『僕の日』(7月31日) NO.18 ~ 教職2年目 水谷教諭の挑戦 ~

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『僕の日』(7月31日) NO.18
教職2年目 水谷教諭の挑戦 ~
自然教室が終わり、1ヶ月近く経った7月23日。水谷教諭の教職2年目研修レポート
が机上に置かれていました。そこには、火の舞をプロデュースし、エールマスターとして
キャンプファイヤーを盛り上げた水谷教諭から見た、「もう一つのキャンプファイヤー」
が綴られていました。
「学年全体で火の舞をつくり上げることで、達成感のあるものにしたい」と目論んだ火
の舞。まず、火の舞メンバー13人を募集したところ、30人を超える応募がありました。
オーディションの日、水谷教諭は合格した13人に「あなたたちは一緒にオーディション
を受けた仲間の思いも背負っている」と伝え、落選した子たちが練習に使ったトーチ棒の
片方を手渡しました。言葉がけやトーチ棒渡しが、絶妙のタイミングで行われたことで、
13人の中に責任感や去りゆく仲間との絆が芽生えました。その後の練習で、できるよう
になった子が苦戦している子に寄り添って教える姿が見られるようになったのを確認して
水谷教諭は次の手を打ちました。
練習の様子を学級通信で紹介したり、本番で使う曲を2つの学級で流したりしました。
「本番が楽しみになってきた」「いい歌だね」と、火の舞に対する思い入れが学年全体に
広がっていきました。
本番、あいにくの雨で、全員カッパを着てキャンプファイヤーに臨んだ。
火の舞の出番になり、全員が全力で演じた。しかし、雨が強くなってきて2番に差
し掛かるところではトーチの火が消えてしまった子がいた。その時、見ていた子ども
たちの中から「がんばれ」という声が聞こえた。その声に続き、
「大丈夫、できるよ」
などという声が次々と飛んだ。火の舞のメンバーだけでなく、学年全体で火の舞を完
成させた。
結局、終わる頃にほとんどのメンバーの火は消えていたが、学年全体に「絆の火」
を灯すことができた。
(水谷教諭の【教職2年目研修レポート】より)
本番は雨。最悪の条件が学年の絆づくりの最終章になったわけです。用意周到で臨んだ
数週間。その最後に水谷教諭でもかけないドラマが待っていました。勝負事にまつわる言
葉に「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」があります。水谷教諭に作手
の山の神が微笑みました。
過日、ゴルフの4大メジャー大会の一つ、全英オープンが終わりました。松山選手の他
に、もう一人、気になる選手がいました。ジェイソン・デイ選手。全英オープンの前に行
われた、もう一つのメジャー大会、全米オープンで上位を快走し、最終日最終組が確実と
いう状況の中、めまいに襲われ、3日目の18番グリーン上で倒れ込んでしまいました。
デイ選手は体調が回復して全英オープンに挑みました。順調にスコアを伸ばし、あと1つ
伸ばせば、プレーオフ進出という状況で迎えた最終日18番ホール。
6メートルのバーディーパットがカップにぎりぎり届かず、グリーン上に留まった
瞬間、デイの目から涙が溢れ出した。
聖地、セント・アンドリュースには「オールドレディ」が棲んでいると言う。オー
ガスタの魔女にも、チェンバーズベイのモンスターにも、セント・アンドリュースの
オールドレディにも微笑んでもらえなかったデイ。いい加減、泣きたくもなるだろう。
だが、彼はそれでもすぐに前を向いた。
「勝てなかったのは残念。でも、僕はいいゴルフをした。最後のパットも、いいパ
ットができた。そこにはがっかりしていない。自分にとって最高のゴルフをすること
こそが永遠の目標。『僕の日』は、きっとすぐにやってくる。それまでの我慢だ」
(舩越園子コラムより)
舩越氏はコラムの冒頭で「本当のドラマはもっと長く壮大で、セント・アンドリュース
で見たものは、その一部。ずっと以前から始まり、まだまだ続いていく長編ドラマのほん
の一部だったのだと思う」と綴っています。今回のキャンプファイヤーが『僕の日』にな
ったかどうかは、
「水谷教諭のみぞ知る」でしょうか。これから30年余続く教員人生を、
『僕の日』を目指し、誠実に、我慢しながら歩むことを願うばかりです。