9月号

富山高校 保健室
平成 27 年 8 月 27 日
夏休み明け、体内時計乱れていませんか?
【日常生活の時差ぼけ - 概日リズム睡眠障害】
対策 ⇒ 朝、たっぷり太陽の光を浴びる!
夏休みなどの長い休暇で、夜更かしをして朝寝坊する習慣がついて
しまうと、休み明けに学校が始まった時に目が覚めにくくなることは、
誰でも経験があると思います。通常は、頑張って朝起きて学校に行っ
ているうちに、早く眠れて早く起きられるリズムに戻っていきます。
中学・高校生に多い「睡眠相後退症候群」は、概日リズム睡眠障害
のひとつで、睡眠時間帯が後ろにずれてしまい、遅い時間にしか眠れ
れない状態が続きます。早く眠ろうと努力してもなかなか眠れず、夜
中から明け方になってようやく眠気がおとずれます。眠ってしまえば
安定した睡眠が得られ、昼頃まで起きられません。
病気を治す一番の方法は、朝たっぷりと光を浴びて、体内時計の針を元に戻すことです。起床直後の高照度光療法や時間療法、
薬物療法などが行われる場合もあるそうです。
睡眠相後退症候群は、夜更かしや昼夜逆転の生活が引き金になることが多いため、普段から朝起きて光を浴びる生活をする
よう気をつけてください。カーテンを開けて就寝し、朝は自然に太陽の光を浴びることで、睡眠障害の予防にもなります。
平成 27年 7 月8日「救急法講習会」
そこにAEDがあれば
そこに助けようとする人がいれば
助かる命があります
運動部の代表を対
AED って何?
象にAEDを用いた
心肺蘇生法の講習
会を行いました。
AED は、Automated External Defibrillator の頭文字をとったもので、日本語訳は「自動体外式除細動器」といいます。
小型の器械で、体外(裸の胸の上)に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動とい
う不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、強い電流を一
瞬流して心臓にショックを与えること(電気ショック)で、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。
器械の電源を入れれば、音声が使い方を順に指示してくれるので、誰でも簡単に使うことができます。
「心室細動」ってどんな不整脈?
心室細動の心電図 ⇒
心臓を動かしている電気系統が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな収縮が行えなくなります(不整脈)。その不
整脈の中でも、とくに心臓の血液を全身に送り出す場所(心室)がブルブル震えて(細動)、血液を送り出せなくなった
状態(心停止状態)を心室細動とよびます。
心臓が原因の突然死の多くは、この心室細動を起こしています。心室細動は、心筋梗塞の発作など心臓病が原因で起こ
ることが多いのですが、胸にボールが当たったとき(心臓震とう)など、まったく健康な人でも、心室細動が突然起こる
ことがあります。ですから、スポーツを行う場所や人の集まる場所などにはAEDの備えがあることが望ましいのです。
★富山高校にはAEDが2台あります。設置場所は、第2体育館ピロティと職員室前の外階段です。確認しておいてください。
傷の治療に湿潤療法(モイストケア)
― ジクジク状態で早く治す―
『湿潤療法』は、うるおい療法ともいわれ、体が本来持っている力を最大限に
生かす治療法です。ケガをした時、まず傷口を水道水でよく洗い、消毒はしない
で、軟膏(白色ワセリン)や創傷被覆材、ラップなどで傷口を覆います。細胞から
出てくる浸出液で、傷口を湿った状態に保ち、治していくという治療法です。
【従来の治療と湿潤療法の比較】
従来の治療
*乾燥を促すため、傷口を濡らすことや入浴は不可。
*痛みがしばらく続く。
*ガーゼと傷がくっつき、交換する度に激痛を伴う。
*傷跡が消えにくい。
湿潤療法(モイストケア)
*濡れても問題なく、入浴も可。
*痛みが早く治まる。
*治療(被覆材等の交換)にほとんど痛みがない。
*従来に比べ治療が早く、傷跡が残りにくい。
【傷が治る仕組み】
①
②
③
④
皮膚が損傷すると傷口に血小板が集まり血液を固めて止血をする。
好中球やマクロファージが集まり、傷ついて死んだ細胞や細菌を貪食し除去する。
繊維芽細胞が集まり傷口をくっつける。
表皮細胞が集まり傷口を覆ってふさぐ。
このように、傷が治るためにはさまざまな細胞が傷口に集まってきては働かなければなりません。
けがをすると傷口がジクジクしてきて、傷口に当てたガーゼなどにしみてくることがあります。傷がジクジクしてくると
「傷が化膿した」と思いがちですが、実は、このジクジクした浸出液に、傷を治すために必要な細胞成長因子が豊富に含
まれているのです。
【どうして消毒しないの?】
傷口の細菌を殺すために消毒をすると、細菌よりも人の正常な細胞のほうが大きな
ダメージを受けてしまいます。細菌は細胞壁によって守られていますが、人間の細胞
には細胞壁がないためです。傷口は水道水で洗い流せば十分です。
なお、通常のキズは水道水で洗浄すれば十分ですが、現在市販されている消毒剤は、
昔ほど毒性の強いものはないので、あまり神経質に避ける必要もないそうです。
【どうしてガーゼを使わないの?】
傷口にガーゼを当てると、せっかく出てきた傷を治すための浸出液がガーゼに吸い取られてしまいます。
その結果、傷口が乾燥し、細胞が死んでかさぶたとなります。かさぶたができると傷が治ったように見えますが、かさ
ぶたは傷が治らない時にできるものです。かさぶたは表皮細胞が傷口を覆うのを邪魔するだけでなく、細菌の繁殖場所
となり、傷を化膿させる原因になります。
また、ガーゼは傷口にくっついて、はがす時に新しくでき始めた表皮細胞も一緒にはがれてしまいます。
病院を受診した方がよい傷
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広範囲な熱傷・擦過傷
深い切り傷、刺し傷
異物の残っている傷
動物(人も含む)に咬まれた傷
患部に腫脹・疼痛・発赤・局所熱感があるとき
糖尿病などを始めとする血流障害があるとき
湿潤療法によるジクジクか、化膿しているかは
傷の状態でわかります。「傷の周りが赤く腫れて
いる」「熱を持っている」「痛みがある」などの
症状があれば化膿しているので、抗生物質等によ
る治療が必要です。
化膿させないためには、傷口に細菌の隠れ家を
作らないことが大切です。細菌は、傷口に異物
(砂粒やトゲ、細胞の死骸、かさぶたなど)があ
るとそこに繁殖します。
湿潤療法が適さないキズもありますし、感染(化膿)の有無をチェックすることも大切です。保健室ではあくまでも
応急処置をおこないますので、本格的な湿潤療法は、医療機関や薬局にご相談のうえ各ご家庭でおこなって下さい。
参考:新しい創傷治療 http://www.wound-treatment.jp/