「 気 づ き 」 「 探 究 」 「 言 語 力 」 に 焦 点 を 当 て た 学 習 活 動 を 目 指 し て ・・・ 【笠取「宇治学」(探究学習)の実践記録】 ◆身の回りの自然を観察しよう/1・2年生 生活科の時間 1・2年生の生活科では、「自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち、自然のすばらし さに気付き、自然を大切にしたり、自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。」という 目標が設定されています。 そこで、今年度は、身の回りにある自然をじっくり観察することで、新しい発見に導くこと、また、それら を利用して、新しいものを生み出すことに重点を置いて活動してきました。 (1)アサリの貝の模様 アサリという貝は、食事の時におみそ汁に入っていたり、つくだ煮として食べ たりするなど、貝の中でも比較的子どもたちにとって身近に感じられる貝ですが、 意識してじっくり観察はしたことがないように思います。 ところが、よく見てみると、その殻の模様は個体によって全て異なるもので、 貝類の中でもこれほど個体差が見られるものは稀だといわれています。 まず、シジミやハマグリ、ホタテの貝殻を観察しました。それぞれ種類ごとの模 様はよく似ていることがわかりました。 次に、アサリの貝を机いっぱいに置いて、気付いたことを出し合いました。「一つ ひとつの模様がちがう。」「貝によって、色々な模様がある。」「でも、似たものもあ る。」「似た模様の貝を並べてみたいな。」・・・など、たくさんの意見が発表されま した。 確かに、同じ『アサリ』の貝なのに、模様が1種類ではありません。そこで、よく 似た模様を持つ貝殻を1列に並べてみることにしました。すると、何種類かの模様を 持っていることがわかりました。 また、それぞれの殻の左右を比べるとほぼ同じ模様であったり、年輪のような輪が 何重にも入っているなどの規則性も発見でき、それぞれの模様の美しさも感じ取るこ とができました。 このように、わたしたちの身の回りにある自然を意識して観察してみると、それぞれ特有の模様があり、自 然が形成するその美しさに感動すら覚えます。同じ種類の模様は似てはいますが、じっくり観察してみると、 それぞれの個体でわずかながら違いも見られ、個性も感じられます。自然の一つひとつがしっかりと個性を持 ち、その存在が貴重なものと実感することができます。 その後、アサリやシジミ、ハマグリの貝殻を使って、貝の模様を生かした壁飾りを作成しました。素敵な作 品に仕上がりました。 (2)ドングリを使って 秋になると、笠取のあちらこちらにドングリが落ちています。ドングリ拾いは幼い頃から何度も体験している ことだと思いますが、何度やっても楽しいものです。2時間たっぷり、笠取のお宮さんに行く道で、アクトパル の林の中で、入れ物にいっぱい拾ってきました。 そのドングリを使って、各自が考えたおもちゃや置物など を作ってみました。子どもたちのアイデアは豊富で、楽しい 作品がたくさん出来上がりました。授業参観では、作品を使 ってゲーム大会も行うことができました。 (3)落ち葉や木ぎれを使って 秋も深まってくると、笠取の山々が赤や黄色に美しく色付いてきます。その中を歩くのも毎年の楽しみです。 そこで、自分の気に入ったきれいな落ち葉や実、木ぎれをたくさん拾ってきて、それらを並べて『絵』に仕上げ ることにしました。ちょっとした工夫で楽しい絵が完成しました。 (4)くっつきむし「オナモミ」を使って 教室の横の畑に、オナモミがたくさんできていまし た。投げると服にくっついて離れないオナモミは遊び 道具としてはおもしろいものです。さっそく教室で『オ ナモミダーツ大会』を開催。得点を競い合って楽しみ ました。 このような自然の不思議さやおもしろさ、美しさを実感する学習活動を多く取り入れることで、様々な気付 きや探究心を培い、今後、中学年・高学年での科学的な見方、考え方の基礎を養っていけるものと考えます。 これからもその観点を大切にし、探究活動を進めていきたいと思います。
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