Photog-CAD ニュース(第 13 号:平成 27 年 1 月 15 日(木)発行) 撮影できない川底の横断図 Photog-CAD は写真測量技術を利用していますので、Photog-CAD に取り込む 3 枚の写真 が、インプット情報の全てです。従って、写真に写っていない情報を分析することはできませ ん。では、計測したい箇所が障害物に隠れる場合はどうしましょう。写真に写らないターゲッ トをオフセットして写真測量を行えば計測できます。 ここでは、写真には写らない川底の横断図を上記の方法で描いています。 (1)課題(川底形状を Photog-CAD で測量する) 次の写真は公園を流れる小川です。水を満々とたたえていますので、川底を写真撮影するた めには水中撮影することが必要です。それでは、水中撮影をしなくてもこの川底の形状を Photog-CAD で測ることはできるでしょうか。 (2)用意するもの 川底の高低差を撮影できるように次の写真に示すようなターゲットを用意しました。実際の 現場ではポールを垂直に立てることで代用できます。 ターゲットに 100 円ショップで買った竹籤を付けました。竹籤は 25 本セットで 100 円でし た。1 本の竹籤の長さは 36cm です。1 本では小川の深さに足りませんので竹籤と竹籤を 6cm 重ねて継ぎました。従って、ターゲットに付けた竹籤の長さは 66cm です。竹籤のターゲット とは反対側の端を川底に付けて垂直に立てます。 川底に接する部分 ターゲットからここまで 30cm 6cm の継ぎ代 -1- 全長 66cm (3)Photog-CAD へのターゲット入力 写真に写っているターゲットを Photog-CAD に入力します。ターゲットには左側から「4→ 5→6→7→8→9→10→11」 の番号が付きます。その中の「5→6→7→8→9→10」 は測点から 66cm 上にオフセットしたターゲットです。ターゲット「4、11」は橋の上に置いていますので測点 です。 (4)ターゲットを結んだ図 入力したターゲットを単純に結ぶと下図となります。両端はオフセット計算が不要の測点で すが、それ以外は測点(川底)から 66cm 上にオフセットされた点です。 (5)Photog-CAD の CAD 機能によりターゲットを結んだ図 横断図ができた後は、Photog-CAD「横断出力」機能で横断線を選択して、Photog-CAD の 「査定設計書の作成」の CAD 機能で作業を行います。 ターゲット No. 4 5 6 7 8 9 -2- 10 11 (6)Photog-CAD が描画するターゲットの横断距離と高さ Photog-CAD では、描いた横断図の座標を修正することができます。 (7)高さ情報のオフセット計算 ターゲット 5~10 の高さ情報から 0.66m をマイナスして手入力します。これが測量したい 川底の高さ情報です。 (8)川底の横断図 下図がオフセット計算を行った川底の横断図です。両端を結んだ川幅に橋が架かっています。 直接は撮影できない箇所も、写真に写るところまでターゲットをオフセットし、測量後にオ フセット値を元に戻せば Photog-CAD で測量することができます。 (9)川底横断図の完成 以上です。 -3-
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