進路指導室から第16号

平成 27 年 7 月 22 日
進 路 指 導 部
はじめに
私が夏らしさを感じるのは、朝夕の蜩や日中の蝉の鳴き声です。7月上旬はまだあまり聞くことができません
でしたが、やっとこの時期になって、蜩や蝉の鳴き声が聞こえるようになりました。本格的な夏の到来です。
さて、夏休みまであと少しです。先週は警報発令のため、2日休校となりましたが、生徒たちには最後まで緊
張感をもって学校生活を送ってもらいたいと思っています。
「進路研究セミナ―」について
7月15日(水)に2年生を対象とした「進路研究セミナー」が行なわれました。この「進路研究セミナー」
は、修学旅行での進路別研修の一環として位置づけ、大学から講師の先生方をお招きし、先生方による講義を通
して、本校生徒たちに学問の一端を学ばせるとともに、進路意識の高揚を図ることを目的としています。
今年度、お招きした講師の先生方と講義内容は以下のとおりです。
学問分野
講 師 名(所 属)
文 学
有馬 卓也 先生(広島大学大学院文学研究科)
国際・
外国語
西田 竜也 先生(広島市立大学国際学部)
講義内容
「古代中国:巫術から医術へ」
経 済
教 育
「原爆投下は悪なのか?悪だとすればな
ぜ悪なのか?」
未成年者や認知症高齢者が事故の加害者
橋本 有生 先生(早稲田大学法学部法学部)
になってしまったときは?-損害賠償責
任のあり方について-
岡村 誠 先生(広島大学大学院社会科学研究科) 「人間は incentive」
尾形 明子 先生(広島大学大学院教育学研究科) 子どもの生活と心理学
美 術
鰕澤 達夫 先生(広島市立大学芸術学部デザイン工芸学科)
法 学
美術講座
大毛 宏喜 先生(広島大学 広島大学病院 医学部)
医 学
医療・看護 竹中 和子 先生(広島大学医学部)
医科歯科進学に向けて
命を考える~あなたならどうしまか?!
医療・看護 藤田 直人 先生(広島大学医学部)
理学療法とは
薬 学
木下 恵美子 先生(広島大学薬学部
体の中のタンパク質の状態を研究する方法
理 学
土井 英雄 先生(広島大学大学院理学研究科)
最短 Network 問題入門
建 築
田中 貴宏 先生(広島大学大学院工学研究科)
入門:建築の世界へ
機械・電気 田中 隆太郎 先生(広島大学大学院工学研究科) 機械加工におけるセンシング技術
生物・農学 川井 清司 先生(広島大学大学院生物圏科学研究科) ガラス細工のミイラが教えてくれたこと
なお、教育コースに参加したある生徒は、セミナー終了後、以下のようにまとめてくれました。
すべて、とても役に立つ内容でした。先生の専門分野である臨床心理学はもちろん、基礎心理学、応用心理学の
違いや、人を話す時に気をつけることまで、幅広く自分たちにご教授くださいました。特に記憶に関する話や目標
の立て方などは、学校生活や学力向上にも活用できるものだったので、夏休みに向けて早々使っていきたいです。
先生は「心理学は科学」とおっしゃいましたが、感情をつかさどる脳が人体の中にあることを考えると当然だと思
い、理系の分野はあまり関係していないのではと考えていた自分がとても恥ずかしくなりました。動物や人を使っ
た実験や事実の検証は確かに理系的側面が強いので、これから学習する上で生物なども苦手意識を持たず取り組ん
でいきたいです。(「取り組んでいきたい」というのは目標として不適切ですが)忘却曲線や系列位置効果のグラ
フは関するを連想させるものなので、数学も頑張っていこうと思います。人のいる所に心理学があるということは、
人のいる仕事では心理学が使えるということなので、将来自分が就いた職業でも、人間関係などにおいて心理学を
活用していきたいです。
模試の見直しについて
先日、全学年で進研模試が行われました。特に1年生は、初めての模試であったことから終わってほっとしている人
もいるかもしれません。
しかし、模擬試験を受験する意味は、当日の出来よりも終了後の取組にあると言われています。終了後に配付
された解説を活用し、徹底的に復習することで、模擬試験は生きてきます。しかも、模擬試験の問題は、業者が
総力を挙げて作った問題です。解説も参考書よりも詳しくかつポイントを押さえています。
試験当日の復習が大事ですが、その日だけの復習で終わらせてしまうのではなく、模擬試験の問題・解説は、
いつでも使える状態にしておいてください。例えば、大き目の封筒に、科目別、主催者別に入れておくなりして
おけば、すぐに取り出せて便利です。また、ファイルするのも一つの方法です。
次の1・2年生対象の模擬試験は、8月29日(土)に行われる全統記述模試です。
(創造表現コース生徒は希
望者)
。受験前に今回の模擬試験の復習をすればきっと効果が表れると思われます。
オープンキャンパスに参加する際の留意点について
現在、多くの大学でオープンキャンパスが行われています。趣向を凝らしたイベントが企画されているよう
ですが、大学に来たという高揚感もあり、あっという間に時間は過ぎまい、何も得られないうちに「楽しかった」
だけで終わってしまいます。そこで、オープンキャンパスに参加する際の留意点についてまとめてみました。
(1)学びの内容だけでなく、自分の性格や志向に合うかチェックする
多くの生徒は第一志望の大学のオープンキャンパスに参加をするようですが、できれば、複数の大学のオープ
ンキャンパスに参加した方が良いかと思います。学びたい分野にこだわりがあるならば、同じ学部・学科を持つ
大学と比較することができます。その際、学びの内容だけでなく、自分との相性を考えることも大切です。例え
ば、学生数が多く規模が大きい大学で学生生活を送りたいと考える人もいる一方、規模は大きくはないけれど、
面倒見のよい大学で成長したいと考える人もいるはずです。4年間過ごすということを考えれば、大切な観点か
と思われます。
(2)大学の“自己紹介”が行われる全体説明会は必ず参加する
スケジュールの中に「全体説明会」があれば必ず参加するようにしてください。ここでは大学の特長や強みと
いった、大切なポイントが紹介されます。
(3)大学が公表している各種データの中身を再確認
オープンキャンパスは、パンフレットなどに記載されている各種データを自分の目で確かめられるチャンスで
す。就職率や資格取得率といった実績数値については、分子と分母が何であるかを確認してください。パーセン
トの数字だけで他の大学と比較すると誤解してしまう可能性があります。また、例えばアクセスに関して「最寄
り駅から大学まで徒歩5分」なら近くて便利に感じますが、その道のりは実際は急な坂道で思った以上に時間が
かかることに気付くかもしれません。
例)在籍者数:100名
就職希望者数:70名
→ 就職内定率:100%(?)
就職内定者数:70名
(4) 図書館や研究室などの日常的に利用する施設を確認する
大学に入学したら日常的に利用する学習施設の充実度は大切です。その代表的な場所が、図書館と研究室。学
生スタッフが主要施設を案内してくれる「キャンパスツアー」に組み込まれていなくても、ぜひ自分で行ってみ
てください。
(特に、図書館は必見です。図書館を見れば、大学の教育水準がわかると言います)
また、教室以外に、自分が落ち着ける場所がありそうか確認するのもおすすめです。大学生になったらキャン
パスで1日の大半を過ごすことになります。集中して自習できる場所、くつろげる場所があると、大学生活も一
層充実します。
(5) 自分を成長させてくれる機会を確認する
大学は自分を大きく成長させてくれる場所です。オープンキャンパスでそれが見える大学は、魅力的といえま
す。近年は授業や資格取得という直接的な指導にとどまらず、多彩な取り組みで学生にチャレンジの場を提供し
ています。例えば大学間で交流を行うインカレ、大学と産業界が協力して研究や事業を行う産学協同、大学の機
能を活用して地域社会の発展を目指す地域貢献などが挙げられます。大学を飛び出すことで広い視野が養えたり、
学びと社会の関係性をより深く理解できたりするなど、コミュニケーション能力の向上にも役立ち、就職活動の
際の有効なアピールポイントにもなります。
東京大学主催「主要大学説明会」について(再掲)
以下の日程にて、東京大学主催「主要大学説明会」が開催されます。
この説明会には、全国の多くの大学が参加します。すべての会場で教
員による大学説明を実施し、本学在学生・職員が質問に筓える個別相
談コーナーも開設します。
日
時: 平成27年8月30日(日)
10:00~16:40
会
場: 広島国際会議場 (広島市中区中島町 1 番 5 号)
内
容: 教員による大学説明、個別相談コーナー 等
参加大学: 東京大学、北海道大学。筑波大学、東京外国語大学
東京工業大学、一橋大学、横浜国立大学、名古屋大学
京都大学、京都工芸繊維大学、大阪大学、神戸大学
奈良女子大学、岡山大学、広島大学、山口大学
愛媛大学、九州大学、慶應義塾大学、中央大学
東京理科大学、法政大学、明治大学、早稲田大学
同志社大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学 等
申し込み: 事前申込みが必要です。
(6月下旬から)
PC版
: http://daigakujc.co.jp/information/2015/todai/notification.html
スマホ・携帯版 : http://daigakujc.jp/shuyoudai2015/
申 込 : 事前に申し込みが必要
終わりに
3年前の自動車メーカーのホンダのCMに、こんなCMがありました。なかなか心に訴える内容で印象に残っ
ています。
負けるものか
頑張っていればいつか報われる
持ち続ければ夢は叶う
そんなのは幻想だ
たいてい努力は報われない
たいてい正義は勝てない
たいてい夢は叶わない
そんなこと現実の世の中ではよくあること
けれど、それがどうした
スタートはそこからだ
新しいことをやれば必ずしくじる、腹が立つ
だから、寝る時間、食う時間を惜しんで何度でもやる
昨日までの自分を超えろ
昨日までのHondaを超えろ
「たいてい」で納得するのか、それとも、
「たいてい」ではない自分をつくっていくよう努力するのか。人それぞれの人
生の向き合い方かもしれません。
(文責:進路指導部 池本 邦彦)