V - TI E2E Community

Let’s learn Signal Chain
セッション4 : オペアンプ性能の理解(後半)
R14
R15
Ver.-2
Ratio-metric Biasing Circuit
R13
A6
REF
C5
R7
C2
Buffer
R8
R3
R4
R11
A1
C4
R1
R9
RG
REF VS+
IN+
A4
R12
R10
INGND
A3
R2
R11
R6
C3
Scaling
R5
ADC
A2
Front-End
Instrumentation Amp
R12
Bridge
Sensor
C1
A5
Buffer
1
1
セッション・インデックス(後半)
S4.1 出力段の性能
(1)ステップ応答
(2)スルーレートとセトリング時間
(3)スルーレートと歪の関係
S4.2 電圧帰還と電流帰還の違い
(1)電圧帰還型
(2)電流帰還型
(3)電圧帰還と電流帰還の比較
S4.3 セトリング時間の実測
(1)エッジシフト法による測定原理
(2)各種オペアンプの実測結果
2
2
出力段の主なスペック
•スルーレート
•セトリング時間
•出力インピーダンス
•出力電圧振幅
•出力電流
電源部
入力段
ゲイン段
出力段
電源部
3
3
S4.1 出力段の性能
(1)ステップ応答
(2)スルーレートとセトリング時間
(3)スルーレートと歪の関係
S4.2 電圧帰還と電流帰還の違い
(1)電圧帰還型
(2)電流帰還型
(3)電圧帰還と電流帰還の比較
S4.3 セトリング時間の実測
(1)エッジシフト法による測定原理
(2)各種オペアンプの実測結果
4
4
出力段: ステップ応答,アンプ出力の追従前
ステップ応答=パルス性信号に対する応答
SJ点
RI
II
RF
10k
10k
EI
0V
EI 10Vpk
VM ≠ VP
EO
VM
0V
VP 0V
EO
0V
パルス EI が加わると VM が VP より高くなり,
アンプ出力 EO はマイナスの方向に変化を開始する.
この状態ではバーチャル・ショートはブレーク.
5
5
出力段:ステップ応答,アンプ出力の追従後
SJ点
RI
II
IF
RF
10k VM =0V
10k
EI
0V
EI 10Vpk
VM = VP
AOL
EO -10V
VM
0V
VP 0V
EO
0V
出力 EO が入力の変化に追いつくと,
-10V
再び II = IF となりバーチャル・ショート
が成立し EO は安定する.
6
6
出力段:ステップ応答の波形写真
入力EI
ここで追従
SJ点
出力EO
7
7
出力段:スルーレートとセトリング時間
規定誤差幅,±0.01%など
テールの長さは位相余裕に依存.よって…
高速スルーレート=高速セトリングとは限らない
スルーレート
dV/dt
½VCC
EO
or 0V
ΔVO
定格出力振幅
Δt
通常μs
入力EI
tS
tS=0.01% へのセトリング・タイム
8
8
出力段:スルーレートと歪の関係
オペアンプのピーク出力振幅/周波数で決まる必要なスルーレート(SR)
SR =
∆V
∆t
式4-1
低歪を保障するためのスルーレートは(経験値)…
0Vでの接線
SR = 10 ⋅ 2πfp Vp (V/s)
式4-2
⊿Vが最も高速
Vp
⊿V
0V
時間 t
⊿t
9
9
出力段:スルーレート不足による歪の波形写真
低周波でのサイン波形
スルーレートが有限である実際の波形
このアンプは昇りと下りの速さが異なる
高周波での追従遅れ
10
10
S4.1 出力段の性能
(1)ステップ応答
(2)スルーレートとセトリング時間
(3)スルーレートと歪の関係
S4.2 電圧帰還と電流帰還の違い
(1)電圧帰還型
(2)電流帰還型
(3)電圧帰還と電流帰還の比較
4.3 セトリング時間の実測
(1)エッジシフト法による測定原理
(2)各種オペアンプの実測結果
11
11
電圧帰還と電流帰還の違い
高速オペアンプ(50MHz以上)では
電圧帰還型“VF”と電流帰還型“CF”の2種類がある.
プリ・アンプ
VF or CF ?
RI
ビデオ信号など
バッファ・アンプ
VF or CF ?
パイプラインA/D
REF
RF
REFI
VI
N
+ A/D
VI
変換
データ
-
12
12
電圧帰還型:信号増幅と帰還は電圧ベース
DC領域における開ループゲインAOL(DC)と,閉ループ・ゲインACL(DC)の考察.
IE
VP
VC
gm
VE
VI
(VP-VM)
IE=VE×gm
RT
VO
×1
VC=IE×RT
VC=VO
gm=IE / VE
VM
RI
AOL(DC)の構成.
VO = VE ⋅ gm ⋅ R T
A OL (DC) =
VO
= gm ⋅ R T
VE
II =IF
RF
ACL(DC)の構成
A CL (DC) =
AOL=1×106,RF=9kΩ,RI=1kΩなら,
A OL (DC)
1 + A OL (DC) ⋅ β
ここで β =
RI
RI + RF
開ループ・ゲイン
13
IF
1× 10 6
A CL (DC) =
1 + 1× 10 6 × 0.1
= 9.99990000 1
≅ 10
13
電圧帰還型:fP1の位置は内部位相補償回路により最適化
IE
VP
ZT
×1
gm
VE
IE=VE×gm
VI
RI
VM
A OL (AC) = gm
RT
VC=IE×ZT
ZT=RT // CC
RF
AOL(DC)
=gm・RT
(-180°基準)
0
fP1 -3dB
位相
ゲイン
RT
1 + 2πfR T CC
AOL ACL
gm
RI
fP1 = β
ここで β =
2πCC
R I + R F (dB)
0dB
1
1
A CL (AC) ≅ ⋅
β 1 + β 2πfCC
0.1fP1
gm
14
CC
gm=IE / VE
fP1 以降
VO=VC
VC
位
- 45 相
- 90
- 135
位相余裕
fP2
fP1
10fP1
fBW=fTβ
0.1fP2 fP2
10fP2
fT
- 180
14
電圧帰還型:等価回路と実際の回路
RT
ZT = RT // CC
gm =
∆i
∆Ve
Vn
Ve
Vp
Vo
RT
CC
i = Ve×gm
15
15
電流還型:信号増幅は抵抗比で帰還は電流ベース
DC領域における開ループゲインAOL(DC)と,閉ループ・ゲインACL(DC)の考察.
VP
×1
VI
RF=∞ なら
IE=VI / RI
IE
RT
電流ミラー
IE+IF
VO = IE ⋅ R T
A CL (DC) =
1
RT
×
β R T + RF
ここで β =
IF
RF
ACL(DC)の構成
VO
= RT
IE
VC=IE×RT
VC=VO
AOL(DC)の構成.
A OL (DC) =
RI
RI + RF
RT=1×106,RF=900Ω,RI=100Ωなら,
1× 10 6
A CL (DC) = 10 ⋅
1× 10 6 + 900
= 9.99100809
≅ 10
開ループ・インピーダンス(DC)
16
VO
×1
IE
VM
RI
VC
VP=VM
16
電流帰還型:fP_RFの位置を帰還抵抗RFにより決定する
VP
×1
VI
RF=∞ なら
IE=VI / RI
RI
ZT
VP=VM
IE
VC
VO
×1
RT
IE
CC
VC=IE×RT
VC=VO
RF
VM
1
fP1 =
2πR T CC
(-180°基準)
0
fP1 -3dB
RT
位相
ゲイン
Z
OL
RT
(dBΩ)
A OL (AC) = Z T =
ACL
1 + 2πfR T CC
1
RI=∞ RF
fP _ RF =
2πR FCC
(0dB)
fP_RF’
- 90
fP2
- 135
位相余裕
fP_RF
fP_RF 以降
1
1
A CL (AC) ≅ ⋅
β 1 + 2πfR T CC
17
位
- 45 相
RI
β=
RI + RF
0.1fP1
fP1
10fP1
0.1fP2
fP_RF
fP2
10fP2
- 180
17
電流帰還型:等価回路と実際の回路
ZT = RT // CC
電流ミラー
ie
Vp
ie
Vn
Vo
CC
RT
18
18
電圧帰還と電流帰還の比較:ボード線図
電圧帰還型
電流帰還型
19
19
電圧帰還と電流帰還の比較:スルーレート,風説
電流帰還は一般にスルーレート SR が電圧帰還より早いとされるが
ビデオ信号バッファに見られる G=2 の回路
電源±5V,G=5における比較
THS3001:電流帰還型(CF)
スルーレート:1300V/μs,4V Step
帯域幅:350MHz,at – 3dB
-5V
CF
+5V
OPA843:電圧帰還型(VF)
スルーレート:1000V/μs,2V Step
帯域幅:260MHz,at – 3dB
-5V
代表的スペックでみるとSRは
THS3001(CF)に対し
OPA843(VF)の方が
遅いように思える.
VF
+5V
20
20
電圧帰還と電流帰還の比較:スルーレート,実際
電流帰還型のスルーレートは,出力振幅に依存.
200mV Step
CF
VF
2V Step
CF
VF
21
21
電圧帰還と電流帰還の比較:差動アンプなどの応用面
電流帰還型は入力部が非対称なので差動アンプに向かない.
22
22
S4.1 出力段の性能
(1)ステップ応答
(2)スルーレートとセトリング時間
(3)スルーレートと歪の関係
S4.2 電圧帰還と電流帰還の違い
(1)電圧帰還型
(2)電流帰還型
(3)電圧帰還と電流帰還の比較
S4.3 セトリング時間の実測
(1)エッジシフト法による測定原理
(2)各種オペアンプの実測結果
23
23
エッジシフト法による測定原理:測定システムの概要
タイミング・ジェネレータ
EXCEL
CPLD
変換パルスのエッジをシフト
CSVファイル
試作ボード
REF
REF5025
OPAxxx
DUT
TS5A3159A
評価用ボード
Buf
THS4032
A/D
ADS8422
16Bit, 4Msps
ロジアナ
24
24
エッジシフト法による測定原理:シフトのタイミング
ON
Switch
0
84
170
255
Time Base
2.56us
Edge Shift
1
10ns/Step
Repeat
Conversion
tCONV
250ns
256
Pointer
Decoder
84 , 170
Conversion
Switch Control
8
Clock 100MHz
Time Base
256
Repeat
256
Compare
8 bit
Pointer
256
8
25
25
エッジシフト法による測定原理:エッジ・シフトの実波形
スイッチ制御
ポインタの値に応じて移動
変換パルス
A/D Busy信号
アンプ出力
26
26
各種オペアンプの実測結果:セトリング・タイムの分析-1
ステップ1
全体波形からフラット領域を確認
ステップ2
徐々に拡大し,数LSB分の大きさに調整
OPA1 3 2 , 全体波形
2.5
2.502250
変換データ(V)
2.0
変換データ(V)
OPA1 3 2 平坦部
2.502375
3.0
1.5
1.0
2.502125
2.502000
1LSB
0.5
2.501875
0.0
-0.5
2.501750
0
5
10
15
20
25
時間(μs)
30
35
40
5
10
15
時間(μs)
20
25
27
27
各種オペアンプの実測結果:セトリング・タイムの分析-2
ステップ3
立ち上がり時間(始点)を確認
ステップ4
平坦部分を始点付近で拡大
OPA1 3 2 , セッ トリング・ タイム
-0.004250
2.502375
-0.004375
2.502250
変換データ(V)
変換データ(V)
OPA132 立ち上がり開始
-0.004500
-0.004625
-0.004750
2.502125
2.502000
±1LSB
2.501875
-0.004875
2.501750
6
6.5
7
7.5
8
8.5
時間(μs)
9
9.5
10
8.4
8.5
8.6
8.7
8.8 8.9 9
時間(μs)
9.1
9.2
9.3
9.4
1.4μs
*コツとして,1目盛りが1LSBのサイズになるよう拡大すると分析しやすい
28
28
各種オペアンプの実測結果:ステップ応答の比較
OPA3 7 4 ,全体波形
OPA2 7 7 ,全体波形
3.0
3
2.5
変換データ(V)
2.5
変換データ(V)
2
1.5
1
0.5
0
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
0
5
10
15
-0.5
20
0
時間(μs)
0.5
3.0
2.5
2.5
2.0
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
2
2.5
2
2.5
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
0
29
1.5
時間(μs)
OPA1 3 2 ,全体波形
3.0
変換データ(V)
変換データ(V)
T LV2 7 7 1 , 全体波形
1
0.5
1
1.5
時間(μs)
2
2.5
-0.5
0
0.5
1
1.5
時間(μs)
29
各種オペアンプの実測結果:製作した測定システムの時間分解能
TLV2771,サンプリング間隔チェック用の部分波形
3.0
変換データ(V)
2.5
2.0
1.5
1.0
50ns
0.5
データ256個の平均値
0.0
-0.5
0.7
0.75
0.8
0.85
0.9
0.95
時間(μs)
1
1.05
1.1
1.15
1.2
30
30
セッション4 終わり
お疲れ様でした.
31
31