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平成27年4月30日発行 第1号
秋田県立ゆり養護学校 総合支援部
「糸と糸を結び合う特別支援教育」
校長
新目
基
教育開発研究所から秋田県でも養護学校の教員や教育委員会の指導主事等で活躍してくださっ
た 名城大学教授 曽山和彦 教授が監修した『気になる子の保護者への支援術 ~校長のリーダー
シップで変わる特別支援教育~』が、この5月1日に発刊されます。この本は、本の題名が示すと
おり、管理職としてどのように特別支援教育を学校経営で推進していけばよいのかという方向性を
校長等の管理職に対して示している本です。この本のはじめにの中に、保護者と教師の間の「関係
の糸」、「順風」、「逆風」という言葉が出てきます。特別支援教育に携わっている我々やその対
象となっている子供たち、保護者の皆さんに、とても胸に響く言葉ではないでしょうか。
子供たちや保護者の皆さんとの最初の出会いで「関係の糸」が結ばれなかったら、そこには両者
の思いが打ち消し合う「逆風」が吹くでしょう。逆に、はじめにこの糸が結ばれ、徐々に強固にな
っていったら、学校にも子供にも保護者にもみんなの背中を押す「順風」が吹くでしょう。ではど
うしたら「関係の糸」を結ぶことができるでしょうか。それはやはり、相談を
受ける側が相手の思いや考え方にどれだけ寄り添い、真摯に向き合っていける
かどうかにかかっていると思います。
本校では、見えない「関係の糸」を全職員が意識し「ちょっと気になる子」
たちのための「順風」となるよう、本荘由利・仁賀保地区の皆様と共に手を携
え、特別支援教育の推進に寄与できますよう努めてまいりたいと考えています。
平成27年度も「地域と共に歩み、地域で育つゆり養護学校」をスローガン
に、職員一同頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
TEL:0184-27-2631
HP:http://www.yuri-s.akita-pref.ed.jp/
※教育専門監の派遣依頼文の様式は、ゆり養護学校のホームページからダウンロードできます。
ゆり養護学校相談窓口
教頭
髙橋 孝子
教頭
館山 峰夫
教育専門監
宮野 俊実
道川分教室
TEL:0184-62-6136
教頭
髙橋 斉
センター的機能担当
佐藤 悦子
小学部主事
高橋 知希子
中学部主事
佐川 透
高等部主事
阿部 泰雄
総合支援部主任
佐藤美奈子
特別支援教育アドバイザー
☆火曜日・金曜日9:00~15:45
鶴舞小学校内
特別支援教育地域センター
℡:0184-22-3558(直通)
☆木曜日 9:00~15:45
岩谷小学校内
特別支援教育相談ルーム
℡:0184-65-2220
佐藤 順子
専門監のつぶやき
専門監のつぶやき
4月は出会いの季節。新しい子どもたちとの出会いはありましたか。まだ少
し緊張しながら関わっている人もいるかもしれません。5月は子どもたちとた
くさん遊んで仲良くなってください。
実態把握の一つに「好きなもの・好きなことアセスメント」というものがあります。子どもの喜ぶ
ことや嬉しい活動を見つけることで、楽しく関わる時間も増え、学習への意欲や集中を高める一助と
なるでしょう。
<記録の例1>
※できるだけたくさんの好きな活動や好きな物を探しましょう。
活動・物
具体物
(例:もの)
ビデオ鑑賞
程度(頻度)
乗り物が出てくるビデオ 家に帰るとほぼ毎日
特に電車、トーマス
活動の様子
自 分で 選択 し て、 1日2
時間は見ている
(例:活動)
読書
図鑑が大好き
特に、動物や昆虫の図鑑
<記録の例2>
主な活動場所ごとに整理して記録するのも良いでしょう。
活動場所
毎 日 持 ち 歩 い て 、 家 で 友 達や 先生 に 知っ ている
も学校でも見ている
動物の名前を教える
好きな物・好きなこと
活動の様子
体育館①
ボール(ピンクのソフトバレーボール)
先生とキャッチボールをするのが好き
体育館②
三輪車(種類は特にこだわらない)
壁側を大きくまわって遊んでいる。
教
室①
CDを聞く(アンパンマン、しんちゃん) 業間や昼休みに自分で操作している
教
室②
絵本(特に動物や昆虫の図鑑が好き)
休み時間によく見ている。知っている
動物の名前を身近な先生に教える。
きよ う
「好きなもの・好きなことアセスメント」の活用の仕方
につ き
○集中力の持続が難しい子どもたちには、短時間の内容をいくつか組み合
わせて1時間の学習とするモジュールという指導方法が効果的です。
その学習内容の組み合わせや順番を考える時に、最後の内容にその子が
大好きな活動を準備することで、学習意欲が高まり集中する時間も増え
るでしょう。好きな活動が大きな動機付けとなるのです。最初に目に見
える形でスケジュールを提示してスタートしましょう。
こく ご
今日の国語
はつぴよう
1 日記の発 表
かん じ
がくしゆう
2
漢字の学 習
3
読書
※大好きな絵本
どくしよ
○パニックや衝動的な行動(奇声や逸脱など)が激しい子の場合、クールダウンが必要
となります。不安定な状態で指示を出しても子どもにはなかなか届きません。落ち着
いた状態に戻った時に、じっくりと話を聞いてあげたり、適切な言動を教えてあげた
りすることが大切な支援となります。好きな活動や好きな物は、いらいらした心を静
める効果があります。クールダウンの部屋が準備されているなら、そこに大好きなC
Dや絵本を準備しておくとよいでしょう。
○大好きな物を使って一緒に遊ぶことは信頼関係を深めていきます。「この先生は僕と
一緒に楽しく遊んでくれる先生だ」という気持ちを大事にして、遊びを通したいろ
いろな関わりの中で「安心できる存在」になりましょう。