世界の“Englishes” [PDF 133KB]

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英語を学ぶことは重要なの?
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どうして皆さんは子供のころから英語を勉強しなくてはならなかった
のでしょうか?
英語使用者の数は現在、世界中で 20 億人を超えると言われていま
す。英 語 話 者 間だけではなく、lingua franca(共 用 語)として英 語を
使う機会は増えています。環境問題など、グローバルに解決をするべ
き課題の多い現代、英語を使うことは global citizen として大きな力で
す。そこで、他でもない英語がどうしてこのような立場になったのか、
その経緯をたどった後、現在世界に点在する英語のバラエティーを検討
し、高い英語運用能力を身に付ける意義を探っていきましょう。
アメリカ合衆国の言語だから、その経済力、政治力ゆえに英語が広
がっているという考え方があります。ただ、アメリカの歴史は比較的
短く、その前の歴史的背景なしには英語はここまでの拡散を見ること
はなかったでしょう。もともと英語は 17 世紀初頭にはブリテン諸島で
母語としてわずか 5 ∼ 7 百万人ほどの話者がいた言語ですが、現在では
上記のような数に上ります。
地球上の広範囲を支配した大英帝国の言語として、植民地では英国から
の移民(diaspora)の元居住地域で使用されていた英語の方言がその土地
の言葉の特徴を交えながら発展しました。その結果、出来上がってきた地
域差のある ”
Englishes”は皆さんが知っている英語の発音、表現、文型と
は異なっていることが多いのです。ここでは実際に各地域の英語を聞きな
がら、そのユニークさを検討してみましょう。卓越した英語力とは、どのよ
うなバラエティーにも対応する力を意味することが判ってきます。