鎧塚俊彦氏の6次産業化への思い

鎧塚俊彦氏の6次産業化への思い
国内外を問わず、季節の最良の素材を
活かした「ものづくり」を目指す鎧塚俊
●ゼロからのものづくりのスタート
どが自家用や廃棄処分にされていること
皮が厚かったりしたものなどは、ほとん
しかし、見た目の良いものだけが生食
用として店頭に並び、傷が付いたものや
小田原で盛んに生産される柑橘類は、
様々な種類が市場に出回っている。
が、香りが移って蒲鉾本来の味を邪魔
利用できるのではと鎧塚氏は話した
ろに、檜の間伐材の利用(蒲鉾の板に
鎧塚氏が試行錯誤を繰り返していたこ
一夜城ヨロイヅカ ファームのシン
ボルとなるようなケーキを作りたいと
完成した。
クリームとの最高のマリアージュが
檜 の 香 り が 効 果 的 に 作 用 し、 濃 厚 な
一部期間を除き密柑をジャムにし
て 生 地 に 塗 り、 こ の 特 長 あ る 酸 味 と
▶一夜城ヨロイヅカ ファームの案内マップ
彦氏は、ミッドタウンの店舗やアトリエ
は、全国の生産地と同様であった。
▲連日多くのお客が訪れる一夜城ヨロイヅカ ファーム
の 完 成 後、 素 材 そ の も の に 目 を 向 け た
「畑」をやりたいとの強い想いに駆られ
更に、檜の殺菌効果も実証されてお
り、安心安全の思いもよらない付加価
加工して地元産のスイーツとして生まれ
ジャムに、果肉はジュースやピューレに
値も得られたという。
都心から1時間以内で移動が可能な場
所を数ヵ所候補にしていたが、市をはじ
変わらせた。
してしまうと聞かされた)を依頼され
め、農家の皆さんとの思いがクロスした
誕生した〝一夜城ヨロイヅカロール〟。
場所が小田原市の早川地区であり、鎧塚
こ う し た 動 き は、 小 田 原 だ け で は な
く、全国の生産地へと波及していくきっ
相談を受けた鎧塚氏は、これぞパティ
シエの本領発揮と、皮はマーマレードや
氏の「ゼロからのものづくり」の発祥の
ていたと振り返る。
地「一夜城ヨロイヅカ ファーム」となっ
かけの一つとなった。
▶季節の旬を余すことなく活かした洋生菓子が
並ぶ冷蔵ショーケース
122
2015.9 製菓製パン
2015.9 製菓製パン
123
た訳である。
▶地元企業や農家とコラボレーションして生ま
れた商品が並ぶディスプレイ棚
一夜城ヨロイヅカロール