片 手 で マ ニ キ ュ ア ∼女性脳卒中片麻痺障がい者のためのマニキュア自助具の研究∼ 椙山女学園大学 谷高 未紗 [ 研究の背景・目的 ] 今日、身だしなみの整えを補助する自助具が多く考案される中、女性には 「オシャレ」の幅を広げる自助具が求められている。NPO 法人ドリーム及び 本学学生の協力のもと事前調査を行ったところ、片手+もの(口など)を 用いればマニキュアを塗ることが可能であるという調査結果が出たものの、 ひねり・塗りの動作において、難点があることが明らかとなった。 そこで、片手で塗り・落としが可能なマニキュア自助具を製作し、女性片麻 痺者にオシャレを楽しんでもらうことに貢献したいと考えた。 難点1:ひねる動作 難点2:塗る動作 円形のくぼみによる固定 マグネットによる固定 [ 自助具に必要な3機能 ] 開閉・固定 塗り 落とし 円形のくぼみによる開閉 ▽ ▽ ▽ 各部詳細 ▽ ▽ ▽ D D. 30 度傾斜の筆 ( 刷毛 ) A. マグネットにくっつく スチールシート A E E. マグネットによる 筆 ( 刷毛 ) の固定 B B. 上板回転用支柱・握り球 F F. 円形のくぼみによる 開閉・固定 C. リムーバー浸し用コップ 筆 ( 刷毛 ) 洗い用コップ C G G. 手置き場 ▽ ▽ ▽ 基本の7動作 ▽ ▽ ▽ 1. 上板の位置を動かす 2. 3. マニキュア ( リムーバー ) ボトルのふたを開ける リムーバーを注ぐ 4. 塗り筆 ( 落とし刷毛 ) を液に浸す 5. 筆を設置しマニキュアを塗る ( 落とす ) 6. マニキュア ( リムーバー ) ボトルのふたを閉める 7. 塗り筆 ( 落とし刷毛 ) を洗う [ 研究のまとめ ] 本研究では、機能だけでなくデザインにも重点を置き、女性片麻痺者の声を 取り入れつつ研究を進めた。マニキュアという女性特有のオシャレを考慮し て鏡台に収まるサイズにし、色づかいも化粧品やマニキュアを意識してカラ フルに仕上げた結果、見ても使っても楽しく、なおかつ収納可能な、若年女 性に喜ばれる自助具を作ることが出来た。 使用する場所や使用者を具体的にイメージして自助具を制作することで、自 助具は生活空間の新しい一部になる可能性があることを示した。 学外発表実績 ・平成 25 年度 日本デザイン学会第3支部研究発表会 「片麻痺者の自助具開発に関する基礎研究(3) 」パネル発表 ・自助具フォーラム 2014(名古屋会場) 「片手でマニキュア」口頭発表・パネル展示・作品展示 ・障害者ワークフェア 2014 「片手でマニキュア」口頭発表・パネル展示・作品展示
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