平成 27 年度 神奈川県放射線医会総会及び第 56 回例会 ≪プログラム

平成 27 年度
神奈川県放射線医会総会及び第 56 回例会
≪プログラム・抄録集≫
日
時
平成 27 年 10 月 10 日(土)午後2時より
(午後 1 時 20 分開場)
会
場
横浜情報文化センター
当番世話人
国枝
悦夫
東海大学医学部
専門診療学系
放射線治療科学
本例会の開催にあたっては、学校法人東海大学総合研究機構から一部補助を受けております。
≪平成 27 年度神奈川県放射線医会総会及び第 56 回例会プログラム≫
*一般演題におきましては,発表 4 分,討議 2 分でお願い申し上げます。
*ミニ・イメージ・インタープリテーションにおきましては,回答 5 分,解説 5 分でお願い申し上げます。
Ⅰ.開会挨拶
2時~2時 05 分
当番世話人 国枝悦夫
(東海大学医学部専門診療学系放射線治療科学)
Ⅱ.総
会 2時 05 分~2時 15 分
議長
中島康雄会長
(聖マリアンナ医科大学放射線医学講座)
Ⅲ.一般演題
2 時 15 分~3 時 10 分
座長
竹林 茂生
(横浜市立大学附属市民総合医療センター放射線部)
1.くも膜下出血を合併した可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の 1 女児例
櫻井亮佑 1) ,佐藤宏朗 1) ,成松芳明 1) ,安藏 慎 2) ,
川崎市立川崎病院放射線科 1) ,同小児科 2) ,
2.気管支瘻の合併が疑われた難治性気胸に対し、EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)を用いた気
管支塞栓術が著効した 1 例
前原由美 1) ,山本晃大 1) ,萩原良哉 1) ,松田出 1) ,平居義裕 2) ,伊東俊輔 2) ,寺西周平 2) ,
関東労災病院放射線診断科 1) ,同呼吸器内科 2) ,
3.緩徐な経過を辿っている低分化肺腺癌 遠隔転移の一例
小森承子
北里大学医学部 放射線腫瘍学
4.多発脳転移によるてんかん発作で発症した左房粘液肉腫の 1 例
酒井容堂
横浜市立大学附属市民総合医療センター放射線部
5.大腸癌術後に出現した腹腔鏡ポート部播種の 1 例
池田新 1) ,青木利夫 1) ,神山和俊 1) ,辻厳吾 1) ,小山新吾 1) ,能谷雅文 1) ,吉儀淳 1) ,
渡邉純 2) ,舛井秀宣 2 , 津浦幸夫 3)
横須賀共済病院放射線科 1) ,同外科 2) ,同病理診断科 3)
6.本態性振せんに対する経頭蓋MRガイド下集束超音波による視床破壊術の初期経験
―FDA approved clinical study in Japan―
山口敏雄 1) ,阿部圭一 3) ,吉原尚志 1) ,秋葉絢子 1) ,嶺久美子 1) ,堀大樹 1) ,堀智勝 2) ,
笹沼仁一 2) ,村垣善浩 3) ,平孝臣 3) ,渡邊一夫 4)
新百合ヶ丘総合病院放射線診断部 1) ,同脳神経外科 2) ,東京女子医大脳神経外科 3) ,
南東北グループ理事長 4)
7.肝細胞癌との鑑別に難渋した肝血管筋脂肪腫の一例
石黒謙一郎 1) ,藤川あつ子 1) ,池田裕喜 2) ,濱口真吾 1) ,田島佳子 1) ,宮川国久 1) ,中島康雄 1) ,
聖マリアンナ医科大学病院放射線科 1) ,同消化器肝臓内科 2)
8.前立腺癌における線量増加にともなう急性有害事象の比較
福澤毅 ,長尾隆太 ,秋庭健志 ,小松哲也 ,小林俊昭 ,北原規 ,国枝悦夫
東海大学医学部専門診療学系放射線治療科学
-1-
… 休憩及びミニ・イメージ・インタープリテーション投票〈3時 10 分~3 時 25 分〉…
Ⅳ.特別講演
3 時 25 分~4 時
座長
国枝悦夫
(東海大学医学部専門診療学系放射線治療科学)
「体幹部定位放射線治療における PET-CT の役割」
武田 篤也 先生
大船中央病院 放射線治療センター長
… ミニ・イメージ・インタープリテーション準備(小休憩)〈4 時~4 時 05 分〉…
Ⅴ.ミニ・イメージ・インタープリテーション
4 時 05 分~4 時 45 分
司会
丹羽 徹
(東海大学医学部専門診療学系画像診断学)
1.出題:丹内啓允
回答:佐藤祥恵
2.出題:竹林茂生
回答:野津和仁
3.出題:新城安基
回答:橘川聡文
4.出題:荒井学
回答:野村敬清
Ⅵ.閉会挨拶
横浜市立大学放射線科
帝京大学医学部附属溝口病院放射線科
横浜市立大学附属市民総合医療センター放射線部
聖マリアンナ医科大学病院放射線科
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院放射線科
日本医科大学武蔵小杉病院放射線科
日本鋼管病院放射線科
東海大学医学部専門診療学系画像診断学
4 時 45 分~4 時 50 分
次回当番世話人
山田隆之
(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院放射線科)
-2-
《
特別講演の抄録
》
体幹部定位放射線治療における PET-CT の役割
武田 篤也
大船中央病院 放射線治療センター長
要旨: 体幹部定位放射線治療は、標的腫瘍に高線量を少数分割で照射することにより、手術に匹敵する高い
局所制御率が得られる治療法である。高齢者や合併症を有する手術適応外の早期肺癌患者では第一選択の治
療法である。体幹部定位放射線治療では、手術と異なり切除所見の情報を得られず、またしばしば気管支鏡
等による治療前の組織所見も得られない。FDG-PET/CT は、体幹部定位放射線治療における情報不足を補
う検査であり、多くの役割を果たす。①病理未確診孤立性肺結節の良悪性鑑別、②肺癌ステージングにて、
特に縦隔肺門リンパ節、遠隔転移の確認、③予後予測の biomarker、④ときに標的腫瘍描出のアシスト、⑤
再発診断等である。FDG-PET/CT は非侵襲的かつ多様な役割を果たす検査であり、SBRT には必須の検査
となっている。
-3-
《
一般演題の抄録集
》
1.くも膜下出血を合併した可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の 1 女児例
櫻井亮佑 1) ,佐藤宏朗 1) ,成松芳明 1) ,安藏 慎 2) ,
川崎市立川崎病院放射線科 1) ,同小児科 2) ,
要旨:症例は 9 歳女児.嘔吐を伴う突然の激しい頭痛を繰り返し,当院を紹介受診.来院時は緩解しており,
5 日後外来にて脳波検査,頭部 MRI を予定.脳波検査中,頭痛,意識障害が出現し即日入院.入院 2 日目
の頭部 CT にて,頭頂側優位のくも膜下出血(SAH)を指摘.同日 MRA,CTA を行い,動脈瘤や血管奇形は
認めなかったが,脳動脈中枢側優位に散在する広狭不整像を指摘.入院 3 日目に症状は改善.入院 9 日目の
頭部 MRI で両側頭頂葉に DWI 高信号域が出現するも,血管の広狭不整像は消失.臨床経過と一連の画像所
見から RCVS と診断.頭痛発作,後遺症はなく,入院 31 日目に退院.本症は繰り返す雷鳴頭痛,脳血管攣
縮が特徴であり,SAH,PRES 等を合併しうる.20-40 代に好発するが小児例の報告もあり,激しい頭痛
の鑑別には本症を含めて画像検査を行う必要がある.
2.気管支瘻の合併が疑われた難治性気胸に対し、EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)を用いた気
管支塞栓術が著効した 1 例
前原由美 1) ,山本晃大 1) ,萩原良哉 1) ,松田出 1) ,平居義裕 2) ,伊東俊輔 2) ,寺西周平 2) ,
関東労災病院 放射線診断科 1) ,同呼吸器内科 2) ,
要旨:症例は 60 代歳男性。肝内胆管癌 stage Ⅳで当院消化器内科に通院中であった。両側肺炎および敗血
症性ショックのため緊急入院し、人工呼吸器管理をおこなったところ、右気胸が出現した。胸腔ドレナージ
チューブを 2 本挿入後もリークが続いた。胸部単純 CT では、右肺 S4 に B4b1、B4a2 と交通している最
大径 7.5mm の瘻孔を認め、同部からの major leak を疑った。全身状態や肺炎後などの背景から、手術施
行は困難と考えた。気管支鏡下に Endobronchial Watanabe Spigot(EWS)を右 B4、 B5a、B5b、
B5 入口部に充填したところ、リークの減少を認めた。その後の胸部単純 CT では右肺中葉の虚脱はなく、
気胸は改善し、瘻孔は消失した。
EWS を用いた気管支塞栓術は、続発性難治性気胸、気管支瘻、有瘻性膿胸などに対する治療法であり、最
近では動脈塞栓術での止血困難例や、手術施行困難な喀血症例に対しても有用性が示されている。今回われ
われは、気管支瘻の合併が疑われた難治性気胸に対し、EWS を用いた気管支塞栓術後に、気胸の改善およ
び瘻孔の閉鎖を認めた症例を経験したので、文献的考察を加え、報告する。
3.緩徐な経過を辿っている低分化肺腺癌 遠隔転移の一例
小森承子
北里大学医学部 放射線腫瘍学
要旨:低分化肺腺癌の術後、膵臓と脳に転移を認めたが長期に生存し得ている症例を報告する。手術時 55
歳の男性。2002 年 8 月に右上葉の肺腺癌 cT2N0M0 IB 期の診断で右肺上葉切除術+リンパ節郭清を施行。
術後病理では低分化腺癌(辺縁部に高分化の乳頭型腺癌)pT2N0M0, IB 期と診断。血管侵襲が目立ち、遠
隔転移に注意が必要と考えられた。術後低呼吸機能で、在宅酸素療法導入。術後 5 年以上経過した 2008
年 3 月の造影 MRI で単発の脳転移(左頭頂葉、約 5 ㎜)が疑われた。同時期に膵臓に腫瘤を認め、精査に
て膵臓癌の診断で同年 7 月に膵体尾部脾合併切除+リンパ節郭清を施行。術後病理にて乳頭状腺癌、免疫染
色の所見から肺癌の膵臓転移と診断。膵転移は再発なし。脳転移疑いは経過観察し著変なかったが、患者の
希望を考慮し 2008 年 10 月に定位手術的照射を施行したが縮小せず、2011 年7月頃まで緩徐に増大し、
その後 2015 年 5 月まで著変なし。遠隔転移後 7 年以上経過したが、低肺機能の他は重篤な症状なく経過
しており、稀な経過と考え報告する。
-4-
4.多発脳転移によるてんかん発作で発症した左房粘液肉腫の 1 例
酒井容堂
横浜市立大学附属市民総合医療センター放射線部
要旨:稀な腫瘍である左房粘液肉腫の1例を経験したので報告する。症例は 18 歳、男性。意識消失、全身
けいれんを主訴に近医受診。頭部 MRI で、嚢胞成分と充実成分を含む腫瘤の多発を認めた。精査・加療目的
に当院紹介受診。受診時、身体所見では左同名半盲を認めた。既往歴はなく、血液検査所見は LDH の軽度
上昇のみであった。全身検索目的の体幹部 CT で左房内に不均一濃度を呈する腫瘤が認められた。腫瘤は心
臓 MRI では、不均一信号を呈した。Ga シンチでは異常所見は認めなかった。手術が施行され、粘液肉腫、
脳転移と診断された。心臓原発腫瘍は稀である。良性は粘液腫が多く、悪性では血管肉腫が多い。悪性の中
でも粘液肉腫は稀である。画像所見は自験例のように MRI で粘液部分は T2 強調像で高信号を示すと報告が
あるが、確立されたものはない。治療抵抗性で診断後の生命予後は平均 1 年前後とされている。
5.大腸癌術後に出現した腹腔鏡ポート部播種の 1 例
池田新 1) ,青木利夫 1) ,神山和俊 1) ,辻厳吾 1) ,小山新吾 1) ,能谷雅文 1) ,吉儀淳 1) ,
渡邉純 2) ,舛井秀宣 2) ,津浦幸夫 3)
横須賀共済病院放射線科 1) ,同外科 2) ,同病理診断科 3)
要旨:70 歳女性。健診で便潜血陽性を指摘、前医を受診。内視鏡で横行結腸癌と診断されたが、精査や加
療を拒否。経過観察目的で 2 ヵ月後に当院へ紹介。再説明にて精査・加療を行う方針となった。精査の結果
CEA も高値で、横行結腸(肝彎曲部)癌、T4aN1M0 と診断。腹腔鏡下右半結腸切除術+D3 郭清を施行
し、術合併症なく経過。病理で pT4aN2a と診断。翌月から化学療法を開始したが、1 クール施行後に本人
が継続拒否。CT 上は再発なく、CEA 陰転化していたため、経過観察の方針とした。その後 CEA 漸増とな
り、視触診や CT で腹壁ポート刺入部に一致した結節が出現し、緩徐に増大した。FDG PET でも淡い集積
として認め、ポート部播種と診断した。初診時から 1 年半後に腹壁腹膜部分切除術を施行し、病理学的に結
腸癌の播種と判断した。腹腔鏡ポート部再発は、偶発胆嚢癌での報告が散見されるが、大腸癌では極めてま
れである。CT が再発部位特定に有用であった 1 例を経験したので、報告する。
6.本態性振せんに対する経頭蓋MRガイド下集束超音波による視床破壊術の初期経験
―FDA approved clinical study in Japan―
山口敏雄 1) ,阿部圭一 3) ,吉原尚志 1) ,秋葉絢子 1) ,嶺久美子 1) ,堀大樹 1) ,堀智勝 2) ,笹沼仁一 2) ,
村垣善浩 3) ,平孝臣 3) ,渡邊一夫 4)
新百合ヶ丘総合病院放射線診断部 1) ,同脳神経外科 2) ,東京女子医大脳神経外科 3) ,
南東北グループ理事長 4)
要旨:本態性振せんに対する経頭蓋MRガイド下集束超音波による視床破壊術の初期経験を報告する。対象
は薬剤抵抗性の本態性振せん患者13例(男12例、女1例;2013 年 5 月―2015 年7月)。Inclusion
と Exclusion Criteria は多くの項目があり、FDA 認可(Phase I ならびに III)の多施設、多国籍の共同臨
床治験である。方法は3TMRIガイド下に経頭蓋集束超音波装置を用いて視床 Vim 核を焼却した。12例
で視床の焼却が可能であった。1例は術中疼痛による体動のために固定フレイムが破損して、最終的な焼却
が不可能であった。焼却可能であった全例で直後より振せん改善を認め、3か月後の機能的評価と患者満足
度評価で良好な結果であった。有害事象としては、一過性の片麻痺を1例に、知覚障害しびれを1例に認め
た。出血などの重大事象は認めなかった。術後翌日のMR画像では、拡散強調での高進号域を認め、T2で
は中心部の高進号ならびに辺縁のリング状の低信号の周囲に、浮腫と思われる高進号域を認めた。これらは
3か月後のMRIでは消失、縮小した。我々の初期経験では、本治療は薬剤抵抗性の本態性振せんに対して、
安全でかつ有効な治療となる可能性が示唆された。
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7.肝細胞癌との鑑別に難渋した肝血管筋脂肪腫の一例
石黒謙一郎 1) ,藤川あつ子 1) ,池田裕喜 2) ,濱口真吾 1) ,田島佳子 1) ,宮川国久 1) ,中島康雄 1) ,
聖マリアンナ医科大学病院放射線科 1) ,同消化器肝臓内科 2)
要旨:症例は 40 歳台、結節性硬化症の男性である。腎血管筋脂肪腫(AML)破裂に対する動脈塞栓術が施行
された、その際に HBV キャリアであることが判明し、肝腫瘍性病変を認めたため、精査が施行された。血
液検査上肝機能異常は認めず、HBs 抗原陽性、HCV 抗体陰性、PIVKA-II は 45mAU/ml であった。超音
波検査では肝 S6,S8 に低エコー域と高エコー域の混在を示す腫瘍を認めた。造影 dynamic CT では腫瘍は
造影動脈相で早期濃染し平衡相で不均一に wash out を呈した。MRI で腫瘍は T1 強調画像で低信号、T2
強調画像で不均一な高信号、Gd-EOB-DTPA 造影肝細胞相で取り込みを認めなかった。病変内部に明らか
な脂肪成分は含まなかった。肝 AML もしくは肝細胞癌が疑われたため、肝生検が施行された。病理検査で
AML の所見が認められた。後方視的には AML を示唆する所見が複数見られたため文献的考察を含めて報告
する。
8.前立腺癌における線量増加にともなう急性有害事象の比較
福澤毅 ,長尾隆太 ,秋庭健志 ,小松哲也 ,小林俊昭 ,北原規 ,国枝悦夫
東海大学医学部専門診療学系放射線治療科学
要旨:【目的】前立腺癌に対する IMRT で 81.4Gy/37fr に線量増加を行なったので、その急性有害事象に
ついて検討した。
【対象と方法】当院において 2010 年 4 月から 2013 年 12 月までに IMRT が行われた前立腺癌患者 137
例を対象とし、81.4Gy/37fr 群と<81.4Gy/37fr 群において急性有害事象を比較した。81.4Gy/37fr
群は毎回金属マーカー照合、週 1 回 Cone-beam CT 照合行い D50%処方、<81.4Gy/37Gy 群は OBI
による2D 骨照合、D95%処方で治療を行った。急性有害事象は照射中および照射終了後3か月以内までの
ものを CTCAE v4.0 を用いて評価し、t検定を用いて解析した。
【結果】81.4Gy/37fr 群:27 例、<81.4Gy/37fr 群:110 例で、G2 の急性有害事象は 81.4Gy/37fr
群で尿路系 6 例(22.2%)、消化器系 4 例(14.8%)、<81.4Gy/37fr 群で尿路系 27 例(24.5%)、消化
器系 1 例(10%)で有意差は認めなかった。G3 の排尿痛を 81.4Gy/37fr 群で1例認め、72.6Gy/33fr
で中止となっていた。
【結論】線量増加を行ったが、急性有害事象はかわらず許容範囲内であった。
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《
症例 1:丹内啓允
佐藤祥恵
ミニ・イメージ・インタープリテーション
》
横浜市立大学放射線科出題
帝京大学医学部附属溝口病院放射線科回答
【症例】70 代男性
【現病歴】1999 年 CAG にて多枝病変指摘されたが、高度腎機能低下のため、2004 年以降の CAG フォ
ローは行っていなかった。2015 年5月心不全にて前医に入院。全身管理および心機能低下の精査で当院
へ転院した。入院第 3 病日の CAG にて三枝病変の指摘あり。第 6 病日に虚血の精査目的で心筋シンチグ
ラフィーを施行した。
【既往歴】35 歳〜:高血圧。2008 年腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術施行。2011 年大動脈解離
(Stanford type B)。2013 年左腎動脈閉塞。2014 年心臓脂肪腫摘出。
【家族歴】特記すべきことなし。
【身体所見】下腿浮腫なし。
【心電図】HR 74bpm、NSR、左軸偏位、右脚ブロック。ST−T 変化なし。
【心エコー】びまん性左室収縮高度低下、LVEF 30%、LVDd=70mm、軽度左室壁肥厚、moderate MR、
severe AR。
【血液検査】Hb 9.0 g/dL、HbA1c 4.3%、CK 9 U/L、CKMB <4 U/L、Cre 2.34mg/dL、
BNP 1237pg/ml。
安静時心筋シンチ(201Tl)
RCA
安静時心筋シンチ(
LCA①
123
I-BMIPP)
LCA②
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症例 2:竹林茂生
野津和仁
横浜市立大学附属市民総合医療センター放射線部出題
聖マリアンナ医科大学病院放射線科回答
【症例】70歳男性、夕方、テレビを見ているとき、突然の大量喀血とともに意識を失う。妻が救急車を要
請、救急救命士が asystolic を確認、Ambu-bag での換気、心肺蘇生をおこないながら、救命センター
に20分で搬送。救命センターで、心肺停止患者におこなう通常の心肺蘇生である気管内挿管、人工呼吸
器にて、陽圧換気を開始、同時に epinephrine 静脈内投与をおこなう。蘇生中に撮像した胸部、腹部 X
線像を呈示する。
chest
abdomen
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症例3:新城安基
橘川聡文
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院放射線科出題
日本医科大学武蔵小杉病院放射線科回答
【症例】60 代男性
【現病歴】左側頭部から後頚部の頭痛と嘔吐あり近医受診した。頭部 CT、MRI が施行され、くも膜下出血
の診断で当院脳神経外科紹介となった。
【既往歴】20 代 自然気胸
画像
合計 20 枚
前医
単純 CT(4 枚)、MRI T2(4 枚)T2⋆(4 枚) MRA(MIP 3D 2 枚)
当院
CTA partial MIP 6 枚
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症例4:荒井学
日本鋼管病院放射線科出題
野村敬清
東海大学医学部専門診療学系画像診断学回答
【症例】40 歳代男性
【現病歴】37~38℃台の発熱が 1 ヶ月にわたり続き、次第に咳嗽や関節痛が出現してきた。近医で抗生剤
を内服するも奏効せず、精査加療目的で当院を受診した。
【既往歴】緑内障
【生活歴】煙草 20 本×10 年、5-6 年前より禁煙
【身体所見】咽頭発赤あり。呼吸音正常。関節腫脹なし。両膝関節と両側上腕に疼痛あり。皮疹なし。
【血液検査】WBC6730/ μl (Neutro75%)、Hb13.5g/dl、Plt21 万/μl、CRP4.36mg/dl、赤沈
26mm/1h (上限 15)
肝胆道系逸脱酵素や腎機能、電解質に異常なし。インフルエンザ抗原陰性。
CT 上、肺野に特記すべき異常所見なし。
腹部造影 CT
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平成 27 年度神奈川県放射線医会総会及び第 56 回例会
日
時:平成 27 年 10 月 10 日(土)午後2時より(午後 1 時 20 分開場)
会
場:横浜情報文化センター
当番世話人:国枝
悦夫(東海大学医学部
専門診療学系
放射線治療科学)
〒259-1193 神奈川県伊勢原市下糟屋 143
TEL:0463-93-1121
FAX:0463-96-2570
Email:[email protected]
会
費:初期研修医・学生・演者
:無料
メディカル・スタッフ
:500 円
医師
:1,000 円
横浜情報文化センター
〒231-0021 横浜市中区日本大通 11 番地
TEL:045-664-3737
〈アクセス〉
みなとみらい線「日本大通り駅」3 番口から徒歩 0 分
JR「関内駅」南口から徒歩 10 分
横浜市営地下鉄「関内駅」1 番出口徒歩 10 分
懇親会
≪懇親会≫
日 時:平成 27 年 10 月 10 日(土)午後 5 時 30 分より 2 時間(例会終了後)
場 所:ホテルモントレ隨縁亭 横浜市中区山下町 6-1
TEL:045-661-8022
<アクセス>地下鉄みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩 3 分 1 番出口右方向山下公園側
横浜市営地下鉄「関内駅」1 番階段出口より徒歩 15 分
参加費用:1 名 6,000 円 / 演者無料
神奈川県放射線医会
【事務局】〒216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生 2-16-1
聖マリアンナ医科大学
放射線医学講座内
TEL:044-977-8111(内 3441) FAX:044-977-2931
Email: [email protected]
URL: http://www.kanagawa-radiology.com
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