動物モデルやヒトの患者の両方で見られるように、肝 X 受容体(LXR)と

動物モデルやヒトの患者の両方で見られるように、肝 X 受容体(LXR)とステロール調節エ
レメント結合タンパク(SREBP)-1 の協同的な調節機構は脂肪肝の主要な決定因子である。
最近の研究では、肝臓において過剰に活性化した LXRに選択的に介入することは脂肪肝の
治療に繋がる見込みがあることが示されている。本研究において我々はメソ-ジヒドログア
イアレチン酸(MDGA)の LXR活性化に対する影響やマウス脂肪肝の減弱効果について調
べた。
MDGA は LXR アゴニスト TO901317 結合部位に競合的に結合することにより LXR
リガンド結合ドメインの活性化を阻害し、LXRE-tk-Luc 導入細胞におけるルシフェラーゼ
活性を低下させた。MDGA は TO901317 や高脂肪食(HFD)により誘導される脂肪肝におい
て、肝臓での中性脂肪蓄積を著しく減少させた。この MDGA の効果はとても強力であり、
1mg/kg 処理を 2 週間続けることで高脂肪食摂餌による脂肪蓄積は完全に抑制された。高脂
肪食摂餌マウスにおいて MDGA は LXRコアクチベータータンパク RIP140 脂質生合成に
伴う LXR標的遺伝子の発現を抑制した。以上の結果から、MDGA はマウス肝臓における
LXR選択的阻害により非アルコール性脂肪肝を減弱する可能性があることが実証された。