2008. 発 行 株式会社 昭和土木設計 岩手県矢巾町流通センター南 4 丁目 1-23 12 Tel 019-638-6834 Fax 019-638-6389 ~ 多自然川づくり基本指針について ~ を基本として定め、掘削等による河床材料や縦断形の 変化や床止め等の横断工作物の採用は極力避けること (基本指針)、としています。 横断計画については、河川が有している自然の復元 力を活用するため、標準横断形による上下流一律の画 一的形状での整備は避け、川幅をできるだけ広く確保 するよう努めること(基本指針)、としています。 現況河床を平行移動 するように掘削する 横断形 出典:多自然川づくりポイントブックⅡ 河岸の法勾配について、自然河岸の復元や水辺へ のアクセスの観点から緩勾配とするほうが望ましい が、河川が持つ自然の復元力を活用できるよう河床 幅を十分に確保するため、急勾配河岸とするほうが 有効です。 横断形状 川床幅 / 川の深さ 横断形状 × ○ .5 .0 1:2 3 .5 1:2 1:0 1:0 3 1 .0 3 ○ × 2 .0 1:2 3 .5 .5 1:0 1:2 .0 1:0 平面計画 平面計画については、その河川が本来有してい る多様性に富んだ自然環境を保全・創出すること を基本として定め、過度の整正またはショートカ ットを避けること(基本指針)、としています。 これについて、大胆な例をご紹介します。 蛇行流路と河畔林を保全してほしいという市民 の要望を取り入れ、直線化する計画をとりやめて 蛇行部の保全を図った事例を以下に示します。 縦断形 3 はじめに 平成2年に多自然型川づくりが始まって以来、 多自然型川づくりが定着しつつある一方で、依 然として画一的な標準横断形で計画したり、河 床や水際を単調にしたり、課題の残る川づくり が多く見られました。 このため、多自然型川づくりの『型』の文字 を削除した提言「多自然川づくりへの展開」を うけて、国土交通省は「多自然川づくり基本指 針」を策定し、さらに技術的知見を示した「中 小河川に関する河道計画の技術基準について」 を通知したところです。 そこで、今回は「多自然川づくり基本指針」 「中小河川に関する河道計画の技術基準につい て」の解説版である参考文献『多自然川づくり ポイントブック』の中から、多自然川づくりの 工夫の仕方について参考事例を交えてご紹介し たいと思います。 6 ○ 1年目:内岸部を直立に掘削し流下能 8年後:掘削面が見えなくなるくらい 力確保と河畔林保全を両立さ 草木が繁茂した。 せる。 出典:多自然川づくりポイントブックⅡ 出典:多自然川づくりポイントブックⅡ ショートカット する案を取りや めて、蛇行部を保 全した。護岸をつ けなくても自然 河岸が維持され た。 縦断横断計画 縦断計画については、その河川が本来有してい る多様性に富んだ自然環境を保全・創出すること 河床幅と川の 深さの比が3 未満の場合 は、河岸を急 勾配とし河床 幅を広くとる ようにする。 3 .0 1:2 3 1:2 .0 9 ○ .0 4 .0 1:2 3 1:2 12 ○ .0 1:2 3 1:2 .0 5 15 引用:多自然川づくりポイントブックⅡ おわりに 多自然川づくりポイントブックには、多自然川づ くりを取り入れることで経済的に有利となる事例が 紹介されています。治水の安全度を確保することと、 現況の河川を再現することの両方を取り入れること が治水対策の効果的推進につながるものと感じています。 参考文献:多自然川づくり基本指針 中小河川に関する河道計画の技術基準について (国土交通省河川局) 多自然川づくりポイントブック 多自然川づくりポイントブックⅡ 多自然川づくり研究会 編 国土交通省河川局 河川環境課・治水課・防災課 編集協力 財団法人リバーフロント整備センター 発行 株式会社 昭和土木設計の紹介 配布者 弊社は,道路・河川・橋梁等の計画・設計,GIS,IT ソリューション等の業務を行っております. ”なんでもインフォ“のバックナンバーについては http://www.showacd.co.jp をご覧ください. 作成者:コンサルタント事業部
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