平成27年2月(第70号)

おきあい事 務 所
おきあい事務所通信
平成27年2月
第70号
http://www.okiai.jp/
東京都北区赤羽
1-6 1 -4 -4 0 1
不 動 産 鑑 定 士 CFP Ⓡ 置 鮎 謙 治
メール アドレス [email protected]
司法書士
置鮎佐和子
メール アドレス [email protected]
115-0045
TEL03-6661-8346
商 業 登 記 のはなし⑦
役 員 の登 記 を申 請 するときの添 付 書 面 が変 わります。
(1)取 締 役 、監 査 役 等 の就 任 の登 記 に「本 人 確 認 証 明 書 」が必 要 に
株 式 会 社 の設 立 の登 記 や役 員 (取 締 役 や監 査 役 等 )の就 任 の登 記 を申 請 するとき
は、「本 人 確 認 証 明 書 」の添 付 が必 要 となります。本 人 確 認 証 明 書 の例 は、①住 民 票
②戸 籍 の附 票 ③住 基 カードや運 転 免 許 証 のコピー です。③の場 合 、裏 面 もコピーし、
本 人 が「原 本 と相 違 ない」と記 載 して、記 名 押 印 することになります。
これまでも、代 表 取 締 役 や取 締 役 会 を設 置 しない会 社 の取 締 役 の就 任 の登 記 では、
就 任 承 諾 書 に個 人 の実 印 を押 印 して、印 鑑 証 明 書 の添 付 が必 要 でした。今 後 はすべ
ての役 員 さんについて、実 在 性 や正 確 な住 所 氏 名 を確 認 する趣 旨 です。従 来 どおり印
鑑 証 明 書 を添 付 する場 合 や、再 任 の場 合 は、さらに本 人 確 認 証 明 書 を添 付 する必 要
はありません。
また、住 所 と氏 名 を確 認 しますので、就 任 承 諾 書 (株 主 総 会 議 事 録 を援 用 する場 合
は議 事 録 )に、氏 名 だけでなく住 所 の記 載 も必 須 となります。
(2)代 表 取 締 役 等 (印 鑑 提 出 者 )の辞 任 の登 記 では、辞 任 届 に実 印 を押 印
代 表 取 締 役 等 (登 記 所 に印 鑑 を提 出 した方 )の辞 任 による変 更 登 記 の申 請 には、
代 表 取 締 役 等 の個 人 の実 印 が押 された辞 任 届 とその印 鑑 証 明 書 を添 付 するか、登
記 所 届 出 印 が押 された辞 任 届 を添 付 することが必 要 になります。
代 表 取 締 役 の辞 任 の登 記 や、代 表 取 締 役 である取 締 役 が取 締 役 を辞 任 することに
より、代 表 取 締 役 を資 格 喪 失 で退 任 する場 合 の登 記 が対 象 となります。
代 表 取 締 役 が、本 人 の知 らない間 に勝 手 に辞 任 したことにされてしまうことを防 ぐ趣
旨 です。
ただ、個 人 の実 印 で押 印 した辞 任 届 +印 鑑 証 明 書 だけでなく、会 社 の実 印 で押 印 し
た辞 任 届 でも、登 記 は受 理 されてしまうので、会 社 の実 印 もきちんと代 表 取 締 役 自 身
が管 理 することが(本 来 は)求 められます。
この改 正 は、平 成 27年 2月 27日 からです。添 付 書 面 が増 えて面 倒 になるような感
じもしますが、私 も含 めて司 法 書 士 の立 場 では、わりと歓 迎 されています。いわゆる平
取 締 役 や監 査 役 となる人 が本 当 に存 在 するのか?、代 表 取 締 役 の交 替 の場 面 で、本
当 にその人 は辞 任 したのか?会 社 乗 っ取 りではないのか?、をどこまで確 認 するかは、
これまでも、個 々の司 法 書 士 の判 断 で書 類 や面 談 をお願 いし、対 応 していました。
虚 偽 の登 記 を防 ぐ改 正 で、司 法 書 士 としては、これまでより安 心 して受 託 できるよう
になります。
第 9回 法 務 局 での調 査 ③ 地 積 測 量 図
地 積 測 量 図 は、土 地 の地 積 (面 積 )を法 的 に確 定 した図 面 です。地 積 およびその求
積 方 法 のほか、該 当 地 の地 番 および隣 接 地 の地 番 などが記 載 されています。法 務 局
に保 存 されており、誰 でも閲 覧 および写 しの交 付 を請 求 することができます。求 められ
た地 積 は登 記 事 項 証 明 書 の地 積 と一 致 しますが、残 念 ながら、どの土 地 にも存 在 す
る図 面 ではありません。
これは、地 積 測 量 図 が分 筆 登 記 の申 請 やこれまで登 記 されていなかった土 地 の表
示 登 記 の申 請 、あるいはすでにある登 記 の地 積 変 更 、更 正 を申 請 する際 に必 要 な添
付 書 類 という位 置 づけであるためなのです。そのため、これまで分 筆 されていないような
土 地 に地 積 測 量 図 はありませんし、また、合 筆 された土 地 についても存 在 しません。
さらに、分 筆 などの際 の添 付 書 類 と規 定 される以 前 の分 筆 などについても地 積 測 量
図 は提 出 されていません。各 法 務 局 によって多 少 の違 いはありますが、概 ね昭 和 40
年 以 降 の分 筆 などについては提 出 されているようです。
地 積 測 量 図 には境 界 杭 、境 界 鋲 の位 置 なども記 載 されており、境 界 確 定 ができて
いることがわかります。実 際 の取 引 の際 には、現 地 に行 って杭 などが実 際 にあるかどう
か確 認 することが必 要 ですが、境 界 確 定 ができているかどうかはその土 地 の取 引 額 に
大 きく影 響 します。そのため、地 積 測 量 図 がない土 地 については、取 引 の際 に新 たな
測 量 ・境 界 確 定 が必 要 になり、追 加 の費 用 が発 生 することもありえるのです。
地 代 滞 納 がある場 合 の借地 権 評 価
賃 貸 している土 地 の上 に建 っている建 物 の場 合 、その借 地 権 と建 物 を一 体 で
評 価 することになります。いわゆる「借 地 権 付 建 物 」ですが、土 地 は賃 借 している
わけですから、地 代 を支 払 っているはずです。
しかし、借 地 権 者 (建 物 所 有 者 )が地 代 を支 払 っておらず、滞 納 しているケース
もあったりします。地 代 の額 は、ひと月 分 ですと大 した額 にはならないかもしれませ
んが、これが1年 、2年 、さらには10年 ・・・と滞 納 が続 いていたりしますと、相 当 な
額 になる場 合 もあります。
では、こういった地 代 の滞 納 がある場 合 、地 代 の滞 納 分 は、評 価 額 に影 響 する
のか、これもなかなか悩 ましい問 題 です。
この借 地 権 付 建 物 を第 三 者 が購 入 しようとする場 合 、借 地 権 の譲 渡 について
地 主 の承 諾 が必 要 となりますが、滞 納 分 の支 払 いがなければ承 諾 しない、という
ことになりますと、滞 納 分 をどちらかが負 担 しなくては、借 地 権 の譲 渡 もままならな
くなります。
そうなりますと、滞 納 分 をどちらが負 担 するかによっても購 入 価 格 は変 わってき
ます。そのため、地 代 滞 納 がある場 合 は、地 代 の滞 納 額 、譲 渡 承 諾 を行 うにあた
っての地 主 の姿 勢 (譲 渡 承 諾 額 を含 む)、滞 納 地 代 の負 担 先 などを考 慮 しながら
評 価 額 を求 めなければなりません。
これらは、借 地 権 や取 引 それぞれにおいて千 差 万 別 ですので、評 価 に当 たって
は借 地 権 や売 買 の状 況 を、当 事 者 からのヒアリング等 によりしっかりと把 握 する
必 要 があります。
○編 集 後 記 ○
自 宅 の賃 貸 マンションの契 約 が、また更 新 の時 期 を迎 えました。2年 契 約 で6回 目
の更 新 です。今 回 の更 新 では、エアコンの交 換 をしてもらいました。これまでに払 った家
賃 を計 算 すると1900万 円 超 ・・・考 えないことにしましょう。なお、どちらも不 動 産 に関
する仕 事 をしている、私 達 夫 婦 の自 宅 が賃 貸 なのには、あまり理 由 はありません。