平成26年度 国際審判早期育成プロジェクト 派遣報告書 大会名 全日本総合選手権 報告者 (所属) 川島 司 (東京ブロック) 派遣期間 平成27年1月11日(土)~12(月・祝) 会場 国立代々木競技場第一体育館会議室 他 目的 国際審判員になる為に必要な事(コミュニケーション能力・メカニクスの重要性)等をこのプロジェクトを通し て学び、今回各ブロックを代表して集まった審判員の中から一人でも多くの国際審判員を輩出することが 最大の目的である。 富樫彰子(30歳/宮城/次年度AA級昇格) 小田中涼子(27歳/岩手/次年度AA級昇格) 受講者 川島司(29歳/東京/A級1年目) (敬称略) 細田知宏(30歳/東京/次年度AA級昇格) 武井晋平(30歳/栃木/次年度A級昇格) 大山賢史(29歳/栃木/次年度A級昇格) 眞榮喜工(28歳/埼玉/A級1年目) 太田麻須美(26歳/愛知/次年度A級昇格) 吉田智子(30歳/石川/次年度A級昇格) 宮里両(33歳/兵庫/次年度A級昇格) 米村悠美(29歳/山口/次年度AA級昇格) 稲田篤(29歳/鳥取/次年度A級昇格) 古後宏和(33歳/福岡/次年度A級昇格) 第1日目 1月11日(土) 研修Ⅰ ルールテスト及び語学研修 研修Ⅱ 観戦研修~ディスカッション(全日本総合選手権 女子準決勝) 研修Ⅲ ①【国際審判の活動について】 講師:須黒祥子 氏 ②【ナショナルチーム遠征帯同の経験から】 講師:中嶽希美子 氏 ③【FIBAクリニックの経験から】 講師:熊谷久美子 氏 研修Ⅳ 観戦研修~ディスカッション(全日本総合選手権 男子準決勝) まず、平指導グループ 副長よりこの国際審判早期育成プロジェクトの目的について上記の内容のお話があった。 続いてルールテスト及び語学研修となった。語学研修は高城氏と服部氏による個別のインタビュー形式であった。私 は高城氏によるもので、質問の内容は、出身、家族構成、仕事、バスケットボール、審判について等であった。トップバ ッターと言うこともあり、かなり緊張した。最後にお二人からのアドバイスとして、正しい文法よりも伝えようとする気持ち が大事であることを学んだ。 男女準決勝の2試合観戦後、実際の審判ミーティングの場に入れて頂けた。その後、受講生でディスカッションを行 い各自感想等を発表した。その中で女子準決勝では、あるシーンのOFファウルかDFファウルかノーコールかの議論と なり、男子準決勝では、アンスポーツマンライクファウルかノーマルファウルかの議論となった。ディスカッションの途中 から実際の審判員の方々が加わってそのシチュエーションについての見解を聞く事ができた。 両方のシチュエーション共に共通していたことがあった。それは、「その判定を下した後に何が起こるのか」を常に考 えて様々な判定をされていたことだった。 試合終了後のわずか30分足らずの時間で各審判員の方々が私達受講生のの為にお越し頂き、普段では絶対にで きない最高のディスカッションの場となった。 研修Ⅲとして、①須黒祥子氏による講話の中では国際審判員になるということは、世界の判定基準を日本へ伝える 役割も担っていること、コーチやプレーヤーに正しいルールを伝えるためには“ルールブックの言葉”を用いなければな らないことを学んだ。また、国際審判員として必要な事として、メンタリティー・パーソナリティー・スキルがあり、そしてそ れらを支える“あらゆる環境作り”が大切であるとお話し頂いた。 ②中嶽希美子氏による講話では、ナショナルチームの遠征帯同の経験から国際審判員の役目として、日本代表団 の一員となり日本のバスケットボールを強くする為に様々なことをすることも重要ということをお話頂いた。 第2日目 1月12日(日) ●国際審判員研修会の聴講● 研修Ⅴ ①【3×3活動について】 講師:岩田千奈美 氏 ②3×3活動 講師:緒方崇 氏 研修Ⅵ 観戦研修~ディスカッション(全日本総合選手権 女子決勝) 研修Ⅶ グループディスカッション 他 2日目は午前中に国際審判員研修会の聴講性として参加した。東氏による【東アジア大会報告】では“対応ミスから 招いてしまった大きな失敗”とそこから学んだことをお話しを聞く事ができた。またNBLレフェリーディレクターの吉田氏 と阿部氏によるNBL前半戦の振り返りと後半戦に向けてのお話しも聞く事ができた。 午後からは、3×3の今後の活動についてや3×3の競技の特性やレフェリーをするにあたっての事などのお話しを岩田 氏と緒方氏からあった。 その後、熊谷氏による、昨日実施できなかった研修Ⅲ③を行った。その中では昨年受講したFIBAクリニックに向けて 準備したこと、現地での様子、クリニックの内容、そして何よりもこの早期育成プロジェクトでの経験が何より重要であ ったことを私達に伝えてくださいました。 昨日に引き続き観戦研修後のディスカッション後に、各4~5名のグループに分かれ【目標】と【目標に対する課題と解 決方法】についてグループディスカッションが行われた。 どの受講生も目標の形は同じ“FIBA REFEREE”であるがその背景は、「2020年の東京オリンピックの舞台で審判を したい」、「ただただ審判がうまくないりたい、それを突き詰めて行くとそこに国際があった」等、それぞれであり、他の受 講生のモチベーションの高さを感じることが出来た。 第3日目 1月13日(月・祝) ●国際審判員研修会の聴講● 研修Ⅷ 【AA級取得までの国内での活動について】 講師:小澤勤 氏 研修Ⅸ 観戦研修~ディスカッション(全日本総合選手権 男子決勝) ※時間の都合上ディスカッションは中止 最終日も2日目同様に、午前中は国際審判員研修会の聴講性として参加した。平原氏による【世界選手権報告】では 、FIBAが今までと違った取り組みを初め、今世界で起こっているいろいろな変化の共有をして頂いた。宮武氏による【 国際審判員(トップレフェリー)に望むこと】では、2002年世界選手権のFINALの映像を用いて“国際審判員に求められ ること”とは【強さ】であるとお話を頂いた。その強さとはコート上のことだが、それはコート上だけでは作ることはできな いと感じた。日々の取り組みから生まれてくるものだと感じる講和であった。 その後、座学研修最後の小澤氏よる【AA級取得までの国内での活動について】では、AA級取得までの道筋として次 年度AA級昇格の4名の話を聞く事ができた。 小澤氏からは、AA級審判員とはあらゆる場面で“信頼”される審判員でなければならない、それは各大会役員の1人と して、人(社会人)として“信頼”されることがコート上での“信頼”に繋がってくるということを学んだ。 自分は今どれだけ信頼されているのだろうかと自身の取り組み、行動、発言等を見つめる時間となった。 本プロジェクトを通して この3日間で今の自分を試す“チャレンジ”をさせて頂くことができた。そして現役の国際審判員やトップレフェリーのみ ならず、歴代の国際審判員の方々と同じ空間でバスケットボールの話を聞き、学び、感じた。改めて“国際審判員にな る”という強い想いを抱くと共に“夢”を描くことができた。そして、最後に平氏からパンッ!と「さぁ!現実を見てみよう」 と言われた。初日のルールテストの受講生平均点が54点であることを知らされた・・・自分の“現実”を見た。 国際審判員になる為に必要な語学力やコミュニケーション能力、ルールの本当の理解、メカにクス重要性、他のあら ゆる面で私は足りていなかったことを痛感する3日間となった。だから私は明日から日常生活でできることを積み上げ て行かなければならない。ルールを本当に理解する為に、語学力を身につける為に目の前のことをコツコツやっていく 。 オンザコートでは当たり前のことを徹底して行うこと。時計がちゃんと止まっているか、動き始めたか、得点は入ったか etc 判定する為に4原則を常に考えること。それはプレーヤーやコーチ、観客からの信頼になり、審判2or3人の協力、より 良い判定に繋がってくるからである。 そんな刺激たっぷりの研修の中で感じたことは“川島司で良いんだ”ということだった。この3日間で素直に自分の意見 を持ち、発信することが大事だと感じた。フリーな時間で他者とのコミュニケーションをどれだけとれるか、タフな環境、 様々なストレスに自分がどこまで耐えられるのか・・・ 自分の良いところも悪いことも見つめる3日間となった。そして私はそんな中で12人の“同志”と出会い、その他にも多 くの“仲間”を作ることが出来た。かけがえのない財産である。日本各地にいる“仲間”とは今後も連絡を取り合い、切 磋琢磨し、それぞれの目標に向かって精進していきたい このプロジェクトを終え、どのように成長をしていくは自分次第である。 これからも目の前の一つ一つの試合を貪欲に審判を行っていくと共に、本プロジェクトへの参加にあたり推薦をして頂 いた母体のブロックへ感謝しつつ、しっかり還元して参ります。 最後になりましたが、 本プロジェクトの開催に当たり、日本バスケットボール協会吉田審判長をはじめ、湯浅指導グループ長、本プロジェクト の全体を取り仕切ってくださった平指導グループ副長、プロジェクトに関わって頂いた先輩審判員、そして総務グルー プ並びに広報担当の皆様には、事前の連絡や準備、当日の運営まで細かいお気遣いをして頂きました。この場を借り て深く御礼申し上げます。有難うございました。 以上
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