マイナンバーカードに関する日刊紙報道について

マイナンバーカードに関する日刊紙報道について
平成 27 年 1 月 28 日
日本医師会
平成 27 年 1 月 19 日、某社日刊紙に、
「マイナンバーカード健康保険証にも」との
記事が掲載された。
同記事では、「厚生労働省の研究会が、マイナンバーが記載される個人番号カードを
健康保険の被保険者証代わりにも使えるようにすることを提言し、それを受けた厚生労
働省が採用を決めた」という内容が報じられている。
日本医師会としては同記事の内容は誤報であるとして、1 月 22 日に掲載紙に対して
質問状を送付し、下記 3 点についての見解を求めており、現在回答待ちである。
◆質問状のポイント◆
１．厚生労働省研究会の提言内容について
「中間まとめではこのような提言はされていない」
厚労省「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」の中間まとめ
（H.26.12.10）では、「医療保険のオンライン資格確認の手続き」について言及されて
いる。ここでは、個人番号カードへの被保険者証機能の付加については、賛否の意見を
両論併記した上で、「個人番号カードを用いる場合、不正防止の仕組みの確実な担保を
検討する必要がある」旨が示されている。この記述から、「番号カードを保険証代わり
にも使えるようにすることを提言した」との理解に至るには飛躍がある。
２．厚生労働省が採用を決定したかのような表現について
「厚生労働省ではこのような決定をした事実はない」
厚生労働省からは、「同記事で示されるような決定をした事実はない」との回答を得
ており、事実、同記事掲載後も同省からの公式発表はない。「採用を決めた」と断定し
ている同記事は誤報であり、内容を速やかに訂正すべきである。
３．記事が掲載された時期について
「何故この時期に掲載されたのか」
マイナンバーや個人番号カードの活用については、国民的な議論が必要である。慎重
に進めなければならないこの時期に、公式発表もない情報について、あたかも決定した
かのような記事を掲載することは、国民のプライバシー保護と個人番号カードの活用に
関する議論を、特定の方向へと誘導することに他ならず、結果的に世論誘導および既成
事実化に利用されているのであれば問題である。

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