聖歌隊 ウエスレヤン・ホーリー・クワイア ニュース№10 クリスマスの歌 「あらののはてに」 (讃美歌106) 「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、 夜通し羊の群れの番をしていた。 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。 天使は言った。 「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。 今日ダビデの町で、 あなたがたのために救い主がお生まれになった。 この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝て いる乳飲み子を見つけるであろう。 これがあなたがたへのしるしである。 」 すると、突然、 この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 「いと高きところには栄光、神にあれ、(Gloria in excelsis Deo) 地には平和、御心に適う人にあれ。 」 新共同訳聖書 ルカによる福音書2:8-14 カロル(キャロル) 主としてイエス・キリストの誕生を祝い、誕生にまつわる様々な場面や逸話を歌詞 にした歌をいう。 特に、 クリスマス・イブは、諫早教会の場合は、教会にあつまった子供たちが、アーケード街 で歌い、親しい人や病人、施設を訪ねてクリスマス・キャロルを歌う習慣がある。 筆者は学生時代成全寮のキャロリングで先生方の家を訪ね、 また神戸女学院や聖和女子大 の寮を訪ねてキャロルの交歓合唱をした楽しい思い出がある。それを機に結婚した人もいる。 カロルには(長く続く旋律の高低移行が独特の)メリスマが印象的である。 「 Gloria in excelsis Deo(天に栄光、神にあれ)」は「グロリア・イン・エクセルシス・デオ」 の「グロリア」を長く伸ばしてメリスマの旋律を歌う。 「グロー・オー・オー / オー・オー・オー / オー・オー・オー / オーリア / イン・エクセルシス・デーオー」 このように、 グロリア (栄光)のなかの「オ」の部分を 長く伸ばして歌う。女声の下降音型は天からの調べを、男声バスの上昇音型は人の応答 を表している。 日本語訳の讃美歌 日本語訳では、日本キリスト教団の『讃美歌 (1954年版)』などでは、 「荒野の果てに」 というタイトルになっている。 このタイトルは、 『讃美歌21』でも継承されている。 カトリック教会の『カトリック聖歌集(1966年版)』では「あめ(天)のみつかいの」 が有名である。 (「ウィキペディア」の「荒野の果てに」参考) 歌詞 106番 あらののはてに 1 あら野のはてに 夕日は落ちて、 たえなるしらべ あめよりひびく。 グローーリア、 イン エクセルシス デオ グローーリア、 イン エクセルシス デオ 2 ひつじをまもる 野べのまきびと、 あめなるうたを よろこびききぬ。 グローーリア、 イン エクセルシス デオ グローーリア、 イン エクセルシス デオ 3 みうたをききて ひつじかいらは、 まぶねにふせる み子をおがみぬ。 グローーリア、 イン エクセルシス デオ グローーリア、 イン エクセルシス デオ 4 今日しもみ子は うまれたまいぬ、 よろずの民よ いさみうたえ。 グローーリア、 イン エクセルシス デオ グローーリア、 イン エクセルシス デオ 「あらののはてに」は16世紀に遡るフランスの伝統的なキャロルが元となっている。 原題は「 Les Anges dans nos Campagnes(レ・ザンジュ・ダン・ノ・カンパーニュ) 」 であり、 「我らが牧場(野辺)にて天使が」の意味である。 カンパーニュはラテン語で、古くは、 「平野・平地・野辺」 という意味がある。 英語では、 「 Angels We Have Heard on High(いと高き処に我らは聞きたり、御使いたち が) 」 と訳されている。 「羊飼いの礼拝」ヘリト・ファン・ホントホルスト (1622年) ケルン、 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館 蔵 ウエスレヤン・ホーリー・クワイア ニュースレター20141010
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