2015 年 8 月 6 日に広島県立総合体育館、 グリーンアリーナで催された原水爆禁止世界大会、被爆 70 年ヒロシマデー集会で提供されたハインリヒ・ベッドフォード=ストローム監督によるスピーチ ドイツ福音主義教会 EKD 常議員会議長、被ばく 70 周年に際しての世界教会協議会の教会指導者による 日本巡礼の旅のメンバーであるハインリヒ・ベッドフォード=ストローム監督による 70 年後の新たな何か:共に前進する道 親愛なる友人諸君 本日ここにいる私たちすべては、大きな希望により結ばれています。:恐怖の 70 年後にあたり、 核兵器廃絶の絶好の機会です。そして私たちは、この目標がいつの日か達成されることを望んでい ます。私はこの地日本と私の祖国ドイツを含め、すべての大陸に加盟協会を持つ世界教会協議会を 代表して、その希望をあなたたちと共有します。 ありがたいことに、この記念すべき年には新たな何かがあります。それは核兵器のない世界へ向け て共に前進する新たな道です。この都市への爆弾投下で始まった脅威を拒絶する世界中の多数派は、 益々増加しています。人道主義的価値、同情および世界は実に一つであるというビジョンにより鼓 舞された政府、市民団体および人々の数は、益々増加しています。 私たちの世界は、緊急にそのようなイニシアチブを必要としています。核の危険を終わらせる仕事 を課された多国間メカニズムは、その約束を守っていません。核保有国は、核拡散防止条約とジュ ネーブ軍縮会議に実際に活気を与える非核保有国の活動に参加していません。核保有国は、核兵器 の破滅的な人道上の結末についての証言を否定し続けています。これらの核保有国は、軍縮を目標 として称賛していますが、その一方で遠い将来の使用に備えて彼らの核兵器を現代化するために膨 大な額を費やしています。 しかし、そこには希望があります。より多くの非核保有国多数派は、もはやこの事態を甘受できま せんが、それを克服するため新たなイニシアチブを採用すると共同でデモンストレーションをして います。私は3年間に亘る多数派の行動の成果である、人道の誓約について言及しています。その 誓約は私たちに核兵器の「禁止と排除の間の法的なギャップを埋める」ことを呼び掛けています。 113 の国家が現在その誓約を支持しています。宗教団体を含む市民団体により促され、さらに参加 者が増え続けています。この新たな多数派は、「いかなる状況においても核兵器を決して再び用い てはならない」と宣言する呼び掛けに参加している 159 か国で既に見ることができます。 新しい点は、益々増加する世界的な多数派が、核軍縮の行き詰まりを打開する権限を与えられたこ とです。間違いなく、世界的な世論に支持された、95%の国家で構成される多数派は、核兵器を禁 止する力を持っています。禁止措置によっても核兵器は消滅しないでしょうが、法律はその廃絶に 向けての必要なステップであり、その排除に向けた必須の手段です。 この新たな前進の道は、政府と市民団体が共同で行動した場合にのみ成功するでしょう。この新た な前進の道は困難です。ウクライナの危機は、危険な昔からの癖を明らかにしています。核兵器へ の支持を増やすために恐怖が動員されています。NATO メンバーはウクライナ危機に際して、 冷戦 様式の核の対立が必要であり、不可避であるとすら主張しています。 1 恐怖と対立の政治は、残念ながらここ東北アジアでは慣れています。そのような条件の下、ここで 核兵器は栄えたのです。70 年前に原子爆弾が 2 つの都市に対して使用されました。今日、その地域 のすべての都市は危険な状態にあります。この地域のすべての国は、核兵器を保有しているか、あ るいはアメリカ合衆国の核兵器に依存しています。 世界教会協議会は、2013 年にこの地に近い韓国で全世界会議を催しました。 アジアから加盟している教会は、この会議に影響を与えました。敵対する核戦力の標的地帯に住み、 原子力発電所の中で暮らしている彼らは、平和に向けた一つのステップとして核兵器の排除を求め、 持続可能な発展に向けた一つのステップとして原子力発電の置き換えを求めています。 ドイツの私の教会や世界中の教会は、広島、長崎そして福島の被爆者に影響を受けています。誰一 人として彼らと同じ悲運を被ってはならないという彼らの証言は、キリスト教徒を含むすべての 人々の力の源です。 被爆者の証言は、人類が新しい生活様式を求められていることを示しています。:私たちは生命を 危険にさらすのではなく、生命を守る様式で生活しなければなりません。私たちは原子のエネルギ ーを生命を脅かし、破壊する様式で用いてはなりません。そうすることは、神の創造物の罪深い誤 用です。私たちは他の人々への大量破壊が、私たち自身を保護する形態として合法化できるとする 考えを受け入れることを拒絶しなければなりません。 この 70 周年のために、世界教会協議会は核兵器にまつわる法的ギャップを狭めることに依然合意 していない 7 か国から、教会の指導者を送り込んでいます。私たちはここに核兵器を保有する 2 つ の国-アメリカ合衆国およびパキスタンと、核軍縮を支持することを表明しているが、依然彼らの 代わりに核兵器が使用されることをいとわない 5 つの国から来ています。この歴史的な記念日の後 の私たちの計画は、帰国して広島と長崎で何がなされたかを私たちの政府に伝え、さらに恐ろしい ことに、なぜ 70 年後に依然私たちの政府が数百の都市を破壊する準備をしているのかを尋ね、そ して私たちの政府に新しい人道の誓約へ参加するように促すことです。 原子爆弾投下 70 周年は、私たち皆にとって有望な機会です。共に前進しましょう。核兵器を禁止 することは、新たな何か、必要な何か、世界の多数派が最終的に実施しなければならない何かです。 2
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