学習支援システムにおける学習者の負担と最適な学習時間

科学研究費補助金による研究成果の公表
研究課題:学習支援システムにおける学習者の負担と最適な学習時間、休憩時間の提案
研究課題番号:24501123
研究代表者:本多薫(山形大学)
研究期間:2012 年 4 月 1 日~2015 年 3 月 31 日
研究分野:教育工学
研究種目:基盤研究(C)
研究成果の概要
「パーソナル・コンピュータの長時間の使用による負担の測定」
(日本教育工学会第 28 回全国大会講演論文集(長崎大学)、2012 年 09 月)
学習支援システムを構築し,個別学習や補助教材として活用する機会が増えてきている。
しかし,学習支援システムを使用した学習では,肩や腕の痛み,目の疲労を訴える者が多
く,パーソナル・コンピュータの長時間の使用による特徴である。そこで本研究では,パ
ソコンの長時間の使用中の生体情報を測定し,生体情報の経時変化を分析するとともに,
負担の測定の有効性を検討した。その結果,心拍のR-R間隔の短調(心拍数の増減)は,
被験者により差異があり,経時的な負担の変化を測定することは難しいが,ウェーブレッ
ト変換により LF/HF を抽出し,その増減をみることにより,学習者の負担を捉えられる
可能性を示した。
「学習支援システムを想定した長時間使用時の生体情報の変化」
(日本教育工学会第 29 回全国大会講演論文集(秋田大学)、2013 年 09 月)
学習支援システムを使用した学習では,肩や腕の痛み,目の疲労を訴える者が多く,負担
が大きいと推測される。しかし,長時間使用時における学習者の生体への影響をどのよう
に測定するのか十分な検討がされていない。そこで本研究では,学習支援システムを想定
して,計算,読む,照合の3課題を連続で行わせた場合の生体情報(脳波,心拍)を測定
し,精神活動や負担の測定の有効性を検討した。その結果,
(1)課題作業中 60 分間の各
時間帯の脳波(β波)では,課題の内容が変わるとβ波が一旦減衰するが,徐々にβ波が
増加する,
(2)心拍の LF/HF では,開始後 30 分程度で負担が大きくなることなどが確
認でき,精神活動や負担を捉えられる可能性を示した。
「学習支援システムを想定した学習での休憩時間の検討」
(日本教育工学会第 30 回全国大会講演論文集(岐阜大学)、2014 年 09 月)
教育現場に学習支援システムを導入する場合には,1回あたりの学習時間をどの程度にす
るか検討する必要がある。しかし,学習者の負担や疲労の観点から1回あたりの学習時間
が設定されることは極めて少ない。先行研究では,課題開始後 30 分程度で学習者の負担が
ピークになることが示されている。そのため,学習(課題遂行)開始してから 30 分程度で
休憩を取ることも考えられる。そこで本研究では,パソコンによる課題遂行中の生体情報
(心拍)の測定と,質問用紙法による主観的評価を実施し,途中で休憩を入れた場合の効
果について実験を通して検討した。その結果,10 分間以上の休憩を取ることで,学習者の
負担や疲労感を抑えられる効果があることを示した。
「Changes in biological data during prolonged use of a learning support system and the
effects of a rest break」
(16th International Conference on Human-Computer Interaction (HCI International
2014), pp.455-460, Creta Maris, Heraklion, Crete, Greece, 2014 年 06 月)
The use of a learning support system can give rise to complaints of pains in the shoulder
and arm and of asthenopia in many people. The increased feeling of fatigue is
considered to be due to prolonged personal computer use, making this type of learning a
heavy burden for learners. However, few studies have focused on how to measure the
effect of prolonged use of a learning support system on the learner’s physical condition.
Evaluation of this type of learning has been attempted using biological data, but
optimal measuring methods and data processing have not been established to evaluate
the physical effects of this type of learning. The aims of the present study were to
measure biological data (brain waves and heart rate) when learners were subjected to a
continuous problem solving session that involved calculation, reading, and collation
(problem-solving tasks), to analyze the temporal changes that occurred in the measured
biological data, to examine the validity of the measurements of mental activities and
burden, and to evaluate the effects of taking a break during the session.
以上