第 75 回湘南科学史懇話会のご案内(藤沢市労働会館、2015 年 12 月 5 日(土)) 放射線被曝の歴史を問い直す――広島・長崎の原爆調査から福島県「県民健康 調査」への道筋 柿原泰さん(科学史、東京海洋大学教員) ●講演概要: 1945 年 8 月、米軍による広島・長崎への原爆投下後、日本側の、続いて米軍に よる調査が始まり、占領下には原爆被爆者の継続的調査を日米で行なう ABCC- 予研(・原子爆弾影響研究所)体制が作られた。この調査は放射線影響研究所 (放影研)に引き継がれ、現在もなお続けられている。ABCC に対しては、これ までさまざまな批判もなされてきたが、あらためて ABCC とは何だったのか、歴 史的に捉え直したい。そして、現在行われている福島県での「県民健康調査」 にはどのような問題点があるのかも取り上げ、原爆調査の歴史、放射線被曝の 歴史について、歴史的視点と福島後の現在的視点を交錯させて考えてみたい。 ●講師プロフィール: 柿原泰(かきはら やすし):1967 年兵庫県西宮市生まれ。東京大学大学院総 合文化研究科博士課程(科学史・科学哲学教室)満期退学。現在は、東京海洋 大学海洋科学系で科学史・科学技術論の教員。NPO 法人・市民科学研究室の低線 量被曝研究会でも活動中。共著書に『原爆調査の歴史を問い直す』『工部省と その時代』『遺伝子技術の社会学』ほか、論文に「ネオリベラル・テクノクラ シー批判」「技術倫理の生成」(ともに『現代思想』)、「原爆影響調査から 福島県民健康管理調査へ」(『科学史研究』)ほか。 関連する参考文献: ・ 笹本征男『米軍占領下の原爆調査――原爆加害国になった日本』(新幹社、 1995 年)。 ・ 笹本征男「放射線影響研究所と原爆被爆者」、中山茂・後藤邦夫・吉岡斉 編 『通史 日本の科学技術』第 5 巻-I(学陽書房、1999 年)所収、319-334 頁。 ・ 柿原泰(編)『原爆調査の歴史を問い直す』(2011 年)。 ・ 柿原泰「福島『県民健康管理調査』の現在史へ向けて」、『生物学史研究』 No. 87(2012 年 9 月)、21-25 頁。 ・ 柿原泰「原爆影響調査から福島県民健康管理調査へ――放射線被曝の歴史の 観点から」、『科学史研究』第 53 巻(2015 年 1 月)、425-428 頁。 ・ 柿原泰、藤岡毅、山内知也、高橋博子、樋口敏広、沢田昭二、中原聖乃 「特 集・シンポジウム:放射線の健康影響問題を歴史学の観点から捉え直す」、 『生物学史研究』No. 93(近刊) ●日時:2015 年 12 月 5 日(土)午後 2 時 00 分~6 時 00 分 ●会場:藤沢市労働会館 第 3 会議室、〒251-0053 藤沢市本町 1-12-17 電話 0466-26-7811 小田急線「藤沢本町駅」徒歩 10 分、JR「藤沢駅」北口徒歩 15 分 http://www.fujisawa-rodo.jp/access.html ●参加費:1,000 円 ●連絡先:猪野修治(湘南科学史懇話会・代表) 〒242-0023 大和市渋谷 3-4-1 TEL/FAX 046-269-8210 e-mail [email protected] 湘南科学史懇話会 http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/home.htm
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