製造物責任の法体系の原則

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製造物責任の法体系の原則
設計段階で考慮する点
すべての市場での製造物の安全性に係る法制度の大半にお
いてはリスクに基づいた基準の観点から、必須の健康およ
び安全要件をまとめています。製品が合理的に安全かどう
かを判断するため、製造業者はリスク評価を行い、法律上
の要件を満たすためすべての合理的な手順を踏んでいるこ
とを示さなければなりません。
より具体的には、ヨーロッパや米国、日本、中国、オース
トラリアなどでの厳格責任では、損害賠償請求の際に製品
が安全であったことを証明する責任を製造業者に課してい
ます。製造業者は、次の点を担保しなければなりません。
1. リスク評価が徹底したものであり、高い基準のものであ
る。行ったリスク評価の質が、よりよい設計を通じての
損害賠償請求の回避のみならず、製品が合理的に安全な
基準以上の水準で設計されたことを証明するうえで非常
に重要である。
2. リスク評価には、少なくとも、設計チームが分析および
評価の主要な段階を通じ体系的に作業を行っていること
を確認する正規の方法が含まれ、製品のすべての構成要
素を注意深く精査したことを確認する故障モード影響解
析などの具体的な技法を使用している。
警告および情報
高い安全基準を満たすよう設計されている製品でも、適切
な警告および情報が提供されていない場合、損害賠償請求
が行われる場合があります。ISOやANSIなどの一連の基準
や、玩具産業協会などの業界の情報が、この情報および伝
達する内容の策定の指針となりますが、ここでも、こうし
た基準はリスク評価プロセスを推進するに過ぎないことを
理解することが重要です。
危険分析およびリスク評価
製品安全ラベルを開発する前に、製品の危険および各危険
に関連するリスクの評価を行う必要があります。どのよう
な危険で最もリスクが大きく、安全ラベルが必要になるか
に関して選択を行う必要があります。同様に、ユーザー文
書でどの危険に対処する必要があるかに関して決定を下す
必要があります。
つまり、効果的な製品警告やその他の情報は、適切かつ十
分なリスク評価がないと策定できません。
3. 製品の設計の開発手法および、安全に市場で発売できる
との結論にどのように達したかを示す明確な記録がある。
製造および流通
損害賠償請求は、不適切な設計のみならず、製造上の不具
合からも生じます。よって、製造業者は、自らの製造およ
び流通業務が効果的であることを確認するための、品質管
理システムを有していなければなりません。この分野で
は、ISO基準であるISO9000が適切な指針であり、製造工
程の品質基準として認められています。
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