平成27年度 【午前】 建築物衛生行政概論 問題 1 日本国憲法第 25 条に規定されている次の条文の 内に入る語句の組 合せとして,正しいものはどれか. ア すべて国民は,健康で な最低限度の生活を営む権利を有する. 国は,すべての生活部面について, イ び増進に努めなければならない. ア イ ,社会保障及び ウ の向上及 ウ ⑴ 社会的─────環境衛生────公衆衛生 ⑵ 社会的─────社会福祉────生活環境 ⑶ 文化的─────環境衛生────生活環境 ⑷ 文化的─────社会福祉────生活環境 ⑸ 文化的─────社会福祉────公衆衛生 問題 2 水道に関する次の文章の 我が国の水道施設は, 内に入る最もふさわしい疾患はどれか. 等の伝染病に対処することを課題として,その 整備が始められ,明治 23 年には,水道事業の経営を原則市町村とする水道条例が 制定された. ⑴ 重症急性呼吸器症候群 ⑵ インフルエンザ ⑶ 腸管出血性大腸菌感染症 ⑷ コレラ ⑸ 結核 問題 3 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「建築衛生法」という.) に基づく特定建築物に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか. ⑴ 建築基準法に定義される建築物であること. ⑵ 建築物環境衛生管理基準に基づく維持管理が義務付けられている. ⑶ 興行場,社会福祉施設等の特定用途と呼ばれる用途に供される建築物であるこ と. ⑷ 特定建築物の延べ面積は,一棟の建築物ごとに算出することを基本としている. ⑸ 駅ビル内部のプラットホームの部分は,特定用途の延べ面積に含めない. 27 − 1 27 年度問題 空気環境の調整 平成 建築物の環境衛生 27 年度問題 問題 4 建築物衛生法に基づく特定建築物としての用途に該当するものは,次のうち どれか. ⑴ 寄宿舎 ⑵ 博物館 ⑶ 工場 ⑷ 自然科学系研究所 ⑸ 病院 問題 5 建築物衛生法に基づく特定建築物の延べ面積の考え方に関する次の記述のう ち,正しいものはどれか. ⑴ 建築物内の診療所の面積は,延べ面積に含める. ⑵ 事務所建築物に設置された電力事業者の地下式変電所の面積は, 延べ面積に含める. ⑶ 店舗に付随する廊下,階段等の共用部分の面積は,延べ面積に含める. ⑷ 特定建築物の延べ面積の算定方法は,建築基準法の延べ面積の算定方法と同じ である. ⑸ 地下街の地下道の面積は,延べ面積に含める. 問題 6 建築物衛生法に基づく特定建築物の届出に関する次の記述のうち,正しいも のはどれか. ⑴ 特定建築物の竣工前 1 カ月以内に届け出なければならない. ⑵ 建築物が用途の変更等により特定建築物に該当しなくなったときは,その日か ら 6 カ月以内に届け出なければならない. ⑶ 届出には,当該建築物の建築確認済証の写しを添付しなければならない. ⑷ 届出をしない,又は虚偽の届出をしても罰則の規定はない. ⑸ 届出の書類は,特定建築物の所在場所を管轄する都道府県知事(保健所を設置 する市又は特別区にあっては,市長又は区長.)に提出する. 問題 7 建築物衛生法に基づき備え付けておかなくてはならない帳簿書類とその保存 期間との組合せとして,正しいものは次のうちどれか. ⑴ 貯水槽の臨時清掃と修理を実施した記録書類────────5 年間 ⑵ 維持管理に関する設備の系統を明らかにした図面──────5 年間 ⑶ 空気環境測定の結果───────────────────3 年間 ⑷ ねずみ等の生息状況調査結果と駆除を実施した記録書類───3 年間 ⑸ 清掃の実施と廃棄物の処理量の記録書類──────────3 年間 問題 8 建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の基準値に関する次の記述のう ち,誤っているものはどれか. ⑴ ホルムアルデヒドの量は,空気 1 立方メートルにつき 0.1 mg 以下である. ⑵ 浮遊粉じんの量は,空気 1 立方メートルにつき 0.15 mg 以下である. ⑶ 気流は,0.5 m/s 以下である. 27 − 2 午前の部 平成27年度 解答・解説 用途,延べ面積等により特定建築物を定 めるものとする. 問題 1 正解 ⑸・・・・・・・・・・ 2.ビル管理法施行令 第 1 条(特定建築物) 建築物におけ 今年は,文化的−社会福祉−公衆衛生 であった. る衛生的環境の確保に関する法律第 2 条 平成 25 年は,健康−文化的−生活部面 第 1 項の政令で定める建築物は,次の各 −社会福祉,平成 23 年は,健康−文化的 号に掲げる用途に供される部分の延べ面 −最低限度−社会保障と出題された. 積(建築基準法施行令第 2 条第 1 項第三 問題 2 正解 ⑷・・・・・・・・・・・・・ 号に規定する床面積の合計をいう.以下 外から持ち込まれたコレラの大流行に対 ら学校教育法第 1 条に規定する学校の用 する対策として制定された.ちなみに, 途に供される建築物で延べ面積が 8,000 伝染病予防規則が明治 12 年に制定され m2 以上のものとする. 一 興行場,百貨店,集会場,図書館, ている. 問題 3 正解 ⑶・・・・・・・・・・ 博物館,美術館又は遊技場 特定用途に「社会福祉施設等」は含ま 二 店舗又は事務所 れていない.(次問参照) 三 学校教育法第 1 条に規定する学校 問題 4 正解 ⑵・・・・・・・・・・ 以外の学校(研修所を含む.) 博物館は,美術館とともに特定用途と なる. 四 旅館 3.特定建築物の用途の詳細 ビル管理法の特定建築物の定義等につ いては下記のとおり. 特定建築物の用途については 4-1 表の とおり. 1.ビル管理法 第 2 条(定義) この法律において「特 問題 5 正解 ⑶・・・・・・・・・・ 廊下,階段等の共用部分の面積は,特 定建築物」とは,興行場,百貨店,店舗, 定用途に付随する面積として延べ面積に 事務所,学校,共同住宅等の用に供され 含める. る相当程度の規模を有する建築物(建築 特定用途の面積 基準法第 2 条第一号に掲げる建築物をい =専ら特定用途に供される面積+付 随する面積+付属する面積 う.以下同じ.)で,多数の者が使用し, 付属する面積とは,店舗の倉庫,新聞 又は利用し,かつ,その維持管理につい て環境衛生上特に配慮が必要なものとし 社の印刷工場,映画館のロビーなど. 同一敷地内に数棟の建築物がある場合 て政令で定めるものをいう. 2 前項の政令においては,建築物の には合算せず 1 棟ごとに計算して,1 棟 27 − 43 27 年度解答 同じ.)が 3,000 m2 以上の建築物及び専 平成 水道条例は,幕末期から明治初期の海 27 年度解答 4-1 表 興行場,百貨店,旅館,図書館,博物館,美術館 集会場 特定建築物となるもの 会議,社交等の目的で公衆の集合する施設をいい,公民館,市民ホール, 各種会館,結婚式場等. 遊技場 マージャン,パチンコ,卓球,ボーリング,ダンスその他の遊技をさせる施設. 店舗 一般卸売店,小売店のほか,飲食店,喫茶店,バー,理容所,美容所その他サー ビス業に係る店舗を広く含む. 事務所 事務を執ることを目的とする施設をいうこと.なお,人文科学系の研究所等 そこにおいて行われる行為が事実上事務と同視される施設については名称 のいかんを問わず,事務所に該当する.銀行は事務所+店舗として特定用 途となる. 学校教育法第 1 条に規定 幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,大学, する学校 高等専門学校. 学校教育法第 1 条に規定 専修学校,各種学校,各種学校類似の教育を行うもの,国,地方自治体, する学校以外の学校 企業の研修所も含まれる. 特定建築物とならないもの 工場,作業場,倉庫,病院・診療所,寄宿舎,駅舎,寺院・教会・神社,自然科学系の研究所 共同住宅 共同住宅は,法 2 条に例示されているが,特定建築物ではない.これは例 えば管理基準の検査一つとっても費用負担の問題や,プライバシーの問題 から実施は困難なため,行政上共同住宅は特定用途から外されている. 鉄道および軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設ならびに跨線橋,プ 建築基準法の定める『建 ラットホームの上家,貯蔵槽その他これらに類する施設. 築物』でないもの 地下街の地下道,広場(地下街の店舗,事務所等は建築物) . 公共駐車場 公共駐車場は何時いかなる場合も特定建築物の用途とはならない. 独立棟の駐車場 同じ建物内の店舗や事務所付属の駐車場は特定用途に付属する部分とし て特定用途の面積に合算しなければならないが,駐車場が独立棟の場合 は除かれる. 電力会社の地下式変電所 事務所ビルに設置された電力会社の地下式変電所. ごとに特定建築物かどうか判断する. 6-2 表 届出事項 問題 6 正解⑸・・・・・・・・・・・・ 1 特定建築物の名称 使用開始後,変更後,該当しなくなっ てから,いずれも 1 ヵ月以内に,特定建 築物の所在場所を管轄する都道府県知 6-1 表 特定建築物の届出の概要 1.所有者または建物全部の管理につい て権原を有する者(丸借り人,事務管 理者,破産管財人) 届 出 2.国,地方公共団体では国有財産法, 義務者 地方自治法に規定する者 3.区分所有,共有の建物にあっては区 分所有者,共有者の連名で届け出る. 届出先 特定建築物の所在場所を管轄する都道 府県知事(保健所を設置する市または 特別区にあっては,市長または区長.) に提出して行う. 2 特定建築物の所在場所 3 特定建築物の用途 4 特定用途の延べ面積 5 特定建築物の構造設備の概要 特定建築物の所有者,占有者その他の者で当 該特定建築物の維持管理について権原を有 するもの(以下「特定建築物維持管理権原者」 6 という.)の氏名および住所(法人にあって は,その名称,主たる事務所の所在地および 代表者の氏名) 特定建築物の所有者(所有者以外に当該特定 建築物の全部の管理について権原を有する 者があるときは,当該権原を有する者)(以 7 下「特定建築物所有者等」という.)の氏名 および住所(法人にあっては,その名称,主 たる事務所の所在地および代表者の氏名) 27 − 44
© Copyright 2024 ExpyDoc