下関市公共施設マネジメント基本方針(概要版)

下関市公共施設マネジメント基本方針(概要版)
部 長 会 資 料
平成27年3月18日
総務部行政管理課
1.基本方針策定の目的
・公共施設マネジメントとは
「公共施設マネジメント」とは、地方公共団体が保有する庁舎、公民館、学校及び市営住宅等の公共施設(以下「施設」という。)について、人口動態や財政状
況、市民ニーズ等を踏まえて施設の老朽度や利用状況を把握し、維持管理及び更新等のあり方について、効率的かつ効果的に管理運営を行う仕組みのこと。
・目的
今後の施設の維持管理及び更新等のあり方を
方向づけるために策定。
【背景】
・本市の施設は主に昭和40年代半ばから50年代にかけて
整備されている。
・今後10年から20年の間に更新時期を迎える施設が多く
存在し、多額の更新費用が必要。
・人口減少や少子高齢化が進むこと、また、財政的には
今後も厳しい状況が続くことが予測される。
・今ある全ての施設を保有したまま施設の更新等を続け
ることは困難
・基本方針の位置づけについて
ア 総合計画における位置づけについて
・「第8章第4節 行財政の健全化」
(第2次下関市総合計画)
イ 公共施設等総合管理計画との関係について
・「公共施設等総合管理計画」の策定
を地方自治体に要請(総務省:
H26.4)。
・本基本方針は、「公共施設等総合
管理計画」の策定にあたっての国の指
針に沿うもの。
出典:総務省「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針の概要」
※インフラ長寿命化基本計画における「インフラ」は、土木インフラ(道路、橋梁、水道、下水道等)と公共施設を総称している。
1
2.公共施設の現状と課題
・公共施設の保有状況
児童福祉施設
22,894.81㎡ , 1.47%
・建築年別整備状況
消防施設
21,859.13㎡ , 1.41%
公園施設
4,766.19㎡ , 0.31%
医療保健福祉施設
23,806.14㎡ , 1.53%
延床面積(㎡)
70,000
生涯学習プラザ等
50,000
合併
海響館、唐戸市場等
川中中学校
市営住宅の整備
40,000
文化施設
42,802.76 ㎡, 2.76%
市役所
新館等
学校教育施設の整備
30,000
学校教育施設
485,054.77㎡, 31.24%
その他施設
55,278.03㎡ , 3.56%
20,000
庁舎等施設
56,370.73㎡ , 3.63%
10,000
産業振興施設
60,990.30㎡ , 3.93%
集会施設
109,810.89㎡, 7.07%
奥山工場等
60,000
職員住宅
903.37㎡, 0.06%
新 耐 震 基 準(S57年以降)
旧 耐 震 基 準(S56年以前)
廃止施設
4,636.66 ㎡, 0.30%
保養観光施設
34,102.86㎡ , 2.20%
スポーツ施設
47,319.44㎡ , 3.05%
建築年別整備面積
0
S26以前
S30
市営住宅等施設
451,457.39㎡, 29.08%
S35
S40
S45
S50
学校教育施設
インフラ施設
130,397.89㎡, 8.40%
S55
S60
H2
市営住宅等施設
H7
H12
H17
建
築
年
H22
その他施設
本市の施設の平均築年数は約30.8年となっています。昭和57年をピークに、昭和
40年代半ばから50年代にかけて多くの施設を整備しており、これらの施設が建替えを
迎える時期には、同一時期に多額の更新費用が発生することが予測される。
平成25年度末現在で施設数が1,110施設、総延床面積で約155万㎡を保有しています。
そのうち、学校教育施設の延床面積は約49万㎡と最も多く、続いて市営住宅等施設が約
45万㎡となっており、この2つの用途施設のみで全体の約6割を占めていることが特徴。
300,000 (人)
・将来人口推計
区分
平成22年平成27年平成32年平成37年平成42年平成47年平成52年
年 総 人 口 280,947 268,855 255,800 241,519 226,771 211,972 197,301
齢 高 齢 者 人 80,749 88,920 90,883 88,049 83,498 79,460 77,337
区
生産年齢人口 166,440 149,037 136,965 128,629 121,094 112,111 100,967
分
(人) 年 少 人 口
33,758 30,898 27,952 24,841 22,179 20,401 18,997
28.7
33.1
35.5
36.5
36.8
37.5
39.2
高
齢
者
人
割
生産年齢人口
59.3
55.4
53.6
53.2
53.4
52.9
51.2
合
(%)
12.0
11.5
10.9
10.3
9.8
9.6
9.6
年少人口
出典:国立社会保障・人口問題研究所調査
2
将来人口推計及び年齢区分別割合
59.3
280,947
55.4
268,855
250,000
80,749
53.6
255,800
241,519
90,883
88,049
35.5
36.5
33.1
100,000
53.4
(%)
52.9
60.0
51.2
50.0
226,771
88,920
200,000
150,000
53.2
28.7
211,972
36.8
37.5
83,498
79,460
197,301
39.2
40.0
77,337
30.0
166,440
149,037
136,965
12.0
11.5
10.9
20.0
128,629
121,094
112,111
100,967
10.3
9.8
9.6
9.6
50,000
10.0
33,758
30,898
27,952
24,841
22,179
20,401
18,997
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
平成47年
平成52年
0
年少人口
年少人口割合
生産年齢人口
生産年齢人口割合
高齢者人口
高齢者人口割合
0.0
・将来の更新費用等の推計
・他の中核市との比較
将来の更新費用の推計
250
(㎡/人)
中核市の人口1人当たりの公共施設延床
5.8
(億円)
5.6
50年間の更新費用総額 約7,011億円
5.5
5.4
5.2
5.0
4.8
4.6
200
4.4
4.2
更新費用(1年当たり平均額)
4.0
約140億円
3.8
中核市平均 3.3㎡/人
3.6
150
3.4
3.2
3.0
2.8
2.6
100
3.5倍
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
50
1.2
1.0
投資的経費(過去5年間平均額)
0.8
約40億円
0.6
0.4
0
H27
H32
H37
学校教育施設
H42
H47
H52
H57
市営住宅等施設
H62
H67
0.2
H72 (年度)
0.0
下 長 い 前 函 青 富 長 豊 尼 高 郡 盛 姫 鹿 秋 高 和 高 久 旭 金 福 宮 豊 西 倉 岐 大 松 岡 奈 横
関 崎 わ 橋 館 森 山 野 田 崎 知 山 岡 路 児 田 崎 歌 松 留 川 沢 山 崎 橋 宮 敷 阜 津 山 崎 良 須
市 市 き 市 市 市 市 市 市 市 市 市 市 市 島 市 市 山 市 米 市 市 市 市 市 市 市 市 市 市 市 市 賀
市
市
市
市
市
その他施設
宇 大 豊 高 川 東 船 柏
都 分 中 槻 越 大 橋 市
宮 市 市 市 市 阪 市
市
市
出典:平成24年度市町村公共施設状況調査(総務省調査)
仮に、現状と同規模で建替えした場合、平成27年からの50年間で総額約7,011億
円、年平均で約140億円が必要。一方で、過去5年間における公共施設に係る投
資的経費の実績額は約40億円と算出され、この水準が今後も確保されるとしても、
大幅に不足することが予測され、既存の施設を現状のまま維持することは困難であ
る。
本市の人口及び公共施設延床面積を他の中核市と比較すると、本市の人口
1人当たりの公共施設延床面積は5.5㎡と、中核市の中では最も多く、中核市
平均の3.3㎡と比べると約1.7倍となっている。
3
3.公共施設マネジメントの基本方針
次世代に大きな負担を残さず、健全で持続可能な行財政運営を継続するためにも、経済的なコストで適量かつ良好な品質の施設を提供することを目指し、施設の
量、質、運営コスト等の最適化を図ることとし、公共施設マネジメントの基本方針として、次の3つの方針を定める。
・方針1:施設の適正配置と施設総量の縮減
将来にわたり、健全で持続可能な行財政運営を継続するととも
に、行政サービスを提供するため、人口減少をはじめ、少子高齢
化、社会情勢及び市民ニーズの変化等により、本来求められてい
た機能が時代に合わなくなった施設については、施設の利用状況
や老朽度等を勘案しながら整理し、施設の適正配置と縮減を図
ることにより、「施設総量の最適化」を目指す。
~公共施設マネジメントの基本方針~
方針1:施設の適正配置と施設総量の縮減
方針2:施設の予防保全による長寿命化
方針3:施設の効率的かつ効果的な運営
現在の公共施設の総量
将来の公共施設の総量
基本方針イメージ
現在余剰
・方針2:施設の予防保全による長寿命化
維持する施設については、これまでの事後保全から予防保全へと
転換し、施設の長寿命化を図る。
縮減
・方針3:施設の効率的かつ効果的な運営
施設の大規模改修や建替え等に係る投資的費用のみならず、
施設の点検、清掃、エネルギー使用等に係る維持管理費用を縮
減する等、施設の効率的かつ効果的な運営に努める。
将来余剰
複合施設
効
率
的
長寿命化
か
つ
効
果
的
な
運
営
集約施設
量、質、運営コスト等の最適化に取り組む
新たな市民ニーズ
ライフサイクルコストのイメージ
建設費
(新設工事費)
光熱水費
修繕費
改修費
その他、土地建物賃
借料、解体処分費等
建物管理委託費
(点検、警備、清掃等)
建設費は、ライフサイクルコストの中では、「氷山の一角」と言われている。
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