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2014年12月
国際法定計量機関
“穀物及び油脂種子の水分計”
第1部:計量及び技術要件
第2部:計量管理及び性能試験
第3部:型式評価の報告書様式
OIML TC17/SC1 事務局:中華人民共和国,米国
参加国:
オーストラリア,オーストリア,ブラジル,キューバ,チェコ共和国,フランス,
ドイツ,インドネシア,日本,韓国,中華人民共和国,ポーランド,ロシア連邦,
セルビア,英国,米国
オブザーバ国:
アルゼンチン,クロアチア,フィンランド,ハンガリー,リベリア,ナミビア,ルー
マニア,スロバキア,スペイン
1
委員会草案OIML R59/CD7
日付:2014年12月5日
参照番号:R59 CD7
置き換わる文書:R 59/CD6
次の目的のためにPメンバー及びOメンバー
並びにリエゾン国際機関及び外部機関に回
付
OIML TC 17/SC1
表題:OIML R59“穀物及び油脂種子の
水分計”
事務局:中華人民共和国,米国
×
CD表題:第7次委員会改訂案 国際勧告R59
OIML R 59
“穀物及び油脂種子の水分計”
第1部:計量及び技術要件
第2部:計量管理及び性能試験
第3部:型式評価の報告書様式
2
2015年3月11日までに投票(Pメ
ンバーのみ)及びコメント
注釈
この注釈の章は,2008年12月に最初にOIML R59の第 5CDに追加されたもので,OIML 勧
告の書式設定についての指針,OIML Gxxx版 2008(E),“OIML勧告の様式,”OIML B 62“技術作業指令-第2部”(1993)及び2008年4月のフランスでの事務局研修に従ってい
る。この章は,TC17/SC1の会議及び初回の改訂以降の変更案の履歴を提供する。この注釈
の章は,TC17/SC1の会議の際の活動及び決議並びにその後の草案の更新についての背景
情報を読者に提供することを意図している。
この注釈の章は,草案にだけ収められる暫定的な章である。BIMLは,出版の最終段階(す
なわちDR)でこの章を削除する。
TC17/SC1の会議及び委員会改訂案の履歴
OIML R 59の大幅な改訂について討議するための 2001年6月のTC17/SC1会議
2001年6月22日に,TC17/SC1作業部会はドイツのベルリンのPTBで会議を開き,OIML R 59の
第1次委員会草案のレビューを行った。中国,フランス,米国,ドイツ,ポーランド,英国,日
本及びBIMLの代表者が会議に出席した。会議参加者は,OIML R 59のこの草案が新たな測定技術
及び実際の穀物の分析を反映させるために大幅な改訂が必要であることで合意した。委員会は,
米国の国立標準技術研究所(NIST)の度量衡部(Weights and Measures Division)が第1次委員
会草案の新版を作成することで合意した。会議の参加者は,次の点で合意した。

参照方法は,勧告の対象として扱わない。

この勧告は,法定計量分野(すなわち商取引)における測定だけに適用する。

この勧告は,静的試料に適用する(すなわち穀物の連続流れには適用しない)。

物理量計器である計器自体と多様な穀物に対する校正とを区別しなければならない。

この勧告は,物理的方法に基づく間接計量器に限定しなければならない。これは,乾燥
方法に基づくものには適用しない(赤外線又はマイクロ波乾燥に基づく乾燥方法を考
慮に入れることが望ましいか否かについての問題は棚上げとなった)。

この勧告は:
∘
最小の試料質量を定義しなければならない
∘
規定を策定し,校正の妥当性を確認するための試料の最小数を決定しなければならない。
∘
水分測定の不確かさの解釈を提供しなければならない。

初回検定を削除しなければならない。

BIMLは,ISO(TC 34/SC 4)及びICC に連絡して連絡窓口を設立する。

この勧告は,試料採取の重要性に触れるが,試料採取を対象として扱わない。
この会議に関する追加情報については,2001年6月22日のTC17/SC1/WG1の会議議事録を
参照のこと。
3
第1次及び第2次委員会草案( 1 CD,2 CD)OIML R 59及び2003年10月のTC17/SC1会議
2002年4月に,米国は第1次委員会草案(1CD)を完成させた。TC17/SC1の事務局である中
国は,参加国及びオブザーバ国にコメントを求めてこの草案を配布した。米国は,OIML R
59の1 CDについて寄せられたコメントに応え,1 CDに変更を加えてそれらのコメントを
反映させ,2003年5月にOIML R 59の2 CDを作成した。事務局である中国は,TC17/SC1の
参加国及びオブザーバ国にコメントを求めて2003年5月の 2 CDを配布した。ドイツ,日本
及び米国がコメントを寄せた。
中国は,中国の北京のコンロンホテルにおいて2003年10月15日 か ら 16日に,TC17/SC1の会
議を主催し,OIML R 59の2003年5月の草案(2CD)に対するコメント及び改訂のレビューを
行い,さらにR 92及びR 121のレビューも行った。中国,ドイツ,日本及び米国の代表が会議
に出席した。ドイツのギュンター・ショルツ博士が会議の議長を務めた。小委員会は,OIML
R 59の2003年5月の草案(2CD)に対するコメントを見直し,これについて話し合いを行った。
コメントのレビュー及び話し合いの後,小委員会は,2 CDに対する変更を勧告し,米国が2003
年10月の会議の要約を起草した。
OIML R 59の2003年5月の草案(2CD)について参加国から寄せられ,2003年10月の会議で
話し合いが行われたコメントの多くは編集上のもので,かつ/又は2003年5月のOIML R 59
草案は内容を明確化するために変更する必要があるというものであった。会議中に日本が
表明した2つの問題は,温度要件及び試料サイズであった。日本の代表者達が表明したよ
うに,抵抗計は,アジア諸国において市場の70 %程度である。OIML R 59の2003年5月の
2CDには,計器が規定された温度で正しく作動することを確実なものとするための温度試
験が記載されている。これらの試験には,“計器作動温度範囲”及び“試料温度範囲”が
含まれている。日本の代表者達によると,抵抗計は幾何学的び機械的な制約により,OIML
R 59の2003年5月の2CDに規定される温度要件に適合しにくいと、ドイツの代表者は,抵抗
計はそれぞれ国内で評価されており,この勧告草案の中の温度要件については何も問題が
なかったと述べた。日本の代表者達は,試料サイズの要件についても懸念を示した。OIML
R 59の2003年5月の2CDは,抵抗計に求められている試料サイズよりも大きい最小試料サ
イズを求めている。抵抗湿度計は,はるかに小さい試料サイズを必要とする。
第3次及び第4次委員会草案( 3CD, 4CD)並びにTC17/SC1の2007年9月24日か ら 25日
の会議
米国は, 2003年10月の会議のコメント及び話し合いに基づい て OIML R59の2004年4月の
3CDを起草した。事務局である中国のホン・イ博士(Dr. Hong Yi)は,参加国及びオブザー
バ国に変更についてのレビュー,コメント及び承認を求めてOIML R 59の2004年4月の3CD及
び会議議事録を配布した。日本,オランダ,セルビア・モンテネグロ及びポーランドがOIML
R 59の2004年4月の3CDに 対する コメン トを寄 せた 。中国 のリ・ チャン ユア ン氏 ( Mr. Li
Zhanyuan)は,第3次CDにコメントを取り入れ,コメントを求めて OIML R 59の第4次CDを
配布した。4CDに対するコメントは,オーストリア,オーストラリア,BIML,チェコ共和国,
フランス,ドイツ,日本,オランダ,ポーランド,米国から寄せられた。
2007年9月24日 か ら 25日にメリーランド州ゲーサーズバーグのアメリカ国立標準技術研究
所(NIST)においてNISTでの他のOIMLの会議と共にOIML技術委員会(TC)17,小委員会(SC1)
4
の 会 議 が 開 か れ た 。 TC17/SC1は , 2007年 9月20日 か ら 21日 に NIST で 同 様 に 開 かれた
TC/17/SC8の会議に続いて開かれた。
TC17/SC1の会議では,小委員会がOIML R59の4CDの主要な問題及びコメントのいくつか
についてレビューを行い,これには下記の項目のレビューも含まれていた。

参照方法

R59の範囲の章の中で計器を記述するための直接指示対全自動の使用

型式評価及び現場検査の両方でMPEを使用することを定めること

型式評価には2個の計器を必要とすること

附属書 B試験手順

現行の校正 プログラム及びさまざま な国の各種の穀物に対し どのように計器が校正
されるか
草案のこれらの項目に対する主要な問題及び変更のいくつかのレビューに続き,小委員会
は,OIML R 59の第4次CDに対する残る参加国のコメントのレビューを開始した。第4次CD
に対して総計で172のコメントがあった。時間的制約により,小委員会は第4次CDに対する
残るコメントのレビューを行うことができなかった。会議の後, OIMLの米国共同事務局
は,4CDに対する残るコメントのレビューを行い,これらのコメントに基づく変更を加え
て5CDを策定した。4CDに対する数多くのコメントは,書式設定のコメントであった。こ
れらのコメントに基づき,OIML Gxx,2008年“OIML 勧告の様式”へのガイド,OIML B 62“技術作業指針-第2部”(1993)及び2008年4月OIML事務局研修に沿ったOIML勧告の書
式設定の指針を満たすように5CDの書式に変更が加えられた。計器についての記述及び
OIML D11の試験を含めるため,5CDにはさらなる変更が加えられた。
第5次及び第6次(暫定)委員会草案( 5CD, 6CD暫定)並びに TC17/SC1の2010年9月
28日か ら 29 日までの会議
米国共同事務局は,2009年,レビューを求めてTC17/SC1に第5次委員会草案を作成して送付
した。オーストラリア,オーストリア,チェコ共和国,フランス,ドイツ,日本,オランダ,
セルビア,スロバキア,ポーランド,英国及び米国からOIML R59 5CDに対する反応及び/又
はコメントが寄せられた。米国共同事務局は,5CDに対するコメントに基づいて暫定版の6CD
を策定した。
OIML技術委員会(TC)17,小委員会(SC)1の会議は,2010年9月27日から28日まで開催さ
れたTC17/SC8の会議後,フロリダ州オーランドで、2010年9月28日から29日までユニバーサ
ル・オーランドの入口にあるダブル・ツリー・ホテルにおいて開催された。オーストラリア,
カナダ,中国,ドイツ,日本,米国からの参加者及びBIML及びAOCSの代表者が会議に出席し
た。
TC17/SC1の参加者は,R 59 CD5に対するコメントの米国共同事務局によるレビューに従った
変更を含むのOIML R59 CD6の暫定版の写しを渡された。会議中,出席者は,R59 CD 5の重要
な問題及びコメントをレビューし,それに続いて,R59 CD5に対する各コメントの詳細なレビ
ューを行った。特に,会議中に次の項目のレビューが行われた。
5
“穀物の水分”測定のCIPMA MRAに基づく承認されたトレーサビリティを確立する取組
み
2. 印刷結果
3. 計器の記述
4. 性能試験の参照条件
5. 検定
6. レベル指示手段
7. 最小試料サイズ
8. 誤差シフトの定義
9. ソフトウェア
10. OIML水分とたんぱく質勧告との整合化
11. 試験所校正ワークシートとの一貫性を保つための試験報告書様式の改訂
12. R59 CD5に対するコメントの詳細なレビュー
1.
更なる詳細については,会議要約を参照。
2010年9月の話合いに従い,計器の記述及穀物の水分計には適切な試験と見なされていなかっ
たOIML D11の試験は,OIML R59 6CDから削除された。ドイツは,この文書のソフトウェアの
章の変更案を送り,これらの変更も適切だとしてOIML R59 6CDに組み込まれた。封印及び監
査証跡についての追加のソフトウェア情報は,附属書に追加された。
第6次委員会草案及びTC17/SC1の2014年7月23日か ら 24 日までの会議
米国共同事務局は,2013年3月6日,レビューを求めてTC17/SC1に第6次委員会草案を作成し
て送付した。2013年6月,オーストラリア,オーストリア,フランス,ドイツ,日本及び米国
からOIML R59 6CDに対するコメントが寄せられた。
OIML技術委員会(TC)17,小委員会(SC)1の会議は,2014年7月23日から25日まで,米国
のアメリカ国立標準技術研究所(NIST)で開催され,オーストラリア,中国,ドイツ,日本,
米国からの参加者及びBIMLの代表者が会議に出席した。
TC17/SC1の参加者は,TC 17/SC 1 OIML R 59 CD6に対するコメント及びOIML CD 6に対す
る参加国のコメントの写しを渡された。会議中,参加者は,R59 CD 6の重要な問題及びコメン
トをレビューし,それに続いて,R59 CD6対する各コメントの詳細なレビューを行った。レビ
ュー後,参加者は,コメント及び会議中のレビューに基づき変更をOIML R59 CD6に記載した
後,投票を求めて第7次CDを回付することで合意した。
6
目次
ページ番号
章
まえがき .......................................................................................................................................8
1.
はじめに.................................................................................................................................9
第1部:計量及び技術要件
2.
適用範囲.............................................................................................................................. 10
3.
用語 ..................................................................................................................................... 11
4.
測定単位.............................................................................................................................. 18
5.
計量要件.............................................................................................................................. 18
6.
技術要件.............................................................................................................................. 21
第2部:
計量管理及び性能試験
7.
実際的指示事項 ................................................................................................................... 30
8.
計量管理.............................................................................................................................. 30
9.
参考文献.............................................................................................................................. 33
附属書A
第3部
試験手順 ................................................................................................................ 37
型式評価の報告書様式
附属書B
穀物及び油脂種子の穀物水分計の型式評価のための試験報告書様式 ............ 48
附属書C
封印の原理 ............................................................................................................ 74
7
まえがき
国際法定計量機関(OIML)は世界的な政府間機関であり,その主要な目的は加盟国の国家計量機
関又は関連した機関によって適用される規則及び計量管理を整合させることである。OIML出版
物の主なカテゴリは,次のとおりである。

国際勧告(OIML R)。これは,ある計量器に求められる計量上の特性を定めるモデ
ル規則であり,かつ,それらへの適合性をチェックするための方法及び機器を規定す
る。OIML加盟国は,これらの勧告を最大限実施しなければならない。

国際文書(OIML D)。これは,性質上参考であり,計量制度の業務の整合及び改善
を意図している。

国際ガイド(OIML G)。これも,性質上参考であり,法定計量へのある種の要件の
適用についての指針を与えることを意図している。

国際基本出版物(OIML B)。これは,さまざまなOIML機構及び制度の運営規定を定
めている。
OIML勧告草案,文書草案及びガイド草案は,参加者が加盟国によって構成された技術委員会又
は小委員会によって作成される。ある種の国際及び地域機関も顧問ベースで参加している。矛
盾する要件を避けることを目的として,OIMLと,ISO及びIECなどの国際機関との間に協力協
定が結ばれている。その結果,計量器の製造事業者及び使用者,試験所などがOIML出版物及び
その他機関の出版物を同時に適用することが可能となる。
国際勧告,国際文書,国際ガイド及び国際基本出版物は,英語(E)で出版してフランス語
(F)に翻訳し,定期的に改訂が行われる。
この出版物-参照OIML R 59,2014年版-は,技術小委員会TC 17/SC 1によって策定された。
これは,201x年に国際法定計量委員会によって最終的な出版が承認され,201y年に正式な認可
を求めて国際法定計量会議(OIML総会)に提出されることになっている。これは,R 59の前
版(1984)に取って代わる。
OIML出版物は,OIMLのウェブサイトからPDFファイル形式でダウンロードできる。OIML出版
物についてのその他の情報は,この機関の本部で入手可能である。
Bureau International de Metrologie Legale
11 rue Turgot-75009 Paris-France
電話:33 (0)1 48 78 12 82
ファクス:33 (0)1 42 82 17 27
電子メール:[email protected]
インターネット: www.oiml.org
8
1.
はじめに
1 含水率は,製品総重量の水である部分の直接的な経済的重要性により,かつ含水率によっ
て穀物が取扱中及び貯蔵中に劣化する速度がほとんど決まることにより,最も重要な穀物
の品質測定値の一つとなっている。穀物は,重量に基づいて売買が行われる。正確な水分測
定は,適切な価格調整の基盤となる。
1 含水率が,安全な貯蔵を確実なものとするレベルを超えている場合,穀物を適切なレベル
まで乾燥させなければならない。穀物の乾燥に伴うエネルギー及び処理コスト,並びに乾燥
中の穀物重量の減少により,水分を多く含む穀物の価格は大幅に低下する。これに付随し
て,乾燥しすぎた穀物は,その重量基準から割引され,乾燥の度合いの高い穀物の場合,取
り扱い中にいっそう割れやすくなることから,この削減はある程度正当化されている。湿り
気のある穀物に対して課される直接的な割引及び乾燥した穀物に対する間接的な不利益
(乾燥したものは捨て値で売る)は,確立された安全貯蔵レベルに極めて近い含水率を持つ
穀物の引き渡しに対する強力な誘因となっている。含水率は,その重要性により,事実上,
穀物が売買される度に測定される。
1 迅速な穀物水分測定には,数多くの技術が適用されてきた。迅速で間接的な方法は,いく
つかの物理的パラメータ(電気的検出又は光学的検出)を測定し,校正式又はチャートを使
って含水率を予測する。これらの校正は,植え付けた農作物の品種の変化及び気候条件の季
節的な変動によって変わる。その他の試料成分又は試料の形状寸法は,水によって生じる信
号に必ず干渉する。通常,温度は,水の信号及び干渉信号の両方に影響を与える。したがっ
て,校正式は,測定されたパラメータと容認された水分参照方法によって規定された含水率
との間の,最善の適合を得るよう試みる。正確な穀物水分測定は,密度,温度,化学成分,
及び不純物などの妨害要因の影響をうまく克服することによる。
OIML R 59の200X年版は,OIML R 59の1984年版に対する重要な変更を含んでいる。新たな
測定技術及び実際の穀物分析の側面を反映させるために大幅な変更が行われた。
---------------------------------穀物水分計に対する工学的意義を持つ穀物及び油脂種子の無線周波数誘電応答の性質の研究。物理
学及び工学についての論文。デビッド B.ファンク博士(David B. Funk Ph.D.),D.H.C.
1
9
上記のように,穀物水分計は水分を直接測定するのではない。ある穀物の種類の水分に対す
る電気的反応又は光学的反応を測定し,校正式を用いて水分を予測する。このように,これ
らの計器は,計器上で使用する穀物の各種類の水分を予測するよう校正しなければならな
い。穀物は季節ごとに異なり,かつ穀物の種類も国ごとに大きく異なる。したがって,穀物
水分計の校正が今出回っている作物を代表することを確実なものとするために校正の更新
を取り扱うプログラムが必要である。穀物水分計器が他国へ販売される場合,校正がその特
定の国の中の穀物を代表することを確実なものとするために,その国内で校正を検定する
必要がある。この勧告は,これらの計器の現行の校正プログラムは取り扱わない。現行の校
正プログラムは,国家担当機関の計量管理に従ってよい。
第1部:計量及び技術要件
2.
適用範囲
2.1
要件及び試験
この勧告は,穀物及び油脂種子の商業取引に用いられる穀物の水分計の型式承認に関する
計量要件及び技術要件,試験方法及び最大許容誤差を規定する。
2.2
指示
この勧告は,含水率を直接表示するデジタル指示自動穀物水分計に適用される。
2.3
適用
この勧告は,間接的な物理的手段(例えば,電気的検出又は光学的検出)に基づいて,水
分を概算する水分計量器に適用される。乾燥法又はその他の直接的水分測定技術は,特に
扱われていないが,それらがこの勧告の要件に従って動作する場合は,認定されてよい。
2.4
計量器の型式
この勧告は,固定された代表的な大きさの穀物試料の含水率を測定する穀物水分計に適用
され,動いている穀物又は種子の含水率の測定に用いられる装置には適用されない。
2.5
新たな技術
この勧告は,計器性能仕様を規定し,かつ,穀物水分測定に対する新たな技術の適用を阻
むことは意図していない。
10
3.
用語
3.1
国際計量基本用語集(VIM),基本及び一般概念並びに関連用語,及びOIML 11,国際
法定計用語集(VIML)
3.1.1
調整[詳細情報はVIM 3.11にある]
測定する量の所与の値に対応する規定の指示を提供するために計量システムで実施される
一連の動作。
追加的備考:装置の封印可能な校正パラメータ又は封印可能な構成パラメータのいずれか
の値の変更。
3.1.2
正確さ,測定の正確さ[VIM 2.13]
測定量の測定した量の値と真の量の値との間の一致の近似性
VIM備考
1 ‘測定の正確さ’の概念は,量ではなく,数量の値では示されない。測定は,より小さ
い測定誤差を提供するときに,より正確であると言われる。
2 用語“測定の正確さ”は,測定の真正さに対して用いることは望ましくなく,測定の精
密度という用語を,“測定の正確さ”の代わりに用いることは望ましくない。しかし,これ
らは,両方の概念に関係している。
3 ‘測定の正確さ’は,測定量に起因すると考えられる測定した量の値間の一致の近似性
として理解されることがある。
3.1.3
校正[VIM 2.39]
規定の条件下で,第一段階で測定標準によって与えられた測定の不確かさをもつ量の値と
対応する関連測定不確かさをもつ指示との間の関係を確立し ,第二段階でこの情報を用い
て指示から測定結果を得るための関係を確立する動作。
VIM備考
1 校正は,説明表記,校正関数,校正図,校正曲線又は校正表によって表されることがある。場合によっては,
校正は,関連測定不確かさをもつ指示の追加修正又は倍数修正からなるかもしれない。
2 校正は,“自己校正”と誤って呼ばれることも少なくない計量システムの調整及び校正の検定のいずれと混同
することも望ましくない。
3 上記の定義の中で,第一段階だけが校正であると理解されることも少なくない。
3.1.4
認証標準物質;CRM[詳細情報は[VIM 5.14]にある]
正式当局機関が発行した文書を備え,有効な手順を用いて,関連不確かさ及びトレーサビリ
ティをもつ1つ以上の規定された特性値を提供する標準物質。
3.1.5
最大許容誤差(MPE)(最大許容誤差,誤差限界)。[VIM 4.26]
既知の基準量の値に対して,所与の測定,計量器,又は計量システムの仕様又は規則で容認
された測定誤差の極値。
備考 1
2つの極値が存在する場合は,通常,用語“最大許容誤差”又は“誤差限界”が用い
られる。
備考 2 用語“許容差”は,‘最大許容誤差’を示すために用いることは望ましくない。
備考: 5.4.2.の中のMPEは,市場で使用中の計器に関連する誤差である。OIML試験手順の
誤差は,5.4.1に基づいている。
11
3.1.6
測定誤差(測定の誤差,誤差)
測定した量の値から基準量の値を引いたもの。
備考 1 ‘測定誤差’の概念は,次の両方に使うことができる。
a) 参照する単一の基準数量値が存在する場合。これは,無視しても構わない測定の不確か
さを持つ測定した量の値を伴う測定標準を用いて校正が行われる場合,又は取決めに
よる量の値が与えられた場合に起こる。取決めによる量の値が与えられる場合,測定誤
差は既知であるが,無視して構わない範囲の真の量の値が与えられる場合は,測定誤差
は既知ではない
b)
測定量が,一意の真の量の値によって,又は,無視しても構わない範囲の一連の真の量
の値によって表されると推定される場合。この場合,測定誤差は既知ではない。
備考 2 測定誤差は,製造誤差又はまちがいと混同することは望ましくない。
3.1.7
測定の繰返し性(繰返し性)(VIM2.21)
測定の一連の繰返し性条件の下での測定の正確さ。
3.1.8
測定の再現性(再現性)(VIM2.25)
測定の再現性条件の下での測定精密度
備考 関連する統計用語は,ISO 5725-1:1994及びISO 5725-2:1994に示されている。
この勧告では,参照条件下での同一型式の計器のユニット間での測定の再現性は,差の標準
偏差(SDD1)で評価する。選択した影響因子にばらつきがある場合,1つの計器から得る測
定の再現性は,誤差シフト又は誤りの大きさによって評価する。
3.1.9
定格動作条件[VIM4.9]
計量器又は計量システムが設計どおりに動作するために,測定中に達成しなければならな
い動作条件。
VIM備考:定格動作条件は,一般的に,測定中の量の値及び影響量の値の間隔を規定する。
3.1.10 参照条件[VIM 4.11]
計量器若しくは計量システムの性能の評価又は測定結果の比較のために定められた動作条
件
VIM備考
1 参照条件は,測定量の値と影響量の値との間隔を規定する。
2 IEC 60050-300,項目311-06-02の中の,用語“参照条件”は,規定の計器の測定の不確
かさが可能な限り最小になる動作条件を意味する。
3.1.11 基準量の値;基準値[詳細情報はVIM 5.18にある]
同種の量の値と比較する基準として使用される量の値
3.1.12. 測定の繰返し性条件(繰返し性条件)(VIM 2.20)
同じ測定手順,同じ操作者,同じ計量システム,同じ動作条件及び同じ場所を含む一連の条件
の中からの測定条件で,短期間にわたって同じ又は類似の測定物について測定を再現する測定
条件。
12
備考 1 測定条件は,規定した一連の繰返し性条件だけに関した繰返し性条件である。
備考 2 化学においては,この概念を表すために“測定のイントラシリアル精度条件”とい
う語が時々使用される。
3.1.13 測定の再現性条件(再現性条件)(VIM 2.24)
異なる場所,操作者,計量システムを含む一連の条件の中の測定条件で,同じ又は類似の測
定物について測定を再現する測定条件
備考 1 異なる計量システムは,異なる測定手順を使用してよい。
備考 2 仕様書は,実用上可能な範囲内で変更される条件及び変更されない条件を示すこと
が望ましい。
3.1.14 型式承認[VILM 2.05]
型式評価報告書のレビューに基づき,計量器の型式が関係法令要件に準拠しており,結果的
に型式評価証明書が発行されたことの法的妥当性の決定。
VILM備考:A1.26も参照。
3.1.15
型式(type)(型式(pattern))評価[VILM 2.04]
特定型式の計量器の1個以上の試料に対する適合性審査手順。これが,結果的に評価報告書
及び/又は評価証明書につながる。
VILM備考:‘型式(pattern)’は,法定計量において‘型式(type)’と同じ意味で用いら
れる。以下の記載項目では,‘型式(type)’だけを用いる。
3.1.16
計量器の検定[VILM 2.09]
結果的に検定証印の貼付及び/又は検定証明書の発行につながる適合性審査手順(型式評
価以外)。
VILM備考:OIML V2-200:2010,2.44も参照。
3.2
法定計量機関(OIML)文書
3.2.1
監査証跡[OIML D 31,3.1.2]
例えば装置のパラメータ値の変化若しくはソフトウェアの更新,情報記録又は法定関連で
計量特性に影響を与える可能性のあるその他の活動など,時刻を刻印した事象の情報記録
を含む連続するデータ。
3.2.2
暗号手段[詳細情報はOIML D 31,3.1.11にある]
権限のない者から情報を隠す目的をもった送信者によるデータの暗号化(保存又は伝送プ
ログラム)及び受信者による記述(読み取りプログラム)。データの受信者又は使用者がデ
ータの出所を検証する,すなわちその真正性を証明する目的をもったデータの電子署名。
3.2.3
誤り[OIML D11,3.9]
[認証済みの測定標準に関連して]:計量器の指示の誤差[妨害を受けている間又は受けた
後]と平均固有誤差との間の差異。
D 11 備考
13
1 主として,誤りは電子計量器内に含まれるか又は通過するデータの望ましくない変化の
結果である。
2 この定義から,“誤り”は,測定単位で,又は相対値として表される数値ということに
なる。
認証済みの測定標準を用いない場合,誤りは,妨害中又は妨害後の単一の指示と,試験前の
参照条件における平均指示との間の差異である。
3.2.4
固有誤差[OIML D 11,3.7]
参照条件下で決定される計量器の誤差。
3.2.5
法定関連[OIML D 31,3.1.29]
計量器のソフトウェア/ハードウェア/データ又はソフトウェア/ハードウェア/データ
の一部で,法定計量によって規制される特性に抵触するもの。例えば,計量器の測定の正確
さ又は正しい機能。
3.2.6
オープンネットワーク[OIML D 31,3.1.35]
任意の参加者(任意の機能をもつ電子装置)のネットワーク。参加者の番号,識別情報及び
所在地は,動的であり,その他の参加者には未知である。これは,既知の識別情報機能及び
所在地を備えた固定した数の参加者のネットワークであるクローズドネットワーク[ D 31,
3.1.6]とは対照的である。
3.2.7
汎用コンピュータ[OIML D 31,3.1.54]
特定の目的に組み立てられたのではなく,ソフトウェアによって計量業務に適応させるこ
とができるコンピュータ。一般的に,このソフトウェアは,特定目的のためにソフトウェア
の読み込み及び実行が可能なオペレーティングシステム上に構築される。
3.2.8
(ソフトウェアの)妥当性確認[OIML D 31,3.1.56]
客観的証拠の審査及び提供による特定の意図した用途のための特定要件が満たされること
の確認(すなわち,観察,測定,試験などから得た事実に基づいて,真実であることを証明
できる情報)。この場合は,関連要件とは,この勧告の要件である。
3.3
その他の用語
3.3.1
穀物の水分校正の精度;校正精度
参照条件において審査した校正の性能特性。
この審査は,ȳ,一連の試験試料全体のかたより又は‘校正のかたより’,及び同じ試料群
からの測定誤差の標準偏差である2 %の水分間隔それぞれについて計器と参照方法との間
の差の標準偏差(SDD)の計算を必要とする。
測定値からのȳ及びSDDの計算については,附属書A,A.1.2を参照。校正が十分に正確であ
ると見なすために,表5.4.1,列2のȳ及びSDDの制限値を観察しなければならない。
14
3.3.2
平均誤差シフト
異なる水分レベルをもつ同じ穀物種の複数の試料から計算した誤差シフト値の代数平均。
結果として得られた‘平均’値は,測定範囲のある1点における測定値の変動とは対照的に,
包合する測定範囲全体にわたる平均的変動を示す。
備考:この勧告では,結果として得られた‘平均’値への参照は,反復測定の平均,すなわ
ち,同じ試験試料(通常,繰返し性条件で採取される)に対する測定値の平均のためだけの
ものである。
3.3.3
補助電池
補助電池とは次のようなものである。
(a) 主電源からも動力を得ることができる計器に取り付けられた,又は接続された電池
(b) 合理的な期間にわたって計器に動力を完全に供給することができる電池
3.3.4
バックアップ電池
主電源がない場合に計器の特定の機能に動力を供給することを意図した電池。例:保存され
たデータを保持するため
3.3.5
校正式;校正
生の計器データを含水率測定値に変換するための1種類の穀物の一連の校正係数。
備考:これらの用語は両方とも,VIM 2.39の備考1の中の‘校正関数’と同じ文脈で用いら
れる。
3.3.6
チェック装置
計量器に組み込まれた装置で,有意誤りを検出してそれに対して作用することを可能にす
るもの
備考:《作用する》とは,計量器による適切な対応(光信号,音響信号,測定プロセスの阻
止など)を意味する。
3.3.7
封印可能ハードウェアの許可/禁止
遠隔構成が可能な装置に取り付けられた 2点スイッチなどの物理的に封印可能なハードウ
ェアで,遠隔装置からの調整値又は封印可能構成パラメータの変更を受信する機能を 使用
可能にし,また禁止するもの。
3.3.8
誤差シフト
認証済みの測定標準に関連して:1つ以上の影響量が定格動作条件範囲内で変動するときの
計量器指示の平均誤差と平均固有誤差との間の差異。 穀物水分計の試験に付随する誤差シ
フトについては,5.4.1を参照。
備考:認証済みの測定標準を用いない場合,誤差シフトは,2つの測定値,すなわち定格動
作条件下での指示と試験前の参照条件における平均指示との差異である。
3.3.9
穀物
この文書においては,穀物は油脂種子,豆類及び穀物を意味する。
15
3.3.10 プログラム,データ又はパラメータの完全性
プログラム,データ又はパラメータが,使用,転送,保管,修理又は保守の間の不正な若し
くは意図しない変更を受けなかったことの保証。
3.3.11 含水率湿量基準
穀物の試料の湿量基準含水率は,穀物試料の総質量に対する水分の比率である。
3.3.12 水分計
規定の誤差限界の範囲内の穀物の含水率を予測するためのパラメータ(電気的 ,光学的な
ど)を測定する計器。
3.3.13 試料温度感度(STS)
商用測定で許容された穀物試料温度の範囲から結果として得られた 測定の変動(参照条件
において得た水分値に対する)。
備考:STSは,承認済みの水分校正の中で管理される。審査中,許容温度変動によって生じ
る平均誤差シフトの値には制限が加えられる。
3.3.14 有意誤り
この勧告の中で規定された値より大きい誤り(5.4.1を参照)
備考: 該当する勧告は,次の誤りは,たとえそれが5.4.1の中で定めた値を超えていた場合
も有意ではないと規定することができる。
(a) 計量器又は計量器の点検機能に由来する同時かつ相互に独立した原因(例えば ,電磁
場及び放電)から生じる誤り
(b) 一切の測定を行うことが不可能であることを意味する誤り
(c) 指示の瞬間的な変動である過渡的な誤りで,測定結果として解釈すること,記憶す る
こと又は伝送することができないもの
(d) 測定結果に関与する者すべてが気付くほど深刻な変動を,測定結果に生じさせる誤り。
該当する勧告は,これらの変動の性質を規定することができる。
3.4
略記及び頭字語
AC:交流
DC:直流
EM:電磁
EMC:電磁両立性
e.m.f.:起電力
ESD:静電放電
EUT:被試験装置
IEC:国際電気技術協会
ISO:国際標準機構
M:基準水分
MPE:最大許容誤差
OIML:国際法定計量機関
RF 無線周波数
RH 相対湿度
RH:相対湿度
16
SD:標準偏差
SDD:差の標準偏差
STS 試料温度感度
t 試験中の実際の温度
tref 試験中の基準温度
Δt Ttrefにおける試料と計器との間の温度差の大きさ
Δtmax 型式試験の国家責任機関によって規定された最大Δt
ΔtC.max tref未満の最大許容Δtmax(ΔtH.maxに等しくない場合だけに適用可能)
ΔtH.max trefを超える最大許容Δtmax(ΔtC.maxに等しくない場合だけに適用可能)
tC 型式試験の国家責任機関によって規定された最低環境温度
tu 型式試験の国家責任機関によって規定された最高環境温度
tC.sample 型式試験の国家責任機関によって規定された最低穀物試料温度
tH.sample 型式試験の国家責任機関によって規定された最高穀物試料温度
ȳ 計器の読みと参照方法との間の差異の平均(8.3.1及びB.13.10を参照)
3.5
式の中で用いられる追加記号及び添字
追加の添字及び記号は,附属書A試験手順の中で,各試験に付随する各式に対して定義されてい
る。
17
4
測定単位
4.1
含水率
水分計に表示される穀物試料の含水率の測定単位は,水分の質量百分率%である。基準水分(M)
は,参照方法で決定された試料の質量損失百分率で表される。次の式は,質量基準含水率を示す。
ここで,m0は,試料の当初の質量であり,m1は,試料の最終質量である。
5
計量要件
5.1
影響量
5.1.1
参照条件
a) 周囲温度:
b) 相対湿度:
c) 大気圧:
d) 電圧:
e) 電源周波数:
f) 計器傾斜位置:
20 ℃から27 ℃まで
30 %から70 %まで
86 kPaから106 kPaまで
公称主電源電圧又は試験電圧,Vnom又はUnom
公称周波数,Fnom
0°±0.1°で水平
備考:各試験中,tref及びRHrefは,それぞれ許容範囲内で,±2 ℃及び±10 %を超えて変動して
はならない。
5.1.2
妨害試験範囲
a) 交流主電源電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動:0 %まで低減(0.5サイクル),0 %ま
で低減(1サイクル),70 %まで低減(25 / 30 (1)サイクル),0 %まで低減(250 / 300 (1)
サイクル)。
b) 交流主電源上のバースト(過渡的):振幅1 kV,繰返し率 5 kHz
c) 放射無線周波電界,電磁界:26 MHz ~ 2 GHz,10 V/m
d) 伝導無線周波数電界:0.15 MHz ~80 (2) MHz,10 V(e.m.f.)
e) 静電放電-直接印加:最大6 kV接触放電
f) 静電放電-関節印加:最大8 kV空中放電
h) 貯蔵温度(極端な輸送条件): -20 ℃から,国家責任機関によって規定される50 ℃以上
備考:
(1) サイクル計数は,50 Hz / 60 Hzそれぞれに適用される。
(2) 26 MHzまでの試験が許容されている。条件については,A.4.4を参照。
5.2
定格動作条件
計量器は,その誤差が,次に定める動作条件の範囲内で動作させたときに5.4.2の中で定めた初
期検定のMPEを超えないように設計し,製造しなければならない。
18
a)
b)
c)
d)
e)
f)
g)
h)
i)
周囲温度:
10 ℃から30 ℃(1)
相対湿度:
85 %以下,凝縮無し
大気圧:
86 kPaから106 kPa
電圧:
主電源電圧又は試験電圧の-15 %から+10 %まで
電源周波数:
公称周波数,Fnom
計器傾斜位置: レベル指示器がある場合は,指示器上で5 %又は最大許容
穀物試料温度: 2 ℃から40 ℃まで(2)
試料及び計器温度差動:
10 ℃(3)
穀物試料水分範囲:製造事業者によって指定される(6.1を参照)
(1)
これは,最小範囲である。製造事業者又は国家責任機関は,これより広い範囲を規定するこ
とができる。(5.6を参照)
これは,最小穀物試料温度範囲である。製造事業者は,計器が使用される各穀物又は種子の
温度範囲を規定しなければならない。(5.7を参照)
これは,最小差動である。製造事業者は,これより大きい差動を規定することができる。そ
の計器が,試料温度を測定することができない場合は,国家責任機関が操作手順を定めなけ
ればならない(5.7を参照)。
(2)
(3)
5.3
参照方法
1 空気炉法は,穀物水分測定の最も一般的で迅速な参照方法である。各国の空気炉法は,手順及
び結果が大きく異なるが,すべて所定の時間にわたって(又は,もはや試料が質量を失わなく
なるまで),所定の温度で既知の質量の試料を加熱して質量の減少を測定することに基づいて
いる。質量の減少量は,試料の中に存在していた水分量とみなされる。残念ながら,水分だけが
加熱によって除去される成分ではない。“理想的な”炉法では,除去される非水系物質の量が,
乾燥後に残る水分量とほぼ等しくなるように,加熱時間及び温度が設定されるであろう。それ
らのパラメータは,空気炉法を,五酸化燐(P2O5)法又はカールフィッシャー法などの空気炉
法より基本的な(かつ,より難しい)方法と比較することによって明らかにされる。ほとんど
の空気炉法は,完了するまでに数時間又は数日を要する。
穀物の含水率の参照方法は,国家責任機関が定めた方法である。OIMLは,可能な場合は,ISO規
格を使用することを推奨している。
5.4
最大許容誤差(MPE)
型式評価については,穀物の種類及び含水率の関数としての穀物水分計の最大許容誤差は,検定
時又は現場検査において適用されるMPEの半分である。すべての要件に対して,所与の2 %の水
分間隔に対する最大値を用いなければならない。OIML証明書制度での適用の一貫性のためには,
各2 %の水分間隔は,偶数で始まり,偶数で終わることが望ましい。
1
穀物水分計に対する工学的意義を持つ穀物及び油脂種子の無線周波数誘電応答の性質の研究。物理学及び工
学についての論文。デビッド B. ファンク博士(David B. Funk Ph. D.),D. H. C.
19
5.4.1
型式評価のMPE
型式評価のMPE
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
穀物の種類
含水率百分率で
表したMPE
(M)
平均
繰返し性
再現性
誤差シフト
SD
SDD1
0.5 x 列 2
%
0.5 x 列 2
%
0.6 x 列 2
0.5 x 列 2
0.5 x 列 2
0.6 x 列 2
トウモロコシ,
オート麦,
豆類,米,
モロコシ,
ヒマワリ
%
0.025 x M < 0.4の
場合,
MPE = 0.4,
さもなければ
MPE = 0.025 x M
(例えば,M<16の
場合は,
MPE=0.4,
さもなければ,
MPE= 0.025 x M)
その他すべての
穀物及び
油脂種子
0.02 x M < 0.35の
場合,
MPE = 0.35,
さもなければ
MPE = 0.02 x M
(例えば,M<17.5
の場合は,
MPE=0.35,
さもなければ,
MPE= 0.025 x M)
5.4.2
検定/現場検査におけるMPE
検定/現場検査におけるMPE
穀物又は種子の種類
含水率パーセント(M)で表されたMPE
( I ) トウモロコシ,オート麦,豆類,米,
モロコシ,ヒマワリ
(II)
0.05 x M < 0.8の場合,MPE = 0.8,
さもなければ,MPE = 0.05 x M
0.04 x M < 0.7の場合,MPE = 0.7,
さ も な け れ ば , MPE = 0.04 x M
その他のすべての穀物及び油脂種子
5.5
正確さ及び精密度要件
所与の穀物又は種子の試料に対する水分計の誤差は,穀物試料の一連の繰返し測定の結果の平
均と,国家責任機関が基準として定めた方法を用いて決定した含水率の取決めによる真の値と
の代数差である。
5.6
計器の環境動作温度範囲
計器は 20℃の最小環境動作範囲にわたって,水分の精度仕様に適合しなければならない。
最小環境動作温度範囲は,10℃から 30℃までである。計器の環境動作温度範囲を超えたと
きは,水分値は一切表示してはならない。水分計がその規定環境動作範囲外にあるときは,
適切なエラーメッセージを表示しなければならない。
20
製造事業者は,国際要件を満たすために,国家責任機関が求めるtcからt uまでよりも広い温
度範囲を規定することができる。製造事業者は,より広い環境動作温度範囲の型式試験及び
型式承認を要請することができる(すなわち,その特定の型式承認申請については,製造事
業者が規定した範囲がtcからtuとして採用される)。
5.7
試料温度範囲
製造事業者は,水分計が用いられる対象の各穀物又は種子の温度範囲を指定しなければな
らない。各穀物の最小試料温度範囲は,2 ℃ か ら 40 ℃まででなければならない。この温度
範囲を超えたときは,水分値は一切表示してはならない。穀物試料の温度が,その穀物の指
定温度範囲を超えたときは,適切なエラーメッセージを表示しなければならない。製造事業
者は,正確な水分測定を行うことのできる計器と試料との間の最大許容温度差を規定しな
ければならない。水分計は,少なくとも 10℃の温度差を計算に入れることができなければ
ならない。最大許容温度差を超えたときは,水分値は一切表示してはならない。水分計と試
料との間の温度差が指定された差を超えたときは,適切なエラーメッ セージを表示しなけ
ればならない。計器が試料温度を測定できない場合,動作手順は国家責任機関 が定めなけれ
ばならない。
6
技術要件
6.1
穀物及び最小水分範囲
気候及び作柄のばらつきにより,国家責任機関は,製造事業者が国による承認を求める穀物
の種類について,穀物のリスト及び商業上重要な含水率範囲(水分6 %以上)を規定しなけ
ればならない。数多くの異なる種類の穀物に使用するよう設計された計器については,国家
水分計審査を求めて少なくとも3つの校正を提出しなければならない。規定された穀物は,
一般的に次のようなものである。
(a) 経済的重要性が最も高いもの
(b) 計装を十分に試験するために,その物理構造が大きく異なる
(例えば,大粒穀物,小粒穀物及び油脂種子)
(c) 変化しやすく,国家責任機関の地域で一般的に育つもの
製造事業者は,5.1.1に規定される最小範囲に従って,水分計に対する穀物及び油脂種子の種
類並びに適用可能な水分範囲を指定しなければならない。
6.2
計器に対する穀物の選択
水分計は,測定中の穀物又は種子が選択できなければならず,かつ,その穀物の選択は,そ
の場にいる全当事者に対して明確に識別され,目に見えなければならない。
6.3
最小試料サイズ
分析に使用される最小許容試料サイズは,100 g 又は400個の穀粒若しくは種子のいずれか
小さい方でなければならない。ただし,国家当局が別途定める場合はこの限りではない。
6.4
量及び温度の測定
水分計システムは,操作者に,正確な水分測定を行うために必要な正確な体積又は重量及び
温度の判断を求めてはならない。外部での粉砕,計量及び温度測定操作は容認されない。
21
6.5
計器予熱期間
水分計の電源を入れたとき,水分計は正確な測定に必要な動 作温度に達するまでは有効な
値を一切表示又は記録してはならない。この要件は,予熱時間を一切必要としない計器には
必要ない。
6.6
デジタル表示要素及び記録要素
水分計は,デジタル指示要素を備えなければならない。
含水率を表示するために用いられる数字の最小高さは,10 mmでなければならない。
含水率の結果は,湿量基準の水分百分率として表示しなければならず,記録する場合は,湿
量基準の含水率百分率として記録しなければならない。この単位の下位区分は ,10進下位区
分(分数ではない)を単位としなければならない。
表示は,0.1 %の分解能までの水分値測定を可能としなければならない。0.1 %の分解能は,
商業取引のためである。型式評価の場合だけは,国家責任機関の任意選択で,表示及び印刷
出力は 0.01 %の分解能も可能でなければならない。
国家責任機関は,計器に,外部記録要素との相互作用を可能にする内部記録要素及び/又は
通信インターフェースを備えることを求めることができる。表示されている情報と記録要
素との間の対応は,検証しなければならない。
測定記録は,少なくとも,日付,穀物の種類,試料ID,穀物水分結果,校正のバージョン識
別情報及び必要に応じてエラーメッセージを含まなければならない。
測定サイクル終了前に,デジタル指示要素は含水率値を一切表示してはならず,また記録要
素は含水率値を一切記録してはならない。
特に,多成分計器(例えば,穀物のタンパク質も測定する計器)では,表示/記録された値
と成分との間のあいまいでない関係を確実なもとするための準備を行わなければならな
い。
6.7
データの保存
データの保存が求められる場合,測定データは,測定終了時に自動的に保存されなければならな
い。記憶装置は,通常の保存条件下でデータが破損しないことを確実なものとするだけの十分な
永続性がなければならない。すべての特定の用途に対して十分な記憶保存がなければならない。
保存した測定値は,その後の法定関連用途に必要なすべての関連情報を伴わなければならない。
測定記録は最小限,次を含まなければならない:測定のあいまいでない識別情報,測定日,計器
の一意の識別情報,穀物の種類,水分結果及び単位,校正のバージョン識別情報,エラーメッセ
ージ及び(多成分計器の)成分ラベル。測定識別情報の許容可能な例には,請求書に印字された
値への割当てを可能とする連続番号,又は試験試料IDが含まれる。
6.8
外部データ保存
外部に保存されたデータを法定関連と見なす場合,次の追加要件を満たさなければならない。
-
データは,ソフトウェア手段で保護し,真正性及び完全性を保証しなければならない。測定
値及び付随データを表示する,又はさらに処理するソフトウェアは,データを安全でない記
憶装置から読み出した後で又は安全でない伝送チャンネルから受信した後で,測定時間,デ
ータの真正性及び完全性をチェックしなければならない。ばらつきが検出された場合,デー
22
タは破棄するか,又は使用不可と標記しなければならない。オープンネットワークを利用し
ている計器については, D 31に従ったより高度なきびしさレベルが求められる。
備考:保存若しくは送信するためのデータを作成する,又は読み出し後若しくは受信後にデ
ータをチェックするソフトウェアモジュールは,法定関連のソフトウェア部分に属する。
-
測定は,伝送遅延によって容認できないほどの影響を受けてはならない。
-
ネットワークサービスが利用できなくなったために伝送中断が生じた場合に,測定データ
は一切失われてはならない。測定プロセスは,測定データの喪失を避けるために停止させる
ことが望ましい。
備考:一般国家規則(例えば,課税目的のもの)は,保存されている測定データの削除について
の厳しい制限を含めることができる。
6.9
計器の構造
水分計及びすべての付属機器は,通常の使用条件下で,(a)精度を維持し,(b)動作部品
が意図された通りに機能し続け,かつ(c)調整が合理的に永続性を維持し続けると推定さ
れる材料,設計及び構造でなければならない。精度又は耐久性が悪影響を受けるほどの部品
の過度の負担,たわみ又はひずみが生じてはならない。
水分計の筐(きょう)体は,計器の主要構成部品を粉塵及び湿気から保護するように組立て
なければならない。
測定した量は,質量,体積,温度,電気抵抗,スペクトルデータ又は静電容量などの単一の
量又はさまざまな量の一つの関数であってよい。
水分計の測定原理によって,微粉砕機の使用を必要とする場合,その微粉砕機は,水分測定
プロセスの不可欠な一部とみなさなければならない。微粉砕機の設計,使用法及び水分計へ
の組込みは,測定に適切であり,かつ完全でなければならない。
6.10
マーキング
6.10.1
一般的マーキング
各水分計は,識別を目的として,はっきりと,かつ永続的に次の情報が表示していなければ
ならない。
(a) 製造事業者の名称又は商標
(b) 製造事業者から提供された計器型式(機種番号)及び製造番号
(c) その計器が承認を受けている場合は,型式承認証印
6.10.2 マーキングの位置
必要とされる情報は,装置から分離した何らかの手段の使用を必要とする部品の分解を必
要とすることなく,容易に観察できるように配置しなければならない。
23
6.10.3 動作制御装置,指示及び機能のマーキング
すべての動作制御装置,指示,並びに機能指示スイッチ,光表示(計)器及び押しボタンは,
はっきりと識別できなければならない。操作者だけに見えるキーは,訓練を受けた操作者が
各キーの機能を理解できる程度に表示するだけでよい。
6.11
周囲温度動作範囲
水分計は,その計器の動作範囲を超えたときは,エラー指示により又は表示を消すことによ
って,それを自動的に,かつ,はっきりと示さなければならない。
6.11.1 穀物及び種子の水分範囲
水分計は,水分表示の中に明らかなエラー指示(及び記録された表示を伴う記録されたエラ
ーメッセージ)が含まれていない限り,穀物試料の含水率がその装置の動作範囲を超えてい
るときは,一切の含水率値の表示又は記録を行ってはならない。
6.11.2 温度範囲
水分計は,その計器の温度範囲並びに/又は穀物及び種子の温度範囲,並びに/又は水分計
の温度と試料温度との最大許容差を超えたときは,一切の含水率値の表示又は記録を行っ
てはならず,かつ,適切なエラーメッセージが表示されなければならない。水分計が試料温
度を測定できない場合,操作手順は,国家責任機関が規定しなければならない。
6.12
封印及び校正の安全確保のための備え
計器の計量上の完全性に影響を与えるあらゆる変更を不可能にするか又は明らかにする 機
械的手段,電子的手段及び/又は暗号手段によって適切な封印のための備えを行わなけれ
ばならない。校正,ゼロ設定点及び試験点調整は,計量特性に影響を与えると見なされ,封
印しなければならない。
適切な封印手段の例は,機械的封印,事象計数器,監査証跡,及び暗号手段で保護されたイ
ンターフェースだけを介したアクセスである。
備考:監査証跡とは,例えば,装置のパラメータ値の変化若しくはソフトウェアの更新など,
法定関連で,計量特性に影響を与える可能性のある事象の時間を刻印した情報記録を含む
連続するデータファイルである。
安全防護及び/又は検証後,計器のソフトウェアは,いかなるインターフェースを介して
も,又は封印を破壊しないその他の手段によっても,部分的な変更又はアップロードを行う
ことが可能であってはならない。
例えば,計量監査証跡などの封印機構の封印可能パラメータ及び詳細の考察を含め,水分計
量器の封印についての実際的な手引きを含む附属書Cを参照。
6.13
製造事業者マニュアル
製造事業者は,各計器に,水分計及びその付属品の据付,操作並びに定期保守について記述
するマニュアルを提供しなければならない。さらに,そのマニュアルは,次の情報を含まな
ければならない。
(a) 製造事業者の名称及び住所
(b) そのマニュアルと共に使用することを目的とした水分計の型式又 は パ タ ー ン
(c) 発行日
(d) 水分計が設計された使用目的の穀物の属又は品種
24
(e) 水分測定範囲,穀物又は種子の温度,穀物試料と水分計との間の最大許容温度差,水分
計の動作温度範囲,電圧及び周波数範囲,電磁妨害並びに電磁両立性などの使用制限。
ただしこれらに限定されることはない。さらに,このマニュアルは,その計器の所有者
/使用者に,それが用いられる国の公用語又は国家責任機関によって容認 された言語
で提供しなければならない。
6.14
水分計及び測定動作の視認性
使用中の水分計は,その場にいる当事者すべてが,すべての測定動作を同時に見ることがで
きるように設置しなければならない。指示装置又は記録装置は,同時に見えることが望まし
く,かつ,すべての必要な手順を踏み,エラー又は不正行為の可能性を排除しなければなら
ない。
6.15
電源
交流を使用する水分計は,A.2.4.1 に従って試験するときに,適用可能な範囲内で動作しな
ければならない。
6.16
電池作動計器
電池作動計器は,電池の電力出力が過剰又は不足しているときは,適用される許容 限界外
で,値を指示又は記録してはならない。
6.16.1 非充電式電池
非充電式電池又は計量器の動作中に(再)充電することができない充電式電池によって動力
を得る計器は,次の要件に準拠しなければならない。
(a) 規定の型式の新たな電池又は完全に充電した電池を備えた計器は,計量要件に 適合し
なければならない。
(b) 電池電圧が,計器が計量要件に適合する最低電圧値として製造事業者が規定した値ま
で低下した場合は直ちに,計器はこれを検出して対応しなければならな い。
これらの計器については,“主”電源に関連する妨害の特別な試験(A.4.1及びA.4.2)を行
う必要はない。
計器(のカテゴリ)の基準の中に,計器が電池の交換又は充電を行わずに正しく機能しなけ
ればならない最小時間を明記しなければならず,(特に,連続加算測定機器の場合)保存デ
ータの喪失を防ぐ規定を定めることができる。
6.16.2 充電式補助電池
計量器の動作中に(再)充電することを意図した充電式補助電池によって動力を得る計器
は,次の両方に適合しなければならない。
(a) 主電源のスイッチを切った状態で,6.15.1 の要件
(b) 主電源のスイッチを入れた状態で,AC主電源駆動式計器の要件
6.16.3
バックアップ電池
主電源によって動力を供給され,データ保存のためだけのバックアップ電池を備えた計器
は,AC主電源駆動式計器の要件に準拠しなければならない。
25
計器の該当する機能が,電池の交換又は充電を行わずに正しく機能しなければならない最
小時間を明記しなければならない。
6.16.1(b)及び6.16.2の規定は,バックアップ電池には適用されない。
6.17
レベル指示手段
水分計を水平位置から,いずれかの方向に通常動作位置から最大5%水平からずれた位置に
動かしたときに,適用される許容差を超えるほどにその性能が変化する場合は,レベル指示
器及び水準調整を備えなければならない。レベル指示手段は,工具を使って水分計の部品を
取り外さなくとも判読可能でなければならない。
6.18
ソフトウェアが制御する電子装置及び安全防護
OIML D 31の要件を満たさなければならない。一般的に,水分計については,妥当性確認手
段Aで審査した厳しさレベルIが求められる。
備考:厳しさレベルは,不正のリスク又は適合性レベルに応じて異なるソフトウェアの保護
レベルを記述する。妥当性確認手順は,型式承認のための審査レベルを定義する。
6.18.1
ソフトウェア要件の仕様
ソフトウェアによって動作する計器及びモジュールについては,製造事業者は,その計器又
はモジュールの中でソフトウェアがどのように実装されているか,すなわち,ソフトウェア
が固定されたハードウェア及びソフトウェア環境に実装されている(組 込み)か,又は汎用
コンピュータシステムに実装されている(筐(きょう)体内に,又は外部に実装)かの記述
又は宣言を行わなければならない。
法定関連のソフトウェアは,一意のソフトウェアバージョン又はチェックサムによって明
確に識別できなければならない。計器の通常の動作モードでは,ソフトウェアバージョン又
はチェックサムは,コマンドで表示若しくは印字が行われるか,又は計器の起動手順中に表
示されなければならない。
法定関連の測定アルゴリズム及び測定機能は,測定結果及び必要な付随情報を正しく表示
し,かつ記録する計器によって裏付けられるように,適切かつ機能的に正しくなければなら
ない。計量試験で求められる場合は,アルゴリズム及び機能の妥当性を確認することが可能
でなければならない。
承認された型式に対する各計器の法定関連のソフトウェアの適合性は,D 31,5.2.5に記載
されているレベル(b)でなければならない。ソースコードの選択された機能又は部分を変更
することができる型式では,例えばチェックサムの値を用いてソフトウェアの変動を検出
することが可能でなければならない。
有意誤りが検出されたときは,それ以上の測定が可能であってはならない。
計器のソフトウェアが法定関連部分と法定関連ではない部分に分かれている場合 ,D 31,
5.2.1.2の要件を満たさなければならない。
内部又は外部の汎用コンピュータを用いる計器 /計量システムについては,法定関連のソ
フトウェアは,それが正しく機能するために規定された環境でだけ動作させなければなら
ない。法定関連のソフトウェアの正しい機能を確保するために必要であれば,オペレーティ
26
ングシステムは,定められた不変構成に固定しなければならない。
備考:暗号によるデータ保護が実施されている場合,又は検定済みの計器のソフトウェアの変更が任命された検
証者が現場にいない場合にも容認されるときには,計器にもソフトウェアの固定環境が求められる(つまり,D
31,5.2.6.3に記述する“突き止められる更新”)。
国家責任機関は,計器に,内部記録要素及び/又は外部記録要素との相互作用を可能にする
通信インターフェース,例えば,印字装置を備えるよう求めることができる。この場合,表
示された情報と遠隔記録要素との対応関係を検証しなければならない。
国家責任機関は,測定データを商業目的に用いる前に,そのデータを計量器から分離し,安
全ではない環境に保存するか伝送しなければならない場合は,6.3の要件を適用することが
できる。
6.18.2
ソフトウェアの識別のために許容できるソリューション
ソフトウェアの識別情報は,次のいずれかによって,通常動作モード中に提供される。

物理キー若しくはソフトキー,ボタン又はスイッチの明確に識別された操作

継続的に表示されるバージョン番号又はチェックサムなど
いずれの場合も,どのように実際のソフトウェア識別情報を計器上に表示するか,又は計器
によって表示される参照番号(OIML証明書に列記される)に照らしてチェックするかにつ
いての明確な指示を伴う。
6.18.3 ソフトウェアの文書類
8.2の中で求められている文書類に加え,製造事業者は,次の文書類を提出しなければなら
ない。
1.
法定関連のソフトウェア及び6.17.1の要件がどのように満たされているかの記述
2.
適切なシステム構成及び要求されている最小リソースの記述
3.
オペレーティングシステムの安全防護手段(適用可能であれば,パスワードなど)の記
述
4.
(ソフトウェア)の封印手段の記述
5.
システムハードウェアの概要,例えば,トポロジーブロック図,コンピュータの型式,
ネットワークの種類など。ハードウェアの1構成部品が法定関連と見なされる場合,又
はその構成部品が法定関連機能を実行する場合は,これも識別することが望ましい。
6.
アルゴリズムの正確さの記述(例えば,A/D変換結果のフィルタリング,料金計算,丸
めアルゴリズムなど)
7.
ユーザインターフェース,メニュー及びダイアログの記述
8.
すべての暗号化手段の記述を含め,法定関連機能に明確に割り当てなければならない
ソフトウェア識別情報の記述
9.
実際のソフトウェアの識別情報を,型式承認証明書に列記された参照番号に照らして
どのようにチェックするかの明確な指示。この参照は,計器に追加として標示するか,
又は計器が表示することができる
27
10. 計量器 /電子装置/部 品装置の 各ハードウェア インター フェースのコマ ンドのリス
ト。これには,完備性の説明表記が含まれる
11. ソフトウェアが検出する耐久性誤差のリスト,また理解するために必要な場合
12. 検出アルゴリズムの記述
13. 保存又は伝送されたデータセットの記述
14. 誤り検出がソフトウェアの中で認識される場合,検出される誤りのリスト及び検出ア
ルゴリズムの記述
15. 操作説明書
6.18.4 穀物の構成及び完全性
穀物水分計は,穀物の特定の電気的又は光学的特性に対する水分の影響を測定する。したが
って,穀物の作柄が変われば,穀物のこれらの物理特性に対する水分の影響も,その収穫年
度にもとづいて変化することがある。国家責任機関は,現年度及び/又は最近数年の間に収
集した穀物データに基づき校正の更新を許可し ,季節及び収穫年度による変動に適応させ
ることができる。また,国家責任機関は,穀物の校正を調整するために用いたデータの保持
を求めることもできる。多くの場合,この穀物の校正データは,通信インターフェースを用
いて計器にダウンロードされる。これらは,ソフトウェアの識別情報の変更が必要となるソ
フトウェアの変更とは見なされない。装置の穀物校正の変更は,監査証跡又はイベントロガ
ーに記録しなければならない。
6.18.4.1 校正のバージョン
計器は,含水率の測定を行うために用いられている校正の最新バージョンを検証するとき
に用いるための校正定数,一意の校正名又は一意の校正のバージョン番号を表示できなけ
ればならない。
6.18.4.2 校正の保護
校正定数がデジタル方式で,電子的に変更できる形式で保存されている場合,水分計は,不
正な部分的変更を検出するための自動チェックを行うように設計しなければならない。校
正定数が電子的に破壊された場合,エラーメッセージを表示し,それ以降の測定が不可能に
ならなければならない。
6.18.4.3 校正の転送
計器のハードウェア/ソフトウェアの設計及び校正の手順は,校正の作成,及び使用者にス
ロープ又はバイアスの調整を求めることなく類似機種の計器間での校正の転送を可能にし
なければならない。
6.18.5 アルゴリズム及び機能の正しさ
測定装置の測定アルゴリズム及び機能は,機能的に正しくなければならない。測定結果及び
あらゆる付随情報は,正しく表示,記録及び印字が行われなければならない。
計量試験によってアルゴリズム及び機能の妥当性を確認することが可能でなければ ならな
い。
28
6.18.6
ソフトウェアの保護
6.18.6.1 誤用の予防
計量器及び特にソフトウェアは,意図的でない,偶発的な,又は意図的な誤用の可能性を最
小限にするような方法で構成しなければならない。
6.18.6.2 不正使用の防御
不正使用に対する防御のために,次の要件を満たさなければならない。
法定関連のソフトウェアは,記憶装置をスワップすることによる不正な部分的変更,読込み
又は変更から守らなければならない。オペレーティングシステム又はソフトウェアを読込
む任意選択機能を備えた計量器を防護するためには,機械的封印に加え,技術的手段が必要
な場合がある。
明確に文書化された機能だけは,ユーザインターフェースによって起動することが可能で
ある。この機能の起動は,それによって不正使用が助長されることがないような方法で実現
しなければならない。
計量器の法定関連の特性を決定するパラメータは,不正な部分的変更から守らなければな
らない。検定のために必要であれば,現在のパラメータ設定値を表示又は印字できなければ
ならない。
6.18.7 誤りの検出
適切な誤りの検出基準(すなわち動作範囲)は,この勧告の該当する章に記載されている。
29
第2部:計量管理及び性能試験
7
実際的指示事項
7.1
型式承認穀物試料
標準(標準物質)の特性は,その地域で取引されている穀物を代表するものでなければなら
ない。これは,校正の審査の場合,特に重要である。外国製品,すなわち別の国又は地域で
収穫された穀物を用いた試料は,気候及び作柄の変動により校正の審査には不適切な場合
がある。
穀物試料は,未加工であることが望ましい。すなわち,試料を水に浸したり,試料に水を散
布したり,若しくは湿度の高い空気に試料を長時間さらしたりすることによって,又は水分
調整の他の方法によって,水分を調整することは望ましくない。試験を完了させるだけの十
分な試料が入手でき,かつ,水分計の最小許容試料サイズ要件を満たし,かつ基準試験を可
能にすることが望ましい。
7.2
試料の記録
試料の記録は,次を記載することが望ましい:割当てられている識別番号,受領日,供給源,
穀物の種類,水分及びその他の関連する情報。
7.3
試料の取扱い及び保管
受領時,防水式の試料封入容器及び必要な場合は使用される新たな封入容器の完全性をチ
ェックすることが望ましい。ほとんどの穀物試料は ,使用前に2 ℃から8 ℃で保管してお
く。試験の前に,試料を低温保管から取り出し,室温に平衡させる。
7.4
試料の清掃
試料は,外見上,昆虫,異なる種子及びその他のあらゆる異物が混入していてはならない。
試料の状態(臭い,外観,損傷)は,試料記録に記録する。ばら(バルク)試料の中の空間
的異質性は,混ぜ合わせることによって最小限に抑える。”国家責任機関は,穀物の清掃に
ついてISO規格などの特定規格に従うことを選択することができる。
7.5
代表試料サイズ
試料は,水分計及び参照方法分析に必要な量よりも少し多めの代表部分に分割し なければ
ならない。
8
計量管理
8.1
型式試験に提出するユニット数
製造事業者は,国家責任機関に,少なくとも 2台の計器及び操作説明書を提供しなければな
らない。また,製造事業者は,この勧告に従って,計器の性能が要件を満たしているかどう
かの確定の裏付けとなるデータ及びその他の情報も提供することもできる。
8.2
文書類
型式承認申請書と共に提出する文書類は,次を含まなければならない。
30
(a) その計器の測定の一般原則の記述
(b) 重要な部品装置,構成部品(特に電子部品及びその他の重要部品)にその重要特性を付
記したリスト
(c) 機械製図
(d) 電気/電子回路図
(e) 設置要件
(f) 安全防護封印設計図
(g) パネル配置図
(h) 6.17.3に記載したソフトウェア文書類
(i) 試験出力,その用途及び測定されているパラメータとその試験出力との関係
(j) 使用者に提供しなければならない操作説明書,文書又は計量器の設計及び特性がこの
勧告の要件に適合しているという仮定を裏付けるその他の証拠
(k) 計器に承認される穀物及び水分範囲のリスト
8.3
型式承認
国家責任機関は,操作マニュアルの完備性及び操作説明事項の明確さについて,操作マニュ
アルをレビューし,かつ製造事業者による計器の仕様のレビューと併せて計器を目視点検
して,第6節の技術要件が満たされていることを確認しなければならない。国家責任機関は,
附属書Aの中で定められている試験を実施して電子水分計量器が規定した環境で,かつ規定
した条件下で意図したとおりに動作し,機能することを確認しなければならない。
8.3.1
正確さ,繰返し性及び再現性試験
穀物及び油脂種子の生来の変動性により,穀物水分計は,承認済みの穀物の全種類の未加工
の水分試験試料を用いて,正確さ,繰返し性及び再現性を十分に試験しなければならない。
水分範囲全体を,2%の水分間隔で試験する。これらの試験は,参照環境条件下で実施する。
2回の正確さ試験は,A.1.2の中で定められている水分誤差,すなわちȳ,水分計の読みと参
照方法との間の差の平均,及びこの差の標準偏差,SDDである。試料複製の標準偏差,SD
は,計器の繰返し性の目安として用い,提出された計器間の再現性は,計器の差の標準偏差,
SDDIを計算して推定する。ȳ,SDD,SD及びSDDI について,必要なサンプリング及び数学
的解析の詳細は,附属書A,A.1の中に記載されている。
8.3.2
影響因子試験
型式評価中に,水分計は,5.1.1にある適用可能な参照条件を用いて,次の影響因子の試験
を行わなければならない。別途規定のない限り,国家責任機関は,基本計器試験のための単
一の性能の良い穀物の種類及び2 %の水分間隔を選択しなければならない。各影響因子につ
いて,分水計が指示した水分差の測定は,附属書Aの試験手順に含まれる分析の詳細に従っ
て実施しなければならない。
影響因子
試験手順の章
(必要に応じて,附属書Aの試験手順に
は,厳しさレベルが記載されている)
基本計器試験
計器安定性
計器予熱時間
電源変動:
電圧*
A.2.2
A.2.3
A.2.4
電池電圧*
* いずれか適切な方
31
計器貯蔵温度
計器のレベリング
計器湿度感度
A.2.5
A.2.6
A.2.7
試料温度試験
試料温度感度
A.3
これらの影響因子の性能試験の記述は,附属書A,試験手順に示されている。
8.3.3
妨害試験
IEC 61326(最新版)[8]のイミュニティ試験の中に規定されている妨害及び/又はOIML
D 11の中で推奨されている妨害に個々にさらされたとき,水分計は,3.3.3.18に定める有意
誤りを示してはならない。
妨害試験
AC主電源電圧ディップ,短時間
停電及び電圧変動
AC主電源のバースト(過渡)
放射無線周波数,
電磁感受性
伝導無線周波数電界
静電放電
試験手順の章
(必要に応じて,附属書Aの試験手順に
は,厳しさレベルが記載されている)
A.4.1
(OIML D 11,13.4)
A.4.2
(OIML D 11,13.5)
A.4.3
(OIML D 11,12.1.1)
A.4.4
(OIML D 11,12.1.2)
A.4.5
(OIML D 11,12.2)
8.3.4
定格動作条件下での誤差
計量器の型式は,その型式が,その計量器の誤差が5.1.1の中の参照条件下で5.4.1 に規定す
る初期検定の最大許容誤差を超えないことを確認する附属書 Aの試験に合格した場合,この
勧告の 5.1か ら 5.7に定める規定に適合していると見なされる。
8.4
試験報告書
型式承認時に実施された穀物水分計試験の試験報告書は,最低限,:型式評価の報告書様式,
附 属 書 Bに示されている様式に則った情報項目を含まなければならない。国の選択に従って,
専用の様式を作成してもよい。製造事業者は,あらゆる試験の不合格について,個別のコメ
ントを提供されなければならない。
32
参考文献
9
出版時には,示されている版が有効であった。すべての規準文書は改訂され,この文書の使
用者は下記の規準文書の最新版を適用する可能性を探ることを推奨されている。IEC 及び
ISO の加盟国は,現在有効な国際規格の登録簿を維持する。
参照されている規格の現在の状態は,インターネット上でも見ることができる。
IEC出版物:http://www.iec.ch/searchpub/cur_fur.htm
ISO出版物:http://www.iso.org/iso/iso_catalogue.htm
OIML出版物:http://www.oiml.org/publications/
(PDFファイルの無料ダウンロードによって)
誤解を避けるために,OIML勧告及び国際文書の中の規格へのすべての参考文献の後に,参
照されたバージョン(一般的に年又は日付)を記載することが強く推奨されている。
参照
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[7]
[8]
規格及び参照文書
内容
ISO/IEC ガ イ ド 99 , OIML V2-200 BIPM,IEC,IFCC,ISO,IUPAC,IUPAP
(2012)国際計量基本用語集(VIM) 及びOIMLが指名した専門家で構成される
共同作業部会によって作成された用語集
についての国際的取決め。この用語集は,
測定に関連する案件を内容として含み,か
つ材料及び物質の物理定数並びにその他
の基本的特性も決定についての情報も記
載する。実際には,これらの出版物は,通
常“VIM”と称される。
OIML V1(2DV 2012)国際法定計量 要約は入手できない
用語集(VIML)
国際勧告に対象として含まれている計量
OIML D11:2004
器に影響を与える可能性のある影響量に
電子計量器についての一般要求事項
ついての適切な計量性能試験要件を定め
るための手引き
OIML D31:2008
測定器のソフトウェアに関わる機能に適
ソフトウェア制御の測定器の一般要 用される一般要件を規定し,かつ計器のこ
件
れらの要件への準拠を検定するための所
定の手引きを提供する
ISO/DIS 7700-2:20XX
油脂種子の含水率を測定するために供用
使用中の水分計の校正のチェック-
中の水分計の性能をチェックする方法を
第2部:油脂種子用水分計
規定する。
IEC/TR 61000-2-1:1990-05
公共電力供給システムに予測される各種
電磁両立性(EMC)第2部 環境 第1 の妨害についての情報を提供する。
章:環境の概要-公共電力供給シス
テムにおける低周波伝導妨害及び信
号発生の電磁環境
IEC 61000-2-2:2002
この規格は,主電源信号システム専用の
電磁両立性(EMC)第2-2部 環境-公 148,5 kHzまでの拡張を含めた上で,0 kHz
共電力供給システムにおける低周波伝 から9 kHzまでの周波数範囲における伝導
導妨害及び信号発生の両立性レベル
妨害に関連する。
IEC 61000-4-1:(2000-04)基本電磁
両立性(EMC)第4-1部:試験及び測定
技術-IEC 61000-4シリーズの概観
33
試験及び測定技術のEMC規格を提供し,
関係する試験の選択に関する一般勧告を
提供する。
[9]
IEC 61326-1:2005
計測,制御及び試験所用の電気機器
-EMC要求事項-
[10]
全米度量衡総会,出版物14,穀物水分
計及び近赤外線穀物解析器:2014
穀物水分計に対する機械工学的影響
をもつ穀物及び油脂種子における無
線周波数誘電反応の性質の調査,物
理学及び機械工学の学位論文,David
B. Funk博士,H.C:2001
OIML D3:1979
計量器の法定要求事項
[11]
[12]
[13]
ISO 650:1977
相対密度60/60°Fの汎用浮きばかり
[14]
OIML R 76-1:
[15]
ISO 7700-1:2008
[16]
IEC 61000-4-6(2003-05)修正票1
(2004-10)を伴う
電磁両立性(EMC)
第4部:試験及び測定技術 第6章:無
線周波電磁界によって誘導する伝導
妨害に対するイミュニティ
34
1000 V a.c.又は1 50 V d.c.未満の電源で動
作する電気機器の電磁両立性(EMC)に関
するイミュニティ及び放出の最低要件を
規定する。
米国の穀物水分計及びたんぱく質,デンプ
ン及び油解析器の型式評価手順
物理及び工学の学位論文
この文書は,≪法的≫品質を計量器の属性
とすることを目的として国が引き受ける公
的措置を扱っている。これらの公的措置に
関係する可能性のある方法をすべて考慮す
るためのあらゆる取組みが行われてきた。
この5つの系列のガラスうきばかりの要件
は,調整及び読み,材料,寸法,形状,目盛
及び取扱い方の参照水準を扱っている。
この勧告は,公的計量管理の対象となって
いる非自動はかりの計量要件及び技術要
件を規定している。これは,計量特性及び
技術特性を均一かつトレーサブルな方法
で評価するための標準化した要件及び試
験手順を提供すること意図している。
食品-使用中の水分計の性能の確認 第
1部:シリアル水分計
周波数範囲9 kHzから80 MHzまでの意図
する無線周波数(RF)伝送器から生じる電
磁妨害に対する電気機器及び電子機器の
伝導イミュニティ要件に関係している。機
器を妨害RF電磁界に結合することができ
る,導電ケーブルを1本も備えていない機
器(例えば,主電源,信号線又は設置接続)
は,除く。この規格は,特定の装置又はシ
ステムに適用すべき試験を規定すること
を意図しない。この規格の主な目的は,
IECの関連するすべての製品委員会に一
般的な基本的参照を提供することである。
製品委員会(又は機器の使用者及び製造事
業者)は,引き続き,扱っている機器に適
用すべき試験及び厳しさレベルの適切な
選択に対する責任を担う。
[17]
IEC 61000-4-2 2.0版(2008-12)基
本EMC出版物 電磁両立性(EMC)
第4-2部:試験及び測定技術-静電放
電イミュニティ試験
[18]
IEC 61000-4-11(2004-03)
電磁両立性(EMC)-第 4-11
部:試験及び測定技術-電圧ディ
ップ,短時間停電及び電圧変動イ
ミュニティ試験
[19]
IEC 61000-6-1(1997-07)
電磁両立性(EMC)-第 6 部:一
般規格-第 1 章:住宅,商業及び
軽工業環境のイミュニティ
35
この出版物は,IEC 60801-2(第 2版:
1991)に基づいている。この出版物は,
直接的に操作者からの,及び近接する物
体からの静電放電にさらされる電気機器
及び電子機器のイミュニティ要件及び試
験方法に関わっている。さらに,この出
版物は,異なる環境条件及び接地条件に
関連する試験レベルの範囲を定め,試験
手順を定めている。この規格の目的は,
電気機器及び電子機器が静電放電にさら
されたときの性能を評価するための共通
かつ 宣言可能 な基盤を 定める ことであ
る。さらに,重要な機器に近い物体への
人から生じる静電放電も記載している。
低電圧電源網に接続した電気機器及び電子
機器の電圧ディップ,短時間停電及び電圧
変動に対するイミュニティ試験方法及び望
ましい試験レベルの範囲を定める。この規
格は,50 Hz 又は 60 Hz の AC ネットワー
クに接続するための,1 相当たり 16 A 未
満の定格入力電流をもつ電気機器及び電子
機器に適用される。この規格は,400 Hz
交流ネットワークに接続するための電気機
器及び電子機器には適用されない。これら
のネットワークの試験は,今後の IEC 規格
で扱うことになっている。この規格の目的
は,電圧ディップ,短時間停電及び電圧変
動に対する電気機器及び電子機器のイミュ
ニティを評価するための共通の基準を定め
ることである。この規格は,IEC ガイド
107 に従って,基本 EMC 出版物に位置づ
けられている。
住宅,商業及び軽工業環境での使用を
意図し,専用の製品又は製品群の規格
が存在しない電気装置及び電子装置に
対する静電気放電を含む連続的・過渡
的,導電・放射妨害に関連するイミュ
ニティ試験要件を定める。周波数範囲
0kHz から 400GHz までのイミュニテ
ィ要件を扱っており,またこの要件
は,対象の各ポートに対して規定され
ている。この規格は,低電圧公共電源
ネットワークに直接接続されるか,又
は装置と低電圧公共電源ネットワーク
とを結合させるための専用 DC 源に接
続することを意図された装置に適用さ
れる。
[20]
IEC 61000-6-2(1999-01)
電磁両立性(EMC)-第 6-2 部:
一般規格-工業環境のイミュニテ
ィ
[21]
IEC 61000-4-4(2004-07)
電磁両立性(EMC)-第4-4部:試験
及び測定技術-電気的ファストトラ
ンジェント(高速過渡現象)/バース
トイミュニティ試験
[22]
IEC 61000-4-3 合本版
第 2.1 版(2002-09)修正票 1
(2002-08)を伴う 電磁両立性
(EMC) 第 4 部:試験及び測定
技術 第 3 項:放射,無線周波
数,電磁界イミュニティ試験
36
工業環境での使用を意図し,専用の製
品又は製品群の規格が存在しない電気
装置及び電子装置に適用される。静電
気放電を含む連続的・過渡的,導電・
放射妨害に関連し,0 Hz~400 GHz
までの周波数範囲イミュニティ要件を
扱っている。試験要件は,対象の各ポ
ートに対して規定されている。
工業立地での使用を意図した装置は,
次の中の 1 つ以上が存在することを特
徴としている:
-工業,科学及び医療(ISM)装置
-頻繁に切替えが行われる大きな誘導
負荷又は容量性負荷
-電流及び付随する電磁界が高い
電源,信号,制御装置及び接地ポートに
対する電気的ファストトランジェント/
バーストにさらされたときの電気機器及
び電子機器のイミュニティを評価するた
めの共通かつ再現可能な基準を定めてい
る。
放射電磁エネルギーに対する電気機器及
び電子機器のイミュニティに適用され
る。試験レベル及び求められる試験手順
を定めている。無線周波数電磁界にさら
されたときの電気機器及び電子機器の性
能を評価するための共通の基準を定めて
いる。
附属書A.試験手順
総則
この附属書は,電子水分計量器が規定された環境及び規定された条件の下で意図されたよ
うに動作し,かつ機能することを確実にすることを意図した性能試験のプログラムを定め
る。各試験は,必要に応じ,固有誤差を測定するための基準条件を示す。
1つの影響量又は妨害の影響が評価されるとき,その他のすべての影響量及び妨害は,参照
条件に近い値で,相対的に一定に保たなければならない。
計器は,製造事業者の仕様に則って安定させなければならない。製造事業者が,予熱時間を
推奨していない場合,計器の電源入れた後,直ちに正確な結果が提供されると見なす。
試験については,表示(計)器は0.01 %の解像度を可能にすることが望ましい。
型式評価試験に使用される穀物水分試料の仕様:
(a) 試料は,自然に生育した穀物でなければならない。試料セットは,可能な限り均質であ
ることが望ましい。
(b) 穀物の試験試料は,清浄で,正常で,かつ目的に合っていなければ ならない。
A.1の中の試験“正確さ ,繰返し性及び再現性”,A.2“基本計器試験”及びA.3“試料温
度感度”は,2つの計器(すなわち2つの試料ユニットが被試験装置( EUT)である)につ
いて記載している。A.4の中の試験は,1つの計器(すなわち,1つの試料ユニットが被試
験装置である)について記載している。
A.1
正確さ,繰返し性及び再現性
A.1.1
試料の選択
試験所は,6 %の最小水分範囲内で,3つの隣接した2 %の水分間隔(例えば,10 %か ら 12 %,
12 %か ら 14 %,14 %か ら 16 %)で構成される優良な水分の安定した複数の穀物試料を,
型式承認試験の実施のために選択しなければならない。選択された穀物及び種子の種類は,
十分に計器装備を試験するために経済的に重要であり,かつ,その物理的構造が大きく異な
ることが望ましい。国家機関は,試験を行うために用いる変異性の穀物を測定する責任があ
る。選択された水分間隔は,その穀物の種類について商業的に重要な水分レベルを一括して
いることが望ましい。適用の均一性を得るために,各2 %の水分間隔は,偶数で始まり,偶
数で終わることが望ましい。MPEを計算する際は,所定の2 %水分間隔(すなわち,10 %か
ら 12 %,12 %から 14 %,14 % か ら 16 %)について計算された最大値を使用しなければな
らない
正確さ,繰返し性及び再現性のための試料セットは,各2 %の水分間隔から 10 個の試料を
選択した最低 30 個の試料で構成されなければならない。穀物の試料セットは,承認済みの
水分計の結果を,参照水分方法を用いた測定結果と比較することによって,水分の均質性に
ついて事前に選別される。2 %水分間隔のいずれかで,試料の承認済みの水分計と参照方法
との差異の標準偏差(SDD)が,表 5.4.1 の列 2 に定められた MPE か ら 0.1 を引いた値を
超えている場合,試料セットは使用しない。
37
A.1.2
正確さ試験
正確さの試験は 2つの試験:誤差測定及びSDDで構成される。2つの試験の正確さ受入要件
は,適切な 2 %水分間隔について,いずれも表 5.4.1 の列 2 に定められている。参照方法部
分は,上記の両試験の前後に,各試料から切り離し,参照手順に送って,結果を記録しなけ
ればならない。この正確さを求める 2 つの試験は,水分誤差,ȳ,(計器の読み対参照方法)
及び 2 %の水分間隔のそれぞれについての水分計と参照方法との差異の標準偏差, SDDで
ある。各計器は,ここに試験されなければならない。ȳ 及び SDDについての計算式は次の通り
である:
ここで,
=
yi
=
すべての yi の平均
- ri
=
試料 i(3回の反復試験)の平均計器水分値
ri
=
試料 i に対する参照水分値
n
=
2 %水分間隔当たりの試料数(n = 10)
製造事業者は,参照方法又は試料セットについての型式評価試験所との違いを補償するた
めに,校正バイアスを調整することができる。
A. 1.3
繰返し性
水分計の繰返し性は,3回の反復試験の標準偏差,SDと定義されている。これは,2 %の水
分間隔で各試料について計算され,試料全体にわたって共有されなければならない。各計器
は,個別に試験するものとする。SD の計算に使用される計算式は次の通りである:
ここで,
xij
= 試 料 i 及び反復試験回数 j の計器水分値
= 試 料 i の3つの水分値の平均
n
= 2 %水分間隔毎の試料数(n = 10)
SD に対する繰返し性要件は,適切な 2 %水分間隔に対し,表 5.4.1 の列4に定められてい
る。
38
A.1.4
再現性
提供された複数の計器間の再現性は,6 %水分範囲にわたる差異の標準偏差,SDDⅠ を計算
することによって概算される。計器の再現性の計算に使用される計算式は次の通りである。
ここで,
= 計器1に対して試 料 i の3回の反復試験の平均
= 計器2に対して試 料 i の3回の反復試験の平均
n
=
di の平均
=
全ての 2 %水分間隔における試料数
再現性要件は,6 %の水分範囲について,表5.4.1の列5に定められている。
A.2
基本計器試験
-
影響因子
A.2.1
試料の選択
別途指定されていない限り,次の試験は単一の安定した水分試料を用いて行う。影響因子試
験全体にわたって,穀物試料部分は,含水率が試験に適していること及び試料が試験全体を
通じて安定していることを明らかにするために試験しなければならない。一例として,参照
水分方法又は主計器を使用することが可能である。いずれの場合も,試料の安定性を評価す
るために用いる方法は,試験報告書に示さなければならない。
A.2.2
計器安定性
3個の試料,すなわち,1種類の穀物の3個の2 %水分間隔試料(例えば,10 %か ら 12 %,12 %
か ら 14 %,14 % か ら 16 %)のそれぞれから一つ
繰返し回数= 5回
計器安定性を評価するための最短期間は,4週間としなければならない。3個の試料それぞれ
は,型式承認のために提出された水分計全てについて,その他の型式評価試験を行う前に,
5回測定する。15回の観察(試 料 3個 x 反復試験回数5回)から得た平均含水率を記録する。
3個の試料は,すべてのその他の型式評価試験が完了したところで,貯蔵し,休ませなけれ
ばならない。2回の試験の平均間の最大許容差は,表5.4.1の列3に定められている。
A.2.3
計器予熱時間
繰返し回数 = 5回
次の試験手順を用いて製造事業者によって勧告された予熱時間を確認する。製造事業者が予熱時
間を推奨しない場合,計器の電源を入れることで,直ちに正確な結果を提供するものと見なす。
試験手順:
(1) 計器の電源を切り,参照条件で安定させる(一晩)。
(2) 計器の電源を入れ,指定された予熱時間にわたって待機した後に試験を行う。
(3) 1時間又は製造事業者が推奨した予熱時間の2倍の時間のいずれか長い方にわたって待
機した後に試験を行う。
39
予熱時間が指定されていない計器については,試料は,計器の電源を入れて直ちに試験し,
次に1時間後に再度試験する。2回の試験の平均間の最大許容差は,表5.4.1の列3に定められ
ている。
A.2.4
計器電源
A.2.4.1
主電源電圧変動
繰返し回数 = 10回
適用規格:IEC/TR3 61000-2-1,IEC 61000-2-2,IEC 61000-4-1
電圧変動公称電圧 (Unom)Unom - 15 %,U nom + 10 %
電圧は,上記の各レベルに変動させる。電圧設定値は,±0.1 Vまで測定して記録しなけれ
ばならない。公称電圧での平均水分指示と試験を行った電圧の極値での平均水分指示との
間の差を評価しなければならない。
公称電圧での水分計の平均値と,高電圧試験ポイント及び低電圧試験ポイントで測定した
平均値と間の最大許容差は,表5.4.1の列3に定められている。いずれの電圧レベルにおいて
も10回の繰返し測定の最大許容標準偏差は0.10 %である。電池式装置の場合,1回の公称充
電に対する10回の繰返し測定のSDは,0.10 %である。
各回の電圧変更後,試験の前に水分計を30分間安定させる。
A.2.4.2 (主電源に接続されていない)内部電池の低電圧
この試験方法は,電源電圧の変動である。この試験の目的は,電池電圧が低い条件下におい
て5.4.1の規定への準拠を検証することである。
試験手順は,温度安定性を達成し,求められる測定を実施するのに十分な期間にわたって,
電池を規定した条件に暴露させることから成る。台上試験で代替電源(十分な電流容量を備
えた標準電源)を使用して電池をシミュレートする場合は,規定の電池型式の内部インピー
ダンスもシミュレートすることが重要である。電池の最大内部インピーダンスは,計器の製
造事業者が規定しなければならない。
試験手順は次のとおりである:
定められた限界内の電圧で電源を安定させ,測定及び/又は負荷条件を適用する。次のデー
タを記録する:
a)
b)
c)
d)
e)
f)
g)
h)
日付及び時間
温度
電源電圧
機能モード
測定及び/又は負荷条件
指示(適用可能な場合)
誤差
機能的性能
明らかに計器が仕様及び計量要件に従って正しく機能しなくなるまで ,EUTへの電源電圧
を低減し,次のデータを書き留める。
i)
電源電圧
40
j)
k)
l)
指示
誤差
計器のその他の該当する応答
この試験の厳しさは,レベル1である。レベル1においては,電圧の下限は,EUTが仕様に従
って正しく機能する最低電圧であり,サイクル数は,各機能モードに対し,少なくとも1試
験サイクルである。
A.2.5
計器貯蔵温度
繰返し回数 = 10回
この試験の目的は,極端な輸送条件をシミュレートすることである。国家当局は,異なる温
度限界を規定してよい。1個の試料を,参照条件(5.1.1)下で温度サイクルの前に分析する
(n = 10)。次に,計器は,電源を落とし,環境チャンバに入れる。次に,チャンバの温度
を,1時間かけて,国家責任機関が規定する50℃以上の温度まで上げ,その温度に3時間保持す
る。次に,チャンバの温度を,1時間かけて-20℃まで下げ,その温度に3時間保持する。この
温度サイクルを繰り返す。計器は,少なくとも 12時間にわたって非通電で,参照条件(5.1)
下で,平衡させる。計器は,規定の予熱時間にわたって電源を入れ,試験試料の2回目の分
析を行う(n = 10)。温度サイクルの前後に,各反復測定の平均を求めなければならない。
温度サイクルによる平均値間の最大許容差は,表 5.4.1の列3に定められている。
A.2.6
計器のレベリング
A.2.6.1 レベル指示器のない計器
繰返し回数 = 5回
参照傾斜条件:計器を0.1°傾ける
傾斜角度:前後左右に5 %(最低限,2方向の傾斜)
試験手順は,水平面に取り付けた計器で, 試 料 1個を測定し(基準位置合わせ),次に,前
後の傾斜方向及び左右の傾斜方向の2方向それぞれに5 %傾けて,測定を行い,最終試験のために
基準位置合わせに戻す。参照方法部分は,計器レベル試験の前後にバルク試料又はマスタメー
タから切り離し,参照手順に従って,結果を記録しなければならない。
各反復測定の平均は,各方向について算出しなければならない。2つの基準方向の平均から
の各傾斜方向の平均値の最大許容差は,表5.4.1の列3に定められている。
A.2.6.2 レベル指示器を備えた計器
レベル指示器を備えた水分計は,A.2.6.1で規定されている傾斜ではなく,レベル指示器の指
示限界(前後及び左右)で試験を行う。A.2.6.1の方向に類似した方向を,同じ性能要件で適
用しなければならな
A.2.7
湿度
繰返し回数 = 10回
計器(電源オン)は,22℃及び相対 湿 度 20 %で環境チャンバに16時間にわたって入れてお
かなければならない。試料は,参照条件で封印して貯蔵しなければならない。次に,平衡後,
試料
をチャンバの中で分析する。相対湿度 を 90 %(22℃)に上げ,計器が少なくとも 16時間に
41
わたって,その湿度で平衡に達してから,その試料を再び分析する。
各反復測定の平均は,各湿度レベルについて決定しなければならない。2つの湿度レベル間
の平均値の最大許容差は,表5.4.1の列3に定められている。
A.2.8
計器温度感度(加熱試験及び冷却試験に変換)
1種類の穀物
3個の試料。すなわち,1種類の穀物の3つの2 %の水分間隔(例えば,10 %か ら 12 %,12 %か
ら 14 %,14 %か ら 16 %)からそれぞれ1つ。
計器は,次の条件で,環境チャンバ内で試験を行う:
(1) 基準温度,tR(5.1),65 %RH
(2) 下限動作温度(t1),65 %RH
(3) 上限動作温度(t2),乾燥空気1 kg当たり水0.011 kgの恒湿比。製造事業者は,計器の動作
範囲としてt1 及びt2 を公表しなければならない。動作範囲が公表されていない場合は,
10 ℃から30 ℃までの最小動作温度範囲が適用される。
計器温度感度試験は,3個の水分レベル試料を使って行われる。各試料は,tR,t1及びt2で試
験を行うために3つの部分に切り分ける。計器は,適切な温度までのサイクル全体を通して
チャンバの中に置いておく。試料は,計器の水分測定前に,水分で化学作用を起こさないカ
バー付きの容器に入れた上,少 なく も 4時間にわたって試験チャンバの中に置き,試験温度
にする。計器は,試料試験の前に少なくとも 4時間,新たな環境条件に平衡させなければな
らない。各反復測定の平均は,各温度レベルについて算出しなければならない。t2 における
tR とt1 及び tR との間の平均値の最大許容差は,0.8に表5.4.1の列2の値を乗じたものである。
備考:計器温度感度の試験を行いやすくするために,製造事業者は,温度範囲を超えたとき
に水分結果の表示を行わないための計器機能を無効 にする手段を提供しなければならな
い。(備考:国家当局は,これらの要件を手続きとして扱ってもよい。)
A.3
試料温度感度
-
影響因子試験
3種類の穀物
3個の2 %水分間隔試料(例えば,10 %か ら 12 %,12 %か ら 14 %,14 %か ら 16 %)
試料数=(穀物 3種類,3つの水分レベル,各水分レベルで試料の二重反復試験)
繰返し回数 = 3回
計器温度:参照条件(5.1.1),基準温度(tref)
穀物又は種子の温度:基準温度(tref),製造業者が公表したtref ± Δt又は別個の仕様がな
い場合は,±10 ℃の最低Δt
試料及び計器が異なる温度のときに,正しい結果が提供されることを検証するために,追加
試験が必要である。これは,試料温度感度試験と呼ばれる。この試験の目的は,試料と計器
との間に温度差があるときに,計器が正確な結果を提供することを検証することである。試
料温度感度試験は,3つの2 %水分間隔からなる 3種類の穀物又は種子を使って行われる。温
度の高い穀物試料の基準値を正確に測定する能力による実際上の理由から,型式承認試験
の最高試料温度は,45℃でなければならない。
穀物又は種子の試験温度は,製造事業者の仕様に依らなければならない。又は,別個の 仕様
がない場合は,最小温度差要件は,基準温度から±10℃でなければならない。試験は,基準
温度で(tref,5.1.1を参照)計器を用いて,tref-Δtc か ら tref+ΔtH まで変化する試料温度で,
42
実施される。ここで,trefは基準温度 である。製造事業者が試料について指定する計器温度よ
り高い試料温度は tref+ΔtH,低い温度はtref-Δtc と表される。2つの温度差は,同じである必
要はない。この試験については,いかなる場合も,tref+ΔtHは,45℃を超えることは許容さ
れない。
3つの水分レベルの分析は,3つの試験温度のそれぞれで各穀物試料に対して行われる。各穀
物又は種子の種類の18回の観察(2個 の 試 料 ×3つの水分間隔×3回の反復試験)の平均を求
めなければならない。試料温度極値における基準試料温度で測定された水分レベルとの最
大許容差は,行Iの種類の穀物では,2.25に表5.4.1の列3を乗じたものである。又は,行IIの
種類の穀物では,2に表5.4.1の列3を乗じたものである。
A.4
電子計器の追加試験
-
妨害試験
この章に記述される電子計器に特有の試験は,国際電気標準会議(IEC)及び OIML国際文
書 D 11の試験である。この章の妨害試験は,単一の計器について記載されている。すなわ
ち,1つの試料ユニットが被試験計器(EUT)である。
IEC出版物への参照は,必要に応じて各章で行われ,これらの文書の出版期日は,この勧告
の第9章,参考文献に記載されている。電子計器にこれらの試験を行うとき,試験はその試
験時点で有効な最新版に基づいて行われることが望ましい。試験報告書には,試験に使用し
た規格及び版の日付を書き留めておく。
A.4.1
AC主電源電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動
規格
IEC 61000-4-11 [21],IEC 61000-6-1 [19],IEC 61000-6-2 [20]
試験方法
主電源電圧の短時間低下
試料
中間範囲の水分及び安定した含水率をもつ1つの試料。許容でき
る穀物は,国家責任機関が規定する。小麦が推奨される穀物の種
類である。
各試験条件における1試料当たりの連続測定回数:10回
試験手順概略
4回の試験にわたり,EUTは,電圧低下及び変動する強さ及び継
続時間の停電にさらさなければならない。
定められた時間にわたってAC電源電圧の振幅を低減させるのに
適した試験発生器を使用する。試験発生器の性能は,EUTに接続
する前に検証しなければならない。
主電源電圧停電及び電圧低下は,1回の測定当たり少なくとも1回
の停電が起きるように,1回の測定に必要な時間未満の間隔で繰
り返さなければならない。必要回数の測定を可能にするために,
各試験には少なくとも10サイクル必要である。
各試験前と試験中に次を記録する。
a) 水分 測定値
b) 指示及び誤差
c) 機能的性能
試験の厳しさ
試験a) 周波数1/2サイクルに等しい期間にわたりUnomをゼロにする
試験b) 周波数1サイクルに等しい期間にわたりUnomをゼロにする
試 験 c) 周 波 数 25/30* サ イ ク ル に 等 し い 期 間 に わ た り Unom を
70 %低下させる
試験d) 周波数250/300*サイクルに等しい期間にわたり Unom を
ゼロにする
備考
* 数値は,それぞれ50 Hz及び60 Hz用である。
要件
すべての動作機能は,設計どおりに動作しなければならない(例
えば,指示器)。
水分測定に対する妨害の影響は,有意誤りを超えてはならない
か,計器が誤りを検出して対処しなければならない。(3.3.18及
び8.3.3を参照)
43
A.4.2
交流主電源上のバースト(過渡)
規格
IEC 61000-4-1 [8],IEC 61000-4-4 [21]
試験方法
電気的バースト
試料
中間範囲の水分及び安定した含水率をもつ1つの試料。許容できる穀物
は,国家責任機関が規定する。小麦が望ましい穀物の種類である。
各試験条件における1試料当たりの連続測定回数:10回
この試験は,二重指数関数波形の過渡電圧のバーストにEUTをさらすこ
とから成る。すべてのバーストは,同じ測定中に対称モード及び非対称
モードで印加しなければならない。
バースト発生器の特性は,EUTに接続する前に検証しなければならな
い。
試験の継続時間は,各振幅及び極性について1分未満であってはならな
い。主電源上の注入ネットワークは,バーストのエネルギーが主電源内
に放散することを防止するためのブロッキングフィルタを含まなけれ
ばならない。
試験前及びバーストの印加中に次を記録する:
a) 水分測定値
b) 指示及び誤差
c) 機能的性能
振幅(ピーク値):1 kV
繰返し率:5 kHz
1000 Vで,ランダムに整相した正のバーストを10回以上,及び負のバー
ストを10回以上,印加しなければならない。測定を実施するのに必要な
全時間にわたって,バーストを印可する。バーストを印加した状態で少
なくとも10回の測定を行わなければならない。
すべての動作機能は,設計どおりに動作しなければならない(例えば ,
指示器)。
PMB測定に対する妨害の影響は,有意誤りを超えないか,計器が誤りを
検出して対処しなければならない(3.3.18及び8.3.3を参照)。
試験手順概略
試験の厳しさ
試験サイクル数
要件
44
A.4.3
放射無線周波数電磁感受性
規格
IEC 61000-4-3 [22]
試験方法
放射電磁場
試料
中間範囲の水分及び安定した含水率をもつ1つの試料。許容できる穀物は,
国家責任機関が規定する。小麦が望ましい穀物の種類である。
試験手順概略
試験手順は,厳しさレベルで規定された電磁場強度及び引用規格で定めら
れた電磁場均一性へのEUTの暴露からなる。
規定された電界強度は,実際の試験前に(電界にEUTを置かずに)達成しな
ければならない。
電磁場は,2つの直交偏光で発生させなければならず,かつ周波数範囲はゆ
っくりとスキャンしなければならない。円偏波をもつ複数のアンテナ(すな
わち,ログスパイラルアンテナ又はヘリカルアンテナ)を使用して電磁場を
発生させている場合,アンテナ位置の変更は求められない。
無線通信に対する干渉を禁止する国際法に準拠するためにシールドルーム
で試験を実施する際,壁からの反射の取扱いに注意が必要である。
検討対象の周波数範囲は,被変調信号によって掃引し,休止して必要に応じ
てRF信号レベルの調整又は発振器及びアンテナを切換える。周波数範囲を
徐々に掃引する場合,刻み幅は直前の周波数の1 %を超えてはならない。
各周波数での振幅被変調搬送波の滞留時間は,EUTが励起されて応答するの
に必要な時間以上でなければならないが,決して0.5秒未満であってはならな
い。
有効周波数(例えば,クロック周波数)は,別途解析しなければならない。
試験前,次に放射電磁場のある状態で次を記録する。
a) 水分測定値
b) 指示及び誤差
c) 機能的性能
電磁周波数範囲:26 MHz~2 GHz。26~80 MHzの周波数範囲については,
試験所は,A.4.4 導電無線周波数電磁場に従って試験を実施してもよい。”
電磁場強度:放射 10 V/m
変調:80 % AM,1 kHz正弦波
すべての動作機能は,設計どおりに動作しなければならない(例えば,指示器)。
水分測定に対する妨害の影響は,有意誤りを超えないか,計器が誤りを検出
して対処しなければならない(3.3.18及び8.3.3を参照)。
放射電磁場は,さまざまな設備の中で作り出すことができるが,その利用
は,EUTの寸法及び設備の周波数範囲によって制限される。
a) ストリップ線路は,低周波数(30 MHz未満又は場合によっては150
MHz)で,小さいEUTに用いられる
b) 長いワイヤは,低周波数(30 MHz未満)で,より大きなEUTに用いられる
c) EUTから1 m以上に置いたダイポールアンテナ又は円偏波をもつアン
テナは,高周波数で用いられる
試験の厳しさ
要件
備考
45
A.4.4
伝導無線周波数電磁場
規格
IEC 61000-4-6 [16]
試験方法
伝導電磁場
試料
中間範囲の水分及び安定した含水率をもつ1つの試料。許容できる穀物
は,国家責任機関が規定する。小麦が望ましい穀物の種類である。
各設定における1試料当たりの連続測定回数:周波数範囲全体の掃引に
わたって可能な限り多く
試験手順は,無線周波数EM電流を使用して,引用規格で定められた結
合/減結合装置を用いて,EUTの電源ポート及びI/Oポートに連結又は
挿入された電磁場の影響をシミュレートすることからなる。
RF発生器,結合装置,減衰器などで構成される試験装置の性能を検証し
なければならない。
試験前に,次に伝導電磁場のある状態で,次を記録する。
a) 水分測定値
b) 指示及び誤差
c) 機能的性能
EM周波数範囲:0.15~80* MHz
*26~80 MHzの周波数範囲については,試験所はA.4.3に従って試験を
実施してもよい。しかし,異議がある場合は,A.4.4に従った試験で得ら
れた結果を優先させなければならない。
RF振幅(50 Ω):10 V(e.m.f.)
変調:80 % AM,1 kHz正弦波
すべての動作機能は,設計どおりに動作しなければならない(例えば ,
指示器)。
水分測定に対する妨害の影響は,有意誤りを超えないか,計器が誤りを
検出して対処しなければならない(3.3.18及び8.3.3を参照)。
試験手順概略
試験の厳しさ
要件
46
A.4.5
静電放電
規格
IEC 61000-4-2 [17]
試験方法
静電放電(ESD)
試料
中間範囲の水分及び安定した含水率をもつ1つの試料。許容できる穀物
は,国家責任機関が規定する。小麦が望ましい穀物の種類である。
各条件における1試料当たりの連続測定回数:10回
150PFのキャパシタは,適切な直流電圧電源で充電する。次に,キャパ
シタは,一方の端子を接地(シャーシ)に,もう一方の端子を 330 Ωを
介して操作者が通常手が届く表面に接続することによってEUTを経由
して放電させる。
試験には,適切な場合,塗料貫通法が含まれる。直接放電の場合,空気
放電は,接触放電法が適用できない場合に,使用しなければならない。
試験開始前に,ESD発生器の性能を検証しなければならない。
接地端子を備えていないEUTについては,そのEUTを放電と放電の間に
完全に放電させなければならない。
直接印加:
導電面で使用する直接放電モードでは,電極は,EUTに接触していなけ
ればならない。
絶縁面での空気放電モードでは,電極をEUTに接近させると,火花によ
って放電が発生する。
間接印加:
放電は,接触モードで,EUTの近傍に取り付けた結合面に印加する。
試験前に,次にESD印加中に,次を記録する。
d) 水分 測定値
e) 指示及び誤差
f)
機能的性能
空気放電電圧:2,4,6,8 kV
接触放電電圧:2,4,及び6 kV
1回の測定中に,少なくとも1回の直接放電及び1回の間接放電を印加し
なければならない。放電を印可した状態で,少なくとも10回の放電を行
わなければならない。連続放電の時間間隔は,10秒以上でなければなら
ない。
すべての動作機能は,設計どおりに動作しなければならない(例えば,
指示器)。
水分測定に対する妨害の影響は,有意誤りを超えないか,計器が誤りを
検出して対処しなければならない(3.3.18及び8.3.3を参照)。
試験手順概略
試験の厳しさ
試験サイクル数
要件
47
第3部:型式評価の報告書様式
附属書B. 穀物及び油脂種子の穀物水分計の型式評価のための試験報告書様式
B.1
はじめに
この試験報告書様式の実施は,国家規則の中におけるOIML勧告R 59の実施に関しては参考
である。しかし,この試験報告書様式の実施は,計量器のOIML証明書制度の枠組みの中では
強制となっている。
参照についての備考:すべての参照は,OIML R 59 2014に対するものであり,この試験報告
書様式の本文中では“R 59”と称される。
この試験報告書様式は,穀物及び油脂種子の水分を測定するためのあらゆる種類の計器に
(その技術に関係なく)適用される。この試験報告書様式は,穀物及び油脂種子の水分を測
定するための計器の型式を,このOIML勧告に基づくその型式の承認を得るために受けなけ
ればならない,R 59(2009)の附属書 Aに記述されたさまざまな試験及び審査の結果の標準
化した様式を表している。
OIML R 59に又はR 59に基づいた国家規則若しくは地域規則に則って穀物及び油脂種子の水
分を測定するための計器の型式の評価及び/又は試験を行うすべての計量サービス又は試
験所は,この試験報告書様式をそのまま,又は英語若しくはフランス語以外の原語に翻訳し
た後で,使用することが推奨されている。翻訳の場合,その構成及び節番号を変え ずにその
ままにしておくよう強く推奨されている。こうすることで,目次のほとんどは,その翻訳言
語を読むことができない者にも理解できる。使用者は,必要に応じて ,ます目の長さを自由
に変えてよい(例えば,“備考”)が,これは特別な事例の一つである。
この試験報告書様式の実際の適用において は , 附属 書 Bの1章,2章及び3章を含める必要は
ない。これらは,発行機関及び/又は国の習慣又は法令に従って,表紙ページで置き換える
ことが可能である。したがって,xxxxx章だけを含めなければならない。
また,英語版又はフランス語版(又は両言語版)のこの試験報告書様式は,別の国の該当す
る管轄機関から国家型式承認又は地域型式承認を発行するために要請されたときは,試験
を実施した国からその管轄機関に送ることが推奨されている。
B.2
この報告書様式の適用性
計量器のOIML証明書制度 ,並びにR 59に適合する穀物及び油脂種子の水分を測定するため
の計器に適用されるOIML相互受入れ取決め(MAA)の枠組みの中では,必要に応じてこの
ような証明書を発行する国の公用語に翻訳したものと共にフランス語及び/又は英語で ,
この試験報告書を使用することは強制である。
48
B.3
この試験報告書様式の適用の手引き
合格
処置
計器が試験に合格した:
計器が試験で不合格になった:
試験が適用できない:
試験を実施することができない:
B.4
不合格
試験の結果は,次の例に従って記録しなければならない。
X
NA
○
X
NA
○
申請者の情報,責任機関及びその他の試験所
申請者
会社名
名称:
住所:
市:
国:
州:
郵便番号:
代理人又は窓口:
電話(該当する場合,内線番号を記載):
電子メール:
OIML報告書の責任試験所当局:
名称:
住所:
ファクス:
ウェブサイト:
報告書番号:
申請番号:
試験日:
報告書発行日:
試験報告書責任者:
試験を実施したその他の試験所(試験を実施した全試験所の完全な情報)
名称:
住所:
申請番号:
当該試験所が実施した試験:
試験日:
試験所認定機関:
認定番号及び満了日:
試験所敷地外で実施した試験の場所及び種類:
責任者氏名及び署名:
署名日:
備考:
49
又は外部審査日:
B.5.
型式に関する一般情報
測定技術(NIR,誘電計器など)
製造事業者(申請者と異なる場合)
機種:
製造番号(試験対象装置):
試作装置:□生産装置:□提出した操作説明書(入手可能な場合):□あり□なし
B.6
機能
各機能を,標準機能はS,選択機能(すなわち,標準装置の一部として含まれる機能に追加して
利用できる機能)はOとマークし,該当しない場合は空欄とする。該当する機能すべてをチェッ
クする。このリストの最後の“その他”の下に追加的機能を記載する。
B.6.1 表示,制御装置及び記録要素:
チケット印字装置
LEDディスプレイ
テープ印字装置
穀物選定方法
ラベル印字装置
メニュー
感熱式プリンタ
その他
ドットマトリクスプリンタ
英数字キーボード
時間及び日付を印刷
識別番号を印刷
連続チケット番号付与
その他:
水分率表示
印字装置インターフェース機能
エラーメッセージ表示
可変印字様式
英数字表示
内蔵印字装置
液晶表示
その場合は型式/機能を示すこと
遠隔顧客表示
B.6.2
その他の機能
監査証跡
電池電源交流から直流
アダプタ
電池節約機能
(自動遮断)
コメント:
B.7
温度範囲
規定温度範囲(環境):
規定温度差(室温から穀物温度まで):
規定穀物温度範囲(下記第11章を参照)
50
B.8 水分増分,文字高さ,レベル指示器,試料サイズ及び予熱
最小水分増分値:
デジタル表示文字高さ:
装置にはレベル指示器が備えられているか:□はい□いいえ
規定最小試料サイズ:
規定予熱時間:
B.9 電源
計器電源要件:
公称電圧:
公称周波数:
電池動作規定電圧範囲:
電池動作式であるか
B.10
□はい□いいえ
遠隔通信及び封印方法
遠隔通信機能 □あり□なし
封印手段:該当するものをすべて示し,簡単に説明すること:
□監査証跡
□ワイヤ安全防護封印
□その他:
51
B.11
計器承認の対象となる穀物の種類及び水分範囲
*穀物の種類
*型式評価
要求水分範囲
トウモロコシ
12~18 %
大豆
10~16 %
硬質赤色冬小麦
10~16 %
デューラム小麦
10~16 %
軟質白小麦
10~16 %
硬質赤色春小麦
10~16 %
軟質赤色冬小麦
10~16 %
硬質白小麦
8~14 %
二条大麦
10~16 %
六条大麦
10~16 %
オート麦
ヒマワリの種
(油脂タイ
プ)
製造事業者が規定する
水分範囲
校正データが提出
されている穀物を示す
8~14 %
6~12 %
長粒もみ
10~16 %
中粒もみ
穀実用モロコシ
又はミロ
10~16 %
10~16 %
* これらの列は,例として挙げてあるだけである。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価
プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択してもよい。
B.12
参照方法
水分を求めるための試験所の参照方法を特定すること:
52
試験報告書
電源
必要な機器
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
温度
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
可変自動変圧器2台,電圧計
22 ℃± 2 ℃
22 ℃± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
あり
10回
計算
計器ID
公称電圧
__
(1)
公称電圧
における
平均計器
水分値
測定値
低電圧
__
高電圧
__
公称電圧
__
低電圧
(2) __
高電圧
__
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
6
7
8
9
10
6
7
8
9
10
6
7
8
9
10
6
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
7
8
9
10
6
7
8
9
10
6
7
8
9
10
低電圧
における
平均計器
水分値
結果
高電圧
における
平均計器
水分値
追加コメント:
53
公称電圧, 反復測定 公称電圧,
低電圧,
のSD
低電圧,
高電圧間の
高電圧間の
水分値の差 (最大= 最大差の
0.10 %)
MPE
コメント
不合格
B.13.1
合格
B.13
貯蔵温度
必要な機器
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
温度
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
環境キャビネット
22 ℃ ± 2 ℃
22 ℃ ± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
あり
10
測定値
温度
サイクル前
(1)
温度
サイクル後
温度
サイクル前
(2)
温度
サイクル後
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
6
7
8
9
10
1
6
2
3
4
5
1
2
3
4
5
7
8
9
10
6
7
8
9
10
結果
温度
温度
温度
サイクル
サイクル
サイクル
前の
後の
前後の
平均値
平均値
平均値の差
温度サイクル
の前後の
平均値の差の
MPE
表5.4.1
列3
合格
計器ID
計算
不合格
B.13.2
コメント
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択し
てもよい。
追加コメント:
54
計器のレベリング(水準器のない計器)
必要な機器
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
基準傾斜:
傾斜角度(前又は後ろ)及び(右又は左)最小2方向の傾斜:
反復回数:
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
水平
(1)
右又は左傾斜
-(影響が最
大の方向を選
択)
前又は後ろ傾
斜-(影響が
最大の方向を
選択)
水平
(2)
右又は左傾斜
-(影響が最
大の方向を選
択)
前又は後ろ傾
斜-(影響が
最大の方向を
選択)
基準位置
傾斜位置
計算
傾斜位置
計器ID
測定値
傾斜時
平均
基準時
平均
結果
傾斜位置と
基準位置の
平均差
傾斜時と基準時の
平均値の最大差の
MPE
表 5.4.1列 3
不合格
温度
シム
22 ℃± 2 ℃
22 ℃± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
なし
計器水平位置から0.1°
5%
5 回
合格
B.13.3
コメント
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択し
てもよい。
追加コメント:
55
計器のレベリング(レベル指示器を備えた計器)
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
温度
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
基準傾斜:
傾斜角度(前又は後ろ)及び(右又は左)最小2方向の傾斜:
反復回数:
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
水平
(1)
前又は後ろ傾
斜-(影響が
最大の方向を
選択)
水平
(2)
右又は左傾斜
-(影響が最
大の方向を選
択)
前又は後ろ傾
斜-(影響が
最大の方向を
選択)
基準位置
傾斜位置
右又は左傾斜
-(影響が最
大の方向を選
択)
計算
傾斜位置
計器ID
測定値
シム
22 ℃± 2 ℃
22 ℃± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
なし
計器水平位置から0.1°
レベル指示器の限度値までの試験
5
傾斜時
平均
基準時
平均
結果
傾斜位置と
基準位置の
平均差
傾斜時と基準時の
平均値の最大差の
MPE
表 5.4.1
列3
不合格
必要な機器
合格
B.13.4
コメント
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択し
てもよい。
追加コメント:
56
B.13.5 計器予熱
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
温度
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
非該当
22 ℃± 2 ℃
22 ℃± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
なし
5 回
計器ID
予熱後
平均
測定値
予熱後
(1)
1時間後又は
製造事業者
による規定
予熱時間の
2倍後の平均
結果
予熱時間
の平均値
の差
予熱時間の
平均値の差の
MPE
表5.4.1
列3
合格
計算
不合格
必要な機器
コメント
1
2
3
4
5
1
計器の電源投入後1時間 2
又は製造事業者の
予熱時間の2倍
3
4
(どちらか大きい方)
5
予熱後
(2)
1
2
3
4
5
1
計器の電源投入後1時間 2
又は製造事業者の
3
予熱時間の2倍
4
(どちらか大きい方)
5
*単なる例。国家責任機関は,R59 の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択し
てもよい。
追加コメント:
57
湿度
計器
穀物
*穀物
*水分範囲
温度
使用試料
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
環境チャンバ
22 ℃± 2 ℃
22 ℃± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
12 %~14 %
なし
なし
10 回
計器ID
計算
湿度20 %
における
平均値
測定値
湿度
20 %
(1)
湿度
90 %
湿度
20 %
(2)
湿度
90 %
1
2
3
4
5
1
6
7
8
9
10
6
2
7
3
8
4
5
9
10
1
2
3
4
5
1
6
7
8
9
10
6
2
3
4
5
7
8
9
10
湿度90 %
における
平均値
結果
湿度20 %
と90 %の
平均値の差
湿度20 %と
90 %の平均値
の差のMPE
表5.4.1
列3
不合格
必要な機器
合格
B.13.6
コメント
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択
してもよい。
追加コメント:
58
計器安定性
必要な機器
計器
穀物
* 穀物
穀
* 水分範囲
物
温度
使用試料
*
6 %水分
範囲
HRW小麦
計器1
10~12 %
12~14 %
HRW小麦
計器2
14~16 %
あり
なし
5 回
型式評価後
予熱後の
の測定値
測定値
(4~6週間)
1
2
1
2
3
3
4
5
4
5
1
2
2
1
2
2
3
3
4
4
5
5
1
2
2
1
2
2
3
4
3
4
5
5
1
2
10~12 %
3
1
2
3
4
5
1
2
2
4
5
1
2
2
3
3
4
5
1
2
2
4
5
1
2
2
3
4
5
3
4
5
12~14 %
14~16 %
予熱後の15
回の測定値
の平均値
結果
型式評価後の
15回の測定値
の平均値
(4~6週間)
予熱後平均
値と型式
評価後の
平均値の差
不合格
*
穀物の酒類
計器ID
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
非該当
22 ℃ ± 2 ℃
22 ℃ ± 2 ℃
HRW(硬質赤色冬)小麦
HRW 小麦:10~ 12 %, 12 %~
14 %,14~16 %で各1個
合格
B.13.7
コメント
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を
選択してもよい。
59
計器温度感度
必要な機器
温度計,穀物サンプルデバイダ―,環境チャンバ
温度
計器
22 ℃ ± 2 ℃,±製造事業者が指定した低温及び高温動作限度値
穀物
22 ℃ ± 2 ℃,±製造事業者が指定した低温及び高温動作限度値
*穀物
使用試料
*水分範囲
HRW小麦
計器1
12~14 %
14~16 %
HRW小麦
10~12 %
計器2
なし
なし
3 回
低温
高温
22℃- 22℃+
室温の
△T
△T
*
穀物
穀物
穀物
6 %水分 22℃
及び
及び
範囲
測定値
計器
計器
測定値 測定値
10~12 %
12~14 %
14~16 %
HRW 小麦:10~12 %,12 %~14 %,14~16 %で各1個
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
1
1
1
2
2
2
3
3
3
結果
22℃,22℃-△t,
22℃+△tにおける
平均値
平均温
度の差
のMPE
表5.4.1
列2x0.8
室温測
定値-
低温測
定値の
平均差
室温測
定値-
高温測
定値の
平均差
不合格
*
穀物の酒類
計器ID
各モデルに必要な個別試料:
各計器に必要な個別試料:
反復回数:
HRW(硬質赤色冬)小麦
合格
B.13.8
コメント
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
22℃ 22℃-△t 22℃+△t
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択
してもよい。
追加コメント:
60
B.13.9 試料温度感度 (2の1ページ)
温度計,環境キャビネット
22 ℃ ± 2 ℃
22 ℃ ± 2 ℃ ±製造事業者温度差
HRW(硬質赤色冬)小麦,大豆,トウモロコシ
HRW 小麦:10~12 %,12 %~14 %,14~16 %で各2個
大豆:10~12 %,12 %~14 %,14~16 %で各2個
トウモロコシ:12 %~14 %,14~16 %,16~18 %で各2個
あり
なし
3 回
温度
使用試料
*水分範囲
*
穀物の種類
計器ID
各モデルに必要な個別試料
各計器に必要な個別試料
反復回数
*
6%
水分
範囲
HRW小麦
10~
12 %
12~
14 %
14~
16 %
大豆
計器1
10~
12 %
12~
14 %
14~
16 %
トウモロコシ
12~
14 %
14~
16 %
16~
18 %
室温の穀物
22℃測定値
低温
22℃-△t
穀物測定値
高温
22℃+△t
穀物測定値
試料
1
試料
2
試料
1
試料
2
試料
1
試料
2
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
試料温度感度 (ページ2の2)
61
結果
22℃,22℃-
△t,22℃+ 室温測定値 室温測定値
△tにおける -低温測定 -高温測定
すべて 6 %の 値の平均差 値の平均差
平均値
22℃
22℃-△t
22℃+△t
22℃
22℃-△t
22℃+△t
22℃
22℃-△t
22℃+△t
不合格
計器
穀物
*穀物
合格
必要な機器
コメント
HRW小麦
12~14%
14~16 %
大豆
10~12 %
12~14%
14~16 %
12~14 %
トウモロコシ
高温
22℃+△t
穀物測定値
14~16%
16~18 %
結果
試料
1
試料
2
試料
1
試料
2
試料
1
試料
2
22℃,22℃
-
△t,22℃+
△tにおける
すべて 6 %
の
平均値
1
1
1
1
1
1
22℃
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
室温測定
値-
低温測定
値
の平均差
室温測定
値-
高温測定
値
の平均差
不合格
*
6%
水分範囲
10~12 %
計器2
低温
22℃-△t
穀物測定値
合格
穀物の種類
計器ID
室温の穀物
22 ℃測定値
コメント
22℃-△t
22℃+△t
22℃
22℃-△t
22℃+△t
22℃
22℃-△t
22℃+△t
*単なる例。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択し
てもよい。
追加コメント:
62
B.13.10 正確さ試験
12~14 %
10
14~16 %
10
16~18 %
10
10~12 %
10
HRW小麦 12~14 %
10
14~16 %
10
10~12 %
10
12~14 %
10
14~16 %
10
トウモロ
コシ
大豆
30
30
30
30
30
30
(1)
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
30
30
30
30
30
30
(1)
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
30
30
30
30
30
30
(1)
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
y
不合格
2 %の 各計器全測定値
計器ID
に対する
水分間隔
(1)__
ごとの
各試料3xを
(2)__
試料数
分析
合格
表5.4.1
列2に
定めた
MPE
SDD
*
6%
水分
範囲
基準結果
*
穀物の
種類
計器結果
結果
コメント
* これらの列は,例として挙げてあるだけである。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラムの中
に含む穀物及び水分範囲を選択してもよい。結果を記録するために適切な数の枠を追加すること。
追加コメント:
63
B.13.11 繰返し性
12~14 %
10
トウモロ 14~16 %
コシ
16~18 %
10~12 %
HRW
小麦
12~14 %
10
10
10
10
14~16 %
10
10~12 %
10
12~14 %
大豆
10
14~16 %
10
30
(1)
30
(2)
30
(1)
30
(2)
30
(1)
(2)
30
30
(1)
30
(2)
30
(1)
30
30
(2)
30
(2)
30
(1)
30
(2)
不合格
計器 ID
(1)__
(2)__
共同SD(2)
全測定値に
対する
各試料3x
を分析
共同SD(1)
2 %の
水分間隔
ごとの
試料数
SD
*
穀物の
種類
表5.4.1
列 4に
定めた
MPE
合格
結果
各計器の
*
6%
水分
範囲
コメント
(1)
30
(1)
30
(2)
30
(1)
30
(2)
* これらの列は,例として挙げてあるだけである。国家責任機関は,R59の6.1及び第7章による型式評価プログラ
ムの中に含む穀物及び水分範囲を選択してもよい。結果を記録するために適切な枠を追加すること。
追加コメント:
64
B.13.12 再現性
12~14 %
トウモロ
コシ
14~16 %
16~18 %
10~12 %
HRW
小麦
12~14 %
14~16 %
10~12 %
大豆
12~14 %
14~16 %
10
10
10
10
10
10
10
10
10
各計器の
全測定値に
対する
各試料3x
を分析
計器 ID
30
30
30
30
30
30
(1)
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
30
30
30
30
30
30
(1)
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
結果
30
(1)
30
30
30
30
30
(2)
(1)
(2)
(1)
(2)
不合格
2 %の
水分間隔
ごとの
試料数
合格
表5.4.1
列4に
定めた
MPE
SDD
*
6%
水分
範囲
平均
*
穀物の
種類
コメント
* これらの列は,例として挙げてあるだけである。国家責任機関は, R59の6.1及び第7章による型式評価プ
ログラムの中に含む穀物及び水分範囲を選択してもよい。結果を記録するために適切な枠を追加すること。
追加コメント:
65
B.13.13 交流主電源電圧ディップ及び短時間停電
オブザーバ
開始時
終了時
計器 1 ID
温度
℃
計器 2 ID
RH
%
試料 ID
月/日/年
時/分/秒
日付及び時間
平均
n = 10
試験についてのその他詳細を書き留めること
基準水分
誤差シフト限度値
(表5.4.1,列3を参照)
結果
電圧低下
継続時間サ
イクル
試験
設定
電圧低下
%
新規
低下
V
1
0
100
0.5
2
0
100
1
3
0
70
25/30
4
0
100
250/300
水分の読み
n = 1回の電圧低下
当たり10回の読み
66
差
(測定水分
-基準水
分)
差が誤差
シフト限
度値以下
の場合、
合格
差が誤差
シフト限
値以上
の場合、
不合格
コメント
B.13.14 交流電源上のバースト(過渡)
開始時
オブザーバ
終了時
計器 1 ID
温度
℃
計器 2 ID
RH
%
日付及び時間
試料 ID
L = 相,N = 中性,PE = 保護接地,
G = 接地
月/日/年
時/分/秒
試験についてのその他詳細を書き留めること
誤差シフト限度値
(表5.4.1,列3を参照)
試験電圧(kV)
& 極性
接続
設定
結果
予備試験及び試験の測定
バースト前の測定
n = 1回の
電圧低下
当たり
10回の
読み
平均
試験
n = 1回の
電圧低下
当たり
10回の
読み
差
(測定水
分-基準
水分)
L
↓
G
N
↓
G
PW
↓
G
67
差が誤差
シフト限度
値以下の場
合、合格
差が誤差
シフト限度
値以上の場
合、不合格
有意誤り
を検出&
対処
コメント
B.13.15 放射無線周波数電磁場
開始時
オブザーバ
計器 1 ID
計器 2 ID
試料 ID
V = 垂直
終了時
温度
RH
℃
%
月/日/年
時/分/秒
日付及び時間
H = 水平
試験についてのその他詳細を書き留めること
誤差シフト限度値
(表5.4.1,列3を参照)
妨害前の測定
(参照)
アンテナ
偏波
位置
設定
n = 1位置
当たり
10回
の読み
試験
平
均
周波数
(MHz)
結果
水分
測定
n=
周波数
当たり
10回
26
V
2000
前面
26
H
2000
26
V
2000
左面
26
H
2000
26
V
2000
右面
26
H
2000
26
V
2000
背面
26
H
2000
68
差
(測定
水分
-平均
基準
水分)
差が
誤差
シフト
限度値
以下の
場合、
合格
差が
誤差
シフト
限度値
以上の
場合、
不合格
有意
誤り
を
検出&
対処
コメント
B.13.16 伝導無線周波数電磁場
開始時
オブザーバ
終了時
計器 1 ID
温度
℃
計器 2 ID
RH
%
日付及び時間
試料 ID
月/日/年
時/分/秒
試験についてのその他詳細を書き留めること
誤差シフト限界
(表5.4.1,列3を参照)
n = 10
回
の読
み
平
均
試験
水分測定n =
周波数当たり
10回
ケーブル
又は
干渉の
名称
妨害前の測定
(参照)
周波数
(MHz)
設定
結果
差
(測定
水分
-平均
基準
水分)
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
0.15
80*
* 26 MHzまでの試験が可能である。4.4を参照。
69
差が誤差
シフト
限度値
以下の
場合
合格
差が誤差
シフト
限度値
以上の
場合
不合格
有意誤
りを
検出&
対処
コメント
B.13.17 静電放電
直接印加
B.13.17.1
開始時
オブザーバ
計器 1 ID
計器 2 ID
終了時
温度
RH
日付及び時間
試料 ID
接触放電(Y又はN)
塗料貫通(Y又はN)
空気放電(Y又はN)
℃
%
月/日/年
時/分/秒
試験についてのその他詳細を書き留めること
誤差シフト限界
(表5.4.1,列3を参照)
妨害前の測定
(参照)
極性
試験電圧(kV)
設定
n = 1位
置
当たり
10回
の読み
平均
結果
n = 各極
性及び試
験電圧当
たり10回
差
(測定
水分
-平均
基準
水分)
+
2
-
+
4
-
+
6
-
+
8
-
70
差が誤差
シフト
限度値
以下の
場合
合格
差が誤差
シフト
限度値
以上の
場合
不合格
有意誤りを
検出&対処
コメント
間接印加
B.13.17.2
オブザーバ
計器 1 ID
計器 2 ID
開始時
終了時
温度
RH
℃
%
日付及び時間
試料 ID
V = 垂直
月/日/年
時/分/秒
H = 水平
V2
垂直結合面位置については図を参照
計器
V1
接合
面
位置
試験
電圧(kV)
設定
結果
妨害前の測定
(参照)
n = 試験電
圧当たり10
回の読み
V3
前面
V4
誤差シフト限界
(表5.4.1,列3を参照)
平
均
水分測定
n = 試験電
圧
当たり10回
差
(測定水分
-平均
基準水分)
2
H
4
6
2
VI
4
6
2
V2
4
6
2
V3
4
6
2
V4
4
6
71
差が誤差
シフト限度
値以下の場
合、合格
差が誤差
シフト限度値
以上の場合
不合格
有意誤
りを
検出&
対処
コメント
型式評価試験結果の要約
試験
A.1.2
A.1.3
A.1.4
A.2
A.2.2
正確さ
繰返し性
再現性
基本計器試験-影響因子
計器安定性
A.2.3
A.2.4
A.2.4.1
A.2.4.2
計器予熱時間
計器電源
主電源電圧変動
(主電源に接続されていない)
内蔵電池の低電圧
A.2.5
A.2.6
A.2.6.1
A.2.6.2
A.2.7
A.2.8
A.3
A.4
A.4.1
計器貯蔵温度
計器レベリング
レベル指示器のない計器
レベル指示器を備えた計器
湿度
計器温度感度
試料温度感度
電子計器の妨害試験
交流電源電圧ディップ,短時間停電及び
電圧変動
交流電源上のバースト(過渡)
放射無線周波数電磁感受性
伝導無線周波数電磁場
静電放電
A.4.2
A.4.3
A.4.4
A.4.5
72
不合格
節
合格
報告書
ページ
申請番号:_______________
型式名称:_______________
備考
節
技術要件
6.1
穀物及び最小水分範囲
6.2
計器に対する穀物の選定
6.3
最小試料サイズ
6.4
数量及び温度の測定
6.5
計器予熱時間
6.6
デジタル表示及び記録要素
6.7
データ保存
6.8
外部データ保存
6.9
水分計の構造
6.10
マーキング
6.11
動作範囲の環境温度
6.12
封印及び校正の安全防護の備え
6.13
製造事業者の説明書
6.14
水分計及び測定動作の視認性
6.15
電源
6.16
電池作動計器
6.17
レベル指示手段
6.18
ソフトウェア制御電子装置及び安全防護
73
不合格
合格
技術要件チェックリスト
コメント
附属書C.
封印の原理(参考)
この附属書は,穀物水分計量器のどのパラメータが封印を必要とするかを決定するための考察
に着目したものである。また,この附属書は,計量の監査証跡など封印方法の例,及び有効な
封印の最低要件も提供する。
C.1
この附属書特有の用語
C.1.1
調整モード
計量器の動作モードの1つで,使用者が構成パラメータの変更を含む封印可能パラメータの変
更を行うことができる。
C.1.2
調整
計器の封印可能校正パラメータの値又は封印可能構成パラメータの値の変更。
C.1.3
監査証跡
計量器の校正パラメータ又は構成パラメータの値の変更の電子計数及び/又は情報の記録。
C.1.4
封印可能ハードウェアの有効化/禁止
遠隔構成が行える計器に取付けた二位置スイッチなど物理的封印が可能なハードウェアで,そ
の計器の封印可能パラメータを遠隔装置から変更することを許容し,かつ禁止する。
C.1.5
事象(イベント)
調整モード時の次のいずれかの行為:

構成パラメータに1つ以上の変更を行う

校正パラメータの1つの値(又は1組の値)に調整を加えること(例えば,装置出力を線形
化するために1組の校正係数の調整)
なんの調整も加えない場合は,事象は存在しない。集中型監査証跡の場合,複数の装置に送ら
れた同一パラメータの同一の値は,同一事象と見なさなければならない。集中型イベントロガ
ーの場合は,そのイベントロガーが,変更された装置及びパラメータの両方を特定しなければ
ならない。
C.1.6
事象計数器
封印可能パラメータの変更を可能にするモードに入る度に,かつ計器の封印可能校正パラメー
タに1つ以上の変更が行われる度に1回増分するリセット不能計数器。
C.1.7
イベントロガー
各記録が封印可能パラメータの変更に対応する事象計数器からの数字,変更されたパラメータ
の識別情報,パラメータが変更された時間及び日付並びにそのパラメータの新たな値を含む一
連の記録を収めた監査証跡の一様式。
C.1.8
物理的封印
封印が必要な調整可能機構へのアクセスを検出するための装置を封印するために用いられる
鉛及びワイヤなどの物理的手段。
C.1.9
遠隔構成機能
74
それ自体は測定動作に必要ではない若しくは計器の常設部分ではな い何らかの他の装置から
又はその装置を介して計量器の調整又はその封印可能パラメータを変更する機能。
C.1.10 遠隔装置
(1)計器の測定動作若しくは商用測定で利用できる1つ以上の動作モードでの取引情報の計
算には必要ない,又は(2)計量器の常設部分ではない,装置。この附属書の文脈の中では,
遠隔装置は,計量器の調整又はその封印可能構成パラメータの変更を行う機能をもつ。
C.1.11 遠隔構成可能な装置
あらゆる種類の通信リンクで,地理的に局所若しくは遠隔のコンソール又はコンピュータなど
の別の装置からダウンロードすることによって,封印可能な構成若しくは校正パラメータの値
のすべて又は一部の削除,追加,部分的変更若しくは置換えを可能にする遠隔構成機能を備え
た計量器。
C.1.12 封印
動詞として,装置を封印することは,調整及びその他の封印可能パラメータへのアクセスを検
出できるように装置を安全な状態にすることである。
C.1.13 封印可能パラメータ
封印する必要がある校正パラメータ及び構成パラメータ。
無制限なアクセスとは,物理的な防護封印が存在せず,受信装置の動作状況に従って,権限を
もつ操作者の要請でいつでも遠隔装置から封印可能パラメータへのアクセスが利用できるこ
とを意味する。
C.2
封印すべき機構を決定するための原則
いずれかの機能を封印する必要性は,次によって決まる:

不正を行いやすくするために使用できる機能又は機能の選択の容易さ

その機能の使用が不正の不検出につながる可能性
使用する穀物校正の選択など操作者が日常的に装置の操作の一部として使用する機構又は機
能は,封印可能パラメータではなく,封印してはならない。
1つのパラメータ又は1組のパラメータの選択が,結果的に異なる国のパラメータの選択など
明らかにエラーとなる動作につながる場合,これらの機構の選択を封印する 必要はない。
個別の装置の特性が“メニュー”又は一連のプログラム手順で選択できる場合は,“プログラ
ミング・モード”へのアクセスは封印しなければならない。
備考:監査証跡が唯一の安全防護の手段である場合は,この監査証跡は,少なくとも 1つの封
印可能パラメータを変更した後にだけ更新しなければならない。すなわち単にメニューを介し
た封印可能パラメータへのアクセスで,監査証跡が更新してはならない。
物理的な安全防護手段で保護されたパラメータについては,一旦計器に物理的封印が付けられ
れば,その物理的封印を破壊することなく,それらのパラメータに計量上の変更を加えること
75
が可能であることは望ましくない。電子的な安全防護手段で保護されたパラメータについて
は,変更を監査証跡に反映させることなく,それらのパラメータに計量上の変更を加えること
が可能であることは望ましくない。これらの原則は,あらゆる計量上の調整へのアクセスを保
護するための規定を対称としているため,この原則をすべての電子装置の型式に一貫して適用
することが望ましい。
ワイヤを切断し,パラメータを再起動するために切断部分を物理的に修復するなど,装置に物
理的行為が加えなければならない場合,この物理的修復プロセスは,物理的封印又は監査証跡
を必要とせずにパラメータを選択するための許容可能な方法と見なされる。
C.3
封印すべき代表的な機構及びパラメータ
次は,封印すべきパラメータの例を示している。これらの例は,手引きのために示されており,
可能性のあるすべてのパラメータを網羅することは意図していない。
C.3.1
校正パラメータ
校正パラメータは,測定又は性能の正確さに影響を与えうる調整可能パラメータであり,その
値は装置の正確さを保つために継続的に更新する必要がある。校正パラメータは, 3つのカテ
ゴリに分類することができる。
(1) 測定中の物理的パラメータの変更に対する計器の応答を標準化又は正規化するため
に調整されるパラメータ。例には,ゼロ設定及び試験点調整,温度検出部ゼロ及びス
パン調整,増幅器のゲイン設定値,可視光標準化調整などが含まれる。これらは,通
常,製造事業者又は十分な資格のあるサービス担当者によって設定されるパラメータ
である。
(2) 所与の穀物の種類のための同じ型式の全計器に共通するパラメータ(例えば,穀物校
正計数)。承認証明書は,特定型式の穀物たんぱく質計量器での使用を承認された各
穀物の種類に対し,校正係数(又は一意の識別子)を列記する。
(3) 類似の計器での水分の読みを標準化するために,各穀物の種類に対して調整されるパ
ラメータ(例えば,スロープ及びバイアスの設定)。
C.3.2
構成パラメータ
構成パラメータは,取引の正確さに影響を与える可能性又は装置の不正使用の可能性を著しく
高める可能性のある調整可能又は選択可能パラメータであり,その値は,計器設置中又は構成
部品交換時だけに更新する必要があり,初期設置設定が行われた後の変更は予期されていな
い。
(1) システム日付及び時間(監査証跡情報としてイベントロガーが使用される場合だけ)
(2) 最小指示値及び記録された水分
(3) 試料サイズ及び/又は測定した補助部分の数(個別校正で決定されない場合)
(4) 封印可能パラメータへのアクセスのためのパスワード(使用される場合)
(5) 法定関連ではない構成成分値の表示の有効化/無効化
(6) 結果表示及び記録の様式
(7) 動作範囲限界(例えば,温度)
(8) 限界を超えた条件での結果の表示又は記録の有効化/無効化
76
C.3.3
穀物水分計の機構及びパラメータ
封印すべき代表的機構又はパラメータ
測定要素の調整
(機械的調整及び電子的調整のいずれも)
重量検出調整
(機械的調整及び電子的調整のいずれも)
温度検出調整
(機械的調整及び電子的調整のいずれも)
類似計器の応答を正規化するためにソフト
ウェアの中に存在する表又はパラメータ
温度プローブ及びソフトウェア内の温度オ
フセット
穀物校正係数
スロープ係数及びバイアス係数
システム日付及び時間
(監査証跡情報としてイベントロガーが使
用している場合だけ)
封印すべきでない代表的機構又はパラメータ
通信プロトコル
備考:封印すべき調整,パラメータ及び機構の上記の例が,“代表的”又は“通常”と見なさ
れる。このリストは,すべてを包括しているとは限らないことがあり,列記したもの以外にも
装置の計量性能に影響を与える可能性があり従って封印しなければならないパラメータが存
在しうる。列記したパラメータ又は装置の計量機能に影響を与えうるその他のパラメータが封
印されていない場合,製造事業者は,すべての設定値が,その装置の用途に対して最も厳しい
要件に準拠していることを実証しなければならない。
C.4
C.1.4
封印及び計量監査証跡の方法
適用範囲
変更を加える使用者の能力は,通常動作におけるの装置の計量の完全性(例えば,スロープ,
バイアスなど)に影響を与え,商用たんぱく質計量器の遠隔構成機能により,新たな,さらに
適切な封印手段が実施されることになった。これらの計器は,物理的に封印されるか,又は承
認を受けた様式の監査証跡を内蔵しなければならない。
C.4.2
装置のカテゴリ及び封印方法
装置のカテゴリ
カテゴリ1: 遠隔構成機能なし
封印方法
物理的封印又は 2個の事象計数器 による封
印:校正パラメータに1個(000から999)及
び構成パラメータに1個(000から999)。事
象計数器を備えている場合,その装置は,装
置を介して又は別の現場装置を介して計数
器の計数の表示若しくは印字を行えなけれ
ばならない。
77
カテゴリ2: 遠隔構成機能はあるが,ア
遠隔通信へのアクセスを可能にするハード
クセスは物理的ハードウェアによって
ウェアは,装置にあり,かつ物理的封印又は
制限されている。
2個の事象計数器を用いて封印しなければ
ならない。すなわち,校正パラメータに1個
装置は,その計器が遠隔構成モードにあ
(000から999)及び構成パラメータに 1個
ることを明確に示さなければならず,か
(000から999)。事象計数器を備えている
つ遠隔構成を可能にしている間は測定
場合,その装置は,装置を介して又は別の現
モードでの動作が可能であってはなら
場装置を介して計数器の計数の表示若しく
ない。
は印字を行えなければならない。
カテゴリ3: 遠隔構成機能があり,アク
装置内にイベントロガーが必要である。イ
セスは,無制限であるか,又はソフトウ
ベ ン ト ロ ガ ー は , 事 象 計 数 器 ( 000 か ら
ェア・スイッチ(例えば,パスワード)
999),パラメータID,変更の日付及び時間,
を用いて制限されている。
並びにパラメータの新たな値(複数の定数
で構成される校正の変更については,校正
封印可能パラメータを部分的に変
定数ではなく校正バージョン番号を使うこ
更するためにアクセスしたとき,装置
とができる。)情報の印字コピーは,その装
は,構成モードにあることを明確に示さ
置を介して又は別の現場装置を介して,入
なければならず,測定モードでの動作が
手できなければならない。イベントロガー
可能であってはならない。
は,その装置内の封印可能パラメータの数
の25倍に等しい記録を保持する容量をもた
なければならないが,1000個以上の記録は
求められない。(備考:各パラメータについ
て, 1000件の変更の保存は求めない。)
カテゴリ3a:
遠隔機能はないが,操作
カテゴリ3と同じ
者は通常動作時に装置の計量の完全性
(例えば,スロープ,バイアスなど)に
影響を与える変更を行うことができる。
封印可能パラメータを部分的に変更す
るためにアクセスしたとき,装置は,構
成モードにあることを明確に示さなけ
ればならず,測定モードでの動作が可能
であってはならない。
カテゴリ3b:
遠隔機能はないが,計量
カテゴリ3と同じ
パラメータへのアクセスは,ソフトウェ
78
ア・スイッチ(例えば,パスワード)で
制限されている。
封印可能パラメータを部分的に変更す
る目的でアクセスしたとき,装置は,構
成モードにあることを明確に示さなけ
ればならず,測定モードでの動作が可能
であってはならない。
次に記載するのは,許容可能な安全防護を提供すると認識されている計量監査証跡の許容可能
な様式の要件である。
C.4.3
イベントロガー:監査証跡の許容可能な一様式
イベントロガーは,計器の監査証跡の最低限の様式であり,操作者又は遠隔装置のいずれによ
るにせよ,構成パラメータ又は校正パラメータ用への無制限アクセスを許容する。
(1) イベントロガーは,次の情報を含まなければならない。すなわち,事象計数器,日付及び
時間,パラメータID,新たな値。
備考:複数の校正定数で構成される校正の変更については,校正定数ではなく,校正バージョ
ン番号を新たな値として使用すべきである。
(2) この情報は,計量器によって自動的にイベントロガーに入力されなければならない。付加
関連情報は,許容される(例えば,調整を行った又は変更されたパラメータの古い値を作成し
た者の識別情報)。
(3) 日付及び時間は,理解できる様式で提示しなければならない。日付は,月,日及び年を含
まなければならない。時間は,時及び分を含まなければならない。
(4) イベントロガーの内容のハードコピー印字出力は,計器又は計器設置現場の関連装置か
らの要求で入手できなければならない。イベントロガーの内容の印字は,取引データ,実施し
た測定の回数などログ記録した変更には関連のない他の情報を除外しなければならない。
(5) イベントロガーは,封印可能パラメータの数の少なくとも 25倍の容量をもたなければな
らない。しかし,全パラメータを合わせて,1000件を超える事象を保持することは求められな
い。
C.4.4
計量監査証跡の一般要件
次の計量監査証跡の一般要件を満たさなければならない。
(1) 調整モードは,装置の通常使用の一部として日常的に変更しなければならない封印不能パ
ラメータにアクセスするために調整モードに入ることを回避するために,封印可能パラメータ
だけを取り扱わなければならない。
(2) 事象計数器は,少なくとも1000個の値(例えば,000から999まで)の容量をもたなけれ
ばならない。
79
(3) イベントロガーの場合,新規の各値をイベントロガーに保持しなければならないため,事
象計数器が封印可能パラメータへの変更毎に1回増分する。調整モードに入ったが変更を加え
なかった場合,これは事象を構成せず,計数器は増分してはならない。
80
(4) イベントロガーの記憶装置が容量一杯になったときは,新たな事象により最も古い事象が
削除されなければならない。イベントロガー内で使用されている事象計数器は,その容量まで
増分を続けなければならない。しかし,イベントロガーは,事象計数機の計数容量よりも少な
い記録を保持する可能性がある。事象計数器は,イベントロガーでは新規情報が古い記録を上
書きするため,イベントロガーの中で上書きされた記録の数を示すために必要な情報を提供す
る。
(5) 監査証跡のデータは,次の通りでなければならない。
(a) 不揮発メモリの中に保存され,かつ装置から電源を取り外さない場合は,少なくとも
30日間保持されなければならない。
(b)
無許可の抹消,置き換え又は部分的変更を防止しなければならない。
(6) 内容を印字することを目的とする監査証跡情報へのアクセスは,国家責任機関の執行当局
者にとって“簡便”でなければならない。
(a) レビューのために監査証跡情報にアクセスすることは,当局者が装置の構成又は 監査
証跡の内容を変更したり破損したりする可能性が無いように,校正 モードとは分離してい
なければならない。
(b) 監査証跡情報にアクセスすることが,その情報へのアクセスの前後の装置の通常動作
に影響を与えてはならない。
(c) 監査証跡の内容を閲覧するための手段へのアクセスするために,(パネルロックのた
めの)鍵が求められることがある。アクセスは,監督者の装置動作モードを介して行なわ
れることもある。
(d) 監査証跡情報にアクセスすることが,物理的封印の完全性を検査するための通常要件
以外の付加的部分の削除を必要としてはならない。
(7) 監査証跡情報の印字様式は,当局者が容易に解釈できなければならない。
(8) イベントロガーからの情報は,最新の事象から最も古い事象への順序で印字されなければ
ならない。装置が1つの事象の全情報を1行に又は1回に印字することができない場合,その情
報は,容易に理解できるいくつかの情報のブロックで表示されなければならない。
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