平成 27 年 1 月 16 日 東京ブロック 細田知宏 国際審判員早期育成プロジェクト参加報告書 1.日時:平成 27 年 1 月 10 日(土)~平成 27 年 1 月 12 日(月) 2.場所:代々木第一体育館第一会議室他 3.参加者:国際審判員資格の取得可能性を持つ各ブロックからの推薦者 13 名(男性 8 名 女性 5 名) 4.目的:①:国際審判員資格取得に向けたモチベーションの向上 ②:国内最高峰のゲームに早い段階で触れることでの今後の活動に向けた意識向上 5.スケジュール・講義内容 1月10日(土) 9:45 開講式 JBA 審判委員長 吉田 利治氏 10:00 研修① 早期育成PJについて(平 育雄氏) 10:30 研修② 語学力研修・ルールテスト 13:00 研修③ 観戦研修・ディスカッション 女子準決勝(デンソー VS トヨタ) 15:00 研修④ 国際審判の活動について(須黒 祥子氏)/ナショナルチーム遠征帯同の経験から(中嶽 希美子氏) 17:00 研修⑤ 観戦研修・ディスカッション男子準決勝(日立 VS 東芝) 平副委員長よりFIBAレフェリーになるために必要な技能と意識(覚悟)を早い段階で身に付けるという本研修の目的が 確認された。観戦研修においてもレフェリーの最も重要な基本であるメカニクスに注目するようアドバイスを頂いた。 語学研修では二班に分かれ、ディスカッション形式で他受講生と日頃の準備やプレゲームカンファレンスについて討議 した。昨年海外派遣等多くの機会を頂けたおかげで英会話の上達は実感できたが、ルールの理解についてはより研鑽を積 む必要性を感じた。 午後の講義では海外において「日本の代表」である国際審判としてどのような立ち振る舞いや考え方が必要とされるか について講師の方々の経験を踏まえたアドバイスを頂いた。危機管理能力や、異国での環境への適応など、レフェリング 技術以外にも、人としての逞しさが海外で活躍するためには必要であることが改めて確認できた。 男女準決勝を活用した観戦研修では、試合後に当該試合担当のレフェリーから判定の見解を聞くことができ、率直な意 見や疑問に答えて頂けた。コンタクトの形だけ切り出してみるとファウルであるが、被害者の有無・プレー全体の状況を 踏まえて判定を下す考え方や、コーチとの受け答えではルールブックの原則を話す、など多くのヒントを得ることが出来 た。どのようなゲームであっても同じく取り組むことが平常心を保つ最善の方法であること、また良いポジションで正し い判定を下すことが、ゲームコントロールにおいても重要であることが改めて学ぶことができた。 1月11日(日) 9:30 総合開講式 吉田利治審判委員長・湯浅 暢宏指導グループ長 10:00 研修⑦ アジア競技大会報告(東 11:00 研修⑧NBLレビュー (阿部 13:00 研修⑨3×3活動報告 祐二氏) 哲也氏) (岩田 千奈美氏・緒方 崇氏) 14:00 研修⑩観戦研修・ディスカッション 女子決勝(JX VS デンソー) 16:30 研修⑪FIBAクリニックの経験から(熊谷 久美子氏)/グループディスカッション アジア最大のスポーツ祭典であるアジア競技大会の報告では、得点差をつけて勝利するために敢えて勝利を得られる状 況から自ら反則を犯すことで、延長戦に持ち込むという発想に驚かされた。海外派遣報告書は委員会ニュースで拝見して いたものの、臨場感のある実際の映像を見ると、現場で的確な対応をする難しさを感じた。 また、3×3の活動報告においても多くのレフェリーに活動の場が広がっていることを感じ、自分のレフェリングの幅 を広げていきたいという想いを新たにした。 FIBAクリニックに関しては昨年度合格した熊谷氏より試験の概要とそのための準備についてお話頂いた。それを踏ま え、現時点の自分達の課題とその解決方法についてグループ討議と発表を行った。 1 月12日(月・祝) 10:00 研修⑫ FIBA WORLD CUP 2014報告 (平原 勇次氏) 11:00 研修⑬ 国際審判(トップレフェリー)に望むこと (宮武 庸介氏) 13:00 研修⑭ AA級取得までの国内での活動について (小澤 勤氏) 14:00 研修⑮ 観戦研修男子決勝(広島 VS 日立) 16:00 閉講式 吉田 利治審判委員長 平原氏の W 杯の報告では、大会前からフィットネストレーニングや体脂肪等の情報を FIBA にて管理することや、微妙 な場面のビデオクリップを見てのディスカッションを行うことで共通した判定基準の確立を目指す等最新の FIBA の取組 が紹介された。また、TOEIC 等で使用される構文のヒアリング→シャドーイングを繰り返し行うことで英語を口に馴染ま せ、リスニングとスピーキングのスキルを向上させる英語学習法の紹介もして頂いた。 宮武氏からは、2002 年に派遣されたインディアナポリスの世界選手権の映像を見ながら、レフェリーに必要な「強さ」 についてお話を頂いた。日本の代表として世界大会に派遣されることの責任の重さと責任を果たすために選手のためにや るという姿勢を我々若手レフェリーは学ばなくてはならないと強く感じた。「強さとは、自分をより『高め続ける』こと」 という言葉は大変印象的だった。 午後からは本プロジェクトの意義や AA 級取得までに必要な取組について小澤副委員長からお話を頂いた。7年間 A 級 審判として活動させていただく中で多くの人のサポートがあって今があるということを改めて実感すると同時に、AA 級に 課せられる責任の重さも実感した。審判として、人として信頼されることが何よりも大切なことであり、常に我が身を振 り返りながら自分を高め、学んだことを仲間と共有していきたいと強く感じた。 6.所感 昨年に続き、早期育成プロジェクトに参加させて頂き大変感謝しております。振り返りますと、本研修は間違いな く自身のターニングポイントになったものでした。座学で学んだことを現場で実践しながら自身の感覚として吸収す ることで審判技術のより早い向上が可能となりました。また、欧州研修に派遣して頂くことで異国の仲間と一つのゲ ームを作り上げる素晴らしさを学び、改めて FIBA レフェリーになりたいという想いが強くなりその後の取組にも変化 を起こすことが出来ました。自身が最大限の努力をすることは大前提でありますが、与えて頂いた機会を活かし新し い考え方・感覚を掴むことで、人は「変わる」ことが出来るのだと思います。 今回の研修においても多くの学びを得ることが出来ました。審判技術として活かすことの出来ることも多くありま したが、人間性を磨き続けることの重要性を改めて感じました。謙虚に人の言葉に耳を傾け、今の初心を忘れること なく、自己研鑽に励んでいきたいと思います。 本プロジェクトに対してご尽力いただきました、吉田委員長を始め多くの講師の方々はもちろんのこと、日本協会 総務・広報・規則 G を始めとした諸先輩方、また推薦を頂いた地元のブロック長・審判委員長に厚く御礼申し上げま す。刺激を貰えた受講生の仲間にも重ねて感謝いたします。この経験を活かし、より成長した姿で、次はコートの上 でお会いしましょう。そして、先輩方が築いてきた素晴らしい世界を我々世代が受け継げるよう頑張っていきましょ う。 ありがとうございました。 以 上
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