PWR 炉内構造物点検評価ガイドライン[炉心そう]の概要 参考資料-2 1. 目的および適用 1.1 目的 2. 点検および評価 本ガイドラインは加圧水型原子力発電所(PWR:Pressurized Water Reactor)の炉内構造物について、想 定される経年劣化事象に対して合理的な点検、評価の方法を示すことにより、原子力発電所の安全及び安定運 2.1 点検 2.1.1 点検範囲 炉心の対称性や IASCC 評価結果等を考慮して、炉心領域高さにある周方向溶接線から点検範囲を選定する。 転を維持することを目的とする。 1.2 適用 2.1.2 点検方法 1.2.1 適用範囲 点検手法は超音波探傷試験(UT)とする。超音波探傷試験は、 (社)日本電気協会「軽水型原子力発電所用 本ガイドラインは照射誘起応力腐食割れ(IASCC:Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)に対 機器の供用期間中検査における超音波探傷試験規程」(JEAC4207)を準用して行う。 する炉心そう(図 1)の点検・評価に適用する。 2.1.3 点検時期 炉心そうは使用環境や IASCC 評価(図 2)から亀裂発 生の可能性が低く、国内外でも IASCC 発生事例が確認 されていないこと、ならびに、仮に亀裂が発生したとし ても安全機能に影響する可能性が低いことから、具体的 な点検時期は規定しない。 炉心そう 炉心 領域 図 2 IASCC 評価の考え方 炉心そう溶接部 対象溶接線 2.2 評価 2.2.1 判定基準 炉心そうに亀裂が認められないこと。亀裂が認められた場合には 2.2.2 項に示す詳細評価により、炉心そう の機能が維持されることを確認する。 2.2.2 詳細評価 発見された亀裂に対して亀安定性評価等を行い、次回点検までの健全性を示すことができれば継続使用する ことができる。 図1 炉心そう溶接部 1.2.2 適用時期 本ガイドラインの適用時期は、運転開始後における機器の供用期間中とする。 3. 是正処置 判定基準を満足しない場合には、部分溶接補修、または、炉内構造物取替(CIR:Core Internal Replacement) 1.3 用語の定義 を実施する。なお、炉内構造物取替は予防保全としても実施できる。 本ガイドラインで用いる主な用語とその定義は次のとおりである。 仮想亀裂: 経年変化による亀裂の発生の可能性が極めて低いため、構造強度を検討するための仮 想的な亀裂 1.4 品質保証 炉心そうの経年劣化管理に関する品質保証は、 (社)日本電気協会「原子力安全のためのマネジメントシステ ム規程」 (JEAC4111)及び「原子力発電所の保守管理規程」 (JEAC4209)に従い行わなければならない。 参 2-1
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