2015年10月12日『学校だより・ふうしゃ第20号』

学校だより
ふうしゃ
平成27年10月12日
アムステルダム日本人学校
No 20
http://www.jsa.nl/
学習発表会ありがとうございました
校長
尾後貫
智
10月3日(土)快晴。大成功で学習発表会を終えることができました。中学部の発表の
後、発表会全体の最後にあいさつをさせていただきました。すべての保護者の皆様へあい
さつをすることができませんでしたので、ここで改めてあいさつさせていただきます。
『学習発表会閉会にあたりひと言、あいさつさせていただきます。
朝の開会のあいさつで、窪教頭から、
「本日の発表の中で輝きを放つ子どもたちの姿を目に焼き付け
てください」と話がありました。ご来場の皆様には今日の子どもたちのがんばりは、私が今更申し上
げるまでもなく、十分ご来場の皆様には伝わったことと思います。
そこで、私は今日の本番では見ることができなかった子どもたちのがんばりのいくつかをここで紹
介したいと思います。
〇休み時間や家に帰って自分たちで考えたダンスのふりをたくさん練習しました。
〇話し合いがうまく進まずもめることがあっても、時間をかけてあきらめずにやり抜きました。
〇舞台のはじにさりげなくおいてあった大道具や小道具までも子どもたちがアイディアを出し合い
ながら作ったものでした。
〇人前で大きな声が出せなかった子も、今回自分の殻を破って役を引き受け、発表できました。
〇背景画の色塗りをして汚れた足洗い場を他の学年が使った後も気がつき、きれいに掃除していた
子がいました。
〇ソロパートの責任の重さを自覚し、一人で黙々と練習に打ち込む中学生がいました。
〇剣舞のふりは、リーダーを中心に子どもたちで創り上げました。練習に欠席した友だちのパート
を穴埋めしながら臨機応変に練習を続けてきました。
このように学校行事はその発表当日ばかりではなく、そこにいたる準備や練習の過程の中で子ども
たちは大きく育つことはいうまでもありません。今日まで本気になって取り組むことができたすべて
の子どもたちに大拍手です。
本日は来賓の皆様、最後までご覧くださり、ありがとうございました。また保護者の皆様、今日ま
で子どもたちを励まし、支えてくださいましてありがとうございました。
最後に、保護者の皆様へお願いがございます。ご自宅に戻りましたら、お子様の今日のがんばりを
大いに褒めてあげてください。今夜は学習発表会の話題で食卓を盛り上げてください。そうしていた
だけることが、子どもたちの次への意欲・自信につながります。どうぞよろしくお願いします。
以上をもちまして、閉会の挨拶とします。本日は大変ありがとうございました。
』
以下、学習発表会3日前、9月30日のチャイルドシアターの最後で児童生徒に私が話
した内容です。
『今日、全学年の発表を最初から最後まで見せてもらいました。どの学年もみんな本気になって発
表できていたので、みなさんの思いがガンガン伝わってきました。本当によく頑張りました。
さて、みなさん、ここでほっとして満足してはいけません。本番は土曜日(10月3日)です。それまで
にあと2日あります。あと2日みなさんが頑張れる話をここでしたいと思います。
「人間になれなかった鬼の話です。
」
むかし、あるところに人間になりたくてなりたくてしかたがない鬼がいました。ある日、赤鬼
はどうしても人間になりたくて思い切って神様にお願いしました。「わたしを人間にしてくださ
い。
」と。すると、神様は「そんなにのぞむのなら、願いを叶えてあげよう。ただし、条件があ
る。山の上まで一晩で百段の石段を作りなさい。夜明けに一番鶏が鳴く前にそれができたら、願
いは叶えてやろう。
」
大きな重い石をかついで赤鬼は人間になれるぞなれるぞと、一生懸命働きました。99段積み
上げて星空を見上げて一休みしました。ふっとこれまで99段積み上げた疲れが出たのでしょう。
赤鬼はとろりねむってしまったのです。まぶしい朝の光が差してきました。
「ああ大変だ。急がな
くちゃ。一番鳥が鳴き出してしまう。
」100段目の石を大急ぎでてっぺんまで運んでいる途中で、
一番鶏が声高らかに鳴いてしまったのです。赤鬼の願いは消えて夜が明けました。残念ながら赤
鬼の願いは叶えられませんでした。
みなさんには、あと2日あります。赤鬼のように油断しないで、しっかり100段積み上げて学習発
表会当日を迎えてください。
』
私は、この話をすべきかどうかとても迷いました。子どもたちの発表がとても素晴ら
しかったからです。今日の発表を3日の発表会でできれば十分だと思ったからです。し
かし、あえてこの話をしたのは、現状に満足することなくさらに一段上を目指してほし
いと思いましたし、それを目指せる子どもたちだと思ったからです。
10月12日。秋休み明けの本日、子どもたちに私は言いました。「見事100段積
み上げた発表だったよ。」と。