シラバス(授業計画) 授業科目名 入学年度 開講学年・学期 必・選 単位数

シラバス(授業計画)
授業科目名
国
際
政
両学科共通
治
学
入学年度
開講学年・学期
必・選
単位数
~213
2 年生・前期
選択
2 単位
科目
担当教員名
坂上
宏
受講者数
基礎総合科目
準備学習の内容(履修の前提条件)
①「政治学入門Ⅰ・Ⅱ」をすでに受講済みであることが望ましい。
②国際政治および世界史について関心を持っていること。
③理想と現実の相克と調和というすぐれた哲学的問題について関心を持っていること。
④下記の参考書 E.H.カー『危機の二十年』に目を通しておくことが望ましい。
⑤講義の内容を理解し、ノートを着実に取れるだけの基礎学力があること
※禁止事項:不必要な私語。正当な理由でない遅刻および許可のない入退室。携帯電話の使用。その他指定する事項。
授業の到達目標及びテーマ
本講義の目標は、受講者が近代国際関係の成立とその基本的特徴について理解できるようになること、そし
て E.H カーの所説を通して、国際政治学における理想主義思想と現実主義思想の特徴について理解できるよう
になることである。これらにより、国際政治に関する受講者の歴史的・理論的視野を広げることがさらなる目
標である。
授業の概要
近代国際関係の成立に関して、その最も重要な契機となるのが 1648 年ウェストファリア講和会議である。
この会議を経て、主権を有する国民国家を単位とする「国際関係」が生まれたと考えられている。この授業の
前半では、近代国際関係の成立の背景として、中世末期から同会議に至る西ヨーロッパ世界の変遷について説
明し、併せて「国際関係」の基本的性質について明らかにする。後半では、E.H.カーの所説に依拠しながら
国際政治学の誕生と発展について概述する。具体的には草創期の国際政治学の特徴であった理想主義思想、
その挫折の後に出てきた現実主義思想のそれぞれの特徴について明らかにし、最後に両者の相克と調和の
必要性について解説する。
授業計画
第1回 授業の方針、現代国際関係の特徴(国際社会の重層性と多義性、ボーダーレスとボーダーフル):プリント 1
第2回 国際関係の中心的特質、近代国際関係の成立と展開①(中世ヨーロッパ社会の特徴) :プリント 2
第3回 近代国際関係の成立と展開②(近代への移行その 1:ルネサンス運動、宗教改革、資 本 主 義 ) :プリント 3
第4回 近代国際関係の成立と展開③(近代への移行その 2:絶対王政国家の出現) :プリント 4
第5回 近代国際関係の成立と展開④(ドイツ 30 年戦争、1648 年ウェストファリア講和会議) :プリント 5
第6回 近代国際関係の成立と展開⑤(西欧国家体系、市民国家の出現、国内社会と国際社会の比較) :プリント 6
第7回 国際政治の思想①(理想主義思想の変遷:プラトン、カント、ウィルソン):プリント 7
第8回 国際政治の思想②(理想主義思想の変遷と限界:日本国憲法第 9 条):プリント 8
第9回 国際政治の思想③(E.H.カー:近代理想主義の政治思想の成立背景-自然法,啓蒙主義)
:プリント 9
第10回 国際政治の思想④(E.H.カー:自然法と理性、最大多数の最大幸福、世論の重要性、国際平和思想)
:プリント 10
第11回 国際政治の思想⑤(E.H.カー:国際連盟構想、知性への信頼、国際政治学の始まり) :プリント 11
第12回 国際政治の思想⑥(E.H.カー:個人的道義と国家的道義、国際共同体、現実主義と権力) :プリント 12
第13回 国際政治の思想⑦(E.H.カー:現実主義の立場、マキアヴェッリの思想) :プリント 13
第14回 国際政治の思想⑧(E.H.カー:政治における現実主義、権力と国力、権力は排除できるか) :プリント 14
第15回 国際政治の思想⑨(E.H.カー:世界国家…なぜ実現できない?理想主義と現実主義の相克と調和) :プリント 15
第16回 定期試験等
自
事前学習 配布プリントや参考書を読んで次の授業の概要を把握し、疑問点などを明確にしておくこと。
学
自
事後学習 配布プリント、ノート、参考書などを読んで、授業の内容について理解を深めておくこと。
習
テキスト:プリントを配布する。
参考書・参考資料等
E.H.カー(原 彬久訳)『危機の二十年』(岩波文庫)
モーゲンソー(原 彬久訳)『国際政治 上中下』(岩波文庫)
F.L.シューマン(長井 信一訳) 『国際政治』(東大出版会) その他多数
成績評価の方法・基準
・成績評価の方法:試験を最も重視する。平常点(出席状況 3 分の 2 以上の出席が必須条件)、授業感想文(第 7
回、第 15 回)も併せて考慮する。
・成績評価の基準
①近代国際関係の成立と展開について、特に中世から近代への移行の要因、1648 年ウェストファリア講和会議
の意義、西欧国家体系の特質について理解しているか。
②E.H.カ-の国際政治思想について、特に理想主義と現実主義の特徴、両者の相克と調和について理解してい
るか。