平成26年2月(第58号)

おきあい事 務 所
おきあい事務所通信
平成26年2月
第58号
115-0045
東京都北区赤羽
1-6 1 -4 -4 0 1
不 動 産 鑑 定 士 CFP Ⓡ
置鮎謙治
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司法書士
置鮎佐和子
メール アドレス [email protected]
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TEL03-6 6 6 1 -8 3 4 6
不 動 産 登 記 のはなし⑱の2
「被 相 続 人 の生 まれてから亡 くなるまでの戸 籍 」だけでは足 りない場 合
不 動 産 の相 続 登 記 や金 融 機 関 で相 続 の手 続 きをするときは、相 続 関 係 を証 するた
めに、原 則 として、亡 くなった人 の生 まれてから亡 くなるまでの戸 籍 謄 本 すべてが必 要
となります、というのが前 回 のお話 でした。お子 さんが何 人 いるかを証 明 するためです。
ところが、お子 さんがいらっしゃらない方 が亡 くなった場 合 は、多 くのケースでこれだけ
では足 りません。子 がいない場 合 、法 定 相 続 人 は、配 偶 者 と第 2順 位 の直 系 尊 属 (両
親 、祖 父 母 の順 にさかのぼる)となりますが、ある程 度 の年 齢 で亡 くなった人 の場 合 、
両 親 、そして祖 父 母 もすでに他 界 されていらっしゃることが多 いかと思 います。その場
合 は、法 定 相 続 人 が配 偶 者 と第 3順 位 として兄 弟 姉 妹 となります。
兄 弟 姉 妹 が法 定 相 続 人 の場 合 、相 続 関 係 を証 するために「被 相 続 人 の生 まれてか
ら亡 くなるまでの戸 籍 謄 本 すべて」プラス「被 相 続 人 の両 親 が生 まれてから亡 くなるま
での戸 籍 謄 本 」が必 要 です。
両 親 それぞれのお子 さんは(両 親 共 通 ではなくても)みんな兄 弟 姉 妹 の関 係 となりま
すので、両 親 の戸 籍 を、それぞれの婚 姻 前 にもさかのぼります。「両 親 の生 まれてから
亡 くなるまでの戸 籍 謄 本 」で、自 分 たち以 外 に兄 弟 姉 妹 がいないことを証 明 するわけで
す。両 親 の出 身 地 が遠 方 であれば、郵 送 で取 り寄 せることになります。
また、平 成 22年 までは除 籍 謄 本 の保 存 期 間 が80年 だったので(現 在 は150年 に改
正 されましたが)、役 所 において、すでに廃 棄 されていることもあります。例 えば、今 80
歳 で亡 くなった人 が、親 御 さんが30歳 のときに生 まれた子 だとすると、単 純 に計 算 する
と110年 前 の戸 籍 を取 得 する必 要 があり、家 督 相 続 の発 生 した時 期 にもよりますが、
除 籍 になって80年 経 過 したのが平 成 22年 より前 であれば、廃 棄 されていてもおかしく
ないわけです。不 動 産 登 記 では、一 応 、15歳 (生 殖 年 齢 の目 安 )ぐらいまでさかのぼ
れればよしとする扱 いですが、そこまでも取 得 できない場 合 は、相 続 人 全 員 で「保 存 期
間 満 了 により廃 棄 済 みの戸 籍 謄 本 が添 付 できませんが、相 続 人 は私 たちだけです」と
いった上 申 書 を添 付 します。東 京 の下 町 エリアでは、震 災 や戦 災 で戸 籍 消 失 している
こともあり、同 じように上 申 書 を添 付 して、相 続 登 記 を申 請 することがあります。
なお、金 融 機 関 ではそこまで言 われないようですが、不 動 産 登 記 では、相 続 発 生 時
に法 定 相 続 人 それぞれが生 存 していたことを証 明 するため、法 定 相 続 人 の現 在 戸 籍
(抄 本 でも可 )も必 要 です。
具 体 的 なケースでも、相 続 関 係 や戸 籍 について疑 問 がありましたら、お気 軽 にご相
談 ください。
第 2回 一 般 定 期 借 地 権
一 般 定 期 借 地 権 は、その名 のとおり、定 期 借 地 権 制 度 の一 般 的 な形 態 として借 地
借 家 法 22条 に規 定 されています。存 続 期 間 は50年 以 上 の期 間 を定 めることとなって
おり、(a)契 約 の更 新 がない、(b)建 物 の再 築 に よる存 続 期 間 の延 長 がない、(c)借 地
人 は建 物 の買 取 請 求 をしない、の3つの特 約 を書 面 によって行 うことができます。なお、
これらの特 約 は書 面 で行 えばよいことになっており、必 ずしも公 正 証 書 である必 要 はあ
りません。
存 続 期 間 として50年 以 上 の期 間 としているのは、50年 以 上 の期 間 について存 続 期
間 を定 めていれば、更 新 しない特 約 を認 めても、期 間 満 了 時 点 においては借 地 上 の
建 物 についても十 分 に「使 い切 って」、経 済 的 な効 用 を全 うしており、借 地 関 係 の安 定
を阻 害 することはないであろう、という考 え方 に基 づいているものです。
存 続 期 間 が満 了 した際 には、借 地 人 は建 物 を収 去 し、更 地 としたうえで地 主 に返 還
することになります。ただし、地 主 と借 地 人 両 者 が合 意 した上 であれば、地 主 が建 物 を
買 い取 ることはできます。存 続 期 間 中 に建 物 が滅 失 した場 合 、借 地 人 は建 物 を再 築
することはできますが、存 続 期 間 の延 長 はなく、存 続 期 間 満 了 時 には、借 地 人 は建 物
を撤 去 して地 主 に土 地 を返 還 しなければなりません。
また、次 回 に解 説 いたします事 業 用 定 期 借 地 権 等 が別 にありますが、一 般 定 期 借
地 権 には用 途 に特 段 の制 約 はなく、住 宅 に限 らず、店 舗 や事 務 所 として使 用 する建 物
所 有 の目 的 でも利 用 できます。
標 準 的 使 用と最 有 効 使 用について改めて考 える
不 動 産 鑑 定 における使 用 方 法 の概 念 に「標 準 的 使 用 」と「最 有 効 使 用 」があります。
標 準 的 使 用 のほうは地 域 における概 念 で、「その地 域 における一 般 的 な不 動 産 の使 用
方 法 」となります。一 方 、最 有 効 使 用 のほうは、個 別 の不 動 産 についての概 念 で、「その
不 動 産 の最 も効 率 的 な使 用 方 法 」となります。
評 価 する不 動 産 が属 する「地 域 」の使 用 方 法 と、その不 動 産 「そのもの」の使 用 方 法
ですので、標 準 的 使 用 と最 有 効 使 用 が異 なることもあります。
先 日 、かつては小 工 場 などが多 くたっていた地 域 で、現 在 は住 宅 地 化 が進 んでいるも
のの、今 だ工 場 、作 業 所 併 用 の住 宅 などが残 っている地 域 の不 動 産 を評 価 する機 会 が
あり、改 めて、これらの概 念 について考 えさせられました。
不 動 産 は更 地 で、地 域 的 には標 準 的 使 用 は作 業 所 住 宅 併 用 地 となるのですが、これ
からの地 域 の推 移 を考 えたうえで、その不 動 産 の最 有 効 使 用 については作 業 所 併 用 で
ない一 般 の住 宅 地 と判 断 しました。現 在 一 般 的 なのは「作 業 所 併 用 の住 宅 」でも、今 後
は住 宅 地 化 が進 み、この不 動 産 について考 えますと、現 時 点 では「専 用 住 宅 」地 としての
利 用 が最 も効 率 的 な利 用 である、と判 断 したからです。
この辺 の判 断 は大 変 難 しいのですが、やはり「この土 地 を最 も活 かせる使 用 方 法 は何
か?」ということを常 に的 確 に判 断 できるよう、地 域 や不 動 産 を見 る目 を磨 いていきたいと
思 います。
○編 集 後 記 ○
デパートの北 海 道 物 産 展 で、以 前 から気 になっていた「三 方 六 」というバームクーヘン
を購 入 しました。食 べてみたら、予 想 通 り美 味 しかったです。そして…「食 の大 北 海 道
展 」「冬 の北 海 道 物 産 展 」「大 北 海 道 展 」と順 にキャラバンしているようで、次 のデパート
でまた購 入 してしまうのです。