石油化学品研究所 石油化学事業のグローバル展開を 推進する技術・製品を創出 千葉(千葉県袖ケ浦市)、愛媛(愛媛県新居浜市) 沿革 石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料として合成樹脂、合成ゴム、合成繊維原料など多種多様な化学製品を製造 する産業です。これらの石油化学製品は基礎素材として日常生活のあらゆる分野に使用されています。住友化学の石油化 学事業は1950年代後半にスタートしています。1970年代の二度のオイルショックでは、徹底的な効率化、海外進出等に より危機を乗り越え、また1990年代、2000年代には海外プロジェクトを実行し、生産規模の拡大や生産拠点のグローバ ル化を成し遂げて現在に至っています。この間、石油化学品研究所は、石油化学製品、とりわけプラスチック、有機・工 業薬品に関わる多面的な研究開発を通じて、事業の拡大に貢献するとともに、高分子や触媒などの重要な基盤技術を深化 させてきました。 現在の活動 石油化学品研究所は、石油化学製品の代表格であるプラスチック、有機・工業薬品に関する研究開発の拠点であり、千 葉県(袖ケ浦市)と愛媛県(新居浜市)の2か所に位置しています。 千葉地区では、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)に関する触媒・重合技術、配合技術、成形加工 技術、分析・評価技術等の研究を行っています。ポリオレフィンは、自動車部品、太陽電池、包装材などに幅広く使用さ れ、需要家の多様なニーズに応える材料の開発に取り組んでいます。また、ポリウレタン等の原料に用いられるプロピレ ンオキサイド等のモノマーの製造に関する触媒技術、高効率の新規プロセスの開発にも取り組んでいます。 愛媛地区では、メタクリル樹脂に関する重合技術、成形加工技術、分析・評価技術等の研究を行っています。メタクリ ル樹脂は、液晶ディスプレイ、照明、自動車部品等に用いられており、各々の用途で求められる特性に適応した材料の開 発を行っています。また、ε-カプロラクタム、メタクリル酸メチル等の製造に関する触媒技術、反応技術の研究を行っ ており、環境負荷低減、競争力向上を目指したプロセスの開発に取り組んでいます。 このように従来の基礎素材に留まらず、多様化する社会の新しいニーズに対応した、新規製品を創出するため、有機合 成、触媒設計、高分子設計、加工技術、分析・評価技術、計算機シミュレーションなどの技術を組み合わせ、効率とスピ ードを重視した研究開発を展開しています。 将来の展望 当社の石油化学事業は世界各地に事業拠点を有し、今後もこれらの拠点を足掛かりに事業の拡大に向けグローバル展開 を進めます。石油化学品研究所の活動範囲も、これまで以上にグローバルに拡がっていきます。今後、海外顧客・海外製 造拠点向けの研究開発、海外企業・大学との共同開発の比率が、国内を上回る日が近い将来にやってきます。事業のグロ ーバル展開を推進する技術・製品の開発は、このようなグローバル・ネットワークをいかに形成し、進化させ、活用する かにかかっています。そのためにも世界を舞台に活躍する人材の育成に力を注いでいます。
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