無線ローカルエリアネッ トワークにおけるプロ トコル構成法と

無線 □一カルエ リアネ ッ トワークにおけるプ ロ トコル構成法 と
性能評価 に関す る基礎研究
田坂 修 二
名古屋工 業大学 工学部
電気情報 工 学科 教 授
1 は じめ に
ロー カル エ リア ネ ッ トワー ク (LAN)は ,分 散型情報処 理 システムの代表的な形態 と して ,今
ー
一
や情報 インフラ ス トラクチ ヤの つ とな つている。LANの 導入 に伴 い ,ネ ッ トワ ク構築 時や構
一
成変 更時 にお け る配線が重要 な問題 とな つて きて いる。そ こで ,こ の 問題 を解決す る つの 方法
として ,有 線系 LANの 末端部分 を無線化す ることが考 えられ る。また,最 近 の 携帯型 パ ソ コンや
ー
ワー ク ステ ー シ ョンの急速な普及 に伴 い ,こ れ らの コンピユ タを無線チ ヤネル を用 いて LANに
接続 したい とい う要求が顕在化 して きた。これ らの要因によ り,近 年 ,無 線 LANの 研究開発や標
準化作 業が活発 に行われて い る.
本研 究で は ,代 表的な無線 LAN構 築法であるマ イク ロセル 方式 を取 り上げ ,マ イク ロセル 内
でのプ ロ トコル 構成 法 と性能評価 の 研究 を行 う.無 線 LANに お いて もマル チ メデ ィア化の 要求
が 高 ま つて い る こ とに鑑 み , そ の M A C ( M e d i a A c c e s s C o n t r o l ) プ ロ トコル と して , T D D ( T i m e
D i v i s i o n D u p l e x ) チヤ ネ ル を用 い たア ロハ 形予 約プ ロ トコル を検 討 の 対 象 と した 。 この 種 のプ ロ
中で は , M o t o r O l a の A L T A I R [ 1 1 で 採 用 され て い る 。更 に ,
標 準化組 織 で あ る I E E E 8 0 2 . 1 1 委員会 に提案 されて い る多 くのプ ロ ト コル は , こ れ と
トコル は , 実 用 化 され た 無 線 L A N の
無線 L A N の
類 似 の 動 作 原 理 に基 づ いて い る。
本研究では,まず,伝送誤りが無視できる場合のシステム性能を評価する。平衡点解析 (Equi
によつて,スループット,平均メッセージ遅延及び平均
librium Point Analyttsi
EPA)レ
1の手法
応答時間を求める[31,μ
l.続いて,伝送誤りを考慮し,それがシステム性能に及ぼす影響をシミュ
レーションによつて調べているLl.更に,マルチメディア化の第一歩として,音 声 ,データ統合
伝送について予備的な検討を行つているいト
2 シ ステ ム構 成
典型的な無線 LANの システム構成 として,図 1の ような複数のマイクロセルか らなる構成が
一つのマ イクロセル に焦点を絞 つて考察
考えられ る 111.本研究では,こ のタイプの無線 LANの
す る。
一つのマ イクロセル は,有 線系ネットワークに接続された一つの基地局 と,複 数の無線端末か
らなる。各端末は基地局 とのみ通信できるものとす る.一 つのセルには,一 つの周波数帯域が割
一
り当て られてお り,こ れを用 いて,上 り (端末一基地局)方 向と下 り (基地局 端末)方 向 との両方
の通信 が行われる。一つのセル 内の全ての無線端末 は,上 リチ ヤネルを共有 してお り,こ のチ ヤ
一
ネル を用 いて基地局にパ ケ ットを送信す る。 方,基 地局は,下 リチヤネル を用 いて全端末にパ
ケ ットを放送す る。
本研究では,上 リチヤネル と下 リチヤネルとを時分割 によつて割 り当てる TDD(Time Division
Duplex)方式を用いる。上 リチヤネルの MACプ ロ トコル としては,ラ ンダ ムアクセス予約チヤネ
ロハ形予約プ ロ
ル を用 いた予約プ ロ トコル を採用す る。このプ ロ トコル を,こ こでは,TDDア
Reservation protocol)と呼ぶ.
トコル (TDD ALOHA―
- 1 5 -
WIRED LAN
BASE
卸 AT10N
MICR∝
ELL
WIRELtt TERMINAL
図 1 : システ ム構成
UPLINK
CONTROL
UPLINK DATA DOWNLINK DATA DOWNLIN
SUBFRAME
SUBFRAME
CONTROL
SUBFRAME日
図 2:TDDア
3 TDDア
と SDOTS
Sし OTS
ttSuBFRAME
ロハ 形予約プ ロ トコル のチ ャネル フ レー ム構成
ロハ形予約プ ロトコル
このプ ロ トコル で は , 基 地局 による集 中制御が行われ , 図 2 の よ うなフ レー ム構成 の 無線チ ャ
ネル が用 い られ る. フ レー ム 内の 各 スロ ッ トの 長 さは 1 デ ー タパ ケ ッ ト伝送 時間 に等 しく, 各 小
スロ ッ トの長 さは 1 制 御 パ ケ ッ ト伝送時間 に等 しい。制御 パ ケ ッ トには , 予 約 パ ケ ッ トとチ ャネ
ル 割 当て パ ケ ッ トの 2 種 類がある。
あるフ レー ム で メ ッセ ー ジ を発生 した端末 は
, 次 の フ レー ム か らフ レー ム 当 リー 定 の 確率 βで
予約 パ ケ ッ トの送信 を行 う。予約 パ ケ ッ トの送信 は , 上 り制御サブ フ レー ムの r t個
‐の 小 ス ロ ッ ト
一
の 中か ら, 等 確率で つの 小 スロ ッ トを選んで行われ る。予約 パ ケ ットの送信 に成功す ると , そ の
端末 は , 基 地 局 内 の 予約待 ち行列 に加わ る。基地局 は , 待 ち行列の先頭の端 末か ら順 に , 以 後 の
フ レー ムの 上 リデ ー タサブ フ レー ム 内の まだ割 り当てて い な いスロ ッ トを , 予 約 パ ケ ッ トに示 さ
れ たス ロ ッ ト数 だけ連続 的 に割 り当て る。そ して , 基 地局 は同 じフ レー ムの 下 り制御サブ フ レー
ムの 小 スロ ッ トを用 いて , 該 当端末 にチ ャネル割 当てパ ケ ットを送信 す る。端末 は , 割 り当て ら
れ た ス ロ ッ トを用 い て , 発 生 メッセ ー ジ を基地局 に送 信す る。予約 パ ケ ッ トの送信 に失敗 した 端
末 は , 次 の フ レー ム か ら確率βで再送 を行 う。
基地局 は , 自 セル または他セルの 端末か ら自セル 宛 の メッセ ー ジ を受信す る と, そ れ を下 り方
向待 ち行ブU に加 える。下 り方向待ち行列 に加わ つたメ ッセ ー ジは , 先 着順 に下 リデ ー タサブ フ レー
ム 内 の ス ロ ッ トを用 いて , 宛 先 の 端末 に送 信 され る。一 方, 基 地局 は , 他 セル に 向け られ た メ ッ
セ ー ジ を受信 した場合 には , そ の メ ッセ ー ジ を外方 向待ち行列 に加 える。この待 ち行列 に加 え ら
れ た メ ッセ ー ジは , 有 線 L A N を 経 由 して相 手端末 の 所属す るセルの 基地 局 に送 信 され る.
4 性
能評価
最初 に ,4,1∼ 4,3で ,伝 送誤 りが無視で きる場合の システ ム性能 を ,平 衡点解析 (EPA)の 手
法 に よ り解析的 にモデル 化 し評価す る。次に ,4.4で 伝送誤 りを考慮 した場合の シ ミュ レー シ ョン
に よる評価 につ い て簡単 に述 べ る。
- 1 6 -
StSUCC蕊
F:FAILURE
図 3 : T D D ア ロハ形予約プ ロ トコルの近似モデ ル
4 , 1 モ デ ル化 の ための 仮 定
まず , パ ケ ットの衝突以外の誤 りは無視できるものとす る。セル 内の端末数を 財 とし, 各 端
末はフ レーム当 り確率αで , フ レームの終了時点にメッセージを発生する。一つのメ ッセ ージは一
個以上のパケ ットか らな り, その数は平均 んc の幾何分布をなす。一つのメ ッセ ー ジの宛先が同 じセ
ル 内の端末である確率を a , 他セル端末である確率を 1 - α とする. あるフレームで 自セル宛の メッ
セ ー ジを基地局が受信 し終えた場合, 基地局はそのフ レームの終了時点にそれを下 り方向待ち行列
に加 える。あるフ レームで , 基地局が 自セル宛のメッセー ジを送信 し終 えると, 相手端末は次 のフ
レームの終了時点に一つの応答メッセージを発生する。この場合の応答 メッセ ー ジの長さは, 平均
句 の幾何分布 に従つて決定される. あるフレームで他セル宛のメッセー ジを基地局が受信 し終 えた
場合 , その次のフ レームか らフ レーム当り確率 b で , 相手端末か らの応答メッセ ー ジが基地局に到
着す る。その応答 メッセ ージは, そのフレームの終了時点に, 基地局内の下 り方向待ち行列に加 えら
れる. この場合の応答メッセー ジの長さは, 平均 ん。の幾何分布に従 う。各端末は, 一つのメッセ ー ジ
を発生す ると, それに対応 した応答メッセージを受信 し終えるまで, 次のメッセー ジを発生 しない.
4.2 モ デ ル図
E P A の ためのこのシステムの近似モデルを図 3 に 示す 。
モー ド遷移はフ レームの開始時点で起
こるもの とす る. T モー ドは, 端末が送信すべ きメッセー ジを持 つていない状態を表す. T C モ ー ドは,
端末が送信す べ きメッセ ー ジを持 つているが, まだ, 予約パケ ットの送信に成功 していない状態で
ある. ″y c モ ー ドは, 端末が基地局から上 リデ ータサブフ レーム内のスロ ットを割 り当て られてい
る状態を表す 。
つモー ドは, 他セル宛のメッセー ジを基地局が受信 し終 えたが , それに対応 した応答
ー
メッセ ジがまだ基地局に到着 していない状態を表す . 〃D C モ ー ドは, 基地局が下 リデ ータサブ フ
レーム内のスロ ットを用 いて、メッセー ジを送信 しようとしている状態を表す 。
T P モ ー ドは, 相 手
端末が応答 メッセー ジ送信の準備をしている状態を表す。また, T 況, 7 丁 R , ″ 囲 の各モ ー ドは, 全
て, 相手端末による応答 メッセ ー ジ送信を表 したものであり, 各々, T C , 7 び C 、7 ∂ C の 各モ ー ド
に対応 している.
このモデルを E P A に よつて解析 した. 解 析の詳細は, 文 献 1 4 1 を参照されたい。なお , 文 献
ー
1 3 1 では, 相 手端末が応答 メ ッセ ジを返送 しない場合のモデル化 と解析が行われている。
性能の評価尺度 として , ス ル ープ ット, 平 均 メッセ ージ遅延, 平 均応答時間を用 いる。 まず ,
上 リスル ープ ットS げを, 1 パ ケット伝送時間当りに送信される上 り方向のパケ ットの平均数 , 下
リスループ ットS っを, 1 パ ケット伝送時間当りに送信される下 り方向のパケ ットの平均数 と定義
す る. 上 り平均 メッセ ー ジ遅延 D げを, 端 末でメッセ ージまたは応答メッセー ジが発生 してか ら。
それが基地局で完全 に受信されるまでの平均 スロッ ト数 と定義する。また。下 り平均 メッセ ー ジ
- 1 7 -
〃 =30,こ lV 10,【ぞ =5,η =0.2
れ J町‐10,〃あ政ノF=0.15,α=1.0
0.5
SIMULAr「 10N
O 品
0 品
mi品
SIMULA口
冒陀
:
覇 +品
。
〓D ︹■ O D O 宮 I B
=0.1
〔
舟″・30,と=9,戸=11,コ
ゼ =5,7・0.2,か
0‐20,ルr】しyF=0.1,α=0.33
摩
10,力
幅
ON
0 輸
亜
A &
出 品 +品
6 β
・
0.1
遇
SIMULAT10N
0 日の︼ > くH 口a 口O く宮 口 ″く
︻
0
8
00色 >く回口a 口0く電留″く
︻
︲
0
。 0
.
価 慨 慨
0
6・ β
メ
0
・
叶0
雨
0.04
0。
02
0.6
0.8
6・ ︿
β
0
,
け0
0.00
0■
β
図 4:ス ループ ット及び平均遅延 とβとの関
係 (1)
図 5:ス ループ ット及び平均遅延 とβとの関
係 (2)
遅 延 DDを ,基 地 局で メ ッセ ー ジまたは応答 メ ッセ ー ジが送 信可能 とな つてか ら,そ れが端末で
完全 に受信 され る までの平均 スロ ッ ト数 と定義す る。更 に ,自 セル 宛 の メッセ ー ジに対す る平均
応答 時間 つrを ,一 つの 端末が 自セル 内の他端末宛 の メッセ ー ジを発生 してか らそれ に対 す る応答
メ ッセ ー ジを受信 し終 える までの平均 スロ ッ ト数 ,他 セル 宛 の メ ッセ ー ジに対す る平均応 答 時間
D。を ,一 つの 端末が他 セルの 端末宛 の メ ッセ ー ジを発生 してか らそれ に対 す る応答 メ ッセ ー ジ を
受信 し終 えるまで の 平均 ス ロ ッ ト数 と定義す る。
4.3 封 町直伊!
EPAに よる理論値 と対応 す るシ ミユ レー シ ョン結果 を以下に示す 。図での表 記法 は ,EPAの
慣例 [21に従 つてい る。
図 4と 図 5に ,スル ープ ッ ト及び平均遅延 (平均 メッセ ー ジ遅 延 また は平均応答 時間 )と 送信確
率 βとの 関係 を示す 。これ らの 図 において ,ス ル ープ ッ トと平均 メッセ ー ジ遅延 に関 して は ,理 論
値 とシ ミユ レー ション値 とは良 く一致 して いるこ とが分か る。また ,平 均応答時間 について は ,理
論値 とシ ミユ レー シ ョン値 との間 に幾分の差 が見 られ る場合がある。 しか し,全 般 に EPAに よる
解析結果 の 精度 は十分高い ことが 分か る。
次 に ,上 リデ ー タサブ フ レー ム長 う と下 リデ ー タサブ フ レー ム長 ∬の 値 を変化 させ た ときの
- 1 8 -
0
0口色 口Σ H
中 口のZO残圏︻
α 口〇く宮口>く E つこ 写白Σ
︻
2
4
8
硫
的,
0
0.
0。
,
=0,1
f2V刻 ,煮`=5,η =0.2,う
〃・311,こ
滋 F封 .1,a=0,33
-10,材
L
O A B
O
准族族
SIMULAmON
0
0
図 6:最 小平均応答時間と うとの関係
システム性能への影響を検討す る。あの値を大きくし,「 の値を小 さくす るほど,上 り平均 メッ
セ ー ジ遅延の値は小 さくな り,下 り平均 メッセージ遅延の値は大 きくなることは容易 に予想で き
る。ここで ,こ のプ ロ トコル設計の際に問題となるのは,シ ステム性能を最適にす る こと 「の比
である。
そこで ,図 6に ,最 小平均応答時間の値を との関数として示す。ここで ,最 小平均応答時間と
は,シ ステムが安定であるとい う条件の下でβの値を変化させて,平 均応答時間を最小 にしたもの
である。図では,んοの値を 10,20,30と 変化させている。この図の理論値か ら,シ ステ ム性能
が最 も良 くなる んの値は,各 々,10,9,7で あることが分かる。また,シ ミユレー ション値にお
いて もほぼ同 じ結果が見 られる。図 6の 条件の下で は,んοの値が大きいほど,下 リチヤネルの ト
ラヒック量が上 リチヤネルの トラ ヒック量と比較 して大きくなる。従 つて ,んοの値力ざ
大きいほど,
Nの 値を大き くして,こ の値を小さくすべ きであるとい うことになる。
4.4 伝 送 誤 りを考慮 した場合 の 性能評価
伝送誤 りを考慮す ると解析モデルの構築が困難 になるため,シ ミユレー ションによる性能評価
を行 つた.ま ず ,負 荷や平均 メッセージ長を変化させて,パ ケット誤 り率とスル ープ ット及び平均
メッセ ー ジ遅延 との関係を調べ た.更 に,一 定のパケット誤 り率 とい う条件 の下での ,予 約チャ
ネル とデ ー タチャネル との最適なチヤネル容量比 について も考察 した。その結果 ,次 の ようなこ
とが明 らかにな つた 151.
・パケ ット誤 り率が変化 しても,送 信確率βの最適値 はほとんど変化 しない.
・負荷や平均 メッセー ジ長の大きな場合 ほど,パ ケット誤 り率が システム性能に及ぼす影響は
大きい。
・パケ ット誤 り率が大 きい場合には, 1チ ヤネルフ レームにおける上 り制御サブ フ レームの容
量に対す る最適なデ ータサブ フレームの容量は小さくなる。
5 音 声 ・デ ー タ統合伝送
本研究では, 無 線 L A N マ ルチメデ ィア化のための一検討として, ア ロハ形予約プ ロ トコル に
よる音声 ・デ ータ統合伝送方式のシミュレー ションによる性能評価 も行 つた. 更 に, 無 線チャネル
による音声 ・デ ータ統合伝送のためのプ ロ トコル としてこれまでよく研究が行われて い る P R M A
- 1 9 -
との比較 も行 つた。ここで用いたアロハ形予約プ ロ トコルは,PRMAと
同一条件での比較を可能
にす るために,上 り 。下 りのチャネル を周波数分割 (Frequency Division Duplex)で
実現 している。
与 え られた値以下の音声パ ケット欠落確率であるとい う条件の下で ,二 つの方式の平均 メッ
セ ー ジ遅延を比較 した。その結果 ,端 末数があまり多 くなければ,広 範囲のデ ータメッセ ー ジ長
に対 して ,ア ロハ形予約プ ロ トコルの平均 メッセージ遅延は,PRMAの
それ よりも小 さいことが
ー
ー
ー
分か つた。この平均 メ ッセ ジ遅延の差は,デ タメッセ ジ長が長 くなるほど,ま たチャネル
伝送速度が増加す るほど,大 きくなる。より詳細な結果は,文 献 陣1を参照 されたい。
6 お わ りに
本研究で は,ま ず,伝 送誤 りが無視できる場合の TDDア ロハ形予約プ ロ トコルの性能を,平
衡点解析 (EPA)の 手法により解析 し,そ の精度を シミュレー ションによつて調 べ た.そ の結果 ,
スループ ットや平均メッセ ージ遅延に関しては,理 論値とシミュレー ション値 とは良 く一致 した。
一方,平 均応答時間については
,理 論値とシミュレー ション値との間には,幾 分差が見 られた。ま
た,上 リデ ータサブ フ レームのスロット数 こと下 リデ ータサブ フ レームのスロ ット数 Nと は,平
均 メッセ ー ジ長や負荷が大 きいほど,シ ステム性能に大きな影響を及ぼす ことも分か つた。
更に,伝 送誤 りを考慮 した場合や音声 ・デ ータ統合伝送方式の性能 も評価 した。
本研究では,各 サブ フ レーム長を固定 として議論 した。しか し,TDDチ ヤネルの特徴を活用
す るためには, トラヒック状況の変化 に応 じて ,各 サブ フ レームの容量を動的に変化 させ ること
が望 ましい。更 に,複 数のセル を対象 とした場合や ,デ ータ トラ ヒックのみな らず音声 ・ビデオ
まで含めたマルチ メデ ィア トラヒックを考慮 した場合のモデル化や解析を行 うことも重要である。
最後に,本 研究の実施 に当 り,多 大な御援助を賜わつた (財)高 柳記念電子科学技術振興財団
な らびに関係者各位に深 く感謝致 します。
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