赤道座標系固有運動から銀河座標系固有運動への 変換

赤道座標系固有運動から銀河座標系固有運動への
変換
韓国天文研究院 倉山智春
平成
年
月
日
基本的な考え方は次の通りです。 の固有運動ベクトル 年あたりの固有運
動
を とし、赤道座標系での固有運動を Æ Æ とします。赤道座標系での赤経
方向、赤緯方向の単位ベクトルをそれぞれ 、 とすると、 であり、
Æ
Æ となります。銀河座標系についても同様に、固有運動を とし、銀経方向、銀
緯方向の単位ベクトルをそれぞれ 、 とすると
Æ となります。 つの式 と が等しいことから、
Æ
Æ Æ これを次のように行列で書き表し、計算します。当然ながら、求めたいのは と
です。
Æ Æ
ここで、行列
の転置行列を で表すことにすると、
Æ
Æ
最後の変形では 、 がともに単位ベクトルで、 であることを用いていま
す
となるので、
となります。これを用いると、
Æ ならびに
q
Æ
Æ
Æ は観測値ですので、 、 、 、 を求めればよいことになり
ます。
、 は比較的簡単に求められます。 とすると、 つのベクトル 、
、 は、空間座標系を構成することができる互いに垂直な単位ベクトルの組 基底ベ
クトル
になります。また、 は天球面に垂直で外向きのベクトル、すなわち天体の方
向ベクトルになります。
春分点方向を 軸、天の北極方向を 軸とする、赤道座標系での 次元直交座標系
で計算すると、、Æ を の赤経、赤緯として
Æ
Æ Æ
となります。次に、 は、 に垂直で赤緯方向の変化がない、すなわち
すので
これらから、 は、
成分が で
Æ
Æ Æ
Æ
Æ Æ
Æ Æ の場合、
なので、具体的な数値はつぎのようになります。
問題は 、 です。ただ、基本的な定義は 、 と同じなので、銀河中心方向を
軸、銀河座標の北極 Æ
の方向を 軸にとった銀河座標系での 次元座標系
で成分表示すれば
Æ
となります。これまでの成分表示と区別するために、 をつけています。これをこれ
まで使っていた成分表示に直すため、赤道座標系・銀河座標系間の変換行列
を掛けます。
の逆行列、
の場合、具体的な数値はつぎのようになります。
当然ながら でなければなりませんが どちらも天体の方向ベクトル
、実際の
計算結果もそうなっていることがわかります。
あとは に戻って計算すれば、銀河座標系での固有運動が得られます。 の場合の数値は以下の通りです。