【実験】直線電流のまわりの磁界(実験書) 【目的】 直線電流が周囲に作る磁界の様子を調べる。 【準備物】 直流安定化電源 電流計 方位磁石 直線電流の磁界測 定用ステージ(アクリル板 32cm ☓ 18cm 厚さ 5mm),板, 角材,L字金具,ビス(真鍮),エナメル被覆銅線,ホーロ ー抵抗(1Ω-20W)スイッチ,直定規 【実験方法】 1 直線電流の磁界測定用ステージを作る。 ・アクリルケースに穴を空け4回~5回エナメル被覆銅線(0.4 mm 程度)を間隔を巻く。 (注意、アーム部分は長いほど直線電流 に近づく)銅線に抵抗とスイッチを介して電源につなぐ。 2 電流の強さIと磁界の強さの関係《実験1》 ,直線電流からの距離rと磁界の強さの関係《実験2》を調べる。 (1)≪実験1≫ 電流の強さIと磁界の強さの関係 ・rを一定(例えば2.0 cm)にして,電流 I を変化させたとき,θの値を読み取る。 ・tan θと I の関係をグラフにする。 (2)≪実験2≫ 直線電流からの距離rと磁界の強さの関係 ・Iを一定(例えば2.0 A)にして,電流からの距離rを変化させたとき,θの値を読み取る。 ・tan θと1/rの関係をグラフにする。 【測定結果】 《実験 1》 r=( θ tan θ I〔A〕 )cm tan θ 2.0 1.5 1.0 0.5 0 【測定結果】 《実験2》 I =( θ tan θ r〔cm〕 )A 1/r 5 10 電流 I〔A〕 15 〔A〕 tan θ 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0.2 0.4 0.6 0.8 〔1/cm〕 距離の逆数1/r -1- 【実験】直線電流の作る磁界(実験レポート) 【理論】電流のまわりに方位磁石を置くと,地磁気による磁界の水平成分H 0 と電流が作る強さHの 磁界との合成磁界の向きを向く。はじめに電流を流さない状態で,方位磁石の N 極が直線電流の方 を向くように設置しておく。直線電流から距離r〔m〕だけ離れた点に方位磁石を置き,強さI〔A〕 の電流を流して,方位磁石がθ〔rad〕回転したとき,H=(① )である。H 0 は一定なの で,tan θは電流によって生じた磁界の強さに比例する。ここで,電流による磁界の強さが,H=I/ 2πrであるならば,tan θ=1/(2πH 0)✕(② )となり,tan θは,電流の大きさI に{③ 比例・反比例 }し,距離rに{④ 比例・反比例 }することが考えられる。 【測定結果】 《実験 1》 r=( θ tan θ I〔A〕 )cm tan θ 2.0 1.5 1.0 0.5 0 【測定結果】 《実験2》 I =( θ tan θ r〔cm〕 )A 1/r 5 10 電流 I〔A〕 15 〔A〕 tan θ 0.8 0.6 0.4 0.2 0 0.04 0.08 0.12 0.16 〔1/cm〕 距離の逆数1/r 【結果と考察】 月 日 曜 限 講座 年 組 -2- 席 名前 【実験】直線電流のまわりの磁界(実験書) 【目的】 直線電流が周囲に作る磁界の様子を調べる。 【準備物】 直流安定化電源 電流計 方位磁石 直線電流の磁界測 定用ステージ(アクリル板 32cm ☓ 18cm 厚さ 5mm),板, 角材,L字金具,ビス(真鍮),エナメル被覆銅線,ホーロ ー抵抗(1Ω-20W)スイッチ,直定規 【実験方法】 1 直線電流の磁界測定用ステージを作る。 ・アクリルケースに穴を空け4回~5回エナメル被覆銅線(0.4 mm 程度)を間隔を巻く。 (注意、アーム部分は長いほど直線電流 に近づく)銅線に抵抗とスイッチを介して電源につなぐ。 2 電流の強さIと磁界の強さの関係《実験1》 ,直線電流からの距離rと磁界の強さの関係《実験2》を調べる。 (1)≪実験1≫ 電流の強さIと磁界の強さの関係 ・rを一定(例えば2.0 cm)にして,電流 I を変化させたとき,θの値を読み取る。 ・tan θと I の関係をグラフにする。 (2)≪実験2≫ 直線電流からの距離rと磁界の強さの関係 ・Iを一定(例えば2.0 A)にして,電流からの距離rを変化させたとき,θの値を読み取る。 ・tan θと1/rの関係をグラフにする。 【測定結果】 《実験 1》 r=(3.5)cm θ tan θ I〔A〕 59 1.66 15.27 53.5 1.35 11.90 46 1.03 9.34 39 0.81 6.11 22 0.40 2.61 電流は,束ねた分の全電流 tan θ 2.0 1.5 1.0 0.5 0 5 10 電流 I〔A〕 15 〔A〕 【測定結果】 《実験2》 I =(10)A tan θ θ tan θ r〔cm〕 1/r 0.8 37 28.5 22 17.5 14 0.75 0.54 0.40 0.32 0.25 5.5 7.48 9.5 11.5 13.5 0.18 0.13 0.11 0.087 0.074 0.6 0.4 0.2 0 0.04 0.08 0.12 0.16〔1/cm〕 距離の逆数1/r[1/cm] -3- 【実験】直線電流の作る磁界(実験レポート) 【理論】電流のまわりに方位磁石を置くと,地磁気による磁界の水平成分H 0 と電流が作る強さHの 磁界との合成磁界の向きを向く。はじめに電流を流さない状態で,方位磁石の N 極が直線電流の方 を向くように設置しておく。直線電流から距離r〔m〕だけ離れた点に方位磁石を置き,強さI〔A〕 の電流を流して,方位磁石がθ〔rad〕回転したとき,H=(① H 0 tan θ )である。H 0は一定な ので,tan θは電流によって生じた磁界の強さに比例する。ここで,電流による磁界の強さが,H= I/2πrであるならば,tan θ=1/(2πH 0)✕(② I/r )となり,tan θは,電流の大きさ Iに{③ 比例・反比例 }し,距離rに{④ 比例・反比例 }することが考えられる。 【測定結果】 《実験 1》 r=(3.5)cm θ tan θ I〔A〕 tan θ 2.0 59 1.66 15.27 53.5 1.35 11.90 46 1.03 9.34 39 0.81 6.11 22 0.40 2.61 電流は,束ねた分の全電流 1.5 1.0 0.5 0 5 10 電流 I〔A〕 15 〔A〕 【測定結果】 《実験2》 I =(10)A tan θ θ tan θ r〔cm〕 1/r 0.8 37 28.5 22 17.5 14 0.75 0.54 0.40 0.32 0.25 5.5 7.48 9.5 11.5 13.5 0.6 0.18 0.13 0.11 0.087 0.074 0.4 0.2 0 0.04 0.08 0.12 0.16〔1/cm〕 距離の逆数1/r[1/cm] 【結果と考察】 月 日 曜 限 講座 年 組 -4- 席 名前 【実験装置製作と測定指導上の参考】 ①装置の寸法 30 cm ☓60 cm のロの字型コイル。10芯の多芯線を使って電流を10倍にして いる。ステージの大きさは18 cm ☓32 cm。四角いプラスチック枠のついた方位磁石を N-S 上に 動かせるようものさしを洗濯ばさみで固定しておき,距離が同時に読み取れるよう工夫する。 ②ロの字型コイルであることから,測定している電流の奥に逆向きの直線電流があるため,グラフは 必然的に原点を通らない。距離が遠くになれば,それらの電流は相殺されることから,適切な範囲で 測定する指示を出すことが教育的であろう。この点については,添付の論文および Excel の測定結果 を参照されたい。 -5-
© Copyright 2024 ExpyDoc