クラシックバレエの引き上げ姿勢における体幹筋群及び 腹腔内部変化の

クラシックバレエの引き上げ姿勢における体幹筋群及び
腹腔内部変化の体幹部CT画像からの検証
末吉のり
末吉のり子
のり子(新潟大学大学院)
新潟大学大学院) 太田玉紀(
太田玉紀(猫山宮尾病院)
猫山宮尾病院) 灰方淑恵(
灰方淑恵(コンディショニングスタジオR)
コンディショニングスタジオR) 村山敏夫(
村山敏夫(新潟大学)
新潟大学)
これまでの研究から・・
側腹筋
側腹筋
バレエの引き上げ姿勢 通常の立位姿勢とバレエを踊
る際の引き上げ姿勢は違い
がある
脊柱の弯
曲が大きい
大腰筋
脊柱の
弯曲が
少ない
引き上げ
姿勢
通常立位姿勢
脊柱に
脊柱に4つある
カーブの角度
角度
カーブの
を小さくなる
引き上げ姿勢
通常立位姿勢
バレエ立位姿勢
バレエ立位姿勢
脊柱アライメント変化と相関が見られたのは
大腰筋、側腹筋(腹横筋、外腹斜筋、内腹斜
筋)であった⇒
筋)であった⇒側腹筋の重要性
単純X線撮影から、脊柱アライメント
変化、腹腔内部変化が確認された
(腹腔内圧の関与)
研究目的
研究目的
検証方法
被験者は
被験者はバレエ指導者
バレエ指導者から
指導者から見
から見て引き上げ姿勢ができていると
姿勢ができていると認
ができていると認められる2
められる2名
(A:52
(A:52歳
52歳、バレエ教師
バレエ教師 B:35
B:35歳
35歳、バレエ歴
バレエ歴8年 理学療法士)
理学療法士)
臍の部分にマーカー
部分にマーカー(
にマーカー(プラスチック製
プラスチック製ボタン)
ボタン)を貼り付け、背臥位にて
背臥位にてCT
にてCT撮影
CT撮影を
撮影を行なう
①腹壁の
腹壁の引き込みを行
みを行わず、
わず、通常の
通常の立位姿勢に
立位姿勢に近いと思
いと思われる状態
われる状態(
状態(Normal)
Normal)
②引き上げ姿勢と
姿勢と同じように腹壁
じように腹壁の
腹壁の引き込みをおこない、
みをおこない、バレエの引
バレエの引き上げ姿勢に
姿勢に近
いと思
いと思われる状態
われる状態(Ballet)
状態(Ballet)
全体幹部
全体幹部CT
幹部CT撮影
CT撮影(
撮影(横隔膜上縁~
横隔膜上縁~恥骨結合)
恥骨結合)を①、②の2度行う
度行う。
全体幹部CT撮影(360°
°)から、前額
全体幹部CT撮影(
面、矢状面、横断面、脊柱3D画像すべ
てから、バレエの引き上げ姿勢を明ら
かにすると同時に、体幹内部の変化に
ついて検証する
結果と考察
前額面からの解析
㎜
骨盤底筋群の関与が示唆される
第11胸椎上縁~恥骨結合
第11胸椎上縁~恥骨結合
340
338
336
334
332
330
328
326
324
322
㎜
坐骨最外縁
腸骨最外縁
㎜
185
270
180
265
175
260
170
255
165
250
160
155
245
Normal
Ballet
Sub.A
Normal
Normal
Sub.B
Sub.A
*Ballet でSub.A 伸張、Sub.B
短縮
伸張、
Ballet
Ballet
Sub.A
Sub.B
Sub.B
*Balletで
でSub.A 、Sub.B 腸骨外縁広がる *Sub.A 、Sub.B 坐骨外縁狭まる
横断面から解析
横断面から解析
腹腔断面積
㎠
cm
160
140
120
100
80
60
40
20
0
筋腹変化
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
Normal
Ballet
Sub.A
Sub.B
Normal
Ballet
Sub.A
Sub.B
*Sub.A 、Sub.B 断面積が小さくなる *Sub.A 、Sub.B 側腹筋の筋腹厚くな
る
脊柱3Dでの解析
矢状面からの解析
矢状面からの解析
矢状面
%
105
100
95
90
85
80
75
Normal
Ballet
Sub.A
矢状面:尾骨~第11胸椎上縁、
矢状面:尾骨~第 胸椎上縁、
体幹幅:マーカーからの水平線
体幹幅
%
112
110
108
106
104
102
100
98
96
94
Normal
Sub.B
Ballet
Sub.A
Sub.B
*Balletで
でSub.A 、Sub.B 体幹幅の減少
*Balletで
でSub.A 、Sub.B 脊柱
脊柱の伸展
の伸展 *骨髄管の幅が広くなる
脊柱の伸展が確認される(Sub.B)
)
脊柱の伸展が確認される(
まとめ
まとめ
仙骨のうなずき運動(ニューテーション・カウンターニューテーション)
仙骨のうなずき運動(ニューテーション・カウンターニューテーション)
Normal
1.前額面からは確認されなかった脊柱の伸展が、矢状面からの計
測で確認された。(
測で確認された。(様々な方法での解析の有用性)
様々な方法での解析の有用性)
2.腹腔内圧の変化に関係する筋群のユニット(骨盤底筋群、腹筋、
横隔膜など)の働きによって、引き上げ姿勢時には坐骨の幅が狭ま
り、腸骨幅は広がり、脊柱の伸展に関与するカウンターニューテン
ションが起こっている可能性が示唆された。
Ballet
骨盤が前傾すると坐骨部が広がり、
腸骨部が狭くなる。
ニューテーション(A)
坐骨部
坐骨部が狭くなると腸骨部が広がる
→カウンターニューテーション(B)
カウンターニューテーション(B)
腰方形筋の変化も
腰方形筋の変化も
見られた