大 ホ ゴマにこだわり商品開発を提案 入口を広げ、客を呼び込む

b-platz press 11月号 vol.106 【特集 C6P】4P
実例2
ゴマにこだわり商品開発を提案
入口を広げ、
客を呼び込む
アイデアとセンスで勝負
お金をかけずに効果的な宣伝を
「セサミ・モナリザ」などネーミングの妙が注目を集める一方で、ス
トレートに勝負する金ゴマ100%のゴマ油「金の雫」なども人気だ。
◉ネーミングを一般公募
ネーミングを一般に公募することで、広
告費をかけずに消費者に広く、働きかけ
る。商品に興味を持ってもらうきっかけに
もなり、会社のファンづくりにもつながる。
◉遊び心で顧客取り込む
「日本一のごますり男」という遊び心あ
ふれるフレーズが注目を集めている。ブ
ランドイメージを高めているだけでなく、
マスコミでたびたび紹介されたり、グッ
ズ展開で新規顧客を獲得するなど、販
促に一役買っている。
株式会社和田萬商店
http://www.wadaman.com/
TEL 06-6364-4387
専務取締役 和田
大象氏
店では、
「日本一のごますり男」とかかれた前
掛けを着用。この前掛けや「ごまやん」のス
トラップも隠れたヒット商品だ。
実例
単価の高い金ゴマに注力
「ああそうか」
の商品開発を
できるだけ入口を広く
ゴマにこだわり進化重ねる
訴
費
創業以来100年以上ゴマを専門に扱っ
10年ほど前、ゴマのキャラクターをつ
てきた和田萬商店。
「海苔やシイタケと違
くり、名称を一般から公募した。ついた
ってゴマは地味で単価が低い。代々、ゴ
名前が「ごまやん」
。以降、商品名につ
マだけでは食べていかれへんので、ほか
いても一般公募を行い、これまでに「ご
の乾物も扱いながら続いてきました」と和
まの秘蜜」
「やせ茶王」などの多くの商品
田氏は話す。サラリーマンを経て家業に
を送り出してきた。
「商品を身近に感じて
携わることになった同氏を待っていたのは
もらえることももちろんですが、応募はが
「売り歩いてもなかなか売れない。たまに
きにさまざまな要望が書いてある。これ
売れても買い叩かれる」という厳しい商売
が商品開発のヒントになるんです」
。最近
の現実。
どうしたら利益が出るのかを考え、
は、
ゴマのクリームや化粧水などのコスメ、
まず、単価の高い金ゴマの販売に力を注
強壮作用のある成分を取り出した青汁な
いだ。次第に口コミで一般消費者からも
ど、オンリーワンの商品も次々に開発し
注文が入るようになり、その受け皿として
ている。テレビに取り上げられることも増
ネット販売を始めた。次に、卸先の食品
え、放映日にはホームページへのアクセ
メーカーに、お菓子やドレッシングなど金
スが普段の5倍以上になるという。
「根が
ゴマを使ったメニューのサンプルを持って
ぐうたらやから、無駄撃ちはいや。お客さ
いき、商品化を提案。
「いい金ゴマですよ
んのアンテナにひっかかるよう、入口をで
と持っていったところで、ああそう、で終
きるだけ広げておけば労少なくして、売上
わり。それを使って何ができるのかまで提
げにつながります。だから広告費はこれ
案すれば、ああそうか、と商品開発を思い
まで一切使ったことがありません」
。いっ
ついてくれるんです」
。アイデアが浮かん
そのこと健康食品業をうたったら、との声
だら、すばやくゴマをすり、練ってはすぐ
にも「ゴマ屋だからこそ、マスコミにも注
にサンプルを持って提案してきた。
「商品
目してもらえるんです。伝統はほうってお
として売りに行くわけじゃないから、プレ
けば磨り減る。私らの世代にできることは
ッシャーはない。次々に新しいアイデアを
1年1年伝統の上に薄い絹を重ねていくこ
持っていくことで、ああ和田萬に聞けば何
と」と同氏。ゴマにかける強い自負こそが
かある、と思ってもらえればいいんです」
。
販促の原動力になっている。
会社DATA
設立/1967年 資本金/1000万円 従業員数/33名
事業内容/明治16年の創業来、乾物問屋としてゴマの
ほかに広く乾物を扱ってきた。近年はゴマに特化し、国
内の契約農家から仕入れたゴマやゴマ油、ふりかけ、お
菓子、健康食品、化粧品などゴマを原料に使った加工
品を数多く販売している。また、1日1組限定のごま料理
専門店「 世沙弥(せさみ)
」も開いている。
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