Chachoengsao 県
-28m
2.5m
29 Welgrow Industrial Estate
Chachoengsao 県
-26m
1.4m~2.2m
30 304 Industrial park
Prachinburi 県
-13.5m
20m
出所:各工業団地管理事務所より聴取
48
南北回廊
①南北回廊(クンミン-バンコク・・・マ
レーシア国境)
北部回廊
②東部回廊(クンミン-カーマウ)
③東西回廊(モーラミャイン-ダナン)
東北回廊
東部回廊
④南部回廊(ダウェイ-クイニョン/
ブンタウ)
中部回廊
西部回廊
東西回廊
③
⑤南部沿岸回廊(バンコク-ナムカン)
⑥中部回廊(クンミン-シアヌークビル/
レムチャバン)
南部回廊
ダウェイ深海港
プロジェクト実現に向
け検討進行中
④
⑦北部回廊(ファンチェン-タム)
⑧西部回廊(タム-モーラミャイン)
南部沿岸回廊
⑤
⑨東北回廊(タンホア-バンコク/
レムチャバン)
出所(地図): 運輸省
49
地政学的位置
タイは印・中から近距離に位置し、分業/補完体制、市場の拡大が期待。
アセアン地域の地理的な規模は、EUと同程度
北京
~1,900 Km
ニューデリー
広州
~1,800 Km
バンガロール
東アジア経済共同体
~1,750 Km
バンコク
ASEAN
~2,000 Km
パリ⇔イスタンブール:~2,400km
50
泰日工業大学
2007年6月 泰日工業大学開校
タイの製造業が最も必要とするエンジニアの育成
を目的に開学。
・日本留学の経験があるタイ人団体(TPA)が中心と
なって設立、運営
・全学生が日本語必修(日本語を解せる技術者の育成)
・インターンシップなど実践的なカリキュラムを実施
・優秀な学生を対象に盤谷日本人商工会議所が4年間の
奨学金を提供
51
拡大するASEAN諸国の所得(消費市場としての期待)
低所得層
ローワーミドル
アッパーミドル
富裕層
世帯可処分所得
世帯可処分所得
世帯可処分所得
世帯可処分所得
145,108
133,973
160,000
140,000
2009年
140,000
76,808
120,000
100,000
68,639
80,000
80,000
23,174
60,000
0
5,519
2,530
35,442
43,433
40,000
2,192
15,530 30,100
5,344
8,401
1,294
低所得層
9,451
1,382
10,424
ローワーミドル
604
2,007
アッパーミドル
7,081
20,000
0
36,862 39,154
52,393
60,000
31,972
40,000
20,000
2020年
120,000
53,439 68,850
100,000
年間5千ドル以下
年間5千ドル超~1万5千ドル以下
年間1万5千ドル超~3万5千ドル以下
年間3万5千ドル以下
16,492
14,745
12,410
4,151
2,726
11,218
589
28,012
21,485
7,275
低所得層
2,980
ローワーミドル
21,251 7,924
アッパーミドル
富裕層
富裕層
138,212
140,000
インドネシア、フィリ
ピン、ベトナムで
ローワーミドル層が
増加
120,000
アッパーミドル層
が増加
100,000
43,525 52,015
80,000
60,000
33,454
45,274
32,622
40,000
タイ、インドネシア
はアッパーミドル層
も大きく増加
2015年
65,688
20,000
0
15,623
1,075
30,511
4,712
5,009
16,357
低所得層
10,201
ローワーミドル
1,269
4,273 14,442
アッパーミドル
11,319
6,837
2,778
マレーシアでは富
裕層が2,000万人
を超える
富裕層
52
(出所)Euromonitor International 2010より作成。世帯可処分所得別の家計人口を各所持層の家計比率×人口で算出
主要各国の世帯当たり耐久消費財普及率(2013年)
インド
中国
インドネシア
マレーシア
タイ
ベトナム
フィリピン
シンガポール
台湾
香港
エアコン
10.1
71.5
7.9
39.1
16.7
10.8
10.0
79.5
89.2
85.4
カラーTV
70.7
96.8
74.2
97.7
93.3
90.1
74.0
99.5
99.3
99.6
乗用車
4.7
6.6
7.5
79.3
16.8
1.9
11.4
42.6
60.1
22.7
パソコン
12.3
42.3
16.3
69.0
28.3
18.7
18.4
88.7
76.6
81.5
冷蔵庫
25.5
85.5
31.5
96.5
93.5
53.9
43.5
99.2
99.9
100
洗濯機
8.0
85.9
31.2
92.1
59.3
23.6
32.6
96.7
98.1
95.9
電子レンジ
8.7
35.0
3.2
28.3
40.0
19
6.6
69.2
44.3
80.1
出所: Euromonitor International
53
急速に台頭する中間所得層
購買力
可処分所得がUS$5,000以上/年のアジアの人口
2005年の1億人から2008年には2億人に、そして
2020年には20億人に。
出典: IMF
現在の各国の状況はいつ頃の日本に相当するか
マレーシア : 1985年前後 (昭和60年前後)
タイ
: 1980年前後(昭和55年前後)
インドネシア : 1973年前後 (昭和48年前後)
フィリピン : 1970年前後 (昭和45年前後)
ベトナム
: 1965年前後 (昭和40年前後)
54
タイ国日本人会と在留邦人
・タイ国日本人会の設立: 1913年9月
・日本人会の加入者数 : 2006年 6月末: 9,783人/
2009年 1月末: 8,533人/2009年12月末: 7,721人/
2010年12月末: 7,719人/2013年末: 7,664人/
2014年11月1日現在: 7,778人 <出所: 日本人会>
・在留邦人数 :
2014年10月末(日本大使館に在留届けを提出した
邦人)は、59,270人、在留邦人は前年比約11.3%と
増加しているが、日本人会の会員数は減少傾向に
ある。 <出所: 外務省、海外在留邦人数調査統計より>
55
ロングステイ希望滞在国
順位
2007年
2010年
2013年
2012年
1
マレ-シア
マレ-シア
マレ-シア
マレーシア
2
オーストラリア
ハワイ
タイ
タイ
3
タイ
タイ
ハワイ
ハワイ
4
ハワイ
オーストラリア
オーストラリア
オーストラリア
5
ニュ-ジ-ランド
カナダ
ニュ-ジ-ランド
ニュージーランド
6
カナダ
ニュ-ジ-ランド
カナダ
フィリピン
7
フィリピン
フィリピン
フィリピン
シンガポール
8
インドネシア
スペイン
シンガポール
アメリカ本土
9
スペイン
インドネシア
インドネシア
カナダ
10
米国本土
スイス
台湾
インドネシア
出所: ロングステイ財団(ロングステイ調査統計-2013年)
56
タイ人気質(1)
タイ人気質(順不同)
1)特殊/特例/例外を一度でも認めてしまうと、
それが一般化(通常化)/普遍化する。
2)急激な変化は嫌う。
3)人間関係は上司と部下など個人的な位置
関係を重視するので、チームプレーは
不得手。
57
タイ人気質(2)
タイ人気質(順不同)<前ページの続き>
4)組織へのこだわりはない。(会社は生活の
糧を得る手段であるとの意識が強い)
タイ人は組織につくというより人につく。
5)技術の伝承がない。(自分が獲得した技術は
他人に教えない傾向がある)
58
タイ人気質(3)
タイ人の気質(順不同)<前ページの続き>
6)ある改革を行うときには、タテ関係と
の話し合いは勿論であるが、同時に
ヨコ関係つまり若手、幹部など階層に
分けて話を進めていったほうがよい。
7) 自己主張をあまりしない
(人によるが)
59
タイ人気質(4)
タイ人の気質(順不同)<前ページの続き>
8)イェス/ノーの境目がはっきりしない。
9)家族観は、家族、親戚、友人となり、
尊敬の対象は、親、王室、仏教である。
10)タイ人の欲しいもの、それは住宅、車、
そして便利(サドゥア)/快適(サバイ・
サバイ)で楽しい(サヌック)モノ。
60
タイ人気質(5)
タイ人の気質(順不同)<前ページの続き>
11)目の前にいいモノ(自分にとって利益となる
モノ)があると、飛びつく傾向がある。
12) 諦観している
(宗教からきていると思われる)
13)個人の様々な行動が許される社会である。
(ルースな社会構造)
61
タイ人気質(6)
タイ人の気質(順不同)<前ページの続き>
14)お互いの権利や義務を守ることに
あまり関心がない。
15) 規律性、画一性の生活は、タイ人には
無縁。従い、規則等で管理されるのは
苦手。
62
ビジネスでの留意点
64
経営管理
親会社の事業会社(現地法人)への権限移譲
日本企業の場合は特にオーナー系の中小企業に
多く、些細な事項まで本社が指示/許可を求める
など本社の干渉が強く現地の事業会社に権限が
ほとんど与えられていない。
(例: 幹部スタッフの人事異動/少額の 器具、
設備の購入/昇給・昇格等)
64
経営管理
親会社の事業会社(現地法人)への
権限移譲(前ページの続き)
これらを、タイ人スタッフはよく見て
おり、このようなことでは、タイ人の
スタッフからの信頼は得られない。
親会社は海外事業会社にある程度の任せ
なければ事業会社の育成は覚束ない。
65
経営管理
経営全体の関連事項
a)職務明細書(Job description)の明確化
b)個人の職務明細書の作成
(Job assignment/Job clarification)
c)緊急連絡網の作成と危機意識の高揚
66
経営管理
日本人幹部に求められる資質
a)異文化を理解できる。
(Agree to disagreeの精神で)
b)体外関係構築能力を有する
① 知的好奇心がある
② 英語かタイ語が少しはできること
③ 異なる環境への適応性があるなど
67
経営管理
法の解釈と運用(運営)
法律は存在するが運用細則が整備されていない
ため、法の解釈に曖昧さを残す。このことが、
人によって言うことが違うケースがよくある。
(法解釈に問題が生じたら弁護士と要相談)
名義借り(Nominee)
外国人事業法により名義借り(Nominee)
行為は禁止(懲罰刑が科される)
68
経営管理
・リスク管理事項 <危機・安全管理>
「自分の身の安全は、自分で守る」
が基本で、企業の危機管理も同様で
ある。警察や警備会社を頼りにして
いるようでは、犯罪の予防を措置
することはできない。
69
労務全般
タイ人を採用するとき
正式採用時には、きちんと雇用契約書
を締結する。
その記載事項は最低以下を盛込んで
おく。
① 雇用期間
② 職務内容 ③ 賃金
70
労務全般
解雇(解雇手当は別添)
・能力を理由にした解雇はできない。
・解雇通知は必ず文書にて行う。(試用期間中でも)
但し、懲戒処分による解雇は事前通告なしに解雇
可能。(解雇手当も不支給)
・3日以上無断欠勤の場合、解雇通告書を出しておく。
・賃金、解雇手当は解雇日から3日以内に支払う。
試用期間
・試用の期間が119日以内の解雇は解雇手当不支給。
120日目に解雇通知を出したら、30日分の解雇手当て
の支給義務が生じる。
71
労務全般
賃金(最低賃金の詳細は別添)
一旦昇給したら基本給、諸手当全て従業員の合意なく
して下げられない。(労働者保護法に規定)
特に「交替制」を導入している企業がシフト手当てを
支給している場合、状況によりこの手当てを廃止でき
ること、またシフト時間の変更できることを雇用契約
書に入れておく。(既得権の横行を防ぐ)
社内での活動
・個人で私的な社内販売活動の禁止
・従業員同士での金銭の貸し借りをさせない
72
労務全般
出退勤管理
タイムレコーダーによる出退勤の管理記録は2年間の
保存義務がある。
賞与
賞与は会社の裁量で決定が可能(法律に明記なし)
諸手当
職務手当など諸手当を支給すると、職務が変更に
なった場合、事前に従業員の合意がないと支払う
義務あり。(文書にて承諾取っておくこと)
73
労務全般
健康診断の義務
・1年に一度従業員の健康診断を実施
年少者の雇用禁止
・満15才未満の年少者の労働の禁止
・18才未満の雇用は、採用時/退職時に
労働監督庁に届け出が必要
74
労務全般
残業代支払い計算
前提: 就業規則の規定
平日(月~金)
: 時間給の1.5倍
休日(土・日)及び祭日 : 時間給の2.0倍
<時間給は、基本給 ÷ 8時間>
但し、休日及び祭日の残業で、就業規則で規定
した一日の正規の就業時間を越えて更に残業が
続く場合は超えた時間に対して3倍/時間とな
75
る。
労務全般
トラブルの三大要因
①賃金問題: 低い賃上げ率や賞与支給率など
②福利厚生問題: 劣悪な作業環境など
③解雇問題: 他従業員が同情し、不当解雇と
騒ぐ
④人事評価:あいまいな人事評価やキャリアパス
など
76
労務全般
タイ人従業員の職業観
タイ人の職業観/雇用慣行は欧米型で、
以下のような傾向がある。
a)条件が良いとすぐ他企業に移る。
会社への帰属意識は希薄。
b)経験/年功よりも学歴、家柄などが尊重さ
れる。(タイ人同士でも大卒と高卒従業
員との間で意思疎通が上手く機能しない)
77
労務全般(前ページの続き)
タイ人従業員の職業観
c)職務分担(Job Assignment)が明確で、
職務の範囲が狭い。
(1人で何役を務めることには無理がある )
d)入社時に職務が固定しており、原則として
職務異動はない。
e)異動は左遷ととらえる傾向にある。
78
労務全般
従業員の解雇
① 解雇補償金(労働者保護法、第118条)
従業員を解雇する場合は、勤務期間
に応じた解雇補償金を支払うことが
義務づけられている。
なお、解雇補償金は、解雇手当と表現
することもある。
79
労務全般
・解雇補償金(解雇手当)
勤務期間に応じて、
a)120日以上1年未満 : 最終賃金の30日分以上を
b)1年から 3年まで :
同
90日以上を
c)3年から 6年まで :
同
180日以上を
d)6年から10年まで :
同
240日以上を
e)10年以上
:
同
300日以上を
を支払わなければならない。
80
タイ人への対応
タイ人従業員との接し方
① おだやかに話す(詰問調はダメ)
② 同情を持つ
③ 誤りを指摘して、怒らない
④ しゃべらせる(聞き上手になる)
⑤ 人の身になる
81
タイ人への対応
5つの “あ “
① あせらない
② あわてない
③ あなどらない
④ あてにしない
⑤ あきらめない
82
知的財産権全般
意匠権と商標権の登録
代理店、販売先などが勝手に登録する危険性
がある。
会社内のコンピューターにインストールされて
いるソフトウエアに注意すること
タイ人の知財に対する意識は驚くほど低い。
86
知的財産権全般
会社内のコンピューターにインストール
されているソフトウエアに注意
(前ページの続き)
勝手にソフトウエアをインストールできない体制
を構築する。また、a) 違法コピーに常に注意を
払う、b) 時々、従業員が業務で使用している
コンピューターに違法のソフトがインストール
されていないかチェックする。
87
土地取得の留意点(1)
・土地を購入するときの留意点
購入しようとする土地(以下”土地”
という)に他人の担保権が抹消されて
いるか。
工業団地等の土地販売者が法的に有効
な単独所有をしている土地かどうか。
88
土地取得の留意点(2)
・土地を購入するときの留意点
土地の周囲をよく調査すること。
購入したある工業団地の土地のはずれ
が不法投棄地だったことが契約額2/3を
支払った後で判明。
(工業団地側が説明していなかった)
89
土地取得の留意点(3)
・土地を購入するときの留意点
土地の整地は完ぺきになされているか。
土地の整地工事が不十分であったため、
大雨が降り続いて地盤が崩れ、トラブル
になった。(整地に伴う費用分担を
巡って裁判となった- 結論は不明)
90
土地取得の留意点(4)
・土地を購入するときの留意点
工業団地の土地購入契約書に記載した
面積と実測した面積が異なっていた。
調査したところ、購入した土地を測量
したら、隣の土地の境界線と思われる
境界石が埋め込まれていた。
91
土地取得の留意点(5)
・土地を購入するときの留意点
合弁事業の場合、タイ側がマジョリティを取り、
タイ企業化にして土地を取得しようとするときに、
もし 合弁相手(出資者)となるタイ人の配偶者が
外国人の場合は、法律上タイ人とはみなされない。
このため合弁事業会社は土地を所有できないこと
に留意する必要がある。
92
合弁事業を行うときの留意点
・タイ人は、明日の夢、成長よりも今日の饅頭。
(饅頭 = 配当で、近視眼的経営スタイルを取りがち)
・各当事者の役割(責任)分担を明確化する。
(資金、原材料調達/販売/経営管理/商品開発など)
・知的財産に関係する有形/無形のモノは渡さない。
(合弁解消時点でのブランド使用禁止など)
・合弁解消時の会社解散価値算定基準を明確化する。
・競合禁止(当事者の一方が競合する製品の製造を禁止)
93
参考
94
▼(参考)サービス産業にかかる外資参入規制
【サービス業への外資参入規制】
外国人事業法 ~業種により外資の参入を制限
外事法で規制対象となる「外国企業」とは、資本のマジョリティ(51%以上)を外国資本が有する企業。よって日系
企業は49%の出資で操業することとなる。
◆外国人事業法「リスト3」でサービス業の独資参入は原則禁止
規制業種(例)
建設業
代理・仲介業
小売業
卸売業
ホテル業
観光業
食・飲料販売
その他サービス業
*リスト1:絶対禁止業種(新聞・ラジオ、農蓄林漁業、土地売買など)
*リスト2:禁止業種(武器製造、地場工芸など)
規制の対象外であり参入可能なケース
外国人投資が5億バーツ以上で特殊な技能を要する建設業は可
グループ会社が行う生産に必要な商品売買や物品・サービス調達に関する代理・仲介は可
最低資本1億バーツ以上の国際貿易仲介業は可
最低資本1億バーツ以上あるいは各店2000万バーツ超は可
各店最低資本1億バーツ以上は可
マネジメント(管理)は可
-
-
-
◆規制業種に従事する際は、タイマジョリティ(資本構成タイ51%:日本49%)で行う必要。
【パートナーとなるタイ企業(タイ資本51%)の例】
-これまで取引のあるタイ地場企業or新規にタイ地場企業を開拓。
-すでに存在する日系タイ登記法人(タイ51%:日本49%)。
-日系金融機関傘下の投資会社(タイ100%扱い)から出資を受ける。
【例外的に外資100%で操業可能なケース】
-投資奨励法に基づく事業(例:IPOなど)は投資奨励事業となり、外事法規制に優先。
-工業団地公団法上の奨励を受けて工業団地内の土地を所有し「輸出に関わる産業または商取引」を行う外国人に
ついても規制を解除。
◆金融・保険・証券業、旅行業、倉庫業、運送業は個別法により規制(各監督官庁から事業許可を得る必要)。
◆JTEPAでは「経営や物流のコンサルタント」「自社製品の家電製品修理業」「自社製品の販売会社」「日本食レストラ
ン」などで、日本企業が資本の過半数を取得することが可能。
(例)飲食店:450 ㎡以上の広さで5,000万Bt以上の資本金の場合、60%まで日本資本可。
95
アセアン経済共同体(AEC- ASEAN Economic Community)
・発足は2015年末
・アセアンの市場統合
・域内関税の撤廃など
発足後期待できるのは?
物流網が拡充
域内の生産分業が活発化
AECの目標
(注)◎:目標通り進展 ○: 自由化に向け協議が煮詰まっている △: 具体策は見えない
モノの動き
目標
進捗具合
域内関税の削減
2018年までに全加盟国が撤廃
◎
通関事務の簡素化
2国間にわたる通関の一元化の推進
○
ヒトの動き
目標
進捗具合
短期滞在ビザ撤廃
ミャンマーなどを除きほぼ撤廃
◎
熟練労働者の移動の自由化
サービス業の自由化
技術者など熟練労働者の移動に限定
△
目標
進捗具合
小売りなどへの出資規制の緩和
2015年末までに出資比率の上限引き上げ
△
金融機関の相互進出
自由化を目指すも具体策は議論中
△
96
ASEAN経済統合の進展
ASEAN経済共同体(AEC)誕生(2015年末)
ASEAN憲章
ASEAN経済共同体形成に向けた最高規範
AECブループリント
ASEAN経済統合に向けた作業工程表
ASEANサミットで採択(2007年11月、於シンガポール)
ASEAN経済共同体(AEC)とは・・・
○「経済」「政治・安全保障」「社会・文化」の3つの共同体から構成
されるASEAN共同体のうちの「経済」部門。
○ASEAN各国は、① 単一の市場と生産基地、② 競争力のある地域、
③ 域内格差の縮小、④ グローバルな経済への統合を目指す。
○具体的には、「物品、サービス、投資、熟練労働者の自由な移動と
資本のより自由な移動」が実現。
○ASEAN各国は、2015年末の実現に向け取り組んでいる。
97
ASEAN経済共同体で実現する世界①
〔ASEAN経済共同体の特徴〕
 「物品・サービス・人・資本が自由に移動する」のは共同市場
 ASEAN経済共同体は「共同市場」ではない→「FTAプラス」
 共通関税は採用されていない
 人の移動も熟練労働者に限定
 日本政府の進めるEPA(経済連携協定)と類似
関税撤廃
非関税障壁撤廃
共通域外関税
サービス貿易自由化
規格相互承認
貿易円滑化
投資自由化
人の移動
知的所有権保護
政府調達開放
競争政策
域内協力
共通通貨
EC
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
AEC
○
○
×
△
△
○
○
△
○
×
△
○
×
EPA
○
△
×
△
△
○
△
△
○
△
△
○
×
FTA
○
△
×
×
×
△
×
×
×
×
×
×
×
(注)
○は実現している(ある
いは目指している)、
△は対象としているが
実現は不十分、
×は実現していない、
あるいは、対象として
いないことを示して
いる。
98
ASEAN経済共同体で実現する世界②
 自由貿易地域(FTA):域内でAFTA実現(関税撤廃、非関税障壁の撤廃)、
但し、 原産地規則を満たした物品が対象、税関検査は残る。
 政府調達:開放されない。
 基準・認証:一部品目に製品規格の相互承認、ASEAN基準の導入。
 通関手続き:電子化推進。
 サービス貿易の自由化:全分野の開放。
※第1モード(サービスの越境)、第2モード(消費者の越境)は自由化、第3モード
(業務拠点の越境)は外資出資比率制限(70%)残存、第4モード(供給者の越境)
は不明確
 人の移動:熟練労働者の移動自由化、専門サービスの資格の相互承認
 投資の自由化:投資規制は最小限に、投資前後の内国民待遇、投資家の移動の自由
 資本の移動:資本市場の統合を進める。
 共通政策:消費者保護、競争政策、知的財産権保護などの共通政策の実施
 インフラ整備:シンガポール~昆明鉄道、複合一貫輸送協定、通過貨物円滑化協定
などによるロジスティックスの改善
 航空・運輸:単一航空市場、単一海運市場の実現を目指す
 情報インフラ:通信機器の相互承認協定、域内高速通信ネットワーク、電子商取引法
整備など
 その他:税制協力(二重課税防止条約)/中小企業支援(サービスセンタ/と開発基金)
99
タイのFTA
100
【締結・発効済】
2004年2月 交渉開始
2005年9月 両国首脳会談で大筋合意
2006年4月 署名予定もタイ政治混乱で延期。
2007年2月14日 立法議会審議開始
2007年2月20日 閣議で調印承認
2007年4月2日 署名
2007年11月1日 発効
(※鉱工業品分野においては、日タイ双方がほ
ぼ全ての品目について、協定発効日から10年
以内に関税を撤廃)。
2005年1月 発効
(※原材料、燃料等中心に全品目の49%の関税を撤廃)
タイ 2005年~2025年 段階的に全品目の関税撤廃
豪州 発効と同時に全品目の83%の関税を撤廃。
残りの品目は段階的に2015年中迄に撤廃
ペルー
2003年10月 枠組み協定締結
2004年 1月 交渉開始
2005年11月 EH協定署名(2006年7月EH開始予定も遅延)
2006年11月 原産地規則に関する追加議定書締結。
2009年11月 第2追加議定書署名(HS2007に変更)。
(※5962品目。全体の70%の品目が対象)
2011年12月31日 EH発効(※残りの30%は2011年11月28日
で国会で交渉枠組み承認済み)
2015年迄に全品目の関税撤廃(予定)
チリ
2006年2月 共同研究開始
2006年7月 報告書提出
2011年4月 交渉開始
2013年10月 合意(予定)
EFTA(欧州自由貿易連合)
【研究中】
2004 年6月
2004年11月
2005年 4月
2005年 7月
交渉開始
首脳会談で実質合意
枠組み協定締結
発効
2008年8月 個別交渉を要望
2012年12月 交渉枠組み閣
議決定
2013年5月 交渉開始
06年11月 研究開始
で合意
2003年10月 野菜、
果物(HS07-08類)
につき撤廃。
【交渉中止】↓
米国
2004年6月 第1回交渉
2005年1月 第6回交渉
2006年11月 民主的な政権樹立まで交渉棚上げ。
2007年7月 交渉中止(シュワブUSTR代表談話)
バーレーン
2002年12月 枠組み協定締結
2005年 1月 EH626品目関税撤廃(※)
(※湾岸協力会議(GCC)は二国間FTA認めず。
05年5月、バーレーンはタイにGCCとのFTAを
提案)
南部アフリカ関税同盟(SACU)
ロシア
08年10月 F/S報告書完成
(商務省・財務省財政政
策研究所独自調査)
ポーランド
技術経済協力イニシアチブ)
04年2月 枠組み協定締結。
04年8月 関税削減交渉開始
11年2月 関税削減措置交渉終了
(※ファストトラックは2012年7月、
ノーマルトラックは2013年7月開始)
APEC(FTAAP)
中国
←【交渉中】
EU
BIMSTEC(ベンガル湾多分野
2003年10月 枠組み協定締結
2004年 9月 82品目の関税を引下げ開始
(※原産地規則、センシティブ品目で交渉は膠着状態。イン
ド側は1,000品目を超えるセンシティブ品目リストを提出)
2007年12月 交渉妥結もAIFTA影響評価まで保留に。
2012年1月 枠組み協定第2修正議定書締結
(※2012年半ばの発効目指すも遅延)
13年8月 共同貿易
委員会でFTAに
ついても議論
ニュージーランド
2005年1月 事前会合実施
2005年5月 第2回事前会合実施
2005年10月 交渉開始(※クーデ
ターで交渉停止)
2013年8月 交渉枠組閣議承認
インド
パキスタン
【その他】
日本
豪州
09年5月 副商務相が共同研究に関心(F/S調査準備中)
カナダ
スリランカ
環太平洋経済連携協定(TPP)
メルコスール
(南米南部共同市場)
12年11月 交渉のための国内手続きを開
始する旨表明(米タイ首脳会談)
13年9月 交渉枠組み策定・意見募集
トルコ
2013年7月 100
F/S開始
で合意
アセアンの広域経済圏の誕生
広域経済圏の誕生
・アセアンの結成: 1967年
・アセアンだけで、人口は6億人、GDP
は約US$2.3兆ドル(詳細は次ページ)
・RCEPを構成するアセアンプラス6カ国
(日/中/韓/印/豪/NZ)
・人口は約33億人(世界人口の約47%)
世界のGDPの30%(US$20兆)を占め、
貿易額も30%(US$10兆)
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経済規模
人口6億人、GDPは2.4兆ドル。(2013年)
・中国と比べて人口は44%、 GDPは28%だがインド
と比べると人口は49%、GDPは1.5倍である。
日本と比べるとGDPは38%だが、18年後には63%
に上昇する見込み。
・経済協力開発機構(OECD)によると、2014年~
2018年にかけての中期経済予測では、ASEAN
10か国の平均成長率は5.4% 。
国別ではインドネシア が6.0%/フィリピンが5.8%
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経済規模
アセアンの特徴の一つは多様性にある。
・当たりの国内所得が5万ドル超のシンガポール
から1,000ドル以下のカンボジア/ミャンマーまで
格差は50倍以上。
・名目GDPではシンガポール/ブルネイ/マレーシア/
タイの順番となる。
アセアンの一人あたりの平均はUS$3,591
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経済規模
付加価値税(VAT)
タイ: 7%
カンボジア/インドネシア/ベトナム/ラオス: 10%
フィリピン: 12%
ミャンマー/マレーシア/ブルネイは導入して
いない。
シンガポールはGST(10%)というサービス
チャージを導入。
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経済規模
付加価値税(VAT)
タイ: 7%
カンボジア/インドネシア/ベトナム/ラオス: 10%
フィリピン: 12%
ミャンマー/マレーシア/ブルネイは導入して
いない。
シンガポールはGST(10%)というサービス
チャージを導入。
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急速に台頭する中間所得層
購買力
可処分所得がUS$5,000以上/年のアジアの人口
2005年の1億人から2008年には2億人に、そして
2020年には20億人に。
出典: IMF
現在の各国の状況はいつ頃の日本に相当するか
マレーシア : 1985年前後 (昭和60年前後)
タイ
: 1980年前後(昭和55年前後)
インドネシア : 1973年前後 (昭和48年前後)
フィリピン : 1970年前後 (昭和45年前後)
ベトナム
: 1965年前後 (昭和40年前後)
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南北回廊
①南北回廊(クンミン-バンコク・・・マ
レーシア国境)
北部回廊
②東部回廊(クンミン-カーマウ)
③東西回廊(モーラミャイン-ダナン)
東北回廊
東部回廊
④南部回廊(ダウェイ-クイニョン/
ブンタウ)
中部回廊
西部回廊
東西回廊
③
⑤南部沿岸回廊(バンコク-ナムカン)
⑥中部回廊(クンミン-シアヌークビル/
レムチャバン)
南部回廊
ダウェイ深海港
プロジェクト実現に向
け検討進行中
④
⑦北部回廊(ファンチェン-タム)
⑧西部回廊(タム-モーラミャイン)
南部沿岸回廊
出所(地図): 運輸省
⑤
⑨東北回廊(タンホア-バンコク/
レムチャバン)
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