森 の科 学(1) し、 パ イブよ り鉄筋 と言いたい くらいの 代 が 、軟 かい所 とは どこで あろ うか 。春 に 出 ク 物 で あ る。 水の連機通路が不要 とな ったの 来 で 、ス ギ、 ヒ ノキは同 じ材料 に ち ょっと手 を加 えて 自分 の体 を支え るの に役立 つ強 度 取 囲む壁が薄 い ことは前 に述 べ た。 ここは 材料 を作 りだ した と言 えそ うだ。 この鉄筋 が 少 な く軟 かい。 そ こで 当然 なが らサ ン ダ 一 がけの時 に早 く落 ちる。 一方 、夏 に 出来 の列 は数箇 か 、時 には1 0 をこえるが 、 いず にそれ を た仮道管 は水の通路 の大 さの害」 空 気 の 占め る割 合が大 き く、壁 つ ま り実質 れ に して も生産作業 は夏中 に終 って しま う。 た 仮道管 は大 きさも小 さ く、 しか も水の通 スギはい ろい ろな 日的 の工芸品 に各地 で 路 の大 さの割 に壁 は厚 い。 つ ま り笑が つ ま 東京大 学 催学 問; 善本角1 孝 l l より 使 われ てい る。北海 道 以外の 日本の どこで _ ― _ てい るか らこの部分 は春 に 出来 た「 ー ン けで ダ くサ が まで残 る が よいせいだ 後 。 も生 える し、安価 で加工性 。 硬 'フ れ た り、芸 で味 わ えた りす る こ とも しば 皮の内側 を通 って送 られ て きた砂糖 で 、製 そん な工芸品 には木 日が くっき り出て い る ― ス ギは業が毎年 な くなる木ではない が 、 のが共通 である。 天然の スギ を切 り倒 して そ れ で も こ うい った ' 年 ご との繰返 し活動 見 た ときよ りも木 目の凹 凸はず っと際立 っ を してい る。 ヒノキ、 マ ツな ど針葉樹 はそ しばで 、 木の 年輪 は我 々に とって身近 か に 品の パ イプはそ こか ら中心 に向 って送 り出 てい るのが普通 だか ら、工芸 品では木 目を う で 、木材 の 8 割 以上 を しめ る仮道管でお あ って障れ を感 じさせ るもの らしい。 それ さをしる。 「 五 月病J と い う名で知 られてい る現代 は っき りさせ るための処理 が されてい るこ こ 4 で あ る。 パ イプの製造工場 は樹皮 と材 との 1間 の 数が数 えた くな る。年輸 が 人の次 に感 じ で形成層 と呼 ばれ る所 、原料 は葉か ら樹 末の切 り口を見る と子供 な らず とも年輸 な ら木に とって年輸 とは何 だ ろ うか。 とにな る。 と る変化 のせいで人は丸大 に年輸 を見 うる。 ころが ナ ラや ブナな ど広実樹 は仮道 管 を 春 になる と木 々は冬 の眠 りか ら 目覚め 、 病は 、木 々が緑 を濃 くす る呑節 と結 びつ け もたず、水の吸 い上 げ役は道管がす る。 と ブせやが 水 を 大地か ら吸 って体 全体 にめ ぐ′ て よ く話 され る。木 々の緑 は人 に気持 の よ ころが春生 まれ の道管が夏生 まれ の道管 よ て「 芽が出 る。キ葉 は青葉 にな り、幹 が その い もの とされ てい るが 、五 月の緑 は余 りに ` も強 い。 その生命力に圧倒 され る人がでて り本 い な どとい うこ とはないか ら同 じ理 く つ では年輪が現 われ ない。 幹 を支 える役の も不思議で はない。木 々の仮道管作 りは こ 方 は繊維 がす る。繊維 では仮道管 ほ どには の頃 が盛んであ る。 春生 まれ と夏生 まれ で差 はないが 、 それで 夏 の声が聞 える とき、木 はすで に水の運 搬 に 十分 な パ イ プをつ くり上 げてい る。 そ まれ た もの よ り可 l」 kり 小 さいので顕 微鏡 な のア」は 15列 を こえてい よ うか。数 は木 、 ‐ 本 ム 本で違 うし、年 に よって も違 うか ら ‐ 概 には言 えないが 、手 元 にあ る顕微鏡写 が見 えることもある。 こ みに耐 えかねて 大地 に枯葉 を落す 。冬 に は 全ての活動 が と絶 えて木 々は春 を待 つ 。 斯 く一 年が巡 るあいだに幹 に年輪 が 一 つお、 え、 その分 だけ木 は大 くなる。 も最後 に生 まれ た もの は次 の年の最初 に 生 ら 1年 ご との反復 はわか る し、内眼 で年輪 トウヒの年輪の境 広業樹で年輸がは っき りす るのは 、道管 が春にだけ生 まれ る樹種 の場 合で ある。 道 真で数 えると大な の ものが 15列とか20列 と いわゆ る 「スギの木 目J を 出す にはい ろ 管 は繊維 よ りず っと大 きいので 目立 つ 。 そ い ろな方法が あるが 、要 は、軟 かい所 が硬 ↓ヽ 所 よ リサ ン ダーが けで早 くお ちる とい う れが ク リや ケヤキでは春 にだけ しか生 まれ 暑 さが どうこたえ るのか 、夏 に スギや ヒ こ との応用で ある。木 の表 を ガスの 火 な ど るので ある。 ノキは ま ことにIウみ な こ とをや る。 内側 ヘ で焼 くことは木 目を出すの に よ く使 われ る 値物が季節の影響 を敏感 に受 け とるのは 送 りこむ バ イアの大 きさを十分 にす るのだ。 ′ くイブ と言って きたが 、実際 は絵の よ うに や き スギ」 な どと呼 ばれ る。 暁 前処理 で 「 くと軟か い所がサ ンダーで簡単 に落 ちる。 思 えば ご く当 り前で あ る。 その跡 が幹 とい い る。 よの 大地 か らの吸上 けには去年 まで 四 白だか ら、中心 に 向 )た方 向の辺 だ け を 酸 な どの薬品 に よる前処理 もよ く行われ 、 か し何 百年 も残 るとい うの は木 の幹 のほか 〕た 六 ィブライ ンが先ず使われ 、 それ に作 ・ 半分 ぐらいに短か くす るのである。 それ と こす って生 まれ た凹凸の味 わ いが特異 で 、 'フ にその 年作 られ た ものが加わ る。 スギや 同時 に壁の 厚み も培 す。 こ うして 出来 た も tと のは 、 どうみて も良 い バ イブ は 言えない 草 ばれ てい る。 にはない。年輪 の神秘性 は木 の幹 の長い寿 1命 にあるよ うに私 には思 え る 。 数である。この時期までに作られた ■1 ? ■ パ イプは水の連搬 を 日的 としてい るだけに、 その壁 は通 路 に くらべ 薄 い。 春 になる と末は沢山の水が欲 しい。 │ │ が な増 えてい く葉か らの蒸散 、 北合成 によが L ノ キ、 マ ツ では仮道 管 とい う名 の パ イブ 7 6 技 術 教 室 ないか ら、道管 が人の 日には境 い 日に見え う器官 にあ らわれ るの も理解 しやすい。 し 軟 かい所が早 く削 り落 とされ ると言 った No421 1987年 8月 号 77 森 の科 学(2) た りとい うことで木材 は膨ん だ り委んだ り セ ル ロ ー スが鉄 筋 な ら リグニ ンは ヨ ン ク す る。 こ うい うことの限 りない繰 り返 して リー トとい うわ けで二 つ の 異質 な もの の 協 木材が疲労 しやがて脆 くなるので はないか 力で 木 材 とい うもの の 構 造 体 が で きて い る 。 こ うい った もの の強 さが格 別 で あ るの は 一 とい う想像 も根拠 の ない こ とで はない。 殊 般 的 な こ とで 、例 えば ス キ ー や ア ー チ ェ リ ー に使 われ て い る F R P な ど もあ る これ 。 に水が滲み こんで木材 の中で氷 った ら膨 ら むか ら大きな力が生 まれ る常であ る。 こん 東 京大学 農学 部 ヒノキ サクラ ホオノキ ス シ ハ エゾマツ ギ ラカシ リギリ ハ ブナ ヨナラ リモミ イタヤカエデ サクグル ミ 善本 知孝 「 が腐 ってい る」 とい うのは よ く耳 根1 生 や カ ビで も木材 を食 べ る物好 きは少 ない ら にす る声業 で、 支えを失 った人の心 が脆 く な って しまい他 人に不快感 を与 えるの を示 しい。 その 下手物 食 い はキ ノコであ る。 シ イタケや シ メジはその 仲間の一 員で担 子菌 すの に使 われ る。石や金属が脆 くな った と と呼 ばれ るグル ー プだ。 きに も 「腐 ったのか な」 と言 うこ とが あ る。 しか し木が 店 る とい うのは これ らとは大分 キ ノコの仲間 は胞子 として空気中 を飛 び 木材 にた ど りつ いて発芽 し菌 糸 となる。菌 ) ていて 食物 が腐 るの と似てい る。 つ ま 違・ 糸は木材か ら栄養 を とって繁殖 し子実体 を リカ ビが生える煩て 徴生物が木 を分解 した つ くる。 子実体 は普通 きの こと呼 ばれ てい ためお こることで あ る。 るもので成熟 して胞 子 をまきちらす。 この ││││││■ ││■ │││■1111111‐ │ 左は腐 る前 、右は腐 って縮 んだ木 食物 が 腐 るの は季節 に よって は一 晩 で も 【―才" (、 _) ( 数値 は手 で折 れる年) らでは プラ スチ ックが ガラ ス繊維 で補強 さ 間、水分 と温度 はあ る範囲内になけれ ば な な ときに木 は壊れ ないか。 この点 につ いて 木 は コン ク リー トな どよ りず っと強 い。菅」 らない。木材 の合 水率 は2 0 % 以 │ : で 温度 は れ 日が 出て くることはあ って も木材が脆 く れてい る。 セル ロー スと リグニ ン との共 存は こうい 2 5 ∼3 0 ° C が よい とされ てい る。家 の柱や家 なることはない。 これ は木材が その中 に沢 った物理的 な強 さだ けで な く、木材 を他の 具 な どは合水率 が1 0 物前後で あるか ら、 こ 山の空気 を抱 えこんでい るせいで 、空気 は れ らの 本材 は腐 らない。湿 気の多 い ところ で木の表 の黒 くなる こともあるが あれ は カ 外か らの力に緩衝材 になった り水でお きか わ った りして 、木材 本体 の技害 をへ らすの 値物体 よ り腐 りに くくも してい る。 セル ロ ー スは ブ ドウ糖 のつ なカエった もので この こ ビが つい たので あ り、 カ ビは木材 を腐 らせ に役立 ってい る。 よ うな胞 了の発芽 か ら千実体 の誕生 までの t″│ 3本ツ4 られ ないか ら雑布 でお、くと落 ち、木材 には 何の跡 も残 らぬ 。 とではデ ンブンと同 じで あ る。 ただ ブ ドウ 害!りば しさえい ちぜん だ と折 りに くい。 糖 と ブ ドウ糖 との結 びつ き方 が違 い 、人間 始 め 多 くの動物は七 ル ロー スを ブ ドウ糟 に 木の強 さは相 当な もので あ る。木材 が強 い す る酵素 を もって い ないので 、 それ を栄 炎 にで きない。 お こ るが木材 は 勿論 そん なに簡単 には腐 ら の よ うに光や酸 素 に よる劣化 があ りそ うで、 のは繊維 のせいだ とよ く思 われて い る。繊 維 の素 つ ま リセル ロー スは木材 の 5割 を し ない。 3 c m 角 6 0 c m の杭 として 上に半分 ほ ど 家 の外壁の スギ板 に木 目が浮 きでてい るこ め 、 び っち り結晶状 にな ってい るので引 っ た もので もな けれ ば他の糖 が結 びつい た も ので もない。 また脂肪で もない。 そ こで ) 木材が脆 くな るのに プラ スチ ックの劣化 ところが リグニ ンは ブ ドウ糖 の結 びつ い も埋 めてお くと杭 は地 際か ら腐 りだすが 、 とか らも、 この よ うに考 え るのは 自然 で あ 張 られ て もなか なか にちぎれ ず木材 を強 く そ こが 手で折れ るほ ど脆 くなるには 4 ∼ 5 る。 しか し光 は木材 の中の 方に しみ通 らな す るの に哀献 してい る。 そのほか 木材 には グニ ンを栄 黄 に してい る生 き物 はなか なか 年 はかか るのが普通 であ る。 「木を食べ てい るみたい」 な どと味 の悪 い し、酸素 だけの分解 力は弱 いか ら光 と酸 にあ りそ うにない。リ グニ ンが あるか ら木 素 に よる劣化 は木材 の表面か ら l m m さ え進 材 を食べ る生 き物 が限 られ た種類の ものに さを示すの に言 う くらい本 は人間の食 べ物 まない。板 が折れ るほ どの劣化 はお きに く リグニ ンと呼 ばオ ■る ものが 3害Jほどもあ り、 セル ロー スの周 りにへ ば りつ いてい る。 リ グエ ンその ものは脆 いが 、 セル ロー スと り にはな らない。 t は 微生物 の時 り場 で 、 そ こで 4 ∼ 5 年 も木材が もつ の は バ クテ リヤ く、 ま して柱が くずれ る筈 はない。 グニ ンの 混在 が木材 に他の植物体 にはない とになる。樹木以外 の植物 は木材の リグニ 性質 をあた えてい る。 ンに似 た もの を殆 どもってい ない。 7 6 技 術 教 室 温度が上 った り下 った り水が入 った り出 │ な り、 だか らそれ だけ 木材 が腐 りに くい こ No422 1987年 9月 号 77 森 の科 学(3) こ うして減菌 したおが層 に、冷 えてか ら工 さて憧れ の きの こ、 マ ツ タケはまだ部屋 / キ タケ菌 を うえれ ば1 8 C・の 部屋で無菌 の の中で は作れ ない。 マ ツ タケ山 を管理す る だ けで あ る。 人のや ってい るのではな くマ おが粉 をエ ノキ タケは どんでん食 い進 む。 別 に無 菌室 はい らない。 3 週 間 も経 ってか ら低温室 へ移 す と、 きの こが で る。 ( なお 実用 で はおが粉の1 / 3 の米 ぬか も含 む。) 束求大 学 農学 剤; 善本知孝 ツタケ 自身 のや ってい る殺 菌について は興 味深 い観察 が ある。 マ ツ タケが マ ツの若 い 城J 根 に と りついて 養分 をもらいだ し所謂 「 「 先生、 これ は ワタシの作 った シ メジ、 をつ くる と、根 は黒 くな り具 い揮発物 をだ す。 これ は殺菌剤 らし く他 の カ ビや バ クテ 莫 を殺菌 して使 った。 方法 は秘 密 」。 日本 か ら帰 国 した ロバ ー トは トロン トで 、 こ う さな根 とともに外側 に マ ツ タケは マ ツの′ jヽ リアが 「城」 か らい な くなる とい う。さ ', カ ビが生 えるのは不 潔 な感 じだ 。 「カ ビ が生 えち ゃ った」 だの 「カ ビて るか ら食 ベ 生 きていた し、 それ に九大 の 内部 は空気 も 名 ヒラタケ) 説 明 して くれ た。 シメジ ( 本 エ ノキ タケ同様 、殺菌 おが粉 で は 日本では へ拡 ってい くとき、 内側 に残 った所 をポサ ボサの水気の ない もの とす る、 とい う。 つ ちゃ駄 日」 と言 われ て育 って きたせいか も 栄 養分 も乏 しいか ら菌 は住 みに くか った。 生産 され るが 、高 価 な殺 菌釜 は 買え ないの 知れ ない。木 に 力 どが生えて腐 っ らゃ う、 したが って穴 をあけ シイ タケ菌 を うめ こめ ま り他 の菌 や細菌 の生育 に都合が よい環境 を破壊 す るのだ。 かつ マ ツ タケは マ ツ と協 とい うのに も同 じ語 感 が あ る。 実 は カ ビ ば シイ タケは 「 徹J ゃ 細菌 にわ ず らわ され べ に ず 木材 を食 て育 つ 。 1 年 半後子実体 つ で莫 に秘密 の菌 を うえ殴酵 させて殺菌 す る 方法 を ロバ ー トは とった。 これ は欧 米最大 ( 徴) で はな くキ ノヨ ( 草) で 腐 るのだが 、 その結果でて くるもの を普通 は きの こ と呼 んでい る。 とであろ う。思 えば丸大は数 か 月前 まで は ま りきの こがでて くる。 この途中に シイ タ ケ以外の菌や細菌 がメし 大 の 中 に入 って くる 使 われ る方法で ある。 マ ッシ ュル ー ム を育 て るには藁が い る。 細 菌 ヅ1 菌 不安 は全 くないわ けではない が 、栽培 の管 それ と馬糞 な どが藁の醸酵 に役立 つ 。馬糞 理 が正 しけれ ば、最初 にメL 大に とりつい た と藁の まざった もの つ ま り馬厩肥 を適度 の シイタケ菌 は最 後 まで支配 力 を維持 す るの 出 に して堆肥 にす ると、菌な どわざわざ加 が普通であ る。 Cと な る。 えず とも醸酵 し 1日 に して70∼80° 丸大 の中は 6 割 が空気で あ り、木 の実 質 い わば間仕切 りを くい ちぎってい くので 、 本 を食 べ るのに時間がかか る。 も し、丸大 しめ じの栽 培 力 して わが身 の前後 を殺菌 して育 つ 。 の栽培 きの こ、 マ ッシ ュル ー ム を作 るの に 微生物 の世界 こん な状況 が半 月 も続 くと藁 は殺菌 され 良 ッシ ュル 好 な堆 肥 となる。 これ を冷や しマ 、 マ ツタケは弱 い生物 とい う。 他 の菌 との ー ム菌 を うえつ ける。 以後 は シイタケ、 エ 共存が しに くい らしい。 こん な殺菌方式 を をつぶ して木層 やおが暦 に した ら菌が 木の ノキ タケ と同 じだが 、 きの こを出す には土 もって い るの もそん な ことの 現 われか も知 れ る機会 はず っと増 える告 だ。例 実質 とお、 つ ま リ ピー トの技覆 が必要 らしい。 きの こ れ ない。 これ とくらベ マ ッシ ュル ー ムは強 えば 2 c m の ンクが 十分腐 るには 3 木 の ブ ロ、 は 2か 月で とれ る。 い菌 に違 いない。鹸酵熱 の殺菌 な ど不十 分 の このお が粉栽培 は、 こん な考 えで始 ま り な もの だか ら滅菌 後の莫 に も菌や細菌が い る。 ただ マ ッシ ュル ー ムに実害 を与 えな い にす ぎない。 生 き物 と生 き物 との均 り合 い さなが らに 作 られ て い る。 「徴 J と違 い 「 葺」 には元来不潔 な感 じが ないが 、栽培 広 まった。 しか し、面倒 な こ とが 一つ お こ の上 に欧米の栽培方法 はな りた ってい る ら った。 おが粉 に なって空 気 に触れ る面が増 しい。 まことに欧米 くさ く、他 民族 との共 した きの こは清潔 その ものであ る。生産 で えると空 気中の菌 で木が強 く汚染 す るのだ。 きの こは 今や健康 食品の エ ー スで ある。 バ イオ産業前駆者 の誇 りも高 く 工場生産 、 か 月 もかか るが 、7 0 0 m e のお が 粉 は 1 か 月 で エ ノキ タケに食われ て しま うほ どだ。 き は他 の菌 の侵人 を防 ぐため ベ ス トな処置 が きの こは無 菌の ところに生 えるのが立 て前 存の上 に成立 つ文化 を思 わせ る。 これ と較 べ 、 わが 日本の殺 菌釜使用 の方法 はまこと Lてい るか ら,ど とら″ 。シ イ タヶ、ェ ノキ タ ケ、 マ ッ シュル ー ムそれ に マ ツ タケ と生産 だか ら、 おが層 を栽培 に使 うには先ずおが に潔 白好 みの もので、栽培者 は エ ノキ タケ 層 の減菌が必 要 とな った。殺 菌 は加 圧 蒸 気 民族 以外 の ものの存在 を認 めぬ完肇 さで清 ■ども。 方 法 は違 うけ″ で1 4 0 0・3 時 間 も行 う。使 う殺菌釜 は全設備 潔 な きの こを作 る。 女 L 太が清潔 な もの とは誰 が気が つい た こ 5 4 技 術 教 室 投資額 の1 / 3 をくう程 であるが効果 は抜群。 マツタケの城 No423 1986年 10月号 55 森 の 科学(4) どん な種類 の木か ' 9 もH i てくる ガ スな らそ フィ トンチ ッ ド物 を1攻い こんで元気 になるのは フ ィ トンチ ッ れ が森林 の ガ スをつ くる とす るの も不 自然 ドの この信仰 のせいで あろ う。唆念 だが こ で はないだ ろ う。 そ こで それ らを種 に して トー キ ン、神 山の話 とは別に私 の フ ィ トン チ ッ ド物 語 を ここでや ) てみ よう。 の こ とにつ いては信 じて よいほ どの証拠 は ない。 フ ィ トンチ ッ ドの過 半を しめ るテ ル ペ ンは内服業 にはな らない 。 ユ ー カ リか ら とった もの な どは皮膚 にぬ る と消炎剤 には なる。 テルペ ンは濃度が高 い と殺 菌作 用 を 示すが 、低 い と′ヽツ カネ ズ ミにl_E動 力をケ 東京大学 農学部 えた り、 目を覚 まさせ た りと言 う話 も伝 え 洋木知孝 られてい る。 この ごろは 「 聞呑療法Jと tヽ って 、 テ ンペ ンな どの 香 りをか くことで 白 律神経 の乱れか ら くる病 へ の 効果 を期待 し 森の空気 は きれ いだ。 空気のおい しさが 体 に よい と何か化 学物質 が体 に入 って きた 肺 に しみ こんで くるよ うであ る。眼 をあげ せいだ と考 えた くなるのが 我 々である。私 る と緑 の うね りも心地 よ く出の陵線 は遠 く に幸 せが あるこ とに確 信 をもたせて くれ る。 な ど口か ら人 って 胃に落若か ない と効いた た治療 も試み られて い る とい う。 そ うす る 気が しない。 フ ィ トンチ ッ ドが ある とい う 森林 は どん な両 か ら見て も人間 に とって安 と未知の ガスの著効 も期 待 で きる。 と森が 人の健康 に よい とい うの に も説 得力 らぎを与 えるか ら 「 森 へ い くと元 気 になれ がでて くる。 るJ と い われ る と誰 で も 「そ うか な」 と思 フ ィ トンチ ッ ドとい っ名の森林 の ガスは トー キ ン と神山の二 人に よ り日本 に紹 介 さ れ た。 ソ連 の学者 トー キ ンは 「 高等植物が 3つ の道が あろ う。第 1は 殺菌作用 、 人に スとして 時 ってい るか とい うと、今迄 に 見 つ か ったのはテルペ ンガ スだけで ある。 有毒 な菌 を殺 す力が フ ィ トンチ ッ ドにあ る 森 の ガ スが人の役 に立つ 高L抜 を集め るこ 傷 つ くと、 その周囲 にあ る他の生 物 を殺す ことで あ る。 そ ミや トウ ヒの葉 をきざんで とは フ ィ トンチ ッ ド信仰 を少 しづ つ確か な 物質 を出す」 とい うことか ら フ ィ トンチ ッ ドの考 え方 にた ど りつい た とい う。 それ は 置 いた とき、 そ こか ら出 るガ スが赤痢や チ ブスの商 を殺す。 これ は トー キ ンの実験 結 れ で十分 に示 され るか。 人が地球 1二 に生態 1930年頃 らしいか ら、私 が子供 の頃聞 いた 果 だが 、 そのほか に も葉 のテ ルペ ンが菌や 的 な地 位 を占めた とき森 は既 に存 在 したの の も存外同 じ種の話 か も知れぬ 。 その 後の トー キ ンの考 え方の深 化や 日本 に紹介 され てか らの マ スコ ミの取 り上 げ方のせい もあ 植物 の生育 を妨 げる例 は多 いの で 、 フ ィ ト ンチ ッ ドに この作用 を私 は期待す る。第 2 を思 い起 してみ ると、私 には 、 それ だけで は不 十分 で ある。森 が人の 誕生 を喜んだの の道 は森 の消臭作用で あ る。即 ち人に有 毒 り、 フ ィ トンチ ッ ドは森林 が 出す人間 に好 か 、憎ん だのか 。 その 気持 を木 々は人に ガ な物 質の吹着除去 だ。 ガスが ガ スを吸着す スとして伝 える と言 うことはあ りえないか ましい ガスと理解 され て 、現実 に存在す る され い な空 気のほか に何か人間 に よい も るとい う話 は フ ィ トンチ ッ ドとしては殆 ど かの よ うに思 われて い る。 これ はそれ な り 昆虫の雄が雌 をガ スで 集 め るように。 それ のが森 の 空気 に まざ ってい る と考 えたの は と りあげ られ た ことが ない けれ ども、私 の にそ もそ も樹 木が ガスを作 る 目的 は何で あ に説得力はある。 しか し私 の知 る限 りでは 森林 にあるガ スその もの を分析す る研 究 は 期待 は こ うで ある。近時 、植物体 か らと り るのか。 余 りない よ うで 、森林 か ら出 るテ ルペ ンガ ときには ガスとして も効果 を発揮 してい る。 に よ く出て くる。 日本のお とぎ話 にそん な つ。 千葉清澄 誰 だ ったろ う。私 は子供 の頃 「 森 には オブ ンが ある。喘息 の子 供 には特 に良 い」 と聞 樹木が出す ガ スには こ うい った 3つ の 作 森のガ ス フ ィ トンチ ッ ドが健康維 持 に通 じるには だ され た化学物質が消良剤 として売 られ 、 用が あ るよ うだ。 しか しこれ らが森林 に ガ もの とす る。 しか し森 と人 との関わ りはそ 森 の精 とい うのは ヨー ロ ッパの 古いお話 か され たの を憶 えてい る。 もう50年 も前 の スについて 気象 との関わ りが指摘 され てい 話 で あ る。 自分 で研 究がやれ るよ うにな り、 これ は特殊 な フ ェ /― ルの配 糖体 であろ う る程度で ある。 これ は勿論興味深 いけれ ど のが あ ったか と思 い 出そ うと してみ たが 、 ォ ノンの匂 い を初 めてかいだ とき、 どうに が 、 多 くの樹 木が含 む もので あ る。 こん な も フ ィ トンチ ッ ドは人間の健康 と関 わ るガ どうも出て こない。森 に ガ スが ある とい う も森の香 と結 びつ かず 当惑 した。森 に フ ィ こ とか ら フ ィ トンチ ッ ドが ガスを吸着 、除 スなので 、話 は別であ る。森林 ではな く樹 空想 も少 ない ようだ。 フ ィ トンチ ッ ドは 日 トンチ ッ ドが あ る と聞か され たの はつい こ 去す るのではないか と私 は夢 み るのだ。 木の出す ガスの こ ととな る と研 究 は可 成 り の頃 の ことで あ る。 茉 づ けの 子 と会 に生 きてい るためだ ろ う。 7 0 技 術 教 室 本で珍 しい森 の精の話 か も知れ ない。 この 第 3は 健康促進作用 で あ り、 フ ィ トンチ 多い。 それ らの なか には森林の ガスと呼 ば 森 の精 は環境破壊 とい う社会的 背景 を持 っ ッ ドの魅 力の核心部 だ。 人 々が木常や秋 田 れ て よいほ ど多種 の木か ら出 るもの もあ る。 て現 われ たけれ ども、 なか なか に深みの あ な どの森林 へ 行 き大 きな息 でた っぶ り空気 る夢 を 'え て くれ そ うで あ る。 No424 1987年 11月号 71 森 の 科学(5) 食べ られ ない よ うな可: 夫を実 に仕組 まね ば 一 由出成分の つ が な らない。 そ こで作 ったす 突然 につ くの だ。 年輪 で数 えてみ ると外か ら10∼20年で色が つい てい る。こ の ことか タ ンニ ン らしいのだ。 ゴ ) ラ に数百種 の値 物 を与 え てみた ところ、タ ンニ ンが比較的 ら外恨1へ大 ってい く時 内 部 に10∼20年喰 さ れ る と色素が で きる とい う考 え方が取れ る で あろ う。 色素 は抽 出成分 で あ る。 ところ で ここで作 られ る抽 出成分 は調 べ てみ る と 東京大学農学部 少 ない2 2 種を食 べ た とい う実験 が あるそ う だ。針 が あ って も、人の 日に出来 ない青味 べ を も っていて もゴ ) ラ は物 ともせず に食 た とや`うのだ。 つ ま リタ ンニ ンが あ ったた 洋本 知 孝 め 多 くの植物が食 べ られ ないですんだ こ と 作 ってお くのだ。 これ は木が 長持 ちす る '( 一 事 な理 由の つ と言 って よか ろ う。 木 は持 ‐ の新 しい部 分で は樹脂 を作 り、 古 くな った お 茶 を飲 む習慣 を不思議 に思 い ませんか。 7 シ 容…… 世界各地 で ど 禄 茶、紅茶 、 ウー に 本の エ キ スには水 で抽 出 され る染料や生 薬 、 ん なに 多 くの 人が この習慣 をもってい るこ になる。 油で溶 けで る樹5 旨 が あ る。 お 茶 には 本 の業 大抵が微生物 の毒で あ る。 つ ま り古 くな , た持の ところに樹木 は微 生物 に毒 な もの を や革が使 われ るけれ ど実 が良いのは言 うま l 部分 で は有 毒成分 をつ く って 外か らの政l■ に立 ち向 ってい るのだ。 1司りの 白い所 を辺 とだ ろ うか。大 l l R の お茶 は木 の葉 の エ キ ス で もない。 チ ャの 末の 皮や根 な どは使 われ 材 、中 央の赤 い所 を心 材 と呼ぶ 。 だか ら我 々は空 気の よ うに森林 の ニ キ スを て ないだ ろ う。 こ うい うこ とか ら同 じ木 で 体 に と りこん でい ることになるのだ。前 回 も葉 と根 の エ キ スは違 うのがわか る。 樹 木 は この よ うに して幹 に毒 を しこん だ。 皮や根 は幹 よ り腐 りやす い状態 にあ るか F, の話題 「フ ィ トンチ ッ ド」 の続篇 の意味 も こめ 木の エ キ スを と りあげる。 エ キ スとなるものは樹 木中では抽 出成分 樹 木は、葉、花 、幹 、根 、種 子 な どで 、 大文 の器官 の役割 に適 した抽 出成分 をつ く , てい る。例 えばf こ の抽 出成分 は どん な も のだろ う。花 には何 よ りも虫や鳥 を引 きつ として 1000年生 きた 、 とい う話 は 本が長持 ちす る例 え話 に よ く使 われ るけれ ど、では ある と考 えた い。 実際 タ ンニ ンは微生物 の け る役告」 が期待 され るか らそ こでは色 素が 木の幹 には どん な工 夫 を樹木 は して い るの で あろ う。 マ ツの幹 に傷 をつ け 、明 くる 日 に見 るとそ こには樹 脂 が時 ってい る。 これ 飲 む とい うのは毒 を飲 んで い る こととな り、 はなはだ奇妙 な習慣 であ る。 なぜ こん なこ は樹 木 が して い る L夫 だが工 夫 はそれ だ け とをす るのか 。 毒も少 しては業 とよ く言 う ことか らす る と、 人間 は岳 の タ ンニ ン も4少 みが きがあ るか ら葉緑 素が抽 出成分 である のがわか る。葉 の役割 として光 合l J k が 余り に も有 名であ るの で実 には他 の抽出成分が お、と思 いつか ない ほ どだカミ 、さ っきふれ た 旨を幹 戟 で新 たに樹渇 に止ま らない。傷 の末」 一 の中 に作 りだ し、半 月 も か月 もかか って 傷 口を うめて い くこともや る。 樹脂 はテ レ ナつと り業 として い るのか も角1れない。 し才 森林 が出す ガ ス、 フ ィ ト)チ ッ ドが 人間 ビン油 に溶 けるか ら勿論抽 出成分 で ある。 の役 にたつ らしい とは前 回の べ たが 、 この 本 は年 と共 に大 くな るのは有名 だが 、年 輪 の こ とか らわか るように幹 は中 央に近 い は しないだ ろ うか 。 効 力 も タンニ ン とlllて ほ ど昔 にで きた もの で あ る。 この古 い とこ る。 これ も今 まで 見つ か った ものは動 物 に あ るろ うか。 お 奈を飲 む と渋 い。 子供 な ら いや な味で ある。 ここに秘密が ないだろ う ろは周囲 と くらべ 赤 くなった り、黒 ずん で い るこ とが 多い。 これ は輪切 りに した 丸 太 毒 な ものば か らであ る。 か。 を うょぅと注意 してみ る と誰 て も気 づ く。 どん な もの で も古 くなれ ば よごれ ると考 え と似 た もの らしい とみ る考 え方もとれ るか る人 もい よう。 しか しこの色 は 占 くな った か ら汚れ た と言 った もの とは違 い 、 ある年 それ に して もお 奈を飲 む習 慣はいつ唄 か お 奈の エ キ スが あ る。 お 奈の タンニ ン と言 われ るもの を含む。 で は実 は何 のために タ ンニ ンを作 るので 動物 た らは 本の 芽や 木の葉 をよ く食 べ る。 に使 わイ ■るよ うだが 、も とも とは エ キ ス ト 樹木 は実 を動物 の部 のために作 ったわけで ラク トextract、 抽出物の意で あ ろ う。 樹 はない、食べ られ ては困 る。 つ ま り樹 木 は 5 8 技 術 教 室 ヒ ノキは1000年も生 き、 更 に法隆寺 の柱 ってお く。業 に しこん だ タ ンニ ンは動物 に 一 食べ られ ない よ うにす るた めの 種 ブ)毒で 作 られ よう。 また 香料 の生産 も虫 をひ きつ ク ロロ フ ィルム 入 りな どとい うカムや 歯 エ キ スは物の本質 とい う意味 で も日常的 サルはお茶 を飲む 生育 を妨 げ る。 さて 、 そ うとす る と妙 な こ とにある。 人間が好 んで 木の 実の エ キ スを けるため行われ てい る。 メー プル シ ュガ ー の採取 似 た ことをここで も行 ってい る。 この よ う に樹 木 は体 の各部に毒 を抽 出成分 として作 と呼 ばれ 繊維質 な どと区別 され る。 フ ィ トンチ ッ ドも葉 の押 発性ナ 由出成分 で あ だか ら フ ィ トンチ ッ ドの英効 は タンニ ン も知れ ない。 女 ,ラ 台ま ったのだろ うか 。 No425 1987年12月号 59 数 」) 化学物質がで きることにな る。炭索独 森の科学(6) エ / │ ) ン クス」) 梅鞭が梅物 ブ) 進化 につオ│ 抽 出成分で ' ) る。 て変 ってい ‐ ってい る。 そ し 〔何 と, 由 文分 出卜 この抽 出成分 の数が どブ) く ' ぅ いであ るか 進 化 とい うのは知 りたい こ とだが 、誰 も教 えた 人は い ない。 いない 、と 断 声て きるのはそ うい う本が ないか F , でぁ る。抽出成分 な ど 東京 大学農学部 洋本角1 孝 炭素の骨組 をもつ 化 合物 を扱 った辞書 に バ L シ ュタイ ン とい う有 名な ハ ン ドブック イブ が あるが 、4 度 日の補遺 が1 0 年ほ ど前 にで 食 草の 言い もブ) をつ まんで 1 1 に入れ る と 廿酢 ) はい 宅い が つ 一 ん と 卑 に 抜 け た 。 「こ まつ 業では な くほ うれん 申: ナ チ, た の だ な」 と思 う。 それ に して も何 とまあ 史いは 一 つ 一 つ うことか 違 。 l F 物は種類 が違 うと 最 後の ものが ヒ トだ」 と言 うのに過 ぎない。 る。 コケ、 シタ、裸千植物 の 順 に進化 し てい 植物 に も地球 に現 われ た順番はあ って ウ メ 1 9 5 9 年までの文献か らとった とあ った。次 るか ら、値物 は進化す る程 多種の フ ェ ノー や サ クラよ リ スギ、ヒ / キ は先 輩 であ り、 は何年 に出 るのだ ろ う。 も う買い手 は大学 ) ッ クスを作 ってい る ことに なる。1 由 出戊 シタは大先 輩 であ る。 その サ クラはサ クラ の大 きな図書室 ぐらい になった。 釘 の 実 い を、 ウ メは ウ メの 香をただ よわす とい った 風に、大 々が仲 間 とも先輩 とも遠 変 えてい く主 な道筋 は少 ない。 ‐つ か ら多 ア ン トシア ニ ジン フ ラバ ノ ン イ ソ フ ラ ハミン 進 化 の枝 分 れ 券 、 リ ツク ヽ ノ フエ ﹁ ヽ イ ツフ ラボ ン くが生 まれ てい くと聞 くと木か ら枝 ので き 実 い 、色、味 な どは ビタ ミンと同 じでl t た ってい る。 物 の もつ 化学物質で あ る。 これ らは繊維 な 枝は 3 本 であ る。 3 本 が夫 々にい くつ か に どと遠 って 水や油 に浴 けで るか ら抽 出成分 分れ 、 t ヽくつ かが 多数 に分か才 ■るのがヤ 桑り とよばれてい る。抽 出 といえば草木染や漢 返 えされ て数限 りない もの となる。 この現 マ メ科 に ダ, し ベ ジア とマ ケ リウン 、とぃ う 二 つ の属が あ る。 ■億 年 も 出1 、南 ア メ サヵ が ア フ ) 力 に く■ ) つい てい た頃 地球 には ' 方楽 を思 われ る 方がおあ りの よ うに、十 由出 わ し方 に よれ ば 、抽 1地 成分 が つ くられ てい ルベ ジア しか なか った。 それ が 今 の位置 に 液 は様 々であ る、 つ ま り植物 の抽出成分 は く‖ 頂序がわか り、あ とか らでて くる抽 出成 、 落 らイ,い てか らマ ウ リウエ が41またLた とい 快 りな く多い。 この 限 りない輸 出成分 が大 分は新 しい枝 となる。木 の枝ぶ りは植物の う。 ダルベ ジアは 世 界中 にあ るのに マ ケ ) 古か らあ ったのか 。植物 が進化 して 数が増 種類 で違 うけれ ども、植物界全体 でみ る と、 えたよ うに抽 出成分 も始 めは数が少 なか っ 木の形 は可 成 り似 ていて どの 木で も太い 3 ウムは 南 ア メリカに しか ない とのが証拠 の 一 つ それ に 抽出成分 イツラボ ンは 両者 に 、 たのか 、 と言 う疑問 は梅物が 多種の抽出成 本の枝 に多数 の小 枝が は 千 )てい る。 つ ま り あるの にその 後 にで きる イ ソフラベ ンは マ 分 を作 った謎 を と く鍵 であ る。 植物 は種類 に よって違 った抽 出成分 をつ く ケ リウムに しか ない。 成 分 の枝 分 れ 4 植物 は輸 出成 分 を作 る原料 に ブ ドウ糖 を るが 、つ くる上の原理 は似て い るらしい。 植物 が進 化 して新 しい種 が生 まれ るのに 使 う。業 での光 合成 で作 った ものである。 棋か ら吸上 げた ア ンモニ ヤ を原料の一 部 に 植物 の進化 を同 じよ うに木の枝分れ 図で は新 しい抽 出成分 を作れ るよ うにな らなけ あ らわす と、大 い枝 は コケ、 シダ、保子梅 ればな'フ ない よ うだ。抽 出成分 、つ ま り臭 す ることもあ るが補で 、 ブ ドウ樽 の切断 、 接 着で作 りあげ る。 一 つ の ものが無限 に変 物 となる。 シダの あ とに 木本性 の ものが現 い 、色、味 な どは新 しい もの とな り複雑 に われ最 後が草本性 とな るのは少 し奇異 だが 、 なる必 要性 が ある と言 えそ うで ある。 化 して しまうの は不 思議で ある。 ブ ドウ糖 この こ とは詳 しい研究 で確 かめ られて い る。 る とい うの は、抽出成分 が値 物 / 1 生態的 な 位置の確保 に重 い役 を果 してい るの を示 し てい るが 、重 い役 とは一 体何 であろ うか 。 7 、酸素 6 コ か , , なる は 炭素 6 コ 、水素 1 2 二 「ヒ トは方物 の 霊 長 、最 も進 化 した 動 にす ぎないの だ。 しか しこの 6 コ の炭 素 だ えてい った とす ると両 者 に関係が ある と考 物」 といわれ る と何 とな くよい 気持 にな る けではな く、他 の ブ ドウ梼 の炭 素 も使 って 5 4 技 術 教 室 が複雑 にな ってい るのだ。 こ うい う傾 向 は るの を思 うが 、抽 出成分 生成の場 合、 大い 抽 出成分 も植物 も木が枝分れ した形 で増 けれ ども実 は地球 11には先査達 が沢山い る 分 の木 は進化 してい る脱 物 の もの程 枝ぶ り っと細かい所 、例 えば マ メ 植物の分類の も・ 科 の中の 一つ の 属 と他の 属 との間で もな り う臭 い 、色、味 な どを誇 ってい る。 ン タ に シダには フラバ ノ) と そヴ) もう 一つ 化、 デ ) しが あ り、裸 F 植物 に│ よ 小枝 フラバ ノー ツ に ア ヽ に もう 一')の′ ぅ 〕 枝 ア ン トラ予 ニ ブン もり ‖ォ た。 E l 科辞 典なみの本であ る。 あれ で確か 色 も香 りも味 も違 うのは 当 り前の こ となの 子 果子粒 物 あ らわれ るのです) る。 フ ェ / ― ナンク ' ス ブ) 八 ブ フ ラ / ) は [ 7 ケ ) ‐つ 小枝 に しか ないカ て 、 合計 の冊数が 1 5 0 冊を ら くに越 え て い か。 〔 被子本 ご 物 の 小1 支 の うちあ とか ら出て くるものほ ど、 値物) 廷 化の小枝 ブ) あとか ' , 出て くるもの に とい うことで 「 順番 こに地球上 に出て きた 植物が ブ ドウ糖 をい ろい ろな抽出成分 に マ メ科 いて や , た, 尺 │IJの の分 l l l に llH物 よると、ノ が3 0 ならば よや油 には某 に とける。 つ ま り その数が3 0 くらい となる と組 合せて大変 な えた くなる。抽 出成分全体 の分析では ない が 、一 つ の大 い枝、 フ ェ /― リックスにつ 新 しい植 物が新 しい抽 出 J k 分を芝、 要 とす No426 1988年 1月 号 55 森 の科学(7) チ r , 幼 とな , たす) は言 うまで もな 虫 力t 虫占者 せ を と門亡t 後 子 は 各生長十 七階 ごJ ) ケ 十1 忠) ‖ 片 ! い. そ 才t / 1 けで│ よ ない。 1 文 虫 上な _ た マタ ‐・t F ウは 力 │ じ デ タ ラィ f を体 にいれ た ま 1定 しモ ) は 蚕 ′) 姉に │ , を と配 J る . ・l 」 なホ ′ ヤ,か ,た 1、 ・ ` るブ)力 デ兄 先 ゎ モ は兜格5001《力ヽ よ トウワ タを離れ る力に も1 丈 功 した, )「│ あ ‐ ヽ ヽ るJ こ ″とモrう に うことヵ lEこ るか。十 智 r , 2 5 m H とt ヽう= く 科々七て あ ) た。 そブ) エ クブツ) と しヽうホ ′ t t , そ ザ) │ フ つかF l 物て │よ 、 マ ダラ■ 打ウを食べ た動物か どうな る あ る シ 々! ) 根た ち地つ か r i 」) ●ぁる。 モ れ も2 5 m H がなた と社! 2 5 H か , , とれ た ■ ・ ''こ です) る。こ ″! 力`とた な まt l l t1を 士!1, 予 か を想像 す, t l よ 的中 →る. 蝶 を食 べ た動 物 は カルデ / ラ イ ドJ ) 持さに耐 え F , れず吐 き 東京大学農学部 地球 の うえに植物 と動 物が い る とい うヽ た り前の ことが私 にはひ ど くイく 思議 に思 え た こ と力` ある。ど う言 うことか とい うと植 “ 植物 には我 々が エ キ スと呼ぶ所 謂 抽 出 "力Sあ 成分 る。 これ は動物の毒 になる。 こ の こ とは否定 しよ うもない。 しか しこれ は べ させてみ る と、_■'日 げ)蝶て もうカケ ス (,│れ │よ い。 食ン 蚕│ よ 体 を十1 ヽL ( し 、 ' L I Ⅲ 引そ! │ , │ : た ごH う . シ ″′) 快 ) , た は 食 べ よ うとしなか →た と言 う。蝶 ′) 伴や lよ なん ともl l l t t rないかⅢ か な色 をアオ カケ ス│ よ 苦 しみ と結 びつ け る ホ ルモ ) が l l 1 /)1中1 脱│ と ブ 1 4 児 さ, t た杵 キ 卓は科学 史 ブ) エビ ツー f t ! │ : ウそ うてあ る十 一 ″ 千ェ= ] ス1 7 八十アの 千 十半名 S l a m n は ア メ リカに呼 │ = │才、自分ブ) と 千! 哉 → る十 ウ カ メユ、 植物が たまた ま持 っていて 、 それ を動物が れて い る。 この冷厳 な事 実が私 には頭 に し た 、 と言 うよ うな言 わば結果で ある、毒 の )く り落 ちつ か なか ったのだ。 ・ 意味 を こん な風 に考 えたか = , た。 しか し抽 “ 出成分 の意味 を深 く考えだす と 抽 出成分 を作 る意味の うち最大 の ものは動物 に食 べ "と られ 過 ぎない ことに あ る 思 わ ざるをえ た また ま食 べて 、 た また まそれが毒 であ っ な くな って きた。値物 は動物 を避 けるため る. 6 0 技 術 教 室 ん とr t 匹の ア オカケ スに吐 き気 を! ぷじさせ シを飼合 した した。 とこ/‐ か とうし ても れ るに/ L るカルデ ノラ イ ドを持 , てい る とい 令幼虫 で死んで しまう。 あれ これ 調 べ あ 〈 食べ つ 食べ られ つサ) 目ま くる しい関わ り あいで あ るが 、得 をしたのは マ イラ千 耳ウ ね_lkる│]飼有 楠 ブ)氏ブ)祇 を何気 な く持使 , 〔― タナルに変 えてみた。 どうした た ベ イ′ 、シは, ヒななしヽ ことか 、そ イt l 後ホ シカ メユ 毒 キ / コ 、毒草 な ど今 も我 々を脅かす有 の動物 には 食べ ' ラ れ ることはない し、 それ タ ヒぬ 。 こブ)とは紙 の 'R料て あ る水ヴ)極類 に 毒 な植 物 はある。地球 の夜 明けの頃 は さぞ か ' , はマ タラチ ョウが必 す花 を訪れ l ― 粉し Jと うとう八 あるとみ た。研究 に1'十 究 を竜オ か し毒に満 ちていた こ とであろ う。値物 は て くれ るか らで ある。 ブ Lサ ムモ ミが原因 とい う亭 をつ きとめた。 、そ ミブ)lll出 そ して 八,Lサン 成分の中 に昆虫 に初 めか ら満 足 な どしてい ない こ とになる。 動物が同 じ地 球 の うえにい るの も自然 にな な くな , た。 一匹 J ) マダ ラチ ョウブ) 雄│ ま な のだ。 SlaHlaはい ろい ろ な祇 製 古 │」 を徹 底 ーに べ メ 7′ ア リカの ヨ に た は 的 調 新間で 。 考 え方 を認 めれ ば 、植物 は 食べ られ ること T 、は 8 い こみたか , た。 そ うな │ ) 、1 直 物と 学習 に成功 した としか 考え_ ようが ない。 こ うして マ タラチ ョウヴ) 食べ ′ ラれ る機会 は 少 だけだ ‐ , たで あろ うか 。 そ うとは 言えない は思 う。 ト ウ i 7 クは 大分得 を してい る。 と宅、 何故 か とい う相変 わ らず マ タラチ ョウ以外 にい ろいろ工大 を してい るので ある。 この 値物 は 食べ られ ることに満足 してい る、 ′ とぃ ィ こr , ょぃ, ) か、植物 1 身が い わば食 べ │サ イ1 るのに 何 ブ) 狐抗 も[ ャ ない 、 とその時 ろ うか , 幼 若 ホ■■ ) │ ユニ く│ 々性r , │ │ │ │ アオ カケ スとい う鳥 に マ タ ラ! F コ ウを食 物 は動物 に食 べ r)れるのが初 めか '9決まっ てい るのに、 lhl方 が 一つ の地 球 の 11に生 ま 森林 た。 [11し 持本 知 孝 六、日 本t7もの よ りもホ シカ メヱ ペシゎま よ( 動物 を嫌 っていたか らヽ然の ことだ。 それ ご く微 丑で も作 用の あ る葉物 をホ ルモ ン なの に動物 は現 われ た。動物 が毒 を乗 り越 とよぶ 。 人間 、見虫 それ ぞれ に違 った もの ↓モ ン、 ジ . バ ビォ ン と同 じ が もつ 幼キ ホ メ えたのであ る。 この こ との意味 は どうで あ であ る。動物 は必 要 な もの を梅物か らよ く 物 を見つ けたの で ある。 ろ うか 。 貰 うか らホ ルモ ンも貰 ったって不 思議で は か ら蛍 動物 はホルモ ンの原料 を多分l l a 物 ない。 しか し考えるとこれ は在 . っ て な らな , てい る。 そオ ■を自分 に者「合が まい もブ) に い。 ご く微 星で効 くもの を食物 として とれ 加工 してい るに違 いない。植物 か見虫 の ホ ば ち ょっ とした変化で体調が狂わせ られ る ルモ ンを作 ・ , た とい うのは 、 そん な動物 の か らだ。 それ なの にl l F 物 に昆 虫 のホ ルモ ン 仕組み を真似 た こ とになる。 なん とい う植 昆虫 が毒 を乗 り越 えたあ との話 であ る。 カルデ / ラ イ ドとぃ う毒物が あるが 、ト ウ rプ タとい う相物 は これ を含んでい るので動 物 に食 べ られ ないですん だ。昔、古 の こと であ る。 ところが長い ことかか って マ ダラ が ある らしい 、 といわれ だ したのであ る。 物の能 力であろ う。 それ が み な食べ た動物 チ ョウの幼虫 は カルデ ノラ イ ドを食 べ て も これ は動物 に とって大 事件 で ある。 に害 を ケえるよ う仕組 まれ てい るび) である。 平気 になった。毒 を乗 り越 えたのであ る。 トウ ワ タを食 べ る動物 は他 にい なか ったか 昆虫 には幼若 ホルモ ン と悦皮 ホルモ ンの お、たつ が あ り、前者が幼虫か ら幼虫 へ の変 と動物 は人間 の考 え も及はぬ様 な とこ llh物 ろで深 く結 びつい てい る。 No427 1988年 2月 号 61 つ の割 合が極 めて大 きい とい うの もその ‐ 森 の科学い) 木の強さ であ る。木材 パ ル プとい われ てい る木の繊 ろい ろな人が調 べ てい る。 方法 に よ り結果 は違 うが硝化 セル ロー スを粘度法で測定 し か ら 9害」をも占め る。 維 は 木の本体 の 8害」 た時 、木 の セル ロー スは7000-8000と され 本 は繊維 の塊 とい って もよい。 てい る。木綿 は15000ぐらい 麻は 9000ぐ ら 木の繊維 はその 名か ら思 うほ どには長 く いに もな り、 この こ とが繊維 を取 り出 して リぐらいで ある。木 材 パ 使 う_Lで両 者 に大 きな違 い を生 む。例 えば はない。 1-4ミ ル プは工 作の ために ときどきつ かわれ るが 、 繊維 を紙 にす るな どの場 合で あ る。 しか し 東京大学農学部 そん な ときに指 の先で解 してみ ると、長 さ こん な違 い も木や麻 その ものの性質 に 大き 善本知 孝 が そん な程 度 なのがわか る。綿 の繊維 (10 -50ミ リ)や 麻 の繊維 (10センチ以上 )と な違 い を作 りだす とは思 えな い。 木の繊維 、 その中の セル ロー スが 木の強 た ちの軒食 に もな らずに存続で きうるので 比 べ ぐん と短かい。木 の繊維 の も う一 つ の さで三 い意味 をもつ 。 しか し、 これ は どん こ とで ある。 こ うい うと奇妙 に思 う方 もお あ る。 この秘密 は どこにあるので あろ うか 。 特 徴 は繊維 の中心成分 となる告 の繊維素が られ るだろ う。人の営 みに例 えるな らば 、 工 皆 さんのお宅 の壁 が何 で出来 てい るか を な繊維 に も共通 にお こるこ とで あ り、木 の 繊維独特 の こ とで はない 、今 まで述 べ て き 場 で生産 物 と廃棄物 が蓄 まるこ とに似て い 考 えた ことがおあ りだ ろ うか。木、或 いは 森が栄 える とい うのは物 が蓄 まって い く るのだ。なに、公害 、と目をむ く方 もお られ 土 とい う答 えは正 し くない。 10年ほ ど前 は よ う。樹木 が空中か ら炭酸 ガスと酸素、地 確か に木 だ ったが 、今 は石膏 ボ ー ドにほぼ 限 られ る。 石言 ボ ー ドの主 な原料 は石 膏 で 中か ら水 を使 って 、生 きてい くの に必要 な 体 や エ ネ ルギ ー を作 る。一方使 用ずみの物 、 他 の繊維 の場 合 と比 べ す くない ことで あ る。 木綿 では 9割 、麻 では 7割 に もな るの に木 の繊維 で は繊維素 つ ま リセル ロー スは 5害J た範囲の セル ロー スの性 質 で はそ う考えざ にす ぎない。 この ような繊維 の特 徴が木、 はセル ロー ス以外の成分 に よ りお こる こ と 麻 、木綿 の性 質 に反映 しないはず はない。 になる。 リグニ ンがその成分 の名 であ るが 今 はセル ロー スの ことに こだわ る。 るをえない。 そ うとすれ ば木 に独特の こ と あ る。 石膏 が どん な原料 よ りも廉 いので石 繊維素 は専門的 に高分子 と呼 ばれ るもの 木 の葉 は地上 に落 とす し、茎 の古 い所 は幹 膏 ボ ー ドが家の壁 を独 占す るよ うにな って で水 に溶 けた り、食物 として動物の体 に吸 さて 木が何百年 も地上 で形 を保 つ には物 の内側 にためてお く。木 は これ らを二 度 と しまったので ある。 石膏 は脆 いのに 1セ ン 理的強 さとは別の強 さも必 要 であ る。他 の 使 うことはない。木 の実 は微生物 に分 解 さ チの 厚み もない板 がで きるの は とて も不思 議 だがその秘密 は石 膏 ボ ー ドの なか に 5% 収 され た りす る低分子 とは違 う。低分 子 に は例 えば カ ロ リー にな るf1/糖 、業 になる ビ タ ミン、色素 になるア ン トシア ンな どが あ は他の植物 と同 じよ うに■物 としての防御 れ形 が な くなるが 、古 い茎 は幹 の内部 に蓄 生物 の攻撃 に耐 える強 さで あ る。 つ ま り木 弱 入 ってい る繊維質 にある。繊 維が入 ると 板 が強 くな るの はい ろい ろなボ ー ドで経 験 る。高分 子 は低分子 と無関係か と言 うとそ をす るだ ろ うが 、 それ だ けで は巨体 を維持 うではない。植物 は低分子 をつ ないで 高分 で きる とはお もえない。 そ こで単 なる有 機 済みで あ る。 例 えば プラスチ ックに繊維 を 入れ た もの は木 の板 に代 わ って スキ ー に使 子 をつ くるか ら、高分子 には必 ず単位 とな る低分子が ある。繊維 素 つ ま リセル ロー ス 物 として他 の生 物 に 食われ 難 い体 を作 って われて い る。繊維 のllRざった石 膏 はそん な には強 くないに して も建物 の壁 くらいには の単 位 は ブ ドウ糖で ある。 ブ ドウ糖 が単位 となる高分子 はセル ロー スの他 に も幾 つ も れば この ことも木の繊維 の化 学成分 に 由来 す る告 で ある。実 は β-1、 4と い う ブ ド 十分 に使 える強度 を持 つ。 さて繊維 には何 あ るが 、 β-1、 ウ糖 とブ ドウ糖 との結 合は生物 に食われ 難 を使 ってあ るか とい うと、 これ はか つ て石 スだ けで あ る。 この結 合 を とると高分 子 と くす る ,1でも重要 な意味 を もつ のだ。生物 綿 が図抜 けて よ く使 われ た。 しか し石綿 の 高分子 とがぴ った りくっつ く。 糸が束 に成 が高分子 を観 とす るには 、 それ らを体 に取 発癌性 が指摘 され てか らは次第 に木材 の パ る と強 くなるように、高分 子 も穴 になる と 屋久杉の森は残骸のかたま り 使用済みの 占い≧が幹の一部 として地 1= ル プが 多 くなった。 石膏 ボ ー ドの壁が必 ず しも安 ′ いで きる材 強 い。特 に強 く束 になったの を ミセルな ど で形 を保 ってい られ るとい うのは、岩 でも 料で ない ことは経験 され た方が もうおあ り 性 が増 すのが解 ってい る。ミ セルの大 きさ り入れ てか ら先ず酵 素で低分子 に変 えね ば な らない。 ところが β-1、 4を 分解 で き る酵素 をもつ 生物 はそん なに多 くはない。 も しα-1、 4な ら、 こ才tlよデ ン ブンだが 弱れ るとい う自然界のことを思 うときわめ か も知れ ない。 九太 の先で うっか り突 っ突 は麻 と木の繊 維 とでそん なには違 わず 、木 て不思議 なことではなか ろうか。幹 の この 部分は生命体 としてではな く物質 として何 いた らば っか り穴 が あ く。 こん な力 には石 膏 ボ ー ドは耐 え られ ない。 と麻 の違 い を説 明す るもの にはな らない。 ブ ドウ糖 のつ なが る数 はセル ロー スの 由 高年の風雪に耐 えうるのである。 また動物 木の強 さにはい くつ かの秘密が あるが繊維 来 に よ り違 うのは誰 で も考え ることで 、 い まる。 その割合 は森 の全ての半分 に も及ぶ 程で ある。森 は物 のた まる場所 なので ある。 6 2 技術 教 室 4と 言 う結 合は セル ロー と呼 ぶがその割 合がふ える と、繊維 の強靭 い るとみ るのが 自然 で あ る。 も しそ うとす 極 めて 多 くの生物がそれ の分解酵 素 をもっ てい るので 、食 べて しま う。 これでは体 を つ くって も100年はお ろか10年 も もた な い し、森 な ど到底で きそ うに ない。 No428 1988年 3月 号 63 森 の科学(9) 木になる 良前 と同 じだか ' , 、ス ギや し ノキブ) 化祖は エ キスの 油で 六 イプの 内側 を生 , た結 ltg物 だけ て佐化 したの ごはない。 この ことに関 係 してい るのであろ う。 リク■■ンを食べ る 果、水が少 ない エ ネⅢギ ーで運 べ るよ うに 生物が地球 1 1 になか なか現 われ なか ったす) なった。 これ はl l a 物 に と , て大夜有利 な こ であ る。 そ う宅、 は空 想 してい るのだが 、 こ を れ は ら 貨うと今 ヒ トが化学 某品の力 G フ ラ とで あ る。 それ だけに │ 1 1 ま らなか った とい うのがl _ / 、 スチ ックを作 , たの と似てい た。今 ノラ ス 東京 大学農学部 持本 角i 孝 武蔵野 にたって ケ十キの柏 が 冬の言 い任 に とけこんでい くのに 日を焼 らす。 あの小 は格 別の工夫が あ るの だろ うか。 木の 水輸送 につ いての空想 を してみ よ う。 の前 とは別の生想で ある。昨 が しゃん とし たの だ。 r t l 来 た高分 子物 は もともとの パ イ プを作 っていた セル ロー スと遅卦って山が り 物 は少 なか , た。 そ こで スギゃ L / 十 ブう佐 に くい ものだ った。 それ迄 な ら幹が大 き く 祖 は思 う存 分勢 力を広けた。5 0 0 0 万年 も 1 なる と葉の重 みで しな って しまったの に 、 億年 も繁栄 した。 やがて 高類の なか C ′) 最 改良後は幹 が ひん と立 ってい ることとなっ も進化 した担 十菌が リダニ ) を 分解す る よ うになる まで 。 チ ッ クを分解す る微 生物 が少 ない よ うに 、 当時樹 木の作 ) た リグニ ンを分解で きる牛 枝す)先にやがて若実 がで る。 この 大地 か ら 床 の上 に よを流 す 、油 がひいてある とさっ た。 お陰 で周 りの梅物 よ り背が 高 くな った。 あん な高い所 まで ケヤ キが 水 を連ぶ 。 そ う と水か流れ る。 そ っと流 した者 なの に、 あ 勿論 それ だけ沢山陽 に 当た ってい られ る と 木の強 さの 秘密 は木の繊維 にあるが 、繊 8い なが ら梢 の/!ヽ 枝 に 目を凝 らしてい る と、 自分 の 胸 ブ)なかの潤 い も1支ll先に吸 い上 げ ,とい うまに遺 くまで流れ て大 事 な物 を濡 ・ 言 うわけで 、背 の高 く成 った 利益 もた ち ど 維 は繊維 素 つ ま リセル ロ ー スだけで な く り ら した、 子供 の頃 学校 の掃除で こん な こと ころにあ らわれ た。 グニ ンとよぶ もの も■、くん でい る。 これ は 前 ( 木の強 さ- 2 月 号) に 書 いた。 サ クニ ンが木の紘維 の性 質 を独特 の もび) としてい られ てい きそ うで あ る。 に どなた も桂駿 がおあ りで あろ う。 そん な こん な良い ことを植物が一 口│ で忘れ る常 ことを、 野、 むか し 2億 年以上 も前、ス ギ や ヒノキの先祖がや ったので はないか 、 と 7 はない。 スギや ヒノキの先 祖 はその 後 も 二 ニ フ ェ リルアル コール を作 り続 け 、背 をの い うのが私 の空 想 の核 であ る。 それ も偶然 ば し、地球 上に とん どん 勢 力 を増 してい っ の 考えで あ る。 起 きた ことだ、 とい うのが程、 た。 エ キ スとい うのは漢 方実 に使われ てい る あれ であ る。 その ときまで も、 エ キ スを値 物 はたびたび作 って きたが 、 その ときに水 輸送 パ イ プの 内面 に作 った ものは今 までの 武蔵野のケヤキ いげ るのは何 とな く実感 と 中i が水 をt t l c上 樹木が際立 = , て他 のt l F 物 と違 うのは沢山の リグニ ンを持 ってい るこ と、 これ は私 の生 の植 物 の室 と違 うのは もう ) グ ニ ンで代表 さ才とるよ うな性 質 とい うこ ととな , て も打〔 思議ではな い。 リグニ ンは どん なものか 。身近 ブ) 物を例 ・ ` に取 る とフ ラ スチ ックにイ 以 〔tヽる。リ クニ 想で はな く絶対的 真実で あ る。 そ [ ャ て 普通 の酵素 に よって活性 体 に変 化 して しまった の説 明では リグニ ンは木が幹 を支 えるため ンの 2割 り程 入った木の繊維 は、)グ ニ ン のない綿 の繊維 と比 べ る と堅 く、脆 い。木 ので あ る。 そ してみ るみ る うちに空気で高 に作 ることにな ってい る。 し か しこ才とは程、 の幹がが ,し りとして 山が りに くいのは リ 分 了の もげ)に変わ ‐た。 この高分 卜は水 に も油 に もとけない。 パ イ プは セル ロ ースで には散文的 にす ぎる。 い まい った空想 が私 グニ ンのせ いで あ る。 にはび った り逢 う。 ケヤ キが とって も高 い ところ まで水 を吹 作 って あ ったが 、 セル ロー スに くらべ この ) グ ニ ンの誕 生は全 く予期せぬ 出来事 だ 高分 子は水 をは じ く。学校 の床が水 を弾 く くイブで の と同 じf早同で ある。 そ こで輸送 ′ つた とい うのが私の考 えなのである。偶然 らぬ ところが ある。 そ う繊維 が どうして よ l T った コニ フ ェ リルアル コ ー , し が リグニ ン つ の亭件が起 きてい る。 を うん だ。 ここで 一 生物 の つ くった もの は生物 に よ り分解 され を通 じるのか とい うのが 落 ちてい る。紘維 吹 い 11げた水 は よ り早 く太 に 向 って昇 って tヽ「 ,た。 も高い ところにあ る。 あん な所 へ 水が どう 発 して しまった水 のぶんが パ イプを使 って =改 大地カギラ補給 さオしる。こ の ことは パ イフ 7 8 技 術 教 室 た高分子 物 は リグニ ンと呼 ばれ 今地球 1 1 で セル ロー スにつ ぎ多 い物質 であ る。 そ して ない。 樹木 は繊維 と繊維 とす) 接着 に も リグ ニ ンを使 . , てい る。 こ うなる と木の幹が1 也 もの と少 し様 子が違 った。彼 らが作 った コ ニ フ ェ ナルアルコー タ しはで きた途端 に細胞 して解 る。真綿 に水が吸 い込 まれ る如 し、 だが ケヤキt 7 D Iは3 付 0 メー トル も4 0 メー トル して 〔ほ くのか。 そ ブ) ことにつ いて 樹木 に ここで コニ フ ェ リルアル コールか ら出来 る。 リグニ ) の 水での役割 はそれ だけでは 広い★ っばの 表 面か らよが蒸発す る。蒸 い上 げ ることで始 ま ,た この 話 、少 し胴 よ ヽ はなか力ま か ら , ば で 、壁 に も′ さな穴 力ヽ 」 あ るので あ る。 スギ、ヒ ノキで は仮導管 と呼 る。 しか し リグニ ンの生産 は一 部 、生物 の ばれ 、全体 の 9 割 を占め る。 ケヤキで は仕 力では な く、空気の化学 反応 に よってい る。 7 ニ フ ェ リルアル コ ールは■物の 力 つ ま り・ 事の分業 が 行 なわれ 、 その代わ りに導管 と 真l L 木繊維 とが あ る。 No429 1988年 4月 号 79 森 の科学中0 とは昔 か ら言われ て きたが 、現実 J ) 婆 ltlだ もそ うだ とい う. そ れ に こブ) 頃 │ グニ ) も 柱 にl l T い 千夕とい うことが ぃ ゎね 〔い る。 セ ル ロ ースが 5 削 を占め るのに リグニ ンは 3 木がちぢむ 告」 弱 だか らこれ は細 い 柱であ る。 また セル [ 7 - ス が水 を吸 いや す い′) に、 │ ダ ニ ンは 東京大学 畏学部 キ本角l 孝 水 に用‖ 染 まない。 セル ロー スと ' グニ ンで 出来て い る壁 は に過 ぎないが 、厚 容積で は 木材 の 十分の ‐ みは 2 ∼ 3 μ m も あ り、他 の f L a 物 の壁 と比 べ て 厚 い。 この厚 い壁 は どん な 木 で も1 5 宮 山湾の海 の氏 に スギの 林がR民ってい る , ていた状況 て 大変 に違 うが 、例 えは弥生 と声 う話 は ときどきテ レビに もでて くる。 この 魚lt埋没林 と呼 ばれ てい る スギ林 は rl 時代 に埋 ま った とい うカシの ブ 1 7 ックが 1 ` か 月で 十分以 1 1 にな , たと記 され てい る。 万年 も前 に海 の底 にi売んだ とい 千年か ら ‐ うが そのイタも化学分 析値 も今地 11にある ス どうして こん な奇妙 な事が起 こるのか 、 そ ど電 い 木 だ けで 普通の 末材 は よに沈 まない。 び)わけは よ くはオ つか ってt`ない。は っき り 水が短時 間では入れ ないか らである。 つ ま ギ と大 き くは違 わ ない。 またに 久島 の縄支 してい るの は 木材が らぢ まないで す ます手 り木 材の中 に控 つ も間仕 切 りが あ り水 は通 杉 は ヒ千 年を越 えた命 とか 。 ま ことに木の 段 であ る。 掘 りだ した らす ぐ水 につ け る。 り抜 け難 い。 形 は 人のは いな どほかぬ程長 く明れ ない も 従 って この種 の 大手な資料 はみん な水に浸 の である。 か ,てい る。 くらいの比 重が あ るか ら木材は簡単 に水 に 沈 みそ うで ある。 しか し沈 むの は シタンな 問 木の水の通路 であ るパ イプは スギ、ヒ ヒノキの 電顕摸式 図 ( ×1 5 0 ) ノキでは仮道管 と呼 ばれ る長 さ 4 ∼ 5 m m の か ら1 0 倍。 つ ま り正常 な木 材な ら七 Ⅲ 1 7 スが しめていた年間 もセル ロー スJ ) 分解 の ちぢむの は見掛 けの問題 である。 らづむ 細胞が つ なが った もので ある。 つ ま り問I L ため この木材では水が 占めて い る。 さてと どろんて い るとい う話 は ご存 じで あろ うか 。 時 何が起 こったか は木材の造 りと洋 く係 わ 切 りとい , たが 、 そ こは二 つ の細胞の紫 ざ も ,と も こ ちらは数百年 、 たか だか 千年余 一 の言 舌であ る力` 。 見ば っとしない こブ)話 も ろ う。実際 、木材 は中 まで び っち り語 まっ めで ある。繋 ぎめの壁 には細か い欠 が々 い た もので はな く造 りが ある。 その最大 の事 てい る。 この穴 は大 半の ものが 、樹 末時代 気中 に出 たはか リブ) 末│ ル ) 細砲「 たは七 , L ロ ー スの柱 に水が一 杯 に 人■ ゥて いた。 ところ で七の 中か ら地 上に出て木材か ' , よがネ発 11のなかでは何 で も腐 るの を思 うと随 分不 あも年気が あることだ。 だ が木材 の中 に80つ か ,,そう 思議 なことではなか ろ うか 。 lllJ表 か 'ラ の ように空気が抜 けて ちぢむ こと 風舟ヽ 分にあるか ら、木 深 くない所迄 は酸 素 も iム だ って 考え られ な くは ない。 しか しこの空 には空 いていたか ら大地 か らの水の吸 い あ げに使 えた。 それ が一 旦水が蒸発 して しま った 木材では人の 多 くが閉 ま ‐ , てい る。水 程 の 力を持 たない。 そ うとすれ ば木 材は ち を腐 らせ る微生物 も多い。 従 ってそん なPlr 気 、実 は樹 木が 大地 か ら吸 い上 げ るのに使 ,た パ イブの中の水 が伐 木後蒸発 した時 に は簡単 には木 材の中 に 入 りこめない。 ぢんでいか ざるをえない 、と い うのが程、 の 人 りこん だ ものであ る。従 って外の年気 と は パ イプを通 り壁 に しみ こんで い く。比重 水 に浸 けておいたので は 木材 の保 存には つ なが ってい るか ら木材が上の中 か ら空気 1 5 の 壁で も水の人 りこむ隙 問 は あ り、 水 は壁 の3 0 ? あ までは入 り込 め る。 人 り込ん だ 水は セル ロー スの柱 の中 にあ る。 さて│ 口 │ り道 を したが 、木 が らぢむ話 に戻 なって も展ホ には適 さない。 そ こで 水の代 わ りに もっとセル ロー スに近 い化学構造 を ・ ドリエ チ レング ) コ ー ル を木材 に しみ 持つ テ こ ませ る。 ポ リエ チ レン グ ) コ ール は空 気 ろ う。 上の中か ら掘 りだ した木材 の場 合 も 中で も揮発 しないか ら木材 の形 が崩れず 、 事柏 は同 じで ある。水 は仮 道管の細 胞壁 に 入ってい る。 壁 つ ま り七ル ロー スの柱 の 中 だ したい 古い 木製品 を展示出 博物館 はF r t り か くて長 い問 ま さて 、 木材が 大地の奥オ、 で は 木材 はす く腐 り、形 が な くな って しま う。 しか し+1のなか数 メー トルで も酸 素 は 減 る らしく、 それ に乾 いていた り、逆 に水 が充満 してい る と末材 を食べ る徴生物 は育 ちに くい らしい。 そん な所 の上 に埋 もれ る 中 に出 た ときに抜 け るとい った ものでは な tの い。 そ うとす る と本が ちぢむのは パ イフ と、数 高年経 .ゥ てか ら掘 りだ され て も木材 壁 に起 こった こ とのせ いになろ う。 は元の形 を保 ってい ることもあ る。 樹木 の幹 の造 りの うち、最 も特 色が あ る のは水の吸 い上 げ パ イプの壁 である。 それ ところで ここで ら ょっと但 し書 きが い る。 とちちんで しま う、 3言」とか 5割 とかが ち はセ ル ロー スな ど多糖質 と 'グ ニ ンでで き てい る。 セル ロー スと リグニ ンは混 ざ り合 ってい るか とい うとそ うで はな く別 々にあ ぢん で まうので あ る。 その 変 りよ うは埋 ま る。 セル ロー スが 本の強 さを作 り出すか ら こブ)種の木材、掘 りだ され た ときの姿 は普 通 の もの と変 わ らぬが 、間 もな くシコー ツ 7 8 技 術 教 室 なにが しかの時 間 をか けて入 り込ん だ水 す るにつれ どん な変化が起 ころ う。 七 メ しロ ー スは分解 してい る 。最早 木材 ブ) 形を保 つ 思 う筋 書 きで ある。 ) た木材 には こ 来 ることになる。き通 の腐 ■ に よが ある限 り木材 はちちまないで すむ。 ん な性 質が ないのはい うまで もない。地 中 これ は経験的事実で ある。実験 に よれ ば水 深 く数百年眠 っていた木 だ けの持 つ 神秘 で の量は木材の 3 倍 を こえ る。普通 は3 0 らだ あ る。 No430 1988年 5月 号 79 れ に添 え木 をす る。 ただ し一 方は真 っす ぐ 森 の科学00 本が曲がる テ レビ画面 に横綱千代 の富士 の力 こぶ が ク ロー ズア ップされ る。 そ こには どん なも のが詰 まってい る事 だ ろ う、 さぞや 普通の 人 とは違 ってい よ う。敵 に 力 を加 えれ ばそ の分 わが身 に跳ね還 って くる、 これ は力学 の教 える所 で 、強 い 力の人 はその強 い分 だ これ はなか なか に解 けぬ疑 間で ある。 マ ツ、 に他方 は幹 の途 中 か ら45度 に 曲げた添 え木 スギが逆 に上 面 に対 引 っ張 り力用の物 質 を をす る。 そ して木が添 え木 に添 ってのび る 作 ったか らと言 って不思議 は ないのだ。 よ うにいつ も注意 を払 う。二 ヵ月 もたつ と 若 い木 は一 方 は真 っす ぐに、他方 は大地 と は45度で育 つ。 この幹 の上面 と下面か ら別 ンは作 り易 い もの らしい とぃ うこ とだ。 リ グニ ンを作 る とい う能 力 は樹 木が地球上 に 敢 えて言 えば マ ツ、 スギに とって リグニ 々にサ ンプル を削 り取 って きて分析 を して 現 われ た ときに授か った こ とは確 かであ る。 み る。 マ ツ、 スギ な ど針 葉樹 で は上 面 つ ま 東京大学農学部 そ こで古 い時代 に地 球 に登場 した マ ツ、 ス り地面 と反対の面か らのサ ン プルは木材 の 善本知孝 ギは必要 に迫 られ リグニ ン生 産能 を使 った。 宿命的 な分析値の範囲 に納 まって い るが 、 これ は圧 縮 力に強 いか ら曲 った所の ド面の 地面 に近 い、下面 か らのサ ン プルは異常 な ° 値 を しめす 。下面 のサ ン フル で は リグエ ン 補強用 に よい。彼 らに比 べ進化 してい るポ え る物が 曲 った幹 には必要 となる。 木 の化 学組成 は木の種類 、幹 の 上部 、下 部 を問 わず殆 ど同 じで 、 セル ロー スは50夕 あ、 ヘ ミセル ロー スは20∼30%、 リ グニ ンは20 ∼30%と な ってい る この は 値 草の茎 の化 。 の害」 合が大 きい。普通 の木で30%な らば 5 プラ、 ブナは多様 な能 力 を持 って い るので 、 リグニ ン生産 とは違 った仕方 で 曲 った とこ %も こえてい るので あ る。 マ ツ、 スギな ど ろの補強 の仕組 み を作 りあげ、新 しい住 み の曲が った幹 は 「あて材」 と呼 ばれ 、 その か を見付 けて行 った。 下面 、 つ ま り 「あて」 の部分 で は この よう に異 常 な リグニ ン生産が起 こ るが 、 それ 以 な ど広葉樹 と比 べ5000万年 以上 も古 く地球 マ ツ、 スギな ど針棄樹 は 、 ポ プラ、 ブナ けの力で も壊れ ない ものが体 の中にな くて 学組成 とは大 変 に違 う。例 えば稲 に同 じ分 析法 を当て嵌 め る とヘ ミセル ロー スが ぐっ は な らない。大地 に吃立 す る樹 木の幹で も と増 える し、リ グニ ンは減 る。特 に リグニ 外 に も異常 なことが起 きてい る。細胞 の断 上で繁栄 した とされ てい る。 つ ま り広葉樹 事情 は同 じであ る。直立 した幹 には沢山の ンは どん な植物 と比 べ て も違 いが 目立 つ 。 面が四角 よ り丸 に近 い とか 、細胞 と細 胞 と は後か ら現 われ た、 よ り進化 した植 物 で あ 葉の重 みが懸 か る。草 の茎 な ら当然潰れ て 樹木 は リグニ ンを作 ることで葉 の重 み に耐 の間の 隙間が大 きい とか 、 それ に生長 が早 しま う告であ るが 、樹 木 は壊れ ない。 それ えてい る。 い こ ともある。 主化学成分 に起 こ る変化 と る。 両方 とも木 部 を作 る事 で は似 てい るが 、 違 い も多 い。 リグニ ンの 質 も少 しはちが う。 ところで 木 に重 い木 と軽 い木があ るのは しては リグニ ンの増加のみが顕著 であ るか よ く知 られ 、重 い木 ヨ クタン、軽 い木 キ リ ら、樹 木 は押 し潰す力 に耐 えるため リグニ それ に量 も。 広 葉樹 で は20∼25%の 木が 多 いのに対 し針 葉樹 では25∼30%の 木が多 い。 ンを特別 に作 った として よいだろ う。 木部 を作 るの に針葉樹 はそれ だけ大 き くリ に耐 えるだけの もの を貯 えてい るか らであ や る。 曲が った幹で は ど うか。真直 く な幹 と 比 べ業 の重 みが左 右 で釣 り合 ってい ないか の名が よ く例 に出 る。水 を 1 と した ら、 そ ら、 曲 った幹 では 負担 が大 きい。枝 の雪折 れ ぞれ の比 重 は0 . 9 6 、0 . 2 9 とぃ うか ら大変 さて ポ プラ、 ブナな ど広 棄樹 では事情 が グニ ンに依存 してい るこ とに なる。 こ うし れ の場 面 を 目に浮 か べ る と解 りやすいが 、 に違 う。 また スギは0 . 3 8 、ブ ナは0 . 6 3 。こ か な り変 わ る。 これ らは特別 な リグニ ン作 ん なに違 うと木の化学組成 も違 いそ うで あ るが 、 セル ロー ス、 ヘ ミセル ロー ス、リ グ ニ ンの害」 合は比が違 って も殆ん ど変わ らな りを しない。 それ どころか 曲が った所 の下 てみ ると木 を曲げ るの に マ ツ、 スギが リグ ニ ンを使 ったの も一 層訳が あ りそ うに思 え 面 に工 夫 をす るこ とさえ しないのであ る。 て くる。 それ で は どうして過 大 な負担 に耐 えるか と い。 上 に示 した凡 その 範囲 にはい って しま 言 えば 、当然上面 に工 夫 を してい る。 そ こ 針葉樹 には比較的 曲が った木が少 ない。 スギ、ヒ ノキな どを思 っていただ きたい。 う。木 の重 さは木の細胞 の厚み を反映 して の割 合 は似 た よ うな値 なのは、樹木 は幹 を に外 見 か らゼ ラチ ン層 と言 われ るもの を作 る。 これ はセル ロー スが中心 の物 質 で あ る。 ゼラチ ンの所 だけ を とって分 析す る とグル コ ー スが98.5%も ある。下面 と違 い上面 は この よ うな組成 で作 り とげ る運命 を背 負 っ 引 っ張 りの力 を受 けるので ポ プラ、 ブチは て地 球上 に現 われ たかの ようで ある。 それ こ うい った繊維質 を作 って 引 っ張 る力 に耐 とすれ ば 、幹 が曲が る とい うのは進化の過 が木が 出が った途端 、 この値が大 き く変 わ えてい るとい うことになろ う。 程 で木が身 につ けた能 力 と考 えては可 笑 し るので ある。 それ では何故、 マ ツ、 スギは下面 に、 ポ プラ、 ブナは上面 に特別 の工夫 をす るのか 、 い ことで はないだ ろ う。 上面には引 っ張 る力が働 き、下面、 つ ま り 大地 に近 い側 には押 し潰す力が 働 いてい る。 さ 真直 くな時 にはない特別 の力で 、 これ に耐 い るが 、主化学成分 の組成 とは無関 係 なの だ。 どん な木 を分析 してみて も主化学成分 曲が った木に力がかかる 7 4 技術 教 室 二 本の若 い木 を別 々のポ ッ トに植 え、 そ 曲が りが 目立 つ のは今 を ときめ くマ ツか 。 山が荒れ る とマ ツが多 くな る とよ く言われ るが 、 これ は今 が良 い時代 と言 うことでは ないで あろ うか。幹 を曲げた こともマ ツが 生 きやすい一 つ の訳 ではなか ろ うか。 そ う NQ431 1988年 6月 号 75 森 の 科学│つ 大分違 う。 広葉樹 と針業樹 で は大 変 に違 う 本が しなう この ことを裏付 け る証拠 は殆 どないが 、 ろか 同 じ木 で も細胞 の種類 に よって違 う。 植物か ら取 り出 した ヘ ミセル ロー スの性 質 こん な こ とか らも樹木 は 自分 に 合 うヘ ミセ にはそん な推論 を自然 に思 わす よ うな もの ル ロー スを作 ってい る様 が窺 える。 そん な ために木材中 に在 るので あろ うか と言 う疑 がい くつ か ある。力 が 加わ る と簡単 に延 び るア ラ ビア ガムはその 一 例で あ る。 それ に も う一 つ こん な話が あ る。 4∼ 5年 前 、千 間が頭 をかすめ る。 「ヤナギが一 番美 しいの は 3月 28日 、29 供 の玩具 に 「スライ ム」 とい うのが流 行 っ た。 この玩呉 は一 「1でい うと粘 +1のよ うな 日、30日 」 と若 い 日に教 え られ た ことが あ ものだが 、ず っと水 っぼ く軟 らかい。 しか 工 夫の産物 の ヘ ミセル ロー スが接着 だ けの 東京 大学 農学 部 洋本角1 孝 ア ラ ビア ガム とい う言葉 を耳 に した こと てい る こ とに なろ う。 し、広葉樹 で も樹種 に よ り違 う。 それ どこ る。年、年 この言葉 を思 い起 し注意 してみ し可成 りの水 を加 えて も水 が こぼれ て くる が おあ りであろ う。液体 の糊 として郵 便局 リグニ ンは プラ スチ ック、働‖ 染 み に くい両 者を 一 体 の もの とす るのが ヘ ミセル ロー ス るが 、今年 もその 日 々は繊細 な緑が 目を楽 よ うなこ とは ない。 「スラ イ ムJは 水 を沢 の窓 口には必 ず置 いて あ った。 今 もと ころ の仕 亭 と言 え よ う。 しませて くれ た。 その 日 々の 後。 日に 日に 山抱 え られ たか らで あ る。手 敬 りが よ く、 に よってはあ る。 これ は切 手の糊 にはまこ 重 さを増 す業 に柳 は身 を屈めて い く。 風が い じる と思 うよ うに形 が変 わ ってい く。服 とに具 合が良 い ものであ った。 どろ っ とし 吹 けば 尚更の こと、木 が あの よ うに しな う について も簡 単に とれ た。 これ だけ考 えて て いて伸 びが良 くそれ でいて 切手 が濡れ 過 ものか と改 めて思 わせ られ るほ どだが 、考 も良 い玩具 とな る条件 は十分 にあ った。 可 ぎる程水 っぼ くは ない。 ア ラ ビア ガムはア カ シア ・七 ネガル とい う木 の樹 脂 で ある。 しか しマ ツヤ ニ とは大変 に違 い 、 ア ラ ビノ えれ ば木材 が しな うのは弓 として古来使 わ れて きた性 質 で ある。 しな って元 に戻 る木 成 り流行 った もので あ る。 あれ は豆 の種か らとった ヘ ミセル ロー スで作 られ ていた ら ガラ クタン と呼 ばれ る多糖類 で あ る。澱粉 イ ヌガヤ 、 イチイ、 マユ ミ、 ハ ゼ /キ な ど も多糖類で あるが 、澱粉 の糊 は粘 り気が少 だ ったそ うで 、 これ らの表 裏 に竹 を貼 って な く紙 に心み込 みやすい。障 子張 りの時 に あ るのが多 くの弓 と聞 く。梓 弓 は著名 で あ 「スラ イ ム」 は加 え られ た力 で 容 易 に キタが 変 わ った。木 の中の ヘ ミセル ロー スが そ う 木 は しな って耐え る ヘ ミセル ロー スが木の中で作 られ てい く るが ア ズサ とい う正式名 称 の 木 はな く ミズ で あるか も知れ ない よ うに。 ア ラ ビ ノガラクタンの よ うな 多糖類 はヘ ミセル ロー スと呼 ばれ る。 ヘ ミセル ロー ス は 木の 多糖類の うちセ ル ロー スや ペ クチ ン 手順 は なか なか凝 ってい る。樹 木 は先ず セ ル ロー スの柱 を建 て る。次 に住の周 りをヘ ミセル ロー スで包 む。 4 月 に生 まれ た細胞 とい うよ り 「 粘 り」の ある木が好 まれ る。 バ ッ トには トネ リコ、 タモの類 が使 われ て つ の性 質 と思 う。引 っ張 って もぬ けない強 さに役立 つ のが セル ロー ス、押 し付 け られ い る。 て も潰れ ない強 さには リグニ ン とすれ ば 、 を除 いた ものの呼 び名だが 、普通 は樹 脂 と してではな く幹 の一 部 として樹 木 は セル ロ ー スの半分 に も及ぶ程 ヘ ミセル ロー ス つ を が初夏 を迎 える頃 、リ グニ ンが セル ロー ス 木が しな うのは木が大量 の空気 を合 むせ の柱 と柱 の間 を埋 め る。 こん な手順 を知 る いで あ ろ うが 、木 の細胞 の壁 は厚 いか ら、 には 、幹 の細胞 が樹 度の内側で作 られ 中心 壁の化学成分 の どれ か は しな うの に耐 え ら 大 き くしな って外 力にFrlえる とい う強 さに 寄与す るの はヘ ミセル ロー スと私 は思 う。 どの木 も20∼30夕 あもヘ ミセル ロー スを含ん しロー スが作 られ る くる。何 のため ヘ ミセ ブ のか 。 5割 の セル ロー スは木 に強 さを、2 ∼ 3害」 の リグニ ンは木 に木 らしい堅 さを 与 に 向 って送 り出 され るの を時間 をお いて電 れ る性 質 を持 つ で あろ う。細胞 壁が力 に よ でい る。 これ だ けの物 が接着剤 としてだ け 顕 で観察 した り、化学成分 を測定すれ ば よ い。 こん な ことか らヘ ミセル ロー スが接 着 り反 る ときには分子 と分子の 間 で ずれ が起 の役 を呆 た してい る とす るのは不 自然で あ こ り、力が除かれれ ば分 子 は また元 の位 置 え る。 そ こに 2∼ 3害Jのヘ ミセル ロー スが 剤 として働 いてい る との考 えは納得 出来 る る。 それ に針業樹 に20∼25夕 あの ヘ ミセル ロ ー ス含量 の木が多いの に 、道 化 した広 業樹 入 りこみ 、幹 の 9割 以 上が出来 Jと が ること にな る。 そん なヘ ミセル ロー スの役割 はア 股 粉糊 を付 け過 ぎて紙 が破れ て しま うのは よ く経 験 す る。 の強 さ。弓 に使 ったのはヤナ ギではな く、 メ らしい。野球 の バ ヽ ン トにな ると「しな う」 、 しい。 あの 「スラ イユ 」 の規 水性 、粘性 は ヘ ミセル ロー スの性 質 をよ く代表 してい る。 木が しな うとい うの は木 の強 さを示 す一 もの となる。 コ ↓ロー スは どの 木で も同 じとされ てい に戻 る。 こん な事 を木材 の どの分子がで き るで あろ うか 。 セル ロー スか 、リ グニ ンか 。 セル ロー スは結 晶 とな ってい るか ら大 きな には25∼30らの 木が 多い。 これ も空想 を誘 い 、広葉樹が ヘ ミセル ロー スを使 って 「し ラ ビア ガムの よ うに棚 として、 セル ロー ス る。 リグニ ンは広 葉樹 と針業樹 では少 し違 伸 び縮 みには耐 え られ ない。 リグニ ンは プ なって耐 える」 と言 う高級 な構造 を一 層党 と リグニ ンの接 着剤 として入 りこむ とされ うが 、 これ も木 に よる違 いは少 ない。 これ と比 ベヘ ミセル ロー スの中身 は 木 に よって ラスチ ックの ご と くあ るか ら融通性 は少 な 肇 なものに仕上 げた とした くなる。余 りに い。す る とその役 はヘ ミセル ロー スが担 っ 突拍子 な考 え方 で あろ うか 。 てい る。 大まか に言 えば セル ロー スは紙 、 7 4 技 術 教 室 陥432 1988年 7月 号 75 森 の 科学10 木の防御 ヤ ニ は木 を長持 ちさせ るの に 役立 つ か ら 木の強 さの秘密 の一 つ で あ る。 そ して ヤ ニ こん な スギ クィム シが幹 の なか にはい りこ む と木 は抵 抗 を始め る。乗細胞が外敵 侵 入 を生 み 出す仕組みは次 の よ うに樹 木 独特 の ′)情報 を受 けて活 動 を開始 しヤ ニ を生産す もので あ る。幹 の 木部の細胞 は樹皮の内 側 る。作 られ た十 二は心 み 出て い って スギ ク 、シを包Ellす イユ る。 ヤ ニ は木喰 い虫 に とっ で作 られ 、 9割 はす く死んで しまう。 ヤ ニ を運 ぶ パ イブライ ンも これ ら死んで しまう もの とともに出来 る。 しか しこの時 には中 東京大学農学部 洋木知 孝 幹 を バ ッ トで叩 いた り、先で な ぐった り とい うことは子供 で な くともや るけれ ど誰 るのである。 「人を切.,たら血 が出 る、本 を切 った ら も木が倒れ る とは 思 っていないか ら出来 る ヤ ニが出 るJ。 そん なわけで あ ろ うか 。 血 身 の ヤ ニ は まだで きてぃない。 パ イブの 中 はをで あ る。 しか しパ イプライ ンの周 りに ところで 十 二 を作 る柔細 胞 は /tさ てぃ る。 木は何 十年 、何 百年 も生 きるが 兵細胞 は 何 ヤニ を作 る乗細 胞 (樹8旨 細胞 とも呼ぶ )が 年位生 きるの だ ろ うか 。細胞 が生 きてい る あ る。柔細胞 は 1害Jの生 き唆 った細胞 で あ か ど うか とい うことは綱胞 の中身 を調 ベ オl ばわか る。大 い木 を切 り倒 し、外 か ら柔細 胞の生死 を調 べ ると十数年 、場 合に よ り数 のだ ろ う。 木 はそん な傷 では死 なない もの は身 体中 を耐 えず 循環 し、 山1管が傷 つ くと る。 これ が少 しずつ ヤ ニ を作 る。作 られ た ヤ ニ は パ イ ブラ イ ンにi留まってい く。 そ し て幹 が傷 付 け られ た とき十 二 は外 に出 るの と決 め 付 けてい るのだが 、実際 には ど うで る。 十 二 も似た ものか と何気 な くは 幌 lHlす だ。 パ イ ブライ ン とい う呼 び 方を して きた あろ うか。 た しか に木 は強 くその程 度の傷 思 うが 、こ の比喩 は良 くない よ うだ。 ヤニ ものは専 門的 には樹精道 とい う。実 は これ には耐 えるが 、傷 をその ままほお っておい は血 よ り少 ない。 細抱 全体 での割 合で ヤ ニ イ の 六 イブラ イ ンは 1ら 弱 に過 きない。 それ は特 別の細胞で はな く、細胞 と細 胞の隙間 て はい けない。 ち ゃん とT l 創言 を貼 ってお くので ある。水絆 台け富; のよ うな液体 を幹 の ゛ 中か ら出 し 〔傷 日を実 く。 つ ま リヤ ニ を出 て毒 なので 、木喰 い虫 はそれ 以 L内 部 に侵 入で きない。 に十 二 は幹 を絶 えず 循環 して いる訳で もな であ る。 マ ツの仲間で は必ず この よ うな隙 間がで きる。 マ ツ以外 に もヤ ニ を作 る木 は 十年 も生 きてい る。 つ ま り木の 中 の方 に も 生 きてい る細 胞 、つ ま り柔細 胞が存 在す る。 それが ヤ ニ を作 る。柔細胞 は 全体の 一言」 程 度で あるが 、 それ が何十 年 も生 きてい る と い うのは随分不思議 な事 で はなか ろ うか い。傷 11のヤ ニ は幹 の中の何 処かに紹 まっ 多 く、 スギ、 ヒノキ な ど針 葉樹 は皆 ヤ ニ を 。 大体 の生 物 は細胞 を次 々に作 り替 えてぃ く の に、木 は乗細胞 を何 十年 も保存 してぃ る ■に代 わ す 。 そオt か ら長 い時間 をか けて ヤ ど ていた ものが傷 ││に温れ て きた もの に過 ぎ 作 るが 、 これ らの大体 の木 にはヤ ニ を運 ぶ ので あ る。 って 新 しい細胞 をつ くり元の姿 に戻 してい ない。 ヤ ニが同 まるの は 、外気 に触れ た と きに十 二の 内の揮 発 しやすい部分 (精油 と 樹指道 が ない。 スギではャニは 乗細胞 か ら 木は長寿である 7 6 技術 教 室 傷 ロヘ心み出てい く。 木が風雪 に耐 え、 人げ)実感 が及ばぬ 歳 月 い う)が 年気中 に 飛ん だためで ある。精 油 柔細胞 は常 にヤニ を作 り続 けてい るか と 生 きてい られ るのは木が強 いか 'フ だ。 本は 確か に物理的 に強 い。 しか し物理 的強 さに が飛ん だ 後 に唆 って 人の 日に触オLるの は滑 りILめに良 く使 うヤ ニの一 部松月 旨 (ロ ジン い うと決 してそ うではない。傷が つ い た と は限 界が あ り、耐 え られぬ 力 を受 けた とき い う情報 を得 る とヤ ニ生産 を始 め ると言 う 木 は少 しず つ くずれ る。 くずれ た 後 どうな とい う│で ある。 この よ うな手順 は山1液の 方が む しろ 普通 で ある。良 い例が木喰 い虫 焼国 とは まった く違 う。 侵 人の場 合で ある。木喰 い虫 では マ ツ クイ るであろ う。放 ってお けは 木 も生物 だか ら 他の生 物 の侵略 を うけ る。何 かが くずれ た 血液 とは違 うけれ どヤニ も防御用物質 で ム シは有名で 、 マ ダラカ ミキ リについ て連 ばれ る材 線虫が マ ツを食 い 荒 らす とい う。 ところの補強 をや らね は な らない。何かが あ る。動物 の血 液 は 免疫作用 を持 ち異物が 人って きた ときそれ を異物 と認識 して防御 しか し スギの スギ クイム シ も これ に劣 らな 物質 を作 る。 この よ うな こ とが樹木 には 出 い 大敵 で あ る。 この虫 が つい て も樹木 の 見 来 ないが 、 ヤ ニの 絆 創言 が傷 口を柔 くだけ か けは変 わ らない。枯 れ るほ どにはな らな この場面で 木 は何 十年 か生 き続 けた案細胞 を使 うのであ る。木 の長寿 が この イく 思議 な ♂うもび)な び)か とい うと、そ うではないび)'ど。 いが 、切 り倒 して中 をrlPぃ てみ る とこれ は 傷 1 1 を室 ぐため に使 ) たヤ ニの なか には殺 業細胞 の使用 と関 係が ない とは思 えない。 見か け とは大違 い 、あ ちこちに穴が あいて 南斉J も入 ってい るので あ る。 ヤ エ はホ絆 印│ :と 畠 い うよ りこの 頃流 行 の バ ン ドエ イ ドに 細胞の保 存よ り作 り替 えの 方が 大抵の生 物 しまい 、材木 としての 商品価値 が台無 しに の選ぶ ところで あ るの に木 は あえて保存 を な =っ てい る。 この害 は 馬庇 にな らない。幹 選ぶ 。 似て いて 木 の物理 的 な保護作用 とともに化 が スギ クイム シに よ り物理的 に弱 くな り大 学的 な防 由作 用 もお こな う。 きな台風で林 が薙 ぎ倒 され た こともあ る。 とい うと木の持 つ生物化 学 的働 きがで あ る。 具体的 には柔細胞 に よる十 二の生産で あ る。 木 よ り長寿 の生物 はい ない。木 の強 さは 何 と独特 な こ とであろ うか 。 No433 1988年 8月 号 77 森 の科学やつ 出来 るか ら中心 に近 い もの ほ ど古い。 だか 木のいのち 東京 大学 農学 部 洋本角l 孝 ‐ 斉 に葉が出 るときの原料 となる。 そん な ら中心 部 の細胞 は長 4 1 きの 証 人 とな りえる とさ l E 合成で作 ら, t る砂格 G は 1 宗 料が足 り ことに なる。 直径 3 メ ー トルの ラワ ン材 な どとい うの なt ヽ カギ, 実細胞保管 プ) もJ ) を使 う。 また車 ↑ に傷がイ すいた ときに ヤニカ` 出 るが 、 そブ) l L j h に出会 うが 、生長 は 1 年 1 セ ンチ といわれ 料 に も使 う。 これ だけて も乗細砲の仕 事 は てい るか ら、3 0 0 年も古にで きた この 中 心 可成 りな もので あるが 、 それ に 1 に まらない 部の細砲 に 木の長生 きの秘密 を探れ まいか の G あ る。 と思 うが 、そ うはいか ない。中′ b 部! の孫 日打 包 は樹 皮の内償1 で作 られ 、作 ' サ 乗細5 包 イ│ た u t 然 ものは幹が 太るに連れ て外 界か ら 離れ てい く。 空気 は徐 々に少 な くな る し、 日 り は皆死んで い るので ある。生 きてい る細 胞 にあ る筈の小器 官 が これ らの細胞 には 全 く 木の寿 命が どの くらいであ るか とい うの と呼ぶ ところで 細胞 は樹皮の内側の形 l J k 層 無 い。 こ うい った細胞 内 の 小 格官 の 有無 を、 は 簡単 そ うでいて正確 には解 りに くい。長 で きる。 この形成 層の細胞 はl l l y ) 先 端 の細 切 り倒 した 直後の九 太の中心 部 か ' ) 外に 向 キ の 木 を切 り倒 して年輸 を調 べ るな とは勿 砲 か ら分裂 して生 まれ た ものだか ら梢 の細 って 調 べ てい くと、小器官 の ある細胞 に出 論 出来 ぬ ことだか ら、例 えば 同辺 の似 た木 胞 は 大 先輩 とい うこ とになる。 文形成 日の 会 うのは 日 丁成 り樹皮 に近 い所で ある。樹 皮 で正確 に年齢 の 解 った ものか ',日標 の木 の 細胞 は どうなるか とい えば 、分裂 した とき 常 にその片割れ を残 し自分 は外 側 へ退 く。 側か ら数 えて2 0 年輸 ぐらいの所で あろ うか 。 年 を推定す るな との方法があろ うが 、 それ で も これ ぞ lL確とい う仕 方はない。し か し 退 いた ものが次 の分裂 を する。 勿論形成層 い うのでは ない。 それ らの1 0 り ぅくらいに 小 世 の 中 には格 別 に 良考 と言われ てい る木が の細砲 は木 の周囲 に沿 って も分裂 す る。 こ 器官 が あ るに過 ぎない。 こん な傾 向は樹皮 ら樹皮中 を循環 して きた階 分 も使 う。 そ し て柔細胞 は生 命活動 をや め る。細胞 が1 0 年 畿 つ か在 る。 「 森 林女老、 携」 とい う林 野 ヴ、 うしてキタ 成 層の 外、つ ま り中心 に近 い 方に 済 会の 末に よる と、2000年とい う スギが 高 細砲 が蓄 まって い くにつれ 、 木は大 くなる。 の ところまで続 く。 つ ま り最近2 0 年間分で は全細 胞の 1 割 ( 2 年 輸 相当 ) カ ミ 生 きてい るが 、仕亭 をや る とい うの も奇奇に怪 であ 知県 大豊町 にある とい う。 これ は周囲167 メー トルで あ る。 尤 も最 も大 い 木 は鹿 児島 県市生 ブ)大障 とされ242メ ー トルで 、 これ 贋次形成 層に近 い似1 に 後で生 まれ た細胞 は‖ るこ とになる。事情 は3 0 0 年間 分 取 って も る。 それ も全ての細胞が小器 官 をもってい る と 同 じで 2 年 輪十 日当が生 きてい るに過 ぎない。 こん な ことは こう単l t に言J り切れぬのは 言 は樹齢 820年とされ てい る。 面 白 い こ とに うまで もない ことで 、数値 は樹種 ご と個 体 ご とに違 うか ら上 の話 は 大 まか な傾 向に過 背 の高い木 に長寿 の ものが 11記リス トに 余 り見当 らぬ 。樹高55メ ー トル、樹 齢 1300年 とい うク スが高知 県遠池 にある とされ てい の細 胞 か ' っ のF E 迫もな くなる。 来細胞 は年1 きてい く力 を少 しず つ 失 う。 この と化 して い った 乗細胞 はやがて 命 を' 〔う事 にな るが ・ その 向前 に仕 事 をや る。 莱細 胞 はデ ン フ) を使 ってヤ ニ」) 生産 を始め るのであ る。 白 tン 分が貯 めていたデ ン ブ だ けで な く、業か も生 きてい ること白体が不 思議 なことで あ さて この 「老後の仕 事J は 何のためだろ う。基 ぐ傷 卜i もないの た。 わ けは出来 たヤ ニ を調 べ てみ ると解 るブ) だか 、 それ ' っ のヤ ニ は微生物 に毒 な もす) ばか りであ る。 それ ぎない。 そ うではあるが 、 「木 材 は生 きて に顕微党 で 見る十 二は 乗細胞 内 に止 ま ' っ ず い るJ と い う言 い方 は下 し くない。 同囲の細胞壁や、細胞 の 出 人 1 1 にくっつい るが 、 その他の /ッ ポな 水は 人体 500年 ぐ 2 0 年 も生 きてい る細 胞 は 乗細胞 と呼ん で らいで デ ブの木 には1000年位の ものが 日白 い るもので あ る。前 可 ( 8 テ] 号 ) ヤ ニ を作 ニのせいで 、本 を食べ 難 いの が想像 出来 る。 押 しなの と対照的 で あ る。 人と違 い 木 は肥 る細胞 と紹 介 した ものの仲間で ある。木 の が長寿 だか F,末の敵 は風 とい うことに lrt体 細胞 は堅 く、強 い と繰 り返 し紹 介 してい る の に、 「 楽」 な どとは変 だ とお 考 えの 向 き 細胞が生 きていれ ばそれ な りに エ ネ , レ ギ ー を食 う 月が経 ち 。年 柔細胞 と樹 │ えとの距 なろ う。 木が他 の値 物 と比 べ 長仁 きなわ けは幾 つ もお られ よ う。幹 の 普通の細砲の仕事 は 水 てい る。 外か ら幹 に 人 り込ん だ 微生物 はヤ 離が増 大すれ ばす る程 ヤ ニ を作 って 傷 口を か あ るに遠 いない。で も何 にを と日→″[ば秘 の道通や樹体 の維持 で あ るか ら確 か に堅 い。 埋 め る仕事 も減 る。 化 きる力 も弱 まる。 こ の まま老い さらば えるよ リー仕事 とい うこ 密 に近 付 けるであ ろ うか。 木 の体 の中で長 生 きに付 き合 って 最 初か ' , 最後 まで存在す ところが 兵細胞 の平常 の役青1 は益分保管 で 、 とであろ うか 。柔細胞 は生 命体 としての最 樹体保持 な どを しな くて よい。 そ こで造 り るもの はなんで あろ うか。 それ は l l t の 先端 が柔 らか く 「じ, Ⅲ う」 の冠 が付 いたの で あ 後の 仕事 、木 の防 腐斉」 作 りをす る。 本の長 f F の秘密 には とて も触れ られ なか ろ う。保管 益分 はデ ンブンや惰防であ る。 っが 、木の 仕組みの 合理性 には らょっと立 これ らは1可に使 うか とい うと、例 えは春 に ち人れ たので はなか ろ うか 。 の細胞 と、昨 ブ) 中央の細胞で あ る。何故 そ うか を述 べ るには少 し回 り道が い る。 幹 の 8 2 技 術 教 室 屋久 島の縄文杉 No434 1988年 9月 号 83 赤」 は丸大 の中心部 の赤 なので ある。 この 森 の科学19 本 のいろ 色の付 いた部分 を心材 と呼 んで 、 周囲の赤 ないはすで ある。 しか し リグニ ンの色 は リ グニ ンの一 部 の異常 に よ り生れ 、異常 は樹 みの ない ところ辺材 と区別 す る。 種 に よ り少 し違 うせいで現実 にか な り色 白 の木 とい うの もい く種か知 られて い る。 シ ナ /キ や オ ー クな どはその例 で 、 白い木 と して選 ばれ てい る。 それ にお棺 には白以外 の色が 日本 人に とって考 え られ よ うか 。 こ れ はモ ミが よ く使 われ る。 東京大学農学部 羊本 知孝 ぬ り絵 で木材 が出て きた らどん な色 で塗 ー ります か 。 茶色、 ク リ ム色 それ とも黄色、 そ うあ らた めて言 われ る と困 るか も しれ な い。 「 木 は木の色 さ」 とい う こ とに な るか も しれ ない。 そ う言 いた くな るのは木 の色 に随分個体 差が あ るか らで あろ う。木 の種 類 に ち ょつと詳 しい方 な ら色名 が入 った名 をい くつ もあ げ られ よう。 白檀 、紫 檀、黒 エ 檀 、黒 柿、赤 ラワ ン、 レ ッ ドウ ッ ド、 イ ロー メランチ、 グ リー ンハ ー ト、 ク ロマ ツ、 ア カマ ツ。最 後 の二 つ は幹の色 だが 、先 ず 大抵 の色 の種類 が木の名前 に入 って い る。 い ろ と りど りの木材 が ある とい うわ けだが、 そ う名の ついた木 は色が原色 の赤 、 原色 の 青 で あ るか とい うと勿論 そ うで は ない。 木 赤 みが か ったJ木 の色 プラス赤 、 つ ま り 「 紫色 をおび 材 、木 の色 プラス紫 、 つ ま り 「 ワン ラ 、紫檀 な ど とき赤 うな た」 木材 の よ と呼 んで い るので あ る。 そ うす る とや つぱ り木 の色 とは何 か とい うのが重要 になって しま う。 木 の色 の定義 は勿論 ない。 そ こで私 は考 えるの だが 、木 に特別改 まって色 名 をつ け て呼 ぶのは、 その本の色が普通 の本 の色 と 遅 っ所為 だか らで はないだ ろ うか。 そ うと す ると普通 の木の色 とは取 り立 てて木 の名 に使 われ てい ない色 とい うことになろ う。 それで は、木 の名 に取 り上 げ られ てい ない 色名 はなん だろ うか。 それ は洋 の東西 を問 8 2 技 術 教 室 ところで人の植 物 の色素 へ の執 念 は草木 染 として強 く現 われ て い る。 それ は花 や葉 の鮮やか な色 を自らの身 に着 ける願 いで あ わず茶色、 また は ブラウ ンで あ る。 ブラウ ンラワン、 チ ャマ ツな どとい うの は聞 いた ことが ない。 茶色 に濃淡 は勿論 あるが、 そ れ が茶色 であ る限 り、人 はそれ を木 の色 の 範 囲 と見て しま うので あろ うと私 は思 って い る。 木 の茶色 は どん な色 素 のせ いで あろ うか。 それ は紛 れ もな く木で な くて は出ぬ色 で あ り、リ グニ ンのため と考 え られて い る。 ど ん な種類の木 も リグニ ンを持 つ し、他 の主 ー ヘ ル ロー 化学成分 で あ る セル ロ スや ミセ ろ うが 、植物 の色 素 は実用 になるほ どに多 紫槙 (濃い心材部が 柴) 量 にはなか なか に取 り出せ ない。 大体 は色 樹木 は幹 の 中の方 を赤 く染 め る、心材 の 素以外 の植物 エ キ スに鉄 、 アル ミな どの媒 赤 はい ってみれ ば こうい うこ とであ る。木 染剤 を加 えて色 を出 してい る。木材 か ら色 の細胞 は樹 皮の内側で作 られ中心 に 向 って 素 を取 り出すの も勿論困難で 、限 られ た種 お くりこ まれ るか ら、赤 の所 もか つ て は 自 類の木材 が色 素 の原 料 として使 われ たに過 か った。 そ こで樹 木 は赤 く染 めた とい うこ ぎない。今 も使 われ てい る もの に中米の ロ とにな る。 この赤の色素 は リグニ ン とは可 ッグウ ッ ドが あ り、 これ は京染 めの黒 にな 成違 った仕方で出来 る。 それ は、木 の不思 ってい る。 もっともこの場 合 も実際上 は媒 議 の一 つ として前 回紹介 したが 、樹皮 の 内 染剤の世話 にな ってい るが 。 スには色 を生 む構造 が ないか ら、茶色 が リ グニ ンの所為 とされ て い る。 側で作 られ た細胞 の うちの 1割 を占め る柔 さて こん なに も人が関心 を払 う木の色 は 細胞 の仕事で ある。柔細胞 は10年以上 も生 樹木 に どん な意味が あ るのだ ろ うか 。樹 木 さて茶色 に付 け加 わ った色 、つ ま り赤 ラ き、抽 出成分 を作 って死ぬが 、 そのひ とつ は どうして幹 の なか を赤 く染 め るのであ ろ ワンの赤、黒檀 の黒 は リグニ ンのせ い とい うわけ にはいか ない。何 故 な らこれ らの色 は樹種 に特有 の もの だか らで ある。 この付 け加 わ った色 は木材 の含 む抽 出成分 の所為 一 と普通 いわれ る。 般 に抽 出成分 は樹種特 有 だか らで あ る。 こ うい うと 「はあ、 な るほ ど。 違 った原 因 なのですね 」 と言 うことで終 わ りに な っ が色素で あ る。 うか。 木材の周 りには樹 皮が あるか ら、樹 心材 とな るときに樹 木が作 る抽 出成分 は 木が生 きてい る間 は木材 は陽 に 導 らない。 木の種類 に よって違 ってい る。色素 も同 じ 花 の色素 は陽 に 当 り様 々な色 とな って昆 虫 で 木の種類 で大変 に違 うか ら、様 々な色 の た ちを誘惑 す るが 、幹 の色素 は これ とは意 木材 が存在す ることになるので あ る。 そん 味 が違 う。幹 の 内部 は色が有 ろ うが 、無 か な多様 な木材 の色 は人 に とって憧れ で あ る。 ろ うが誰 に何の影響 も与 えない。 そ うとす 清潔 な ヒノキ、暖 かい スギ、 こ うい った 印 象 は薄黄 (ヒ ノキ)、サ ーモ ン ピ ン ク (ス けるので あろ うか。 思 いつ くこととして は る と何 のために樹 木 は幹 の中の方 に色 をつ て しまいそ うで あ る。 「そ う簡 単 に害1 り切 い。ち よつと らないで」 と私 はお願 い し'こ ギ)と 言 った色ぬ きには考 え られ ない。 そ 木の色素 は色 が 目的で は な く、他 の 目的 で れ に白い木 とい うの も人が強 く求 め るもの 作 った もの に、 た また ま色 が あった とぃ う 木 の色が木の何 処 にあ つたか思 い起 こ して なの を気づいてお られ よ うが。木 の茶色が ことくらい ある。 そ うとしか私 には考 え ら リグニ ンのせいで あ り、リ グニ ンは木材 の れ ない。 ほ しい。 丸大 の断面 ( 木口 とい う) を 目に 心部 だ けが赤 いの を思 い 出 さ 浮 か べ る。 中′ 何処 にで もあるか ら辺 材部 も白 と言 う木 は れ たで あろ うか 。 樹種 に よって は薄黒 い 中 付 け加わ った 心部 の もの もあ る。 つ ま り 「 NQ435 1988年 10月号 83 森 の 科学10 呼 ばれ る こ とも多いが 、 この 木 片 をお湯 で ‐日も煮 ると 、真 っ赤 な液が出来 る。 これ に紬 を漬 けて 何炉1 も男の作業 者が もみ込 む。 泥染め 赤 く染 まった紬 は山間の泥 日に もち こまれ る。 こん どは泥水 に納 をつ けて何 回 ももみ 込 む。紬 の赤 は ― 層確 か な もの となる。水 で好 く洗 って一 1 可日の作業 は終 わ りと声 う 東京 大学 黒学 部 持木知 孝 南 の奄 美群島 はサ ンゴ昧 に囲 まれ てい る。 ことにな り、染 まった紬 は再 びテ ーチ 木 の 煮汁 に漬 け られ る。 もみ込んで納の赤 は深 ま り、泥染 めで黒ず む。 こ うした作業 が1 0 唇赤 い。 その赤が鉄 分 な どの煤 染作用で深 回 、2 0 回と繰 り返 され る と、紬 の色は黒 に ジ ェ ッ ト機 の 上か ',海岸線 を日で通 )てい まる。 タンニ ン分が 多いせいで あ る。 シイ、 近 くなる。2 0 数回の作業 で 大島紬の泥染 め くと海 の 青に海岸の 向いT/1/が 良 く映 えてい カ シな どに も タンニ ンは 多い。 タンニ ンは は完 了す るが 、 その色 は黒 であ る。 そ して る。 その背 後の ところ どころに ホ い,大 地が alRく 。 そ して森 の青が延 々と続 く。 サ ン」 シイの 実 の苦 さ も41む。こ の タ ンニ ン分 は が った黒 こそ大島紬 の泥染 めの 泥で染 め 十 二 鉄 や アル ミに 向会 うとホやま色 に発色す る。 色 として世 の なか にひろ まる。 礁 に出来 た大島 新空港 にお り草 を走 ',せて これ は 草木染 で媒染 として 知 られ てい るこ みて森 の青 が常 禄樹 の海 で あ ったのがわか とであ る。実 は シ ャ リンバ イを斧で切 った った。 木 々は 大地 にへ ば りつ き、た 地 が 末 々に覆 いつ くされ た よ うに見える。 本州の ときに付 く赤錆 は にに タンニ ンの色が鉄 の 商品 に泥 を使 うとい うの は何 とな く阿‖ 染 まない。 しか し思 えば泥の利用の 一つ には ヨ ー ト紙 が あ る。 雑誌 で写 真 な どの印刷 に 媒染 作用で強 まったせいの もので ある。 使 って あるあの紙 で あ る。泥 つ ま り精上 が よ うな スギ、Lノ キの林 が ないせ いだ ろ う。 普通 の 中木染 めでは媒染 を電 の灰 に求 め 紙 全体 の 7 割 も使 って あ るため表 面がす べ す べ してい る。印吊1 イ ンクが好 く付 き、写 延々と続 くシイ 大島紬は泥 に漬 ける それ に奄美 大島 には平地が少 ない。 それ が ち 層 木 々の生 命力 を強 調 してい るよ うで あ て きた。草木 が燃 え 、唆 った灰の なか には る。少 ない 平地 を支配 す るの はサ トウキ ビ。 が残 っていた。 それ を利 用 したのであ る。 真 の よ うにデ リケ ー トな ものの表現 に都 合 が よい。 コー ト紙 は 目方 か ら言えば紙 と言 大地 は ホ く、農作 には 合って い ないのであ ところが奄 美 では違 っていた。 代わ りに何 うよ り上で あるけれ ども、仕 上 が り画の滑 して な りた っていたのであ る。 南国 とはい ろ う。奄美 の 自然 は 大和の国のそねンとは可 を使 ったか。 それ は奄美 の空か ら見 えた大 らか さは他 に比す るもの はない。 え、冷 たい水の なかで 日 々仕事 を しなけれ 戊違 ってい る。 地 の赤に関 係が あ る。 奄美の林 を支配 す る イタジイ、 それ に シ ャ リンバ イは 大きな木ではない。 曲 ってい 、、鉄分 な ど 車木が持 っていたアル ミニ ウ″ こ美 の上の 赤 は紅 の赤 である。 こん な土 F L で染 めた大島紬 ( 泥大島 ) に も人肌 ヘ い。何 せ 全体 で 今 も200億円 に もな る産業 であ る。 あ る時期 には400億円 に もな ,た。 それが近代科学 と離れ た染 め方 に強 く依存 ば な らない。 それ は どん なに 大変 な こ とか 。 の嗣1 染み 、軽 さに独特 の ものが あ るとい う。 )に くい環 離島 と言 う、近 代工 業 の成 り立 イ には鉄 分が 多い と言 われ る。 その なかの 2 土地 の試 験場 の分 析 に よれ ば 、l F L 大 島の 日 境 だか らこそ存続 して きた産業 なのだろ う。 て しか もなか なか堅 い。作 も折オ tん ばか り 価 の鉄 には灰の 中の鉄分の よ うに媒染作用 方 の 3 割 は生地 に心み込んだ 上に負 って い 東京 ではそん な想像 を していた。しか し「そ で 切 り倒 して 見る と年輸が 大変 につんでい が あ る。 自 ',の大地 の この特 色 を奄美の 人 るとい う。 色 だけで な く風 合い も請物 に と れだけで ない」 と、私 は奄美 の土地 に足 を る。 それ は育 らの悪 さを示す。 切 った面 に は 卓木染 に使 ったので ある。紡 いだ 糸 を シ つ けてみてそ う思 いだ した 。平地 の 少 ない 合の鉄 分が赤 くこび りつ くの も特 色で ある。 ャ リンバ イの煮汁 で染 め、 これ を大地 に も って重 要 なのはい うまで もない。 もし世 の ‐ 般 の灰媒 染 に よった ら泥 大島の風合 いは こん な どの こ とを と りあげて も これ らの木 生 まれ なか った。奄美 の 上を媒染 に使 うと てい る森林 、 豊かではない 七壌 と赤 い 上、 六 が 木材 として使 いに くいの を示す 。 奄美 の とす。 大地 の鉄 分 に よ リシ ャ リンバ イの赤 は一 層強 め られ る。 しか も鉄分 の媒染作 用 い う祖先 の知恵 が独特 の産 物 を奄美 に生ん 調 に代 表 され るよ うな友 しい民品 、 こん な 山 に本 州 の よ うな林業 は育 た ない告 で ある。 で 示が布か ら落 │)に くくな り堅年 な反 物が だので あ る。 風上 に人 々が愛 若 を持 て ば 、 そ して 人 々が 大島 に紬 産業が発 達 したの は約 1 3 0 0 年も 大島紬の染色法 には泥染 め 、泥藍染 め 、 忍耐強 くあれ ば 、泥染 めが 化 まれて くるの 告 とき くが 、その染料 に シ ャ リンバ イが使 ` る。 ILtt L力 P L で染 めた大島紬の色は黒で ある。納 の 化学染 色 そ して草木染 めが ある。 泥 、泥藍 染 めはテ ーチ木 を一 寸程度 に砕 く所か ら始 まる。 シャ ) ン バ イは土地 ではテ ーチ 木 と は極 めて 自然の ように思 ったのだ。泥染 め われ だ したのは 明治にな ってか らとい っ。 シ ャ サン′ミイの 材 も4 ナし赤t ヽ が 、 者 i l は一 染 めの 占め る害J 合は 5 年 前 までは 8 割 、今 は経 済行為 に 1上 まらず 、文 化 であ ると私 は は 5 割 強 とい う。 その 占め る重 みは今 尚重 思 う。 大島紬の黒 はそれ だ けな く人を打 つ。 7 4 技 術 教 室 土地 、 シイや シ ャ リンバ イに埋 め 尽 くされ No436 1988年11月号 75 森 の 科学中つ 流行はライ トブル ー 東京大学農学問; 持本 角1 孝 色 を管理 しなけれ ば商売 に さしつ か えて く ) 持い 間が たてば経 つ は ど何か につ け 〔海 す る。 ここに も木材 を扱 う人間の生 きがいが て くるものであ る。 たで 変色す る能 ブ J も切 存在す る。 では色の コ ン トロー ルは どうし てや るか 、 大低 は 水分 の調節でや られ る。 り倒 して枚 ってお く時 間が 多けイ1 ば 多い 柱 ‐ 少 な くなる。木 か落 ちつ い てくるのだ。 ) 水分が な くなる と切断 後急 に進 む変色 は抑 ) とい ま り少 々の時 間来譜 の陰 にあ , たか す え らイ1る ことが 多いか らで あ る。 「 額 を外 した らぼ っか り跡 が ついて とっ って 、 そ こだけが 変色 し唆 る とい うことは ない。 切 り倒 してす くブ) 木とは違 って たに て も困 った」。 こん な ことは 壁 紙 で も よ く 当 ) たか らとい って位 い時 間で色が 4 わ る 起 こるけれ ども木では コ ン トラ ス トが鮮 明 で ある. な どとい うことは起 こらないわ │ 十 iい 力た こうい ヤこ1 生 質 を使 えば楽譜 ′) l ltlつ であ る。額 の陰 には光 が 肖た らない。 光 が る程 に 末の 色の変 わ りよ うは激 しい。 あた る と木材に色系が生 まれ 、 見た 日に額 ビア ノは生 まれ に くい。 ここが 木材ブ) 技術i この更 は とて も涼 しか . ブ た所為か 、 東京 では ブー ′( ンの 女性 が 日につい た。 虜に入 前に 110月 号)に おゝ れ た よ うに木 の色 は ペ シキの色ではな い。 色で木肌が蔽 われ る の陰 を白 く浮 きだたせた訳で あ る。 そん な 者の晩 の 見 せ所 になる。 ときには どうす るか。 ばたばた1荒てて もど れ た 六 ントとよ く釣 り合 うのか しらとも思 とい うのは │1本人の好みには 合わ ない。 木 うしよ うもない。放 ってお くこ とで あ る。 こうい った ことで 全て力H斉めは蚊 いは ラ イ トブル ーの 木材 は現 われ ないてすんだの ・て 兄た りもした。流 行 は誰か が作 るもの の 茶色 に どん な色 をのせ るか 、 そののせた 木材 の変色能 力は無 くな ってい るわ けで は か も拍れ ない等 と思 うブ)だが 、 まあ聞 いて で もない 、や は り何かのわけで 生 まオとるも 色が木の色で あ る。 ヒノキは黄 色、 スギは ないか ら白い ところ もたにあたれ ば少 しず ,木 村 を10年 いただ きたい。 切 り倒 してか ′ の と啓、 は思 うものだか ら。 赤色 とい う言い 方で あ る。 木には赤 ラワン、 つ 色が請 いてい く。額 の境 が完 全に消 え る も20年 も放 っておいてカギ,使 うな と 上t―) 黒 使 な どとい う呼 び 名が あるよ うに様 々な わけには いか ないに して も時 間が任 Cば 兄 時代 は凡そ消費 を美徳 と'る この収 と離イt 色の 木がある。 そ こで 色の流 行 りに応 じた は えはず っとよ くなる告 で ある。 た位置 にあ る。 強 色 しない木 材 を も ,と11 今年流 行の 木材の色 を ご r F じですか 。 珊瑚秩の海の ライ トブル ー、 なん とこれ が 今所[行ってい る木の色だ とい う。 勿論木 の 奈色が ド地 にあ るか ,)、ラ イ トブル ー と ,手って も絵の 具の ラ イ トブル ー とは 大分違 い、 と ' し ばなr ) な 二 時 日に作 り_ 1げなけれ '暁 F,ょ tヽ た か 。日 │十して も「 1立 たない ■ ) 木材 を峠備 してお くとい うのは専門の業 者 たで木 につ いて くるの は色 とい うよ りも には 難 しt`ことでは あ って も不 H丁 能 Cは な い。 それ は仕事 としてのや りが いに も黙が 色 と言った らよいのか 、 これ は蛇 ける前 の に テめ ピア ノに色 をつ けてお く、誰 で も世 │よ希望 を暗示す る とい うよ り、冷静 さ、曜 ることであ る。 それ に 木材 は生 きものか ら 木の 色 に若 け加わ った色 なのだが 、 この 色 いつ く技 lfTの 登場 とな ったので ある。 めた感 じを思 わせ る。 この頃流 行 りの 「角] 人が もらい受 けた ものであ る。 同 じ スギで あ って も一‐ 本 、一 本 の色がか な り違 う。 ス ギを使 うに して もその時 の 人の好みが サ ー が可 1文り強烈 なのは焼 けてみて誰 も驚 く。 う。も ,と ,古さが底の方 に潜ん でい る。青 的 な 賞安に ピ ンタ リJな のか も々日れ ない。 木の色は 奈色 と決め付 けてII意な どしな いの が普通 であろ うが 、木 の 色の好 みは信 日焼け とい った方 が適 切か もしれ ない。祐 │ ヽ 壁祇 の汚れ な どとは桁違 いで あ る。 これ も 4質感 を出来 るだ けi民なわ ない エ 木材 の 本 うに して色 をつ け ることが 高級 な商品か ', │ 生 きものが持 つ能 力、 大事 に しな くて は等 こない よ うに 、 秘か に進 イ rし てい った。日 立 ′ 気 づかれ ない よ うに。 それ が 木製品 の染 色 モ ンビンクか紅 か で tl」 り倒 す産地が違 .っ て と自然愛護 の気持 ちで対応 して いただけれ じ F,れない程大 きな変 わ り方を してい るも くる。流 イ 子りを判断 して相 応 しい 木 を選 ば ば 木材関連 の 人間 に とっては大変 に有 り難 の美徳 だ った。 の ごある。 この FLj5ま で茶色それ も深 い 色が なけれ は100年 前 に値 えて くれ た祖 先 に 申 いの だが 、現実 はそ うは行か ない。 壁 ぐら 求 め ,)れた。 本色 の時代が 可成 り続 いた よ し訳が立 た ない。 い な らば大 目に見て くだ さる人で も ピア ノ 地球 1 1 には様 々な色の木が ある。 グ サー ンハ ー ト等 と名の付いた もの さえある。 し うに憶 えてい るが 、 その間で も奈色は少 し ず つ 中身 を変 えてい った。 その 前は白、 ワ インカラーが 求 め F,れた 時 代 も あ .,た。 「不況のP 子 イ (1よ 内J と聞 いて ぃ た か ら 「1 7 木材 は 切 り倒 してか らも少 しずつ 色 を変 の上 に置 いた楽譜 の跡 で は、 これ はただで えるの を ご存 じで あろ うか。木 は切 り倒 す と直 くに死ぬ とい うわ けで もない。 メ し太ん は許 していただけない。 早速 に ピア /製 造 会社 に クレー ムが くる、 「ど う して変 色 し ぼか らオが 出 た と言 う話 が よ くある くらい ない 木材 を使 わ ないのですか 、他の ビア ノ か し ブル ーはない。 フ ル ー は 木の色 として は もっとも不 自然 なものの 一 つ で ある と智、 思 う。女性 の ブーパ ンも見慣れ ぬ うちは十 十 酒落 として ハ ッと日を意 いた。 しか しl14々 l ' こし, ) J と + ン カ ラーはl k l lの証か 思 った こ とが あ ,た 。 この道 の ベ チラ ンに言 わせ る で あ る。 こうい うせい もあ って製材所 で切 と交換 して 下さい。Jこ うな る と木材 の 技 断 した後で 色が どん どん変 わ ることが木の 術者の出番で ある。 と、 「 =点 セ ッ トを 電せて い た だ けれ ば ご 千 こ類 に よっては起 こ る。大体 の木 は深 い 色 木材 は切 り倒 してす くに使 うとい うのは 結婚 の 年をちて ます 。 Jと い う。 党 台 、 和 となる。 色の好 みが 売れ 行 きを支配 す ると 大体 において良 くない。木 は野葉 と違 い鮮 なもの」。 そ うい う思 いが して きた。 ラ イ トブ■ 一の 木 の 出現 は 何故 か ジー ″ヽ タンス、洋‖ kタ シ スのそれ で 、 そ うぃわれ なれ ば 是れ は 由 々 しき問題 、 なん とか木の 度 を去 々す る商品では ない 。切 り倒 して時 ンの吉 を思 いだ させ る。 6 0 技 術 教 室 の よい 安1士が こぞ って ジー 六 ンをは き1/し た '9「や っば リブー′じ は 女1上には不 白然 No437 1988年 12月号 61 森 の 科学中0 ブル ーヘ イズは 本当にt t h 林 の ガ スなのか 。 森はブ ル ー 東京大学農学部! 洋木 知 孝 森林 が ガ スを作 ってい るの を思 った こと あの青 いか すみ ( ブル ーヘ イズ) を 生 む と がお あ りで し ょうか。森林が オ ツンを作 る い うのが説の■ 旨で あ る。 モ / テ ルペ ンや とい うの を年配 の方 な ら思 われ るか も しれ イツクレ ンは空 気中 に 存在す るオ ブンな ど ない。 フ ィ トンチ ッドを思 わ才じる方 もおあ と気十 H で化学反応 して粒 子状 の物質 となる。 りだ ろ う。フ ィ トンチ ン ドの言 舌は 前 11987 これ が ブル ーヘ イズを生 む と考 えるので あ 年 11月号)に 敬れ た。 この正体 はなか なか る。 に解 りず らい。 ここで 牧れ たい もの は もっ と確か な カ スの こ とである。 の 高等植物が発散す るカ ス、つ ま りfLE物 揮発性 成分 はお よそ400種角│られ て い る 。 それ らブ)夕 くは エ ステル、ア ル コ ー ルの 類 いで 花 の 香 りとして印‖ 染み な も′)であ る。 森林 の 木 々も この 種の ガ スを出す けれ ども、 これ は どちらか とい えば車花の専売特許 で あろ う。森林 の専売 特許の揮発性 成分 は こ 森はブ ルー れ とは違 ってモ ノテルベ ン、 イ ツブ レン と 呼 ばれ る もので あ る。地球全体 でみた とき ガ スの色 と言 うのは大変 にデ リケ ー トで の年 間発散畳で は これ らの実 面か らの モ ノ テルペ ン、イ ツフ レンが 一番多 い とされて あ る。紫 煙 とい うのが ある。 煙草 に火 をつ いて 、何 と 1億 トンと も8億 トンと も言わ けた ときに ││がる煙 りで あ る。 程、 は煙 草を 吸 わ ないので実感 としてわか らないが 、一 ″してい る。 モ ノテルベ ン、イ ツブ レンは炭 服 、肺 のなかにず うっと吸 い込 みゆ っ くり 化水素で あるが 、 これ ら森林が 出す炭化水 吐 き出す と、 ここで現 われ るの は紫煙 では 索の量 は 人間が 石油化学 工業 な どで空中 に な く白煙 であ るが 、 この移 ろいに も煙草の 秋 出 してい る炭化水素 ガ スの 最を上 回 って 楽 しみが あるらしい。吸 い込 まれ た煙 草 の 煙 りの粒 子は肺 では水分 をBr4着 す る。紫 煙 い る との ことで あ る。 森林が出す ガ スは空気中でその 後 ど うな るのであろ う。 その答の一 つ に 、森 へ の ロ では 1ミ ク ロン以 下だ った粒子が もっと大 マ ンチ ッ クな思 いに ビ ッタ ) な 「ブル ーヘ は紫 には映 'フ ない。 ただの 白い煙 りに しか イズ」説 とい うの力` ある。山 々にかか る、 見えない。 6 6 技 術 教 室 きな粒子 にな って しま う。 これ が人の 日に あ りた。 か くして青いかすみ │ブル ーヘ イ ア メリカの研究者が ブル ーヘ イズをt t h か ,) ズ)は 森 か ',生まれ る とい う ロマ ンチ ック 採集 して きて分析 してみた話 が ある。 空気 中 に漂 い 、 ブルーヘ イ ズとして人の 日に感 な考えは 「 かすみ」 と消 えて しま ,た。 ス 森 の ガ は ブル ーヘ イズヘ の寄 ケが少 な じられ るの は0 . 1 ∼1 ミ ク ロ ンの 微 粒 子 と され ていたので 、彼 らは 0 ∼ 2 5 ( 微 粒 子) ミクロンと2 . 5 ∼1 5 は R 粒 子│ ミ ク ロ ン と い 、つ ま り主 因では ない。 それ ではi因 の SO― !は どこか ら来たので あ ろ うか 。 こ れ について も詳 しい分 析が 行われ てい る. に 大きさを 2 分 して採 集 して きた。 両者の 色 々な 発生源 について統 計的 な処1とを行 │ 告J 合は8 0 対2 0 であ , たか ら、 この カ スは ブ ル ーヘ イ ズに相応 しい組戊 だ った といえ よ が発生 源 とな ってい る こ とを明 らか に して う。 さて化 学分析の結果 であ る。微粒 子が tヽる。 どん な組成 だ ったか とい うと、S O l ! イ オ ンが なん と5 0 ? ゎ 以上 しめていたので あ る。 それ ては森林 か ら出 るテ ,Lペン類 は どこ へ 行 って しまったのか 。 モ ノテル ベ ン分子 これ は硫黄 S が 入 . ゥ てい るか らモ ノテル ペ の 大きさは1000分の 1ミ ク ロンほ どで あ る ン、イ ツプレン由来 とは言 いがたい。 モ ノ テル ペ ン、 イソブ レンは炭化水 素で あ って か らこれが 1ミ ク ロンの 微粒子 になるの に 炭素 と水 素が 大半 を占め、 これ に酸素が ち ては別の研究 での実験 や観 lBlに よってテ ル てい るが 、 その結 果石 炭 を使 う入 力を十 と所 は何かの条 件が必要 で ある。 この点 につい ょっ と加わ った もの 、勿論硫黄 はない。 さ ペ ン類 が大気中で粒子 に なる こ とが証明 さ らに も う ―つ微粒子が森林 ガ スの生ん だ も の とす るには都合が悪 いデ ー タがでた。 そ の微粒子が そ / テ ルベ ン由来 な ら当然 に 在 れ てい る。 ブル ーヘ イ ズヘ の 重みが小 さい ことが ここで述 べ た研 究 に よ り示 され ただ けであ る。 るはずの有 機炭素が微粒 了には少 ない こと それ に して も空気中で はい ろいろな こ と で あ る。分析結 果だ と行機 炭素 は1 0 物ぐら が起 こる もので ある。 太陽 の たで年気中 に いで あ る。 で きた OHラ ジカルや オ ツンが元凶 らしい。 これ らの値 は違 った地 方の森か らとって これ らとの反応 に よって テル ペ ン類 は変 化 きた ガ スで も同 じで あ った。 つ ま リブル ー す る。 空気中の テルペ ン類 の寿 命 を しらべ ヘ イ ズの原因 は S 0 4 2 と た話 だ と 4時 間で80ろが変化 して しまうそ ぃ ぅ こ とに な っ て しま う。 ほん とに S 0 1 2 が 日で み て ブ ル ー なのか 。 この疑 間 に答 え るデ ー タを次 に と, っ てみた。 日で見た感 じを 「 視底」 と 地 にあ る。発電所 のだ した ガ スのせいか も い うl l l 定 値で示 して1 0 日ほ ど観損1 してみた。 しれ ないが 、地名 な どに見 られれ ば矢張 り 日 々空気中の S 0 4 2 を それ は森 の木 々のせい とした くなる。地 汗タ 測定 した の は言 う まで もない。結果 は S 0 4 2 の 濃度が高 い ほ ど 「祝底」 が高 い 、つ ま り景色 は ブル ー ヘ イ ズの感 じにな った とい っ。 こん な研 究 は都 市で も出来 ない もので は ないが 、 これ らは正真正銘 の大 自然 か らと うであ る。 青 い要みが たなび き易い ところは1世界各 のせいで霞 みが 出易 いのか も しれ ない し、 格 別 に揮発成分 の多い 木が あ るせ いか もし t な いけ″L と も。 ″ ブル ーは森 の色 として そ っ ととって置 き たい気持 であ る。 ったサ ン プルに よるもので ある。 ア メリカ の バ ー ジエア とテ ネ シーの出の森林地域 と No438 1989年 1月 号 67 森 の科学中り 森は レモ ンの 香 り 東京 大学 農学 部 洋木角1 孝 りを草がけ 」と` 傑地 ご、 そす) 1 司 . 運 末は ' ' キ 村ヨ七 十ツ) 1 中 、 ■ ) の 付j F lと 1占 │ 、事 は 力 7 ス メ いに し `も 十'tべ),ス る方f)、 程には,【 十ブ) 十 1題 けと力t 出 十『可な と夕伸てす) る。 │ │ │ │はす │ ー う なの r r ) る。 ミ . ラ と1 予 来てい ろF L F 由 い るです)ろ う。証拠 も社 ')か ごてい る. 1 子 の研 先に よる と、動物 た らが この 裸地 `〔 にはな , てい ない し 地 夕 を牛t フ 町凶 、 昨 、気 l l 主 クてい なか 早 にな な ともF 分 由 象、 1 1 地 けの もの ごは ない。御 存 じブ)方か 夕い よ う ケ くナごF)るヽ レ・ │と、す ブ l・ llよ 章丹 i千川1ケ ンス に ) , た。 あイとこれ 調 べ最終的 には原因は濯 木 ' べ ) カ スの せい とい うことにな の ユ│ ギ' ・ , た 。 「 持 が休林ヤヽとか に森 へ 行 く。 河1を流 し ご│デ 十 分 も山 を越 えてみ た。 そ こでは好 い 匂 いがす るのか と くん くん Lltlい てみ たが 、感 た ら、そ うとうに々 rt` 中をお持 らなの だ ろ 森 林 に人が なかれ るのは 、 そ こに 人の体 )れ たヴ)は何 と自分 」)│「実 さだ け。 畜 生、 じ′ の 同 りす) 傑地 サ) 1 1 壌にはそJ ) カスを生む精 に良 い ものが 有 るせいだ。 こうい う考え_ 方 と 子に持 ・た小枝 を打 った。 す る と末やか な 否 りが 埠 をつ いた。」 が 日本人に 今、受 け 入れ らオ 1 て い る。 この ベ ンが 人 , てい た し、申: の恨 はそ′) 油 テ' レ ベ ンに弱か , た。車 の 種の中に さえテ 十1 し ルベ ンは泌み込み発 ナを妨 げた。 これ だけ 木 /11■ lに つ いて 賠│うた試SIl答 突が こん な イ)ト ロて始 ま ,てぃ た。 森 ブ)否と木材の ・ ベン が あ り、 た 木 / D 実の 中 には沢山」力 ) し それ力i 木々丁) 十 司りにた ちこF ) ていた。 虐 木 ことは フ ィ トンチ ンドの言 l13し とて既 に紹 介 した ( 1 9 8 7 年 1 1 月) 。テルペ ンガ ス = ア ィ トン チ ンドとは勿論 い えない。 フ ィ ト) ! チ れ物 に とか │十〔 を使 い 、似 た ことを他純 ′)れ す■へ )llス の成 力は、句 論 (1値frl町 た ↓ け│ よ ブ) つくの を' l l l l る る して│ デ R に力 t ど 、局 ′「 ‐) ま り‖ 方由剤 として使 わオi てt ヽ る. 4 卜 く 〔1 1 , ぃあ る と由が市 た ■ ( ■ に1 0 0 0 p p n lFく るな どの 十 一 , も あ る。 木び) 柴か ら ごるテ ルヘ レカ スに こだ わ │ て 木材か ' ラ 出 る方 を忘才l て しま, た が 、裕 集 にあ , た 「 吾 r i と 子の 小枝 を打 Ⅲた ら木 の 香 │ ) J ブ) こブ) 香りは 水材 か ら│ │ │ た もゴ) モ あ る。 テ ■ベ ンの種業 ては木の 実丁) も ヨと[ ャ J ) 内側 に 包 の とブ ないが 、樹 │ え ( して夜わ ' ラ 証拠 が揃 うとこブ) 裸地 が濯 木の 出す テ ルペ まれ てい るか ら、 木材 ブ) 千Ⅲべ ) は 神 た し ) l l ス の毒性 のせいて 出 来た と考 えざるを ないていた。 テブ じベ ンt l スとなる もす) は 多 くは 木卜 4/1 本 との関 係 を言い 得 て砂であ ると思 ッた。 森 には 香が殆 どないのが村、 の経験 であ る。 ‐方 ヒ /キ の 呑が前築 」)′ 宍に漂 うブ)は事実 ために樹 木はを 気中 に快 りだすのだろ うか。 ごあ る。 す) る。 そ して この訪3 明を補強す るよ うな面 白い現 象が 見つ か , た 。 この ‐ 帯 の 上地 で 脚i の中に無駄 な もの な ど在 るはずはない。 はほば2 5 年ご とに 自然 た火が お き、湛 木が ある。 ものの 本に よる と法隆 寺ブ) 柱は 「年 ましてや厳 しい 化 作競 争の 横 行す る自然界 森 か F , はテルベ ンう スが 毎年 1 億 ヽ 8 億 ト ン もで るげ) は前 号にネ す │イ 卜した。 この カ スは 焼 きR く さ才1 、 中の天 国 とな る とい うこ と た ,て も'とをか けた ら ツ ー )と ヒ ノキブ)呑 での こ とで ある。 それ では森林の作 るテ ル G あ る。 火災後濯木か徐 々に力 を増 し、 あ りを及 , た とあ ったが 、 「さ もあ りなん 」 1時 十 ド ] も経 た ない う4 ) に他ブ) づ スと化学 反 「 L ベ ンは R , て 変化す るが 、変化の 前げ) テメ こん な話 があ る。 ブ) 探地 が再 び現 われ るのは 言 うまで もない 。 ・ルベ ンガスは ラ 大変 に 火が点 きや すい。 ' け ベ ンが濯 末ともに雅 えた( チ 自然 た火 して う。 「 と思、 我か夕 の に は衆 後 年 な プ) に 香 ' , ない」 とお , し ゃ r ) れよ う。 それ は夫而 きれ ば 、草 に と り敵が消 えた ことにな ) て 、 は ヒ / 十 を使 ってい ない フ) か もしれ ないか 。 森 には 何 も匂 う物が ないの であろ うか。 ンドの 十 , ザわか F ) ないか らだ。 L 体 はt H 変わ ′ それ に して も、1 億 トンもの ガ スを何 の ベ ンカ スの 効能 は何。 その例にな りそ うな 呑 りか ないか と言 うと, えしてそん な ことは ない。 悼‖ 尚が資 r い例である。 悼1 尚 はテルベ ンフ) ‐つ。空気中 に' 女″てお くと少 しず つ カ ス化 し、刺 す よ うな匂 い を放つ 。森 の テ ルベ ンカ スも匂 うはずである。匂 わ ない げ) は漢度が1 専 いせ い としか 考え ようカミ ない。 森 の テ ルヘ ) カ スを測 , た十 記録 に よる と、 ) 党に1 0 0 0 分ブ) 1 得 だそ うで 、 そん pp叫1ブ なにお い と大瓜ブ) も′) は人には感 じられ な い。 名高 t l とえ物 ′) 分十 C も こブ) i 段 度 ブ) レ ベ ! しごや ) と 人が気 づ くとさオt てい る。森 森 に レモ ンが … 7 カ ) ホルニアの 南部の海 岸l lいに l ・ 濯木 ブ) 林て 匂t ヽ を感 ビた とお ‐ しゃる ブ ブがお f , れ H L林が細長 ‐ く続 いてい る。 この林 の周 f t l は 7 2 技 術 教 室 えな くな る。車 はそ こに使 人で きないの で 中で は精 油 とい う液体 に な , てい る。 こん な状 態 の精 ヤ 由の揮 た しに くさは想 像 l l l i C を飽で削 らないか らで あ る。 い や 、 あ るい その地 周辺 を支配 出来 た。 しか しその地 に 木 プ) 呑は何処か他の 物で も宅いた と思 わ i 芭した ブ) はアキギ リの 仲間 な どの濯 木で 、 こォげ) が 支配 し、テ ルペ ンガ スをま 結rHlは ないであろ うか 。安 は 果物 に も似 た ものが きち らす 。 やがてその テ ルベ ) の せいて 自 が 入 ってい る。1 定全には同 じとい うわけて 然 発火。 こブ) 繰 りす としで ある。 テ ■ベ ンガ スが値物 同 上の争 いに使 われ はないか ' ) 同じ匂 い とはな らないが。 しモ ンブ) シ トラー ル な どとい うテルベ ンは 人に る とい うす) は、 こ うい った特 殊 な場 合に限 来やか な感 じを与える ようで 、 これ は 末げ) られ ない と考えた方が よか ろ う。 テ ■ベ ン を多 く含む木の種類 は 可戊 り多 く、 ユ ー カ チルペ ンに もあ る。森 て 夫やか な感 じが し リ、ク スノキそれ に スギ、ヒ ノキ、 マ ツな ど大体のi l ☆樹 は☆ にテ ルベ ) を 含んで い ある。特 に レモ ンには 木」) 精油 と似 た も′) た ら、 しモ ンの 香 りを思 い起 してイく 思議で はない。 NQ439 1989年 2月 号 73 森 の科学90 バ ニ ラ臭 使 って ツ トロネ ラー■、 リナ ロー ル な どの では 上役は バニ ) ン とい う結 品物 、有機 化 香料 が作 られ る。 これ らは安 い石鹸 の 香料 Tラ 、 す)ア . に は であ る。 「 朝 、シ ■ )」 ‐ 学 てい うと芳 香挨 ア Ⅲデ ヒ ドである。 これ ウ トロネ ラー ルや リナ ロー ルの よ うな 太や に, あ 役の数 1 種 の揮 た性 香気成分が加わ り バ ニ ラの 香 りが 出来 L が るが 、 パ ニ ) ン だ か な香 りが好 まれ る。 こ うい った呑 りは果 けで も十 分 に バニ ラの匂 いが す る。 物 を通想 させ るび) で 全ての 人が翔‖ 染 み安 い そ うで ある。 東京大学 農学部 持本角1 孝 「朝、シ ャ ンJな どと言 う言葉 が,れ行 っ い て る。学校 へ 行 く前 、会社へ 行 く前に頭 るであろ うか 。 こん な疑 間 は洋1 実 子 を作 ' , れ る方に とっては愚間で あ ろ う。 天然 J ) 八 出 て くる。 これ は水 に1子くのでか き集 めれ ニ ラを想像 され るので はなか ろ うか 。 これ ‐ は 甘い 香 りであ る。 ニ ラは とて も高 い値 で売 っていて別 に安 い 1宣の バニ ラエ 、 ノセ ン スを売 ってtヽるか らで │ずよい。 そ うはい って も木の実 は 大変 に嵩 ある。 天然産 に対す る安 い バ ニ ラェ ッセ ンス、 この廿 い香 りの もとは何 処か ら来 たす)か。 バニ ラマ メの二級品 なのか 。 ここで また木 「レモ ンの 香 り」 とは香 りを現すのに物 を持 r)出しての例 えでの 言い 方、別 に味覚 思 った ら、 /1:にあ F,ず、 その 後、心地 よい と似 た言 い方 も多い。 廿 い 、酸 っばい 、苦 匂 い を体 につ け ることも 「朝、シ ャンJの い な どの言 い方 で あ る。木 の業 か ら取 る精 なか に入 る らしい。岩 い 人は匂 い に随 分敏 いJ「古 いJ は どち らか とい えは 「 1由 限 っ│ゴ 感 で あ る。 など 「 十 い」 と反対 の ものが 多い。 トに も似た こ とが観奈 されてい るそ うで あ ニ ラの実 だけで 大量 の需要 をまか な , てい りが倒‖ 染 み安 いだ ろ うか 。 ア イ スク ) ― ム、 張 るか らこん な方 法 はいか に も効率が思 い。 昆虫 の雄 と雌 が ガ スで交信 を してい るの ` たであ ろ う。 そ″とに して も ′ 良が高ね , , れ 生某子 、 こ うぃ った洋 風の もの な , ブ 先ず バ どそ うで 、眠 ナ こさこそが を洗 うとい うこ とナ は有 名 な話だが 、哺▼し 動物 の マ ウ スや ラ ッ を求 め よ うが 、 お東 r と い った らどん な呑 バ ニ ラが ぃ る。勿論 、栽培技 術は改良 に改 業 に吹 き付 けた ときに水 と一緒 に蒸発 して 若 さの最 大特徴 と思 って 育 った オ ブン族 に は信 じらオとない風俗 であ る。 それ に シ ャ ン ブーで_Hgを洗 うのは汗 宅さを取 るだけか と 「 朝、 シ ャ ン」 は呑 りに政 っ│ ゴさ、古 さ 、だ けで も膨 大な 吊! J ) さてア イ スクリー ツ 材が登場 す るこ とになる。 木材が 大量 につ おiされ る、勿論 六 ル プカヤつくられ る時 で あ ー ス しか要 らな る。 その とき祇 にはセル lヨ いか ら、不 要な リグエ ンが 唯液の中に拾 て ,てい る香料 で 有名 なのに 木 の ☆か らと■ は ユ ー カ リが あ る。 スー ッとす る夫やか な られ る。 サ ル フ ァイ ト法 と言 う方法で 水ル プを作 った とき、何 とその リグニ ンは分 解 香 りで あるが 、大量 利用 とい う程で もない。 い るltrの実団 の 先情期 を誘発 し、促進 す る 業 と似 た精油が幹 に もあ るので これ を使 う 作 用 を もつ の だそ うだ。 そ して人間 に さえ も似 た こと力ま見らイした とさをしてやヽる。男 1生 ので ある。 幹 は 葉 の よ うに嵩ば らない し、 シ ャンプ ー とアイス ク リー ム は木の香 り ア イ スク リー Z 、 の 年間i 産 量 と言 う統 計 を見 る と、世 界で一 番 アイ ス ク リー ム を食 それ に パ ル ブ材 と して大 量に集め られ る と べ る国民 はア メ リカ人 、約5 0 0 万 キ ロ , ッ の匂 い を宮か に女十学 生の寮 に持 ら込 ん だ ところ、一 緒 に接ん でいた学 生達 の生理期 が 徐 々に同調 し始 めた とい うので あ る。 い う便利 さが ある。枠 の中の精 油 は紙 をつ トル、次 が何 と日本 人、約9 0 万キ ロ リ ッ ト くるの には全 く不必要 だか ら、幹 を煮 て紙 の ちて材卜十六ル ブを とる ときには捨 て らオLて ルで 、 その次 ぎの イ ン ド人の約4 3 方キ ロ リ もあ る。量 が 多 けれ ば 分離 も楽 にで きる。 か くて バ ニ リンが木材か ら大量 に 生産 され 匂 いの 原料 つ ま り否料 は 多 くが値物起 源 で あ る。ブ 十 ス ミン、ロー ズ、ラベ ンダー な しま う。 思 えばそれ は大 変 に勿体 ない。 マ ツヤ ニか らテ レビン油 (精油の一 種 )力 ヽと ッ トルとは可成の差力` あ る。ア イ スクリー ムの主 な香料 は パ ニ ラ、 チ ョコ、ス トロベ ることになる。 シ トロ ネ ラールや バ ニ リン とい う大量 使 ) 一 だか ら、大変 に沢 山の パ ニ ラが使 われ 用 され る 香料 が木材か らとれ るの は切‖ 染め ない ことの よ うに も思 える。 しか し― 寸考 る。雄 の尿 中 の匂 い物質が、寵で飼育 して 大量利用の代表例 は幹の精 油 の場 合で ある。 つくf と どづ く誰 に も思 い′ の 香 りが あ る。樹 して 廃液 中で バ ニ リンに な ってい るので あ る。廃液 には 勿論 前述 の精 油や樹 月 旨の類 も 入 ってい るか ら、 これ らと分 けなけれ ば な らないが 、何 せ )グ ニ ンは木 材の30?っ 近く れ るのは ご存 じの こ とで あ る。 そん なわけ で マ ツ を原料 に ′くル プを作 る ときに限 って るこ とにな る。 バニ ラは もとは ラ ン科 の ツル性植物 の 名 えていただ けれ ば 、 それ は と.)ても自然 な 召和30年 祐,向を集 め る丁 夫が さオLだ した。 日 で 、今 はその実か らとった香料 の 名 として ことで あ る。 地球 │二 のllh物 の うち最 も大量 に使 われ てい るのは木の幹 で あること、呑 勿論 しない。 ガ スの発i 源 で あ る物質 を葉 台の半ばの ことで あ る。 以 後今 日まで クラ イ フ ト法 の 六 ル フ化が 行われ るときには精 油 知 られ てい る。 ところで 実 は パ ニ ラの実 に 料 は比 較的高価 な化学 製辞1であること、 そ 力すラ取 り出 しての利用であ る。 それ らの物 が集 め られ る。 この精 油 は ピネ ンと呼ぶ も は香 りが ない。 キ ュア リング と呼ぶ ‐ 種の 発酵 に よ リバニ ラの 香 りが生 まれ て くるの 質 は 大抵精 油 と呼 ばれ るもので 、水系気 を のが 中心 であ るが 、ビ ネ ンか ら化学 反応 を であ る。 その人造成分 で あ るパニ ラの 香気 は とて も論理的 といえよ う。 木が午気中 に放 出す るガ スは レモ ンの 香 り と前 号に述 べ たが 、 その利用 も当然 人は考 えた。 ガ スを袋 に対 じ込 め る とい うこ とは 7 8 技 術 教 室 うとすれ ば木の幹か ら香料 の原料 を取 るの No440 1086年 3月号 79 森の科 学 (21) ス細胞 だけになって しま う。 カル スだけで 猫の皮膚 をはんの 1ミ リ平方切 りとって培 地で育て る。1ミ リか ら 1匹 の ペ ル シ ャ猫 も何年 、十何年 も生 きる。 それ に して もカ `…・ がでて くる とす る と・ 、考 えただけで も ル スは何 と妙 なものだ ろ う。生物 の細胞 は ぞ っとして しま う。植物 細胞 で は理 屈の上 が あるのが当た り前で、多数 それ ぞれ役害」 で は これ が出来 る。好 ま しい植物 の細胞 を の細胞が集 まって根 を作 る、或 いは葉 を作 培養 に よって大量 に増 やす 。 それ を必要 に る、花 を作 るとい うのが よ く見か け る姿 だ。 応 じて元 の植 物体 に戻す 、 これ がで きる と 東京大学農学部 等本 知孝 それ が カル ス細胞 は多数集 ま って も細胞集 い うのだ。実際 には様 々な障害 が あ り、 ま 団で あるにす ぎず 、根 で も葉 で もない。私 だ実用的 には な らない。今 出来 るのは、木 は この ことを口にす るたびに ガン細胞 を思 の芽 、木 の根 の微小 片 を大量 に増 やす こ と 昔話 しに花咲 か 爺 さんが枯れ木 に花 を咲 い 出 して しま う。 自己増殖 だけが 目的 とい で しか ないが 、 この こ とだ けで も病気 に罹 だ けに庭 には 見事 な木 々があ るが 、中 にす かせた とあ った。 「 花咲か爺 さん が使 った 灰 は何 だ った っけ」、 「 枯れ木 は本当に枯れ うのは考 える と何 ともや りきれ ない。 それ っていない首 を容易 に増 やす こ とな ど大変 っか り枯れ た古木 も混 ってい る 。 「ど う し だけ植物細胞の生 命力が強 い とい うこ とに ていたんだ ろ うか」。枯 れ 木 に 播 い た 灰 は なろ うが 。 人間の役 に立 ってい る。例 えば ランの増殖 な どに使 われ てい る。植物 の 一 つ一 つ の細 値物 胞が親 の植物 になれ る とい う性質 は 「 か移 しか えを繰 り返 す と、細胞 は全て カル 枯れ本に花 京都 の鳴川 の畔 に 「くに荘」 とい う共済 の ホテルが あ る。 久題宮 ゆか りと言 われ る て こん な木 を」 と思 って幹 を上 に上 に辿 っ て 行 くと、 ば っさ り折れ た辺 りに数本 の小 確 か柳 の木で作 った 口 を悪 いお爺 さんが焼 カル スの不思議 さは実 は こん なこ とだけ いて しまってで きた ものだ った し、 その柳 で はない。 大地 で 、 また花 を咲 かす能 力 を 枝 が 寒 そ うに延 びてい る。寒 そ うで はあ る は 「ここ掘れ ワンワン」 の大が殺 され埋 め が校 の張 り具合 に春 を持 つ 気配 を十分 に感 細胞の全能性」 と呼 ばれ る。 秘めて い る。 カル スの細胞 は花 に も実 に も 花咲 か爺 さん の 話 は 樹 皮 の 内 側 に あ る じさせ る。皮が所 々落 ちて 木部が露 に見 え られ た土地 に生 えた ものだ った 。 「灰 に秘 な らない無 目的 な細胞 で 、 こ うい うの を脱 「 形成 層細胞 の全能性 」 の話 で はなか ろ う 密が あ ったのか しら」。 「それ とも木 が枯れ る幹 には春 は決 して訪れ そ うに もない けれ 分化 した細胞 と呼ぶ 。 つ ま り花 、実 な どの か と私 は思 う。 外見か らは死 んで い るよ う ていなか ったので は」。 よ うに分化 した もので はないのが カル スの 状態 なの に、花 が咲 くとは 一旦 悦分化 した に見 え る樹 木、 それ は石 も同然 で あるの に ども。 葉が落 ち、幹が折れ 、皮がめ くれ て しま ヾ って人 目に死ん だ とみ えて も、木 はなか な ものが再 び分化す ることなのだ。 そん な こ この不思議 さが話 の中心 にあ る。樹木 の生 る形成 層内の細 胞 が したたか に生 き続 け る とを カル スはや る。 カル スが 一人前 の植物 にな る とい うのは 死 は動物 の ときの ような見か けでは決め ら れ なぃ、 つ ま り/fy細 胞 の生命活動 の停止が ためで あろ う。枯 れ 木 で はないが 、例 えば 元気の よい若 い木 の形成層 を取 って きて培 今 も信 じ難 いが 、 それ を20世紀 に入 った頃 確認 で きなけれ ば 、条件 に よって は、石 の か に しぶ と く生 きるものだ。皮 の 内側 に あ 地 にいれ てお くと形成 層の細 胞 は育 ち続 け る。 この培地 は植物 の生 育 に必 要 な栄 養物 の他 にオ ー キ シ ン、 サ イ トヵィニ ンと呼ぶ 植物 ホルモ ンを含 んでい るが 。 ペキ 培地 で細胞 が生 きる期 間 は十数 日あ るい は数十 日で あるが 、 この 間 に細胞数 は増 え てい く。大 き くな りどん なものにな るか と 8 2 技術 教 室 予想 した人がい る とい う事 だ し、 またそれ よ うな枯れ木か ら芽 がで枝 がのびて も不思 を信 じて努力 し実証 に成功 した研究者 がい るので あ る。 スクー グとその 仲間 と聞 いて 議 ではない。 い る。彼 らが タバ コの カル スの培地 に入れ る植物 ホ ルモ ン (オー キ シン とサ イ トカイ 秘密 はないだ ろ うか。焼 いてで きる灰だか 花咲 か 爺 さんが使 った灰の なか には何 か らその中に有機物で あ る植物 ホル モ ンが残 ニ ン)の 割合 を変 える こ とで根 と苗 の出方 を コ ン トロール したのは1957年頃 の こ とで の細胞 は生 きていれ ば植 物 ホ ル モ ンをもっ ある。 その後 い ろい ろな植物 での似 た研 究 てい るか ら、 それ を外か ら加 えな くて も適 ってい るの は考 え られ ない。 しか し形成層 い うと、 それ は根 とか葉 とかい った類 の物 で カル スが原植物 となるのは今 や真実 とな 当な刺激 さえ与 え られれ ば 、細胞 の活 動 は ではない。 白い塊 に過 ぎないのである。 こ って しまった。 起 きるか も しれ ない。 その 引 き金 に灰の 無 植物 の細胞 の不思 議 さは植物細胞 を動物 細胞 に置 き換 えてみ る と私 には 一層身近 に 機分が なったのではないか しら。 感 じられ る。仮 に動物細胞 でそん な こ とが 起 こった らどん な ことにな るか 。 ペ ル シ ャ ばか り人 に夢 を見 させて くれ た。 立春 の 日 れ を カル ス と呼ぶが 、 カル スは傷 つぃ た形 「くに荘」の枯 外か らの刺激 で新 しい植物 を生み だ した。 成 層細胞の傷 口を塞 ぐための ものだそ うだ。 この カル スの一 部 を とって他 の培地 に移 す と、 なん とまだ カル スは増 え続 ける。何回 鴨川 とその向 こうに覗 く東 山の姿が少 し の ことで あ る。 陥441 1989年 4月 号 83 森 の 科学 (22) 形成 層の細鞄 は上 へ、上 へ と積み竜ね られ るか ら20年 前にだろ うと、 100年 前 だ ろ う 木にベ ンチ がなるか ? とベ ンチが接 していた幹 の位置 は今 と変 わ りは ない。 だか ら今 も木 に 食 い込んだ時 の ベ ンチ位置 、つ ま り足 は大地 につ いて い る 東京大学農学 部 キ本角l 孝 私 の前に一 枚 の写 真が あ る。 太いナ ラの 細胞 も長細 い。 その長 い方 向に少 し延 び る。 400校の木 な ら初 めの100年間 で 2倍 か ら 4 倍 にな るが 、 どん な木 も100年 を過 ぎ る と 形成層の細胞 の長 さは ,危 に なる。 ここで 上 の ベ ンチの話 に少 しの飛解 が あ ったのに ことにな る。写真 で ベ ンチの足 は どうか と 気づかれ た 方もお られ よ う。形 成層 を構成 い えば 、確 か に大地 の近 くにあ る。 す る細 胞 が上下 方 向に大 き くなった とすれ この クイズはお 出来 にな ったで あろ うか 。 木の背 は10年 も経 つ と大 変 にのび るとい う ば 、 その 分だ けベ ンチの 足が大地 か ら離れ 常識 が チ ラつい で存外 難 しい。 る。 つ ま り糖分が木材質 に変 わ る。生 まれ る こ とになる。 そ うで はあ るが大地 の近 く に ある とい う結 論 に大 きな違 いはない。 形成 層の細胞が延 び る とい うのは我 々が 木が大地 に屹 立 して い るものであ るが 、 よ くみ る と幹 か ら鉄 の パ イプが数 本突 き出 て た娘細胞 は木 の 中心 に 向 って押 し出 され る。 い る。写 真の説 明 には こ うあ る 。 「ナ ラの ら木の 中心 へ 向 って押 し出 され た細胞 の時 末 に よせてあ った鉄 の ベ ンチが 、 ここに腰 まった ものが木材 で 、形成 層は木が大 くな 掛 けた少年 た ちが中年 になる間 に木 の生 長 るにつ れ少 しず つ 外偵1に拡 が って 行 く。 ち に よ って徐 々に 呑み込 まれ てい った。J 狂 いやす いか といえば この 部 の細胞 は 長 さ ょっび リオ:右に も広が りなが ら。木 が 太 く が外偵1の細胞 と比 べ る と短 か く、 そのため 木材 を使 う上 に大 きな影 響 を与 える。 大き これで クイズの 半分 は解 ける。形成層 か さて 、 クイ ズで あ る。 「この ベ ンチ の 足 な るとき、樹 皮は ベ ンチ を倒 すか と言 えば 、 は常 に浮 いてい たか 。 それ とも地 面 につい 樹 皮はそ っと押 す し、乗 らかで もあ るか ら、 ていたか 。 J ベ ンチが樹 皮 に食 い込 む。形成 層は樹皮 よ りもっと柔 らかい。 一度破れ て も形成 層の 人に年輪 を感 じさせ るように木 は 少 しず つ 修復 は 平い。 そ こで20年、30年 と経 つ とベ 大 くなってい く。 しか し大 くな る と同時 に 木 は背 が高 くなる。 どち らか と言 えば この ンチは 当然 木材 の 内部 に取 り込 まれて しま う。木 が ベ ンチ に食 いつ いた よ うにな る。 方に人の 日はで われ が ちであ る。 この クイ 20年、30年経 つ 間 に 木の高 さは どうなる ズは 「 木が延 び るの と大 くなるの とは どん か 。 10倍 も高 くな る と、 ベ ンチ は空 中高 く な関 係 にあ るの」 と問いか けてい る。 釣 り ││がってい よ うか 。 その正解 は高 くな 幹 が大 くな るには糖分が 木材 に変わ らね るための原料が ど うして供給 され るか を考 ば な らない。 その糖 分は葉か ら運 ばれ る。 え るとわか る。植物 は どれ も葉 で全ての粉 て弱い し、狂 い 易いか らで あ る。何故 弱 く、 ここでは細胞 が拡大 して い る し、拡 大して 行 き方 も細胞 に よって一 定 で はない。 その ため外側 と比 ベ スカ スカで あ る し、吸 った 水 も均 一 には蒸 発 しないか らであ る。 こ う して形成層の細胞 の長 さが 安従 してい ない ヽ 外樹 皮 時期 に生 まれ た ものは木の弱 さ、狂 い 易さ を生 む とされ てい る。 そ こで切 り落 とす羽 日になるのであ る。 形成層の細胞 は 一度出来 た ものの作 → 朔 木が 人 くな るのは ご承知1の通 りであ る。 な木 を使 う時 には中心部 を我 々は切 り落 と すのが普通 で ある。 この 部分 は外似lと比 べ 例 の光 合成で空気中の炭酸 ガ スと水 で作 ら 分 を作 る。 出来 た糖分 が細胞 に変 わ る。形 れ た糖分 がそれ で ある。 どこで糖分 は木 材 成層の細胞 も木の先端 で作 られ た とい うこ 形成 層は 2 ∼ 5 層 の細 胞 の集 ま りで 、 そ れ ぞれ の細 胞 が分 裂 して 木 の中心 方 向に娘 に変 わ るのか。 それ は樹皮のす ぐ内側で あ とになる。 り変 えはない。木 の先端か ら新 し く生 まれ た も のは皆前 の ものの上 に 上に と積み重 なる。 栄 養を木の先端か ら補給 され なが ら、 一 巳 出来 た形成 層の細胞 は100年も、200年 も分 裂 を繰 り返 す 。内部 に木質化 した細胞が貯 細胞 を生み出す。 母細胞 の方 は残 ってやが る。 これ は前号 (1989年4月 号)で の べ た まってい く。 よ く木 は生 きてい る と言われ 程、 達 の常識 としっ くり合いに くいのは 、 て又 次 ぎの娘 細胞 を生み出す 。 これ は 前に が 、形 成層 と呼 ばれ る 1ミ リの10分の 1程 新 しい形成層の細胞 が古 い形 17k層 の細 胞 の 述 べ た事柄で あ るが 、 この作業 を 1 0 0 歳 の るが 、本質化 した細胞 に 命は ない。形成層 の 層がと大 な幹 の製造工場 であ る。 つ ま り とつ ま り木の先端 に近 い側 に作 られ て も古 木な ら1 0 0 年間続 けて来 たわ け で あ る 。 そ 形 成 層 を作 .っ てい る細砲 だけが幹 では分裂 い細胞が相変わ 'フ ず元気 に活動 してい る所 木 の神秘性 は 人間の再 命を遥 かに越 えた で きる。 それ よ り内側 に も沢山の細胞 が木 為ではなか ろ うか。 古 い ものは亨Pしつ ぶ さ の1 0 0 年間、形成層の細胞 は 何 の 変 化 も し ていないか とい うと、 そ うで もな い。少 し にはあ るけれ ども、 それ らは分裂 出来 ない。 形成層の神秘 で もある。形 成 層の細胞の秘 れ て死んで しまうと思 いが ちだか ら。 ばか り丈が延 びてい る。木 の大部分の細胞 密が解 った ら長寿の秘密 が解 るか もしれ な は 上下 に長細 い こ とか ら解 るが、形成層の ↓`。 形成層で は分裂が起 き新 しい細 胞が 生 まれ 7 2 技 術 教 室 これ で答 えはおお よそ解 って しまった。 の細 胞 だけが 生 きてい る。 長巧の所為 だ と私 は思 うが 、長る の 神秘 は NQ442 1989年 5月 号 73 森 の科学 (23) い。 しか しク スギ、 ニ レな どでは春 に生 ま 変 わ らないか らで あ る。 す ぐ巨大 な木 に な れ た導管 は材面 を粗 とし、 それ が年輪 にみ るとい うの も間違 いで あ った。 ジ ャングル える ( 1 9 8 8 年8 月 号) 。 の 中で は ラワンの 仲間 は周囲の 本 に抑 えつ け られ 、頭 を他の 本の上 に 出 せ な い 。 1 0 0 年経 って も ヒ ョロ ヒ ョロで あ るとされ てい る。 それが他の 木 々の上 に頭 を出 してか ' 9 は グングツ大 き くな り、温帯 の 木で は考 え られ ない程 の巨 大 な木にな る。 東京大学 農学部 年輪 とは先ず美感の問題 で あ る と多 くの 羊本知孝 方 は思 われ るで あろ う。 それ が実 はか な り 定年 後南へ仕事 を求めて出掛 けた人の話 る。幹 の細 胞 には三 つ の役割が ある。機械 だ と雨期 と乾期 しか ない熱帯気候 の単 純 さ 的支持 、水分通導 、 それ に栄 養保持 、難 し 違 ってい る。 思 っていただけ なか ろ うか 。 粗 と密が年輪 を生 む。 一定 範 囲に年輪の数 は 日本 に慣れ た身体 に こた えるそ うで ある。 くい うとこ うで あ る。 この役 をす る細胞 の が 多いのは密 が多い とやヽうこ と、つ ま り年 年 中気温 が変 わ らない とい うの は確か にや 名 をそれ ぞれ 木繊維 、導管 、柔細胞 とい う。 輪 の少 ない木 と比 べ て 、細胞 が沢山にあ る りきれ ない ことだ ろ う。寒 さか ら暖 か さへ 、 但 し スギ、ヒ ノキの よ うに十分 に進化 して とい うことであ る。細砲 が詰 まってい るの 温 か さか ら涼 しさへ移 る頃 に 日本人が生 き てい る甲斐 を一 番強 く感 じるの は確かで あ い ない針 葉樹 で は機械的支持 と水分通導 は 一 種の細胞 つ ま り仮導管 の仕事で ある 、 。 と、大 きな細胞が疎 らにあ るの とどっ らが る。 反復や って くる変化 に我 々は 弱 い。 つ この仮導管 とそれ に導管の穴 とが春 出来 る プラスチ ッ クと石 とどっちが強 いか と言 う いほ ろ っとして しま うよ うであ る。丸 太を 細胞 で は夏 に出来 る細胞 よ り大 きいので あ 質問 と同 じで 、詰 まってい る方が強 いの は ■1 ま 強 いか。細胞 は 7 害」 が空 気だか ら、 こオ 見る と年輸 を数 えた くなるの も温常 に育 っ る。 ここで思 い起 こ していただ きたいのは た民 族特有 の心情 ではなか ろ うか 。 あの反 春 の息吹、生 命活動 の横温で あ る。命 の充 復現 われ る模様 には 日本人の気持 ちを落 ち 満、 その命の あ る ところには水 がなけれ ば 昭和 三 十年代 になって ラワンが 身近 に使 わ 着 かせ る何かが ある ように思 う。 な らない。水 は大地 に しか ない。春 には大 れ 出 した時 の違和感の ことをであ る。 の っ く、だか ら高い値 で売れ るの は 言 うまで も 温帯 の樹 木が季節 の変化 を感 じてい るの 地か ら 卜分 な水 を吸 い 上げ ること、 それ こ ぺ りとして と りとめ な く広が る木肌 、良 く ない。 は新緑 、落葉 か ら誰 で も気 づ くこ とであ る そ仮 導管、導管 の仕事で あるか ら、春 に生 見れ ば 木 だ とい うことは わか るけれ ども。 が 、幹 が季節 を感 じるのは存外知 らない方 が 多い。樹皮 の ご ',つい感 じが季節 を無縁 まれ た細胞 の穴が大 きいのは とて も自然で こん な見か けの もの を木の仲間 に入れ るの 注意深 く読ん で下 さった方 のために ここ で コ メン トを一 つ 入れ なけれ ば な らない。 当た り前 とい うこ とにな る。 そ うとすれ ば ご年配 の方 な ら覚 えてお られ るで あろ う。 年輸 の数 は木材 の性 質 と深 く関わ ることに なろ う。年輪 の多い、詰 まってい る木が強 あろ う。少 し立 ち 人った話 だが 、導管 の穴 は何 ともため らった ものだ った。 ラワ ンに 春 か ら夏 とばか り繰 り返 し述 べ たが 、秋 か の もの に人に思 わせ るのか も知れ ない。実 はセ ンサ ーはその樹 皮の内側 にあ る。形 成 の春 と夏での違 いは仮導管での違 い よ りず は ラワンの魅力が あ るな どとい う考 えが広 ら冬 それ に春 まで細砲 を作 る とい う点 で樹 っと小 さい。 しか しク スギ とか エ レ とか特 が りだ したのは、時 日が経過 し、 ラワンが 木 は居眠 りを してい るか とい う疑間で ある。 層 と呼ぶ 木の細胞 の製造 工場 がそれ で ある。 別の広葉樹 ででは殆 どの導管が春 にだけ作 木の仲間 として市民権 を獲得 してか らの 出 その通 り、細胞 の数 の増 加 は この期 間 には ここで 幹の仝ての細胞 が作 られ るのは既 に られ る とい うことが あ る。 来事 で ある。 ない。 しか し質の充実 が行 われ てい る。 そ (4月 号、5月 号)述 べ た こ とで あ るが、 生 きて い る木の幹 、 あの ごつい樹皮の下 その細 胞が季節 に よって違 う。例 えば春 に で も季節活動 は斯 くの如 く行われて い る。 一 年中同 じよ うに成長す るため何の模 は細5包の穴が 大き くなる。細胞 の穴 、つ ま 春出来 た細胞 と夏 出来 た細胞 との 大 きさが 生 まれ ないんだ ろ うし、す ぐ大 き くなるん る。 この細胞 は樹木の栄 養保持 の役 をす る り細砲陛 は■ きてい る細胞 では細 胞質が あ 違 えば 、鋸 で切 った木材面 を人の 日で 見た だろ うな どと何 とな く私 は考 えた ことだ っ が 、秋 には 木の中心 に近 い柔細胞 では中身 る ところだが 、幹 の細 砲 は 大体 が生 まれ て ときに粗密 感が で る。 その粗 密感がわれ わ れ には年輸 に感 じられ る。 スギ、ヒ / キ な た。 この考 えは季節 が なけれ ば年輪 が ない に変化がお きて 、幹 の保護 剤が作 られ る。 つ ま り栄養保持か ら保護 に乗細胞 の役が変 ど針★樹で は午輪 が は っき り出 るし、 広葉 てて も ラワ ンには年輪 は生 じない。 ラワン わ るので あ る。 これ も幹 の なかで行 われ る 樹では粗密感が少 な く年輸 はは っき りしな は広葉樹 で 、 その導管 の誕 生 は季節 で殆 ど 季節的 な仕 事 の重要 な もので あろ う。 す ぐ死ぬか ら細胞質 は 消 えて穴 とな る。 ど うして 春出来 る細 胞 では穴 が大 きいか 。 そ ブ)わけは細胞 の 役割 を考えて見 る と少 し解 技 術 教 室 年論 の ない ラワンは熱帯 に生 えるせいで 様も と言 う点 では正 しい けれ ど、仮 に 日本で育 れ は 9 割 を占め る導管 、木繊維 、仮導管 な どの細胞 で はな く、柔細胞 での 出来事 で あ No 443 1 9894千6月 号 77 森の科学 (24) なオ ー キ シンのために十分 な分裂 を為 し得 ない。 これ は不 思議ではないだ ろ う。 森 の 本 │よ ス リム 何 十年 か前 に行われ た実験 の報 告で見た が 、一 つ 林の中の 木 を比 べ てみ る と、上 の 方に突 き出た、所謂優勢木 とその下 に押 さ えつ け られ ていた劣性木 とで は、葉の量 が 断然優 勢木 に多 く、 そん な優勢木 は根元 の 幹 が大 い 中年女性 型 で あ った とぃ ぅ。劣勢 木が娘型 の ス リム なもので あ ったのはい う 東京 大学農学 部 まで もない。 洋本知孝 私 の住んでい る東 京 の清頼 には良 く探 せ ば まだ武 蔵野 のl m影 ‐が見つ か る。 立派 なケ ヤキ も雑木林の チ ラ、 ク スギも見 え る。 そ うことになる。根元が大 くな らないの も同 の 清瀬 か ら西武 線 に乗 って3 0 分 も走 = 〕 て飯 じで あろ う。 で は何が細胞 の分裂 を起 こさ 能 を越 える と雑 木林 は殆 ど見 な くな り、奥 武蔵 の山の斜面 には スギの造林地 が 目につ せ ないので あろ うか 。 く。 スギは山の斜面 に逆 らうよ うに真 っす で あ る。 ホルモ ンは ご く僅かで植物 の働 き ぐ天 をつ く。林 は暗 く、幹 は どれ も仕立 て られ た よ うに直線 で ある。 それ も根元か ら を左右す る物質 で 、 オ ー キ シン、 サ イ トカ イエ ンな どが あ る。 この オ ー キ シンが細胞 の分裂 を引 き起 こす 。 これ は どの植物 で も 梢 まで同 じ大 さなのだ。雑木林 の古 いナ ラ た ちの ように 、根 同 りが大 くどっ し りして い る様子 はない。 これ が中年 の女 性 とすれ ば森 の 木 は年 ご ろ娘の ように スリムで ある。 私 にはそ う見え る。 木が 曲が った り、真 っす ぐにのびた りす る とい うの は、 人の手 入れのせ いが少 しは あろ うが 、木の生 まれ つ きの性 質 と考 えて ヾ よいだ ろ う。 だか ら真 っす く だ って 、 曲が っていた って私 には不思議で はない。 しか し木 の大 さが根元 か ら1 0 メー トル まで も殆 ど変 わ らない とい うの は ど うも理屈 に合 わ 同 じであ るが 、木 で違 うの はオ ー キ シンの 作 られ る場所 が分裂 す る形成層か ら遥か 離 れ た所 だ とい うこ とだ。 ォ ー キ シンは新芽 で沢山作 られ るか ら背の高 い木 だ と、新芽 で作 られ た オ ー キ シンが10メー トル も20メ ー トル も移動 して オ ー キ シン が必 要 な形成 層 までや って くることになるのだ。移動 は 形成 層の中の始 源細胞 とい うところを通 っ て 1時 間 に10ミ リほ どの ス ピー ドで起 こる。 背の高 い森の木 に新芽が生 まれ 、 そ こに オ ー キ シンが出来 て 高 い位置 の形成層か ら 順 番 に 下の方の形 成層 までゆ っ くりとお り の 分 だけ細 い 告で ある。恨元 か ら同 じ太 さ と↓`うのはネ 内得 しがたい。 成層で使 われて も何時 か は根元 の部分 の形 て くるの を 日に浮 か べ ていただ きたい。沢 山の 、有 り余 るオ ー キ シンな らばJI部の形 成 層に も辿 りつ こ う。 しか しォー キ シンの る形成 層の働 きに よる ( 本紙 4 ∼ 6 月 ) 。 量が少 な ければ 、高 い位置の形成層 は 十分 なオ ー キ シンをも らえ十分 な分裂 をす るこ 形成 層の細胞 が分 裂 して 木の細胞 が増 える とがで きて も根元 の部分 の形成 層は不十分 技 術 教 う。 これ は無数 の新芽か ら くる有 り余 るオ ーキ シンの活 動 を示 していた ので あろ う。 ここで一 つ の疑間が沸 くの だが 、森の スギ を何故 ス リムに作 るのだ ろ う。 スギの林 を 作 る ときに苗 を植 える間 隔 をもっ と開 けれ ば 出来 て くるスギ林 で は一 本 一 本の葉が も っ と茂 った もの とな り、根 元 の大 い どっ し 植物 に もホ ルモ ンが あるのは動 物 と同 じ ない。 だ って 1 年 に 1 メ ー トル仮 にの びた とす る と1 0 メー トル の ところは根元 よ り1 0 年 分 は年輸 が少 ない こ とになる。 だか らそ 木が大 くなるのは樹皮 と木部 との間 にあ 小学校 の校庭 の桜 は葉 が思 うが ままに繁 茂 して幹 が どっ しりとして ぃた ょ ぅに今思 ため木が大 くな る。 そ こで 木が大 くな らな い のは形成 層の細胞 が分裂 しないせい とい 奥武蔵 の山の森林 は格別 に大 きな もので はない。 この一 帯 は西 川林業 と呼 ばれ て い る東京 の周辺では珍 しく成功 してい る林 業 地 であ る。大消費地 に近 いか ら製品の輸送 にお金がかか らない し、道路 が良 く発達 し てい るか ら木 を切 りだすのに も少 ない経費 で すむ。 そん な林業地 の スギ林 に入 って上 を見上 げ る と葉が一 面 に広 が ってぃて 、陽 の光 りは僅か しか こばれ て こない。一 本 の スギの 木 と隣 の スギの木 の葉が重 な り会 う よ うになってい る。太陽 の光 りが無駄 な く スギの 生育 に使 われ てい る とい えょ ぅ 。 こん な環境 に あ る スギの 木が ス リム なの であ る。根元 に近 い幹 の大 さとloメー トル 上 の幹 の大 さとが余 り変 わ ってぃない。前 に述 べ た 「ォ ー キ シンが形成 層の細 胞 を分 裂 させ 、幹 を大 くしてぃ く」 とぃ ぅ見 方か らす る と、森 の木 では新芽 の作 るオ ー キ シ ンは根元近 くの形成層 に十分 には 辿 りつ い ていない とい ぅことにな る。 そ う私 は考 え りした中年女性型 の幹 とな る筈で あ る。其 の方が幹 は大 い し、材木 の総 量 は多 くな り そ うである。 それ を何故 しないので あろ う か ? 太 い柱 とい うの は使 い手か らみて魅 力的 のはずで あるの に。 このわ けは木の使 い方 に あ りそ うで ある。 木 は どう使 うか と 言 えば 、柱、板用 の時 、長方形 に鋸 で切 ら れ る。台形 の柱や板 は ない。 そ ぅとすれ ば 幹 の一 部が大 い とぃ ぅの は利用上都合の よ い形 ではない。大 い ところは切 り落 とされ 、 細 い所 に揃 え られ る。 つ ま り森 の木 は ス リ ムであ るのが使用上 の 目的 には ピ ッタ リ と い うことにな る。 今 、 日本では森林 をつ くるの に3000本か ら4000本 の 苗 を100メ ー トル四 方 の 面 積 (1ヘ クタール)に 植 え るのが 普通で あ る 。 30年 もたつ と間伐 とい う言 わば 間引 き 作業 に よ り、数 を 1ヘ クタール 当 り1000本以下 に落 とす 。 それが最 も効率 的 に ス リムな ス ギ材 を作 り出す と考え られ てぃ る。 たい。 室 No444 1989年 7月 号 81 森 の 科学 (25) る。限 界を決 め るには、何 度 も繰 り返 して 高 さを測定 し、測定値 が安定す る まで測定 東京大学農学部 吉本知孝 技 術の時 間 に使 うのだ とい って次 男が木 本 当 に どの木 も壁 は同 じなので あろ うか 。 材 を持 って帰 って きた。 「お 父 さん 、 ケ ヤ ― ンの 木の最1 製が出来上 が る 。 我 々が 日常 に使 う木材の合水 率 は1 5 ? あ く を繰 り返 せば よい。 その限 界の重 さを絶乾 らい とい うこ とになって い る。 生の木か ら 重量 と呼ぶ 。最 初の重量 を気乾重量 、木材 水が少 しず つ抜 けてい って大 気中の水分 と の合水率 は絶乾重 量 を基準 に とる ( この こ 平衡状態 になった時 の値 で あ る。従 って大 とが 木材 独特 なのであ る。) 。従 って含水率 気中の水分の量で合水率 の 値 は ちが って く は次の よ うに示す こ とにな る。 あ ( 心材辺材混 みの平均値 ) るが 、 まあ1 5 夕 とい うことにな ってい る。 ( 気乾重量) 一 ( 絶乾重量) ×100 ( 絶乾電量) 木材の比重 樹種 最 色 々な研究 者が測定 した結果 に よる と、細 キリ 0.19 ∼ キだ って さ ? 」 と得意 げにい う。 「な に 、 胞壁 の比重 はほぼ1 . 5 6 。バルサ もケヤキ も 果物や野菜 な どで は水 を含 む試料が基 準 スギ 0 . 3 0 0 ∼. 3 8 0 ∼. 4 5 ケヤキだ と」、理 屈 を こね るの は 得 意 で も 1 . 5 6 だそ うで あ る 。 木 本 植 物 は 幹 を比 重 なので 、木材 で言 えば気乾重量 が基準 で 、 ヒノキ 0 . 3 4 0∼. 4 4 0 ∼5 4 木工 は全 く駄 日な私 はケヤキ を削 ってい く 1 . 5 6 の細胞壁で つ くり、細胞壁 の厚 さを木 の種類 ご とに変 えた。 一 定範 囲内の細胞 の それ が含水率計算の分母 に くる。 だか ら果 ホ オ ノキ 息 子の苫労 を思 い 、 「先生 は ど う して ケ ヤ 物 な ら合水率 が1 0 0 % 以 上 とい う こ とは 起 ブナ 0 5 0 ∼ 0 . 6 5 0∼ , 7 9 キを選んだのだ ろ うねJ と 尋ね たが 、中学 数 は木 の種類 で変 らない。 そ こで壁が厚 い こらないが 、木材 で は1 0 0 % 以 上 と言 う こ ケヤキ 0 4 7 ∼ 0 . 6 9 ∼ 0 8 4 生 か らは勿論納得 のい く答 えは返 って 来 な タイ プでは穴が小 さ くなる し、薄 い タイブ とも起 こる。 ア カガシ 0 8 0 ∼ 0 . 8 7 ∼ 1 0 5 か った。私 どもには木工 な らホオ ノキ を連 では穴が大 き くな る。 このせいで人 に とっ 想 す るのが普通 で あるが 。 小 平 均 034 ∼ 最 大 040 0 . 4 0 ∼0 . 4 9 ∼ 0 6 1 樹木が化 きて い る ときの幹 の含水率 は ど て切削 しやすい木や重 い 木が あ るので ある。 れ くらいで あろ うか ? こ の値 は大 変 に違 う 合水率 1 5 % の 時 、よ は皆細胞壁 にある。 木 日が真 っす ぐで ある とか 、 加工性 が よ 木の断 面を顕 微鏡 で 見る と穴 だ らけで あ 二つの値 か らなる。 木 には全ての細胞 が死 細胞 の穴 には残 っていない。 これ は木材 の い とか とい う木の専 門家が 口にす るよ うな る。樹木 の幹の とき、 この穴 には水 が詰 ま んで い る心材部 と 1 割 ほ どが生 きて い る辺 大事 な性 質 で合水率 が3 0 ? あ 以下 の木 材では こ とは切 削には勿論大事ではあ るが 、 それ ってい る。 だか ら軽 い 木 は沢山の水 を、重 1 2 月号 ) が 、辺材部 材部 とが ある ( 1 9 8 7 年 水は皆細胞壁 にある。 この とき細胞壁の比 は別 に して 、木 の重 さの大 変 に違 うことが い木 はそれ よ り少 ない水 を含んで いた こと の含水 率 は2 0 0 7 あ に もな るの に心 材 部 の 含 重 はち ょっとT が り1 . 3 8 G あ る。 この よ う ホオ ノキ とケヤキで は切 削の難易 を生 む。 にな る。 この穴 は樹 木が根 か ら水 を補 まで 水率 は4 0 ∼5 0 ? ぅ 程 に過 ぎない。 こん な違 い に木材の細胞壁 は水 を含 んで も比重 が 1 以 ホ オ / キ の比重 は0 . 4 8 なのにケヤキの比 重 持 ち liげる通水路 だ った。通水路 の大 さに がお こるの は両者の役割 の差異のせいで 、 L だ か ら、 どん な木の細胞壁 も水 に沈 む こ は0 , 6 2 もある。重 さが 何故 切削 に難 易 を生 木の種類 で大小が あ る とい うのは、樹木 が 辺材部 は根 か ら業 へ の通水路 、心 材部 は樹 とになる。 しか し不思 議 な こ とに木材 は大 むのだ ろ う。木 の比重 は木 の細胞壁 の割 合 それ ぞれ に生 き方 に工 大 を してい る記としの 木の強 度保持 で あ る。 その辺 材部 は1 5 年輪 抵水 に浮 く。 これ は どうした こ とで あろ う。 い を反映 してい るか ら、木 の実 質 が比電 の よ うで程、 には面 白 い。 ぐらい あるのが普通 だが 、実際活発 に通水 してい るのは一 番外側の 2 ∼ 3 年 輸で、 こ 細胞の穴 は水の通路 だ ったのだか ら水 に漬 基が って 、木材 は比重 1 以 上 とな り沈 む 、 大 きい木では比 重 の小 さい木 よ り大 きい こ 木材 の大事 な性 質 に水 を どれ程 含 むか と とに なる。木 の実 質 ではない ところは空気 い うことが ある。 水 を含 まない木材 な どと で あ る。 だか ら比 貢 の小 さい木 は空 気の穴 い うものは考 え られ ない し、 含む程 度 も相 この 含水率が残余の辺材部 よ り1 0 % 以 上 高 い との デ ー タもあ った。 の書」合力ヽ 大 き くて肖」り易い ことにな る。こ 当に バ ラツキが あ る。 その 水の量 に よ り木 近 ご ろ発達 した技 術 に樹 木 を染 め る とい そ うなって も不思議 では ない。沈 まないわ けは木材で は一 度乾燥す る と細 胞 と細胞 と の こ とは比重 が0 . 1 6 のバ ルサの こと を思 っ 材 の性 質 が大変 に変 って しま う。 だか ら含 うのが あ るが 、伐採直後根元 か ら送 り込 ん の繋 ぎ 日の孔が塞がれ るか らで ある。 その て いただけれ ば よ く解 ることで あろ う。 水率 は大亭 であ る。木材 の含水率 を表わす だ色 素 を この辺材 の水 の流れ に乗 せて実 の ため水 は侵 入で きな くな る。 つ ま り木材の には木材狙1特の約束 が あ る。合水春 を測 ろ 先 まで流 し込 むので ある。 色素 は グ リセ リ 比重 は細胞陛 も含 めた 全体 で 考えたほ うが め る と L に述 べ たが 、 バ ル サの細胞壁 とケ うとす る木 材の重 さを測 ってお き、 その 木 ンに溶か して あ り、 グ リセ リンは葉が縮 む 実用的 と言 うことになる。木 が沈 まない と ヤ キの 細胞壁 とが同 じ比重 の ものだ とい う 材 を105度に保 つ 。 105度にす ると水 は どん い うこ とには 見か けか らの想像 のお よば な 前提 が なけれ ば こん な論理 は成 り立 た ない。 どん 蒸発 す るが 、最 早蒸発 しない限界が あ の を防 ぐらしい。葉 が落 ちるの も注入季節 を誤 らなけれ ば防 げ る。 か くて エバ ー グ リ 細胞壁の木 全体 での告1 合が木 の比重 を決 技 術 教 室 けれ ばその通 路 に水が心み こみ 、穴 は水で い秘密が ひそんでい る。 No445 1989年 8月 号 79 森 の 科学 (26) 水運搬 を しな くなる と、 唯子しの マ Ⅲゴは時 とともに くたびれ るのか仮準管 とに将管 y ) 本に水が入 らない 東京 大学農学 部 ) 4 ) かに告 , て 中央 にい F , れな くな って ど■ れ 、厚 い しま う。 そ ブ) とき薄 い マ l t ゴは1 消 トー ■ スが壁子との 入 り1 1 を表 いて しま う。 そ うなれ は ど うなるか 。 ト ー ル スは 水 を通 さないカギフ仮導管 と仮導管 との間での水 の 移動 は極 めて効率 が悪 くな る。 思 えば水 を まず来 剤 ′)人 っ'こ夕)ンク /1前"1気 。大 気 ‖: ドては よ銀住 は7 6 0 ミ リ、こ れ を減 旺 し て 、容 器内 を1 6 0 ミ ) 程にす る 。 こy ) 圧 に 大 し 置 くこと3 0 分、 そ′) 後人気F に 戻す と★ 内部 と案 剤 との間 にE 力 とが 生 まれ英 剤が f L 太に侵 人す る。 次が加圧。程 度 はに カキ │ 表示 で 4 ヽ 1 5 【/ c 市程。 本当 の圧 力は も う 日圧時 間 は 1 ∼ 1 0 時間。 こ 1 忙 / n i 高 い。 」 だ け、樹 木 に とつて基 いでお くに しくは な l D 加に ドに も楽剤 は l L 太に入 る。 大│ く 1:に 十 〔 に に 吏 を外 出す。 てか ら余分の英剤 もどし い。 幹 を切 り倒 して直 ぐの よ L 大は この よ う な壁子しの 一部 を閉 じてお り、勿論 水 を沢山 前 と同程 度 の排気 を行 う。 水 にi 容け てい た 類 な どは 一部が木 業斉」 、 つ ま リフ ェ / 一' ↓ 含ん で い る。前 号に述 べ た よ うに木材 本体 の重量 と同 じかそれ 以上の 水を含む。 それ flに吸着 し、残 りが排 気の ときに回H又され る。 これが 普通 の防 腐楽 剤注 人処理 であ る。 が午気中 に放 って置 くと最終 的 には本体 の こん な火げ さな操作 でや っと業剤 は 枕木 な げていたので あ る。幹 は水 の通 り道 だ った 15ク うぐらいの水分 に落 ち若 く。 その経過 を ',辺材 全体 に人 る。 しか し心材 には楽斉」 は 入 らない。 キ木知孝 束安 十しののめ) の 問地 で悲惨 な幼女 殺 木材が 水に浮 くとい うのは程、 達 に とって 害 事件が あ った。 同地 と共の1 司 辺 を テ レビ ヵ メラが年か ら捕 えた とき、新集 の 高層 ビ ヽた り前 の こ とで ある。 木材の比 重 は0 4 ∼0 6 だ とは前 に述 べ た 1 1 9 8 9 年8 月 号) 。 ツ L の 1 毎くうしろに木材 の 役が川画 に浮 いて しか し] え ばイく 思議 で はなか ろ うか。木 の い た。 お よそ事件 には 合わぬの どか な風情 幹 は 大地 か ら葉 まで水 を とうとうと波み上 で あ る。 そ うい えば束雲 は木場 に近 く、 そ こは東京 いや 日本最 大の木材朱散地 で あ る。 通 さな くなれ ば穴 な ど外敵 の侵 入に利す る ので ある。丸 大が 水につ か ■ , た ら切 り「1 か 々 ' ) 水に除 に人 り込 まれ 、 やがて は水で一 追 ってみ よ う。 の 木材が 3 分 の 2 を 占め るか 今 は外国か ' ラ らメ と太を役 に組んで 水に浮 か べ て貯 えるな 杯 にな りl t んでい く( 木の 真の比 重 は1 5 2 ) c ど とい うこ とも少 ない。1 ヽ で運 ん で来 た も そ うと考え る方が筋道 が通 ってい るので は が ら水 は伐倒 木か らよ! てい く。 この 間 に も しスの 占拠 が続 く。 幾 つ かの壁イL ではを トー ノ の 方法 は代木 直後の皮付 きの生丸 太だけに の を ト ラッ クで性送 し、陸 上に B T 木す る こ なか ろ う力、 これ は 日の仕事 ではな く、月 の仕事 、年 の 使われ るもので あ る。 六 ィ フサ)なかの水の 通 りに くくな った壁イしを少 しず つ通 りな も っと自然体 の注 入法 もあ る。 1800年頃 フラ ンスで 発 明 され 落差注 入法で あ る。 こ スギ、ヒ / キ な ど針 葉樹 の幹 での水の連 っを水分が切 っ 仕事 で あ る。 細砲 本体 の3 0 ク どこか に空 気が 人った ときに水 の 流れが悪 が 普通 だ った。水 にだか った 丸人は腐 らな 股 役はl l t 導 管 と呼 ばれ る細胞 である。 この てか らは細砲 の壁 に心み こんでい た分 もて い し、 それ にポ ンポ ン船 て簡単 に 移動 で き イ 反ヨ 事管 は炉きさが3∼4ミ リ、復虫ょo.03ミ リ│ユ る便 利 さは格 別で あ る。 また佼 か ら使 へ 飛 どで サヤ エ ン ドウの輸 の よ うな形 を してい る。 この 水が ゆ っ くりとでて い くのは言 う せると まで も無 い。 もし水の出 るの を急 カミ くなるのは 日常 よ く経駿 す るが 、 あれ を避 け るのが この '主入法で あ る。切 り倒 して直 び移 る仲乗 りさんの米の 見せ場 で もあ った。 る。 上下 、左右で他の仮導 管 と接 してい る。 無理が綱胞 の どこか にかか り木 の害1 れる こ 流れ 出 ない よ うに蓋 をす る。 丸大 の 長 さと もし軸 その もの な ら水 が抜 けないか ら、仮 とさえ起 こる。良 く経験 す る ことで あ る。 同 じぐらいの格 を組 み 、格 の 11に業液 そ う 導管 は 大地か らの水の連搬 役 にはなれ ない。 この よ うに して乾 いた 木材 で あ るか ら壁孔 を据 え付 け 、元 口を 11にす る。 元 llの蓋 を そ うなれ るのは鞘 の壁 に穴が 空 いてい るか の大 部分 は基 がれて い る。 水 に漬 けたか ら 外 し落差 を使 って /L日か ',木「1(1常 の 方)に ら である。 これ は厳宮 にい うと, ( ごは な く、 クて直 くに水が木 に侵 人す る とい うこ とい ・ 向けて樹液 の流れ の よ うに楽 液 を流す 。案 細胞壁が持 くなった ところで ある。専門家 ともない。 これが 役 に組ん だ f L たの状態 で 液 は■に硫酸銅溶 液が使 われ る。 この 方法 は これ を壁孔 と呼ぶ 。詩 い嘆 は マル= デ 、マ あ る。 木が沈 まないの は矢張 り当 り前の こ で は辺 材 には 全面的 に楽液がは い る。 かか ルゴの中央 には肉 厚 の トー ル スが あ る。 水 となので あろ う。 る時間は伐木後 1日 以内な ら 4∼ 7日 間とい ミヽゃミ ミ ミ慕 ヽミ 一残 とが 多 くな ったが 、往時 は使 での水 中貯木 壁 孔 ( 周囲 の網状が マルゴ 中央 の 円状が 肉厚 の トー ル ス) 技 術 教 室 く地 面に近 い 方の断面 (元凹 とい う1に水が ゴの 部分 を通過 す るので あ る。 は このマ, じ , て行 く 九 末に水が 入らないの は木 を1 吏ヤ ナ 仮導 管 は年 々作 ら,■占tヽもυ)は 十 」側 に押 土で よい ことはか りてはない 。 ご承知 の よ 天然物 を自然 に逆 らわぬ形で扱 うと、 こ し込 まれ る。仮導 管が水 を連披 してい る と うに本材 は腐 る。 そ こで 腐 り難 くす るには ブ)ように無理 な く,主人で きる。 自然体 が好 主 は マル ゴであ るが 、年 月が維 き壁孔 _ l l 役 某剤 をと 入す る必 要が あ る。楽 剤 には水 に 溶か した肪 腐剤 、例 えば フ ェ ノー ル類 無 機 フ ッ化物 系防腐剤 な どを使 う。 きな 方には 'を 回 「いて迎 え られ よ う。 しか ち、運搬 役 を自分 よ りお い細胞 に譲 った あ と、 この トール スが重 要 な役害」を呆 たす 。 う。簡単な装置で しか も短時間に注入が行える。 し技 術者 に と ,〔は余 りに も策が な さす ぎ るよ う● に思 える。 No 446 19894手 9月 号 79 森 の科学(27) 水で木を乾かす 東京大学 農学部 首本知孝 きて 、木材 全体 としてみ る と水 の分布にむ の中の どこかで ドッキ ングす る。本 の 温度 らがで る。 と水温 との間に余 り差が ない とす ると、細 あ このむ らは何 を生 むか 。木材 の水は30ク 胞 の陛 にあ る水 は 木の外に 出 てい けない。 が細胞の壁 に入 って い る。壁 の水 は細胞 を ー 構成 して い る セル ロー スや ヘ ミセル ロ ス だか ら木 は乾燥 しない と考 え るのが常 識で と結合 して い る。つ ま り水 の30ら は木材成 の関係 で 蒸発 し、壁 が少 し乾燥 す ることが 分 と似 た役 を してい る。 だか ら この 水が急 起 こるか も しれ ないが 、 それ は信かで あろ に熱 で蒸発 す る と細胞 の壁 には空 洞が出来 て しまう。 空 いた と ころには セル ロー スな つ。 どが本来 の形 を崩 して入 り込 む。 こん なこ とが急 に起 これ ば細胞壁 に ス トレスがカウヽ うの はあ り得ないのだ ろ うか 。 も う少 し考 あろ う。細胞 の壁 に 入って いた水が蒸 気圧 それ では 「 木 を水 に漬 けて乾 かす」 とい 察 を続 ける。 水 に漬 けた とき抽 出成分 は ど 「 水に漬 けて 木 を乾 かす」 とい う話 を聞 が木工 の 話 で柱や床 とい った大 きな材料 の く。木 か ら水 を抜 くのが 「 乾 かすJ と い う ことでは ない。 だか ら量産 よ り手作 りに関 こ とだか ら、 この話 は筋が通 って い ない。 係す る作 業 だ とい うこ とで あ る。大量 の 木 釣 り合い を保 ちなが ら水が抜 けれ ば壁 にか 想 えば木 には こ うい った筋 の通 らない言 い 材 を工業的 に乾燥 す るには密閉 室 に木材 を ようが 、1 箇 月 も 2 箇 月 も水 に潰 けてお く 回 しが多い。 「 木が生 きて い るJ な ど とい 入れ熱 をか け、室 内の湿気 を注意深 くコ ン トロー ル しなが ら木材 の水分 を蒸発 させて か る無理 は少 ないか ら割れ は起 こ りに くい。 木材 の乾燥 は こん なデ リケ ー トな問 題 を含 む。 上記 閉 じた ピ ッ トが原因で生 まれ た水 ゆるん でい き、 やがては水 に溶 け る。 そ う 分分布の む らは木材 の乾燥時 に害Jれを起 こ なれ ば当然 、溶 けた抽 出成分 は除 々に拡 散 し木 の外部 の水の方 へ移 る。 ビ ッ トの隙間 うの はその代表例で、切 り倒 して何十 年 も 経 つ 木材 が生 きてい る筈 はないの だが 、木 い くのが普通で あ る。 材 の吸湿性 や 、反 り、狂 い などが生 きもの 「 水 に漬 けて 乾 かすJと きに作 業者 が期 に例 えられ て 、 「 木 は生 きて い る」 との言 待 してい るのは これ とは少 し違 うようで あ い回 しが好ん で使 われ る。 こん な言 い回 し り、壁の一 部 が害Jれる。 しか し少 しず つ、 しやす くす る。 うな るだ ろ う。乾 き気味の心材 で は ピ ッ ト の隙間 にヤ ニ、 タンニ ンが へ ば りつい てい と、 へ ば りついた抽 出成分 も少 しずつ 水で ピッ トが良 い乾燥 を行 ううえでの邪魔 に か ら、 ヤ ニ、 タ ンニ ンが少 な くな り、 その 分 だ け水の通 りが良 くなる。 前記秋岡氏の 本に よる と水で乾燥 した ときヤ ニが水の中 る。作業 者が期待 してい るの は 「 水 に漬 け な るのは こん なわけで あ る。 それ に現実 の を好 む ところに人の 木 へ の親 しみ を私 は感 てか ら空気中に放 ってお くと木 は乾 き易 い 木材 には閉 じた ピ ン ト以外 にも邪魔者が あ じるのだが 。 し、乾 いた後、木 に狂いが 来 ない」 とい う こ とらしい。 そ うとすれば思 い 当 るこ とが る。邪魔者 は抽 出成分 と呼 ばれ るもので 、 ヤ ニ、 タ ンニ ンなどの類 いで あ る。 これが す る。水 の通 りが よ くなる と容 易 に乾 き、 私 にはい くつか あ る。 閉 じた ピ ッ トでの隙間 を更 に基 いでい る。 容易 に乾 いた木 にl T いは少 な い 。 「水 に つ 抽 出成分 は心 材 に多い。 心 材 とは 丸大 の中 けて乾かす」 とい う意味 は私 には この よ う なこ とだ とは前 号 (1989年9月 )で 述 べ た。 樹木 の幹 は根か ら実 へ の通水路 で水 を多量 心 に近 い 、色 が濃 く見 え る部分 で あ る。心 に理 解 で きる。 材 の周 りは辺材 であ る。 心材 と辺材 で は抽 水 に木材 を 1 箇 月 も 2 箇 月 もあ る時 は 1 に含んで い るか ら木 は沈んで 当然 なのだが 、 出成分が違 い 、心材 の方が 量が多 い。 この ヵ年 も漬 けてお くとい うのは量 産では成 り 通水路 の途中に水 門 (ピッ トと呼 ぶ)が あ 抽 出成分 が水 の 出 入 りに大変 な障害 を起 こ 立た ない。 また 、乾燥食 て を天然状態 で行 り、乾 か して使 うとき ピッ トは閉 じるか ら す 。 ある 目安 で水の透過性 を測 った ところ、 うの も大量化産 には向いてい ない。 だか ら 外か ら水 が 入らず 「 木 は水 に浮 かぶ」 こ と 心材 は辺 材 よ り10倍以上 水が通 り難か った 「水 に漬 けて 乾 かす」 との言 い回 しは こ れ とは少 し違 って よ り現実的 なよ うで ある。 とい うの は今 も木工 の作 業 者には水 につ け て木 を乾か してお られ る方 がい るか らであ 「 木が水 に浮 かぶ 」 とい うの は思 えば妙 に沢山た ま るとあ り、上 の説 明 と良 く 一致 「 水 につ けて乾 かす」 とい う方 法が小規模 になる。木 を熱 で乾 かす ときに も、 この ピ とい う。 また水分量 も大変 に違 う。例 えば 、 な木工業 で行われ てい るの も自然 なこ とで ッ トは閉 じていて水 が抜 け るの に邪魔 にな 幹 で測 って針葉樹 だ と辺材 は100夕あ以 上 の あろ う。 る。即 ち木の水 は細胞 の壁や降 にあ り、熱 水分 を含むの に 、辺材 は50?月写しか 含 まな 樹木 が まず幹 の大 部分 を通水路 に使 い 、 で温 度が_とが る と、陛 か ら ピ ッ トを通 り次 不要 にな ってか らは水門 を条 いで ホの蒸散 る。 そん な話 はお経 を書 く木簡で聞 いた し、 また秋岡芳 夫氏の 「 木― しらきJ と い う本 の降 に 入 り、 これ を繰 り返 してやがて 木材 い。 切 り倒 して 木材 として使 うときには15 ?あ以下 に下 が ってい る。 の外 に 出 る。 閉 じた ピ ッ トは水の い くて を 「 木 を水 に漬 けたJ と しよう。 何が起 こ 殺菌剤 で あ る抽 出成分 を軟 き詰 めた。 この には例が 4 つ ほ ど紹介 され てい る。 これ ら 阻む障 壁で ある。 だか ら水が上手 に ビ ッ ト ろ うか。勿論 木の中 に も 十分 な水が あ った 巧妙 な仕組 み を経験的 に見抜 いたのが 「水 を通 り抜 けた ところ、抜 けない ところがで とす る。本 の 中 か らの水 と外か らの水が木 につ けて乾かすJ と い う知恵 で あ ろ う。 木をに る を読 んで共通 に感 じらね″ ることは 、す べて 技 術 教 室 1 周辺 に を防 ぎ 、更 には外 敵防御 のため水 「 No447 19894千 10月 号 87 森 の 科学 (28) 本は水の塊 葉 が 水 を吸 い 上げ るの を妨害 す る力は 気 泡 な ど以外に も考え デ っれ る。例 えば 琶 l J ゃ も しれ ない。水 は 大地 か ら補給 され るゴ)だ か r)、大地 に 水が少 な くなれ ば 当然大量の 通導 組織 の抵抗 が あ る。 これ に抗 す るほ ど 水 ブ)移動 は起 こ りに くい 。 その時 何が起 こ 葉 の蒸発 力は大 きいの だろ うか。 この 議論 /1′ るのか 。葉 ブ)中ブ)前ナ )波!正は 水 の 17/動 が ブ) 答 えには数値が必 要 で あろ う。樹木 とい 正常 な ときにはす く0に もどるが 、大 地 に うl ■ l いの中で水が抜 け る と減圧状態 にな る。 よが な く、水の 千 夕動 が起 こ りに くい ときに は減 「 I は 大き くなった ままの状 態 が続 く。 その 程 度 を或 る約 束で測定 して メガパ スヵ メ L と い う単位 で示す。減 圧 をマ イナ スとす 洋木知孝 る と、昼 日中 、 実か ら水が 蒸 たす る とき情│ 7 量 た は 多 い 合 程 て 割 れ つ の そ ま そ ヽ詰 ヽか は 穴 る に い す 代 な 達 時 も も の 方 に 幹 た り が の 割 よ 中 8 に の ら 前 材 か 全 木 り 代 する水量 にはぼ 相当す る。 か ら、水の吸 い上 十 木 水 の 。は る い 木 い な つか が い 水 様 キた 仕 大 な て か ん 議 さ そ 思 垂 枚 不 の 何 は 水 o に り か 私 よ い か さ な L 重 は ? こ の で う の 体 塊 ろ 水の1 也り路 は 向作3 0 セ ンチの 末 な F ? 5 ミ ) 1 せらず 丁) 幅にあ る細胞 、 その部分 をホ ー ス に換 算 してみ た , , そ こが 6 セ ンチ く' ) いの も ブ) にI H ± 1 →る。 この ホ ー スで 末陽 の 出 てい る時 間 1 1 0 時間 くらいか 1 内 に風月に水 を レ≡業 る る の 孔 ら に ャリ あ い る 一 か 環 ︱ か 方 I た 上 !い ︲ だ ー ロ 助 い 一 樹 oた か ︱ 部 は 補 動 れ 残 る ﹁ 令 日 の ft わ 広 い 占 ヽて と は 役 上 つ使 よ う る 向 に 分 れ る る 幹 け へ 般 輸 わ い 言 て い oL 、 ★ 連 年 ⋮ 十 か の 3 と い ︰ ヤ ﹁な 吹 部 ホ ヽ 分 動 ま は 々一生 。 2 輸 か I t 水 水 い は 年 よ 北 ら 力 な で 1 の 庁 i 中 い か 昨 も 問 は 村 の な 地 ヽて や て 一 幹 か 大 方 け 針 ︲ く いれ るの を想像 してみ ると幹て 丁) ホ分の移 動 の イ メ ーデか 1 勇く. 1 ″ 〔い る こ とす) 意味 が 日頃 言われ 木か ヽ るが 、 よす) 移動 はその 意味 を極 めて 共体的 o う と か せ る 国 鶴 ぞャ ち ザ ⋮ だ ! ■ 一 を保 て る と、水 プ) 通路 であ る準管時 、仮準 管 堆 を水に濡れ させ うる。 こす) モ細管中 の 教 室 わかれ ば 、木 が あ る と同辺 は涼 しくな るわ けが 明確に なる。 大地 か ら吹 い上 げた 風呂 桶一 杯の水が 周囲か らで う気化熟 は馬鹿 に はな らない。 応 な どに水 を使 って物 を作 イ ) て も計算 に よ うよか t と ん な 力′) せいて5 0 メ そん な ' ( 岳 iび ー トt ブ) 高さまで手 予ち l i けら, しるのア│ ろ う。 F ) 焼集 力は 大きいブ) で実か F , 恨まで連続性 術 ネ発 が水の吸 い │ 二 げの 原動 力 とい うことが l l る。 た るよ柱 を引 き 1 1 1る │よ す。 水 根 か ら 草にt ` 1 1 )ゴよJ ) セ│ よ 70X とt ヽラ T 、か わ 十人る氏十 う ■ ヤ) まt ) 2 1 0 1 ′│ ) , ごあ る 6()X50と に打 ち勝 , て水 を吸 い上 げ うることに なる。 それ に して も一 日数十か ら数百 ) ン トツ し もの 水 を本 は何 に使 うのだろ う。北 合成 反 ブ) イ ( ごあろ うと吹 い 1 1 ける力は水のネ 花か ' ) 牛まる吸 水 力に 負 ′ だ い る。 こ」) 吸水 カ 1定て 〔hろ んi、イく そ/t■にか す)よ 十 号1'Fを かす (1Ⅲ 也Ⅲ) !口よヽ1 1 1 ちに ) 位は ム1 1 になん に も■: る と独 │ │ , す し力す, 教│ 「) ′ ヽ│ し 木の内部 で生 まれ る減圧 の程 度 は - 6 ∼ 一 8 メ ガ ′くスヵルで あ る。 一 方前述 の水 を吸 う 1 1 の抵抗 の 大 きさは1 0 0 メー トルの 木 で さえ 2 メ ガ 六 スヵル程 度 らしい。 だか ら蒸 発で生 じた吸 引力が電 力 な どの祇抗 に十 分 に' ふ す。 本が無 くな才1 は 木が吸 い 1 1 げ蒸 発 す る分だけ水 は地顧i から液体 として海 へ流 それ 丁) 最ブ ご ) ヴき 金は業か らの水 び) ネた と い うことかわか , てい る。 例 え5 0 メー トⅢ 水の柱 ? 技 東京大学 農学部 H9iし よ うと遠心 ナ サを使 ってみた と よ│ 卜 をツサ ガ ′( スカ■) ころ 、 ブ ( 夜に 大きな 力 1 2 2 . 3 メ ご 二そ う ')る 。1反に子 田‖ うiZ、要 十二′十 包の なか る とその 巳の 5 りっもあれ ば よい。 つ ま り9 5 う クもの よは追週 す るだけなブ) である。 こん な大 量の 水の通過が 木 に どん な利益 を生む び) だろ う。 そブ) ゎけ として以 前ネ散時 の 宝 ブ) 温度 げ) 低 ドをl g l ,した こ 人がいて 、ネ 散 ブ) 冷却 効 果が , 張 され た ことが あ , たか 、暑 い時期 に も★ ブ) │tく子 しが財J じることな どこの 説 に オほ した ことが 多 く兄つ か り、信頼 度 は薄 い。ガ」 の考 えに 、水 の 流れ にす) , て 大 地か ら移動 す る無機 物 び) ために 水が沢 │ │ 1 要 この戻 らな くな ,た減 圧の 大 きさを実5t「 的 に 再現 してそれ とた合成速 度 との関 係 を担」 定 した。 その結果 をみ る と少 しJ)減││■例 えは -15メ ル くスカル くらい まで ,な ら 北 合成 は下常 にtLこるが 、 -2ヽ -3メ ガ パ スカルに もなると樹 水は 光合成 を始ん ど しな くな ,て しま う。 と うして こん な こ と ― が抱己こ るの ア どろ う。わ │十は「 っか る。 肉限 ごオ こん な ときには実 の 気イしが 閉 じてぃ るの だ 。 つ ま り外気か ら炭酸 ガスを吸収 十 1 1 来な くな つて しまってい る。 水 と茂酸 カ スを原料 と す るのが光 合成だか ら、気丁L がP f l し れは光 ′ 合戊 は 当然 l n L こ , な くな る。 十分な水が あ ると程 に, 'れ ケ るド カか ケタ_ r , れてい る。 これ は面感的 にわか る .す る と沢l 1 1 の 水 を吹 い 1 1 1 , る の は実 に膨仮 I I を 確保 す るのが 大きな 目的 ては なか ろ うか . 本ヽか ど うか 、 これ だけげ) 杖拠 では証 明に はな ' , ない 程複雑 な 桐檀 で あ ろ う。 しか し 何 とな く沢山 ブ) よを使 うわ │ 十 か少 しわか る よ うな気が す る丁) てはなか ろ うか ? 木は高 い力■わえャに ′ とき ごぃ くす) に他 ′) h Ⅲ 物 よ り大変 有利 だが 、 そす) 高さ故 たヒの ょ を吸t ヽ 上 げ る とt ‐う行 命 をギ予負 ″てt ヽる。 そ して使 わ な くな ったヽ管 に残 , た よは持 の 中 に時 女_ ' , イ t る。 こイt は 水の 保管 であ る. る とす るF ) があ るが 、 次の移動 の極 端 に 少 ない場 合で も栄 生 不足は起 こ ' っ ない こ とが また水補給 ′) ために ホl i 恨を発達 させ 、せ、 要 な水 分 を恨の周辺 に確保 し ごい る。 こ│ ユ、 て気1 也 が 部分的 に水柱 を切断 や!ゴ 京なtと わか りこの 考 え もとオ1 そ うにない. 夕 堂 ブ) 水ブ) ゼ、 要 は も , とマ ク1 7 なレベ す ↓′) │ │ │ │ブ1)題 │よL[1に「 れ ,,二十 高力t直 く` Fサ也にiキ こ れ !!キ るプ)を して も、晴」ダ) 通路 が あ って 全体 としては水 ようで あ る。 t r が切的i され ないブ) て l i )ブ理I E は戊 り立つ 。 t `ごい ることにな る。 '方 木は水の1 鬼ごあ る_ そのわ けは こん な ことに関 係が あ るのか No 448 1989年 11月 号 91 森 の 科学 (29) 物の貯め力教えます 分 くらい までは炭酸 カ スを出す。つ まり呼 り ) るおい L T lて えをしてい る。 外I H l す に めも , │li bに す と か うときに'成 とも多く、そ の量は あ る。 なお ジ ャ をi 也ご したあ とブ) Z 、 需占品l ‐ とヽ る。 収鹸 カスがせ 1 7 のところは″ 十 ■ごここ るチ うブ) ブ) 告 1 合では杖か幹 よ リタ少 大き ) ブ ンをR 手え_ る カ イモ丁) 御 ) 其 うに 恨 に , ・ 1ブ とt `うことは情1 木て も起 こ ろ。実質 に 対 ' モ ミのエ ネル ギ ー (糖 )の 獲 り方 、使 い方 (森 林地 1平 方米 当 りの乾燥 重量 3) 善本知孝 ′ 木が 大変 な時蓄京 であるブ) I J 吉か く づい 〔 てい ることであ る。 それ に森林 とな る と農 地 な どとは比 べ もブ) にな らない ほ と大きな 鳳 オ│ ■を代す。木 か幾 つ もび) 曙 をな して生 え て い るか ら、 太陽 び) 光は どの唇か にひ , か 申に較 べ 本は非 た合成器付 げ) を 1 り合いが 大 き く、 それ だけ幹 な ど♂) 呼吸 で使われ るエ ネ ルギ ーは 大きい。 た合成て えた エ ネル ギ ヤ ーの うち4∼ 8害」 D才と〔しま う。 が呼,及に1吏オ 巳しその十 分は: 菜 て使 われ るもので ある。 イ 消費 獲得 期間 東京 大学農学部 光合成 貯 蔵物 分解 呼吸 生長 貯 5 ∼ 6 月 前半 6 月 後半 ∼ 8 月 342 0 182 0 930 820 650 600 0 9 月∼ 1 1 月 721 0 414 137 170 ( 木村 、1 9 6 9 年 蔵 160 よ り) は呼 H l k を してい ない。 若い / 1 s と と いた木の いか もし│ とない。 し か し幹 その ものの 量力t 日辺部同士 を較 べれ ば若 い 木 の方 がい っは 根 その ものの量 よ り遷 か に 大きい。 だか ' ラ か ゥてしまい 、大 地 に辿 りつ きに くい。辿 実 で作 られ た ブ ドウ棺 が幹 での呼 吸の原 い呼吸 してい る し、森 で優勢 な 木は 劣性 な デ ンブン時代量 は地 1 1 部が 8 告」方を占め る。 り市 けば そ こに 草を生 む。 それ だ け 工 れ , ギ ーが 有効 に使 われ てい ることに なろ う。 木が 全体 として効率良 く光エ ネル ギ ー を f l にな るには動 いて 行かね ば な らないが 、 木 よ り炭酸 ガ スを多 く出す 。 それ では幹 と 何処 を通 るか とい うと樹 皮の内側 をなす帥 また 、 その 8 割 が幹 に よる時蔵 であ る。 木の ‐ 年 をエ ネ■ギ ー との絡 みで思 い 起 部 の師管であ る。 ここは根か , ) 水を l i げる 枝 とでは ど う違 うか とい うと、 同 じ大 さで かと 較 べ る と これ は幹 の 方が 大 きい。1 , i 故 使 うこ とか F , 、本の業 一 枚 枚 もさぞか し 導管 とは違 って毛細管 で はない。 そ こ を葉 占えば同 じ太さな ' ) 枝の 方が幹 よ り歳 を取 こしてみ る。春 先 、上 にの び るため │ て 実を 出 してい くために エ ネル ギ ーがい る。 こげ) た r i 成を効率的 にす るか と思 うと、 こオi は か ら砂糖 を浴か した水が ど うい うわけで動 ってい るか ら、枝 での呼吸が小 さ くな る。 頃 は光 合成生産 は低 いので 時蔵 して あ った さに丼 ず 、農作物 の実 と較 べ る と相 当 に非 いてい けるのか 良 い説 明 はない。 こん な と 幹が呼吸 をす る とは生 きて い る別の 言い 効率 ごあ る。例 えば炭酸 ガ スは 光 合成 の必 き洛 質 の拡散 とか原形 質材3 動な どとい う説 っは死ん だ細胞 だが 、 1 呵しで ある。幹 の9 0 ク デ ンプ ン、8 旨 肪 を使 う。 季節 が進 む と北 合 成 生産が盛ん にな るので エ ネルギ ー源 は 徐 需 l iだが 品 、★ 1 0 ヤ1 方セ ンすが 1 時 間 に吹 う 明 をつ けるの が キ通 だが 、移動 の早 さは毎 炭政 ぢ スの 量は農作物が2 0 ∼4 0 m ど なのに ス 時 5 0 ∼1 0 0 センチに もな り、 そん な説 明 で 形l J k 層 、内樹 皮 、 それ に辺 材 の 条細胞 は生 きてい る。 これ らが仕事 をす るの には エ ネ なる。作 られ た エ ネ ルギ ー は季節の早 い う ギ、 L / キ な どは 4 ∼ 1 5 m く に過 ぎない。熟 は不 自然で ある。 また師 管 の不思 議 な働 き ル ギ ーがぃ る。 これ ら細胞 の ある場所 は樹 ちは呼吸 の外に業の生産 に使 われ 、季節 が 帯1収 庄 ′) C 4 植 物 な どは5 0 ヽ8 0 m ピに も な る に 、春 先☆の無 い とき樹 皮に時 え られ た砂 糟 が葉 び) 方へ動 くこ ともある。例 の メー ブ 戊の内部 だか , ) 、とれ も光 合成 を しないの で 白分で は エ ネルギ ー を獲 得出来 ない。仕 器官 、例 えば枝 、詐 な との 進 む と非 光合lk」 i 産 に も使 われ だす 。 しか し根 の生産は , ル シJ ガ ーが代表例。 メ ー フうレシュ ガーは 番遅れ るとされてい る。 秋 に なれ ば 光合成 でで きた ブ ドウ糟 ( エネルギ ー) の 一 部は 温″l た もの を集 めて精製 した もので 、 ホ ッ トケー キが好 きな仲間 の印‖ 染 みの蜜 で ある。 事 にい るエ ネルギ ー を業か ら貰 う。但 し樹 ・ 皮 と辺材の乗細胞 はデ ンフ ン として エ ネル ギ ー を貯 め るこ とが 出来 る。 そ こで ☆が落 ちて エ ネルギ ー獲得方 法 を失 った樹 木で は あの厚い樹 皮 を思 うと草 令が呼吸す る とい 乗細B 包は次 の活 動 のための エ ネル ギ ー時蔵 う′) は翔‖ 染 みに くい。呼吸 の証拠 は こん な 倉庫 とな る。 どん なキタで 時蔵す るか は木 の させて頂 くと表の よ うにな る。 多年生 であ る木が た合成で えた エ ネ ルギ ー を どん なに な る。 勿論 、業 も増 えるけ' とと もそ' と 以 11 ことに あ る。幹 を切 って きて 、横断 面 を同 囲か r ) 中心 に向か , て 切片 を作 り、 それ ら か出 す炭政 ガ スを定量 す る。 こ うすれ ば何 処が 一 番呼吸 を してい るかがわ か る 。 1 0 0 の ブチ を例 に とると1 司 年 くr ) ぃ 囲か ら4 0 年 種類 で違 うが 、 デ ンプン としてか 、8 旨 防と ‐ してかのいずれかで あ る。 根 や実が デ ンフ T/1み に振 り分 けてい るこ とか 。呼 吸 つ ま り に草 や、枝、恨 な どブ) と 合成 に関 係 しない幣 ンを貯 え るの は 、 それ を食 べ るせいか不思 議 には思 わ ないが 、幹 に も テ ンプンが あ る。 保 と、時蔵 つ ま り来年 出発時 とのために 、 エ ネルギ ー を適切 に 分 けて い るのが 、表 か , ては葉 の ない 冬 それ は多年生 の樹 木 に と■ らおわか り頂 けるて あろ う。 の だか ら木は随 分効率が忍 い。 た合成 で作 , た ブ ドウ楷 つ ま リエ ネルギ ーは 当然 宝で の 光 合成 を行 うために も使 わ イ│ る。 使われ た唆 りは砂糖 としていろい ろ な場 所 に移動 す る。業以 外の所 での呼吸 に 使 った り、生長 に 使 うためてあ る。 ところ ご木 は齢 とともに i 長 して 大升夕に 官 が増 える。 優 か とした森 林 を思 ブていた だ くと分か る こ とだか 、 もチ業は増 え る余 地 が ないのにそオ│ でも幹は 太 くな ) てい く。 78 技 術 教 室 春= 月 、わ ナ ダの カエ デの幹 に傷 をつ け、 々に新 し く作 られ た ブ ドウ機 に 負 うよ うに 時蔵 に向け られ るよ うにな る。 こうした エ ネルギ ーの収支 を木村 さん の研究か ' フ 引用 今 日の生 存 と、生長 つ ま り木来 であ地 位確 No449 1989年 12月 号 79 森 の 科学 (30) 表 ユ ー カリ属樹木の辺材 と心材の ミネラル (ppm) 省 ミネラル システム カ ンバ ヌラ タ グ ミフ ェラ グ ラ ンデ T ス 東京大学 農学 部 洋本角l 孝 るよ うに この頃 な って きた。 ミ ネ ラル を1 容 この 変化 は樹 戊や辺 材で もお こるが実 では 顕著 であ る。 その年 に4 1 まれ た業 で P 、 K か してい る水 を我 々が信用 しな くな ったせ につ いて 見る とキ 多 く、秋 には 半分 になる。 いだ ろ う。 だ , てご 七社1 様も似 た水 を飲ん 新 しい業 に この種 の ミネ ラ■が 多いほ ど木 のア が よい とす) ことであ る。光 合成 を し 11長 ミネラルな どとい って特 別 の飲 み物 を取 でいて格 別に 支障 があ ったわけで はなか , しと声い たの だ。 それ を今改 まって ミネラツ てい くには P 、 K 力 亡夕量 にい るらしい。● 出 すのは 、水道水 への不 信以外 に理 由はな つ 日の 秘官 は ミネ ラルの 本の 中での動 きが さそ うであ る。 ミネ ラルが 大切なの は植物 も同 じで 、 P 生 長 の時期 と関 わ る こ とらしい。 才が出 て か ら一‐ヵ月間 に車 令では P が 8 0 ヽ9 0 り、K 力 i ( 憐) 、K 十 力 ) ウ ユ、 ) 、 M g ( マ ダネ ラ ウ に1 成る。 こ うし‐った ことか ら ミ 70う ちくらt ヽ ラウム) は 不 エ 、) 、S i 硫 ☆ ) 、C a l 力 , レ 日 f 火なた素 とされ てい る。 これ ' , のミネ ラ ネラ■は必要 な調; 化、新芋 に集 め , , れる と ブ しは地 球表面 の上 に沢1 出 はない。 " く 出 ある ブ) 考えが生 ま' t てくる。 ″ ろ うか ? 来るt F D だ と、 要 な もF ) は何 処か F フ 、、,大な とて の は酸 素、lt素 、ア 'Lミニ ウユ , 必要 に店 じ恨か ' , 吸うとい うこと も考 え ′ 、は五 番 目 ご339りぅ。 rlナ あ り、カ ル シウエ たで ミネラルのや り繰 りを れ るが 、 器官 I H ′ 、は ヒ添 日 (240クク│.硫 技 に 至 ぅ て は ウソ してい るとF l 考えだ って あ り得 る。特 に 木 !、 植物 の場 合はそ うだ ろ う。 出 昔、地 1 1 に 15喬 日で006う に過 ぎない。随 分 少ない も す)がi直 物 の必需市で ある。少 ない もの を使 ,て値物 は地球上 を支配 してい る。 そ こに や微生物が少 な く、1 1 壌が 少 ない頃 に木は ア 1 1 えていたげ) だ。 つ ま り有 ころだ │ ) けて 、 P も K も r l に対 じこめ られ てお り、それ ら は秘行 が あ りそ うであ る。 一つす)秘密 は ミネ アルが樹木 の どの器官 を使 いに くか った頃 に木 は育 ) たのだ。 乏 に も同 じように 入 ってい るので はなtヽこと とい時 のや り繰 りは何 も人間 だけの ことで にあ りそ うだ。 つ ま り適 │ ■ 西己分が 行われ て はなか ろ う。 い るらしいす) である。 スギす) 幼い 本で す) 童 ) 方の キ と や り繰 りの明確 な例は 木す) l i げ をみ ると受や禄 " 1 支には P や K が おおい。 そ び) 下す) 方の 草 とす) 間て1 日られて い る。 キ 限 化物 として P も K も 乾 l f 物の 1 つクくらい と較 べ 、幹 や棋 にr r が 入 ・てい る。 これ ' ぅ │げ ) 前 ご任す) ド′) 方につ いてい る■ は成熟 ) 秘を は ミネ る最は ‐桁 小 さい。 もう一ヤ ) す ラ■が 存飾て 並 8 4 技 術 をえる ことにあ りそ うだ。 教 室 して2 0 1 1 も経 つ とP 、 K の 合有■ を十分 も J げ ) す。 つ ま りこ′) 下の 方の 業 は 自分 の牛 育 を終 えると、生育中 プ) 1 1 の方の★ に P 、 K P 樹種 名 辺材 心 53 8 53 12 103 辺材 材 160 7 心 514 230 1087 238 ミク ロヨ リス 80 8 545 37 ピル ラ リス 43 5 494 7 サ リグナ 110 3 1000 材 32 35 (Bttadle 1 9 6 8年 ) K を 送 り出す らしい。 この ことは稲で も認 もの もあ るが結 じて顕 者 であ る。 各種 ユ ー め られ てい る。 この場 合 ミネラルを無 くし カ リの 測定値 を表 に示 した。 た☆ は枯れ る。 では業が落 ちるときは どう どうして こん な 大きな変 化が起 こるので か 。落 らる前 にはその業か ら ミネラルが 消 あろ うか 。 「もし P 、 K を 心 材 に 封 じこ め えてい くのだ。ミ ネ ラルは移動 す る。 ク ) 、 ク文ギ、 ヨナ ラな どの落 葉樹 にそん なデ ー 像 してみ る と、 それ を考 える上 で良い とン ておいた らどうい うこ とが起 こるかJ を 想 タが あ る。例 えば ク リの P は 柾葉 した葉 で トが出て くる。心 材 に入 った らK 、 P は そ は7 7 ? あ に減 り、落 実 した業では2 6 ク っにな っ れ以 後千年│ 】 1 じこめ られ 、木 に 役立 た ない て しま う。 こオt は杵L ★が女 台まった ときP が もの とな る。千年 間地球上 か らその分 だけ 業か ら枝 に移 動 し始 め るためで あろ う。仮 P 、 K が 消 えて しまった も同然 となる。 こ れ が どん な損失 か。 P 、 K の 乏 しい時 は ‐ に落実 と共 に ミネ ラルが地 中 に入 って 、 白 分がそれ をlllび 吸 うのは間違 い ないの に、 へ か 器官 ら器官 と、 よ り合理的 な再利 用 を 行 ってい るわ けである。 木の木であ る所以の幹 て も ミネラルの移 動が起 こ ゥてい る。 これ は 上壌 とは離れ た 日 だ ろ う。 それ を避 けて 本 は 、辺材 にあ る 細砲が死んで心 材の細胞 とな る ときに P 、 K を 吸 い戻 し辺 材 に入れ る。 こん な仕組 み が幹 に出来 てい る らしい。 ミネラルの うちで カル シウムは P 、 K と 場所での出来 ご とだか ら、や り繰 りだ とい 梅物での役割が違 う。 また P 、 K の ように うこ とがは っき りして い る。幹 の 1司 辺部 の 必要 な所 に動かす こともない らしい。 カル 辺材 と中心 部の心 材 との間の 出来 ご とで あ シウムが上の中 に沢山あ るせ いで あろ う。 る。 辺 材 と″ Ь材 、幹 の中で起 こるこの不思 カル シウムは幹の心材 に シf . ウ酸 カル シウ 議 な変化 にはわか らない ことも多い。 言葉 の定 義か ら辺材 には 1∼ 2告け 生 きた細胞 が ム、炭政 カル シウムな どの形 で塊 とな って 、の使 t ヽ ある。 この カル シウ之 沼 まる こと力` あ り、心材 には生 きた細胞が ない。辺材 の 方は外か らの敵 の防御 を 日的 とした ものの 細胞 が心材 の細胞 に変 るのだか ら両者の間 よ うであ る。熱 帯 の 本 には シ リカが 多ぃが には行機物の種類の変化 はある として も、 これ も防御 の 目的 に使 った ものの よ うだ。 P、 Kな ど元 素 の変化 はな さそ うであ る。 シ リカは大地 に大 変沢山 あ る ミネラリ けで あ それ なの に 多 く木では心材化で P、 Kが 激 る。 )て は変化が少 ない 減 す る。 木の種類 に よ■ No450 1990年 1月 号 85 森 の 科学 (31) 幹のプロテイン リサ イクルす る。 しか しヒ ノキや ア カマ ツ か ない とされて い る。 ‐方微 生物の場 合、 の人工林 だ と半分 は カ スで空気中 に とびだ 栄 崖物 には炭素 と窒 素が4 0 対 1 ぐ らいの害」 して森 林 に施肥す る ことが 少 ないか らこれ 合で入 ってい るのが好 ま しいが 、木材の炭 ら樹木 は窒素 欠乏 に追 い込 まれやす い。 合は2 5 0 ∼5 0 0 対 1 に 過 ぎない 。 素 と窒素の書」 窒素 の地球 規模での循環 を考 える と、陸 上では微生物 に よ り固定 され る窒 素が年 1 工業的 に固定 され るのが440 億3500方 トン、 万 トン、 ほぼそれ に釣 り合 う 1億 9000方 ト 室素 とい う元素 は とて も大 切なの に 日頃 東京大学農学部 ンが上壌微生物の脱空作 用で大気 に もど っ 差本 知 孝 てい る とされ てい る。 この サ イクルには じ 冬素 を流 し込んでお くと言 った具 合で ある。 話 題 に上 らない。 それ で も何年かお きに タ ン六 ク質 とか ブ L7テイ ンとかい う言葉 で コ どの部分が死んで い る。 だか ら生 命体特 有 マ ー シ ャル に入 りこむ。 プ ロテ イ ンの最 も の もの を余 り含んで い ない。 つ ま リプ ロテ 樹木の幹 は革 とは 大変 に違 ってその 始ん 火事 な元素が窒 素 である。窒素 は午 気の要 イ ンだの D ヽ A だ の とは縁 が薄 い。 そ こで らない部分 ぐらいではす まない。 それ に遺 のは予想で きる。事実木材 篭素合 最がl r N ぃ 伝 子の話 に出 るDNAの Nは スクレオチ ド の ヽ、ズ クレオチ ドは核酸 で ここで も窒素 が重要 な役 を呆 た してい る。 これ ら二 つ の 例で解 るが Nは 生 命1活 動 その物 と密接 な関 係が あ る物で ある。糖 が栄 氏物や構造物 な ど生 命体 を マ クロに支えるところに使 われ の窒 素 は0 1 ∼ 0 . 0 1 つ あに過 ぎ な い 。 この 少 ない空 素が昨 の何 処にあ るか を研究者が調 べ た結果 に よれ ば 、表 1 の 通 りで ‐ 番多 い 部位 は形成唇、 その隣 の 末分裂 まもない辺 材が これ に次 ぐ。値 は形成 噌の物 よ リー 桁 リカや北欧 の文 明国 です らその青J 合は 6 クう に及ぶ 。 わが国ひ と り 2 う とい うの は異 常 ために 日本 全体が窒素過剰 に陥 り出 して い であろ う。 さてその燃 した木材の窒素分 は 分 は大気中 に戻 らず大 るそ うで ある。過乗」 どうなるので あろ うか 。 空 気中 にでた客 素 地 に貯 ま りやがて は海 にで る。 それ は と り 分 は酸化 して一 酸化窒 素、 そ して二 酸化冬 返 しの つ か ない害 、例 えば赤痢 な どの発生 を生 むだろ う。 この頃私 が読んだ文 には こ 素 と変化す る。 この過程 で太 陽 光線 で生 じ た ラブカルな どと関係 して北 化学 スモ ング ん なこ 旨の ことが書 かれ て あ った。 これ に較 べ 木材 は実 に窒 素が少 ない。幹 あ る。今 、大都 市で発生す る光化学 スモ ッ なの とは反 にを素 が少 ない とい うのは過乗」 グは 自動車 の排 気 ガ スが原因で あ るとされ 対にだが色 々な ところに彰響 を及ぼす 。有 てい る。 ガソ リンの 中 に微量 に入 ってい る 窒 素が酸化 され る らしい 。 以 ドだか ら性 質 が際 立 って くるので あろ う。 な り難 い こ と 第一 に見 虫や微生物 の llFfに が なか った ら、 千年 分の室素が 木材中 に時 まって いて 、木材 は到底安 す べ き除料 には が あ る。木食 い虫 は初夏 に羽 あ りとしてわ , たに違 いない。 そ して微生物や な らなか ■ これ と余 り変 らない。 心材が辺材 と余 り変 ない。前 回紹介 した Pや K並 みの 少 な さで らないのは P 、 K の 場 合 とは違 う。 P 、 K あ る。 そ うで はあ るが窒素の少 な さは P、 は心 材で は急 に減 っていた。 これ らの こと Kの 少 な さと訳が違 う。窒系 は弘物 として か ら考える と樹 木 は窒 素 の管理 を P 、 K よ 木 の種類 大地 にあ ったわ けではな く、空気中 にある りず っと厳 しくや ってい るよ うであ る。窒 トウ ヒ 沢山の本 素 ガスが 色 々な方法で しみ こんで 素が必要 な場所 、つ ま り生 命活動が活発 に 大地 に存れ す るものである。 その 量は細菌 行われ て居 る場所 にだ け空 素 をお いてお き、 が年素同定 した ものが 全窒素固定量 の63ら 用が無 くなると直 ぐ吸 い反 して他の必要 な 次 ぎが 人間の ア ンモニ アエ業 に よるもので 場所 に再配置す る。 そん なこ とを思 いた く 24ク ο、唆 りは稲芸や株焼 で生 じた ものであ る。 その よ うなわ けで 少 量 しか 大地 にない な る。 一 本一 本の木 に とって こん なに大事 な窒 素 であ るが森林全体 での リサ イクルの程度 は必 ず しも大 き くない。熱帯降 雨林の よ う る ときには古 い実 は 自分 の窒素 を新 しい★ に外か ら手が 入 らないl t l 林 で は窒素 は植 物 にや る。実 は落 ちるときにはその前 に枝 ヘ や動物の遺体 として大地 にH 民り7 ∼ 8 割 が 84 技 術 教 室 を生む。 あの 日が チカチカす る大気汚染 で カ 機物 は窒 素 を10数 バ ー セ ン ト (5∼ 30う ーセ ン ト なの にそれ が01パ のが普通 含む の 量は何 と16番 日、告け合いは003?ク に過 ぎ ものだか ら、 Pや Kが そ うであ った様 に値 す む問題で あ る。 地球 全体 でみ る と末だ半 分の木材 は燃料 として使 われ てい る。 ア メ 本 は大量 に農作物 を輸 入 して い るが 、 その この大切 な空 素 は大地 の地 表 にあ る元素 物 は窒素のや り繰 りをす る。新 しい業が 出 フないで る問題 で ある。 否、正 し くは起 こ ′ つ に1200年かか るそ うで あ る。 ところで 日 低 い。 しか し成 熟 した辺材では分裂 まもな い辺 材 よ り告素 含量 は更 に一 桁低 い。J ヽ 独 心材 での合量 も 点 以 ドニ 桁 であ る。 そ して′ るの と対照的 で あ る。 多 くの微生物が木材 を何 に出来 ない理 由の 一 部が ここにあるのは間違 い ないだ ろ う。 第 二 は木 を燃 や して燃料 とした とき起 こ 表1 幹 も し木の幹 に窒素 をや り繰 りす る仕組 み の部位 と客 素量 ` 撤 巌 重 置 に対 す る% う マツ トチ エレ ュ ーカ リ 形成層 1 11 未 熟辺材 辺 材 0 27 0. 047 0 062 3. 25 4 70 0 83 4 80 0 88 2 08 0 52 心 材 0 012 0 22 0 28 0 062 0 081 ( C o w l i n g e t a l 1 9 6 6 ) れわれ の 日につ く見虫で あ るが 、彼 らは木 木 食 い虫の格好 の観 食 にな って しまい 材の タ ンパ ク質 を利用 して い きてい る。木 方 が もともとは タン′くク質 材 の窒 素 は 9 言」 , たで あろ う。 が使 いに くい 材料 とな■ を作 りあげ るものであ った。 それが年月 と 共 に タ ンパ ク質が変化 して しま う。 木食 い 虫 は冬 素 の 少 ない 木 の 古い部位 には くっつ No 451 1990年 2月 号 85 人 森 の 科学 (32) したのでは決 して発 根 しない 木で も工 夫で ― 卜が 出 る と完全 な 幼植物体 となる。 つ ま 根が 出 る。根 の つい た芽 は生長 して 、小 さ いなが らも一 人前 の幼植 物 とな る。 これ は り苗が出来 る。 苗に相 当す る。 も う少 しバ イオ臭 い方法 もあ る。 とい っ 東京大学農学部 羊本知孝 そ こは天 国の よ うであ る。豊 か な森 に囲 型で あ る。 しか しこれ は スギに限 るので あ まれ た、 山の なかの僅か な平地 に、30セ ン り他の林 木 では挿 し木 は何故 か成功 しない。 チに も充 たない木 々が苗代の稲の ように整 そ こで種 子に よる増殖 に頼 るのだが、種子 の場合少 し性質 が変 って しま う。 そ こで バ あ る。 その姿の可愛 さに思 わず 目を細 めて ィォテ ク ノロ ジーの登場 、 バ イオは何 に役 立 つ か とい えば 、今 の バ イオ、 つ ま り組織 しま う。見 まわす と何 人 もの年寄 りが それ 培養 は ク ロー ンを作 るの には誠 に都合が良 ら幼 い木 々の間 を通 り抜 けなが ら こまめに い。 植物 の細胞 には不思議 な性質 が あるの を 草 を とってい る。 ここは首圃 と呼 ばれ る林業 での作業場 で 、 ご存 じであろ うか 。 今 まで に何 回か出たが、 そ こで 木 は稚樹 か ら育て られ 、何 度 かの植 えか え作業 をへ て 、 五年 ほ ど経 つ と山に持 全能性 と呼ぶ値物 全体 を再生す る能力が ど の細胞 に も潜ん でい る。 つ ま り適切 な条件 ち出 され 、森 を作 る木 として植 え られ る。 さえ与 え られれ ば どの細胞 も植物体 になる。 苗圃 が都市 の人間の 日につ くことは殆ん ど この性質 は人 に例 えれ ば 、指先 の皮か ら人 無 い。 が生 まれ ると言 うことにな り、共感 を呼 び スギの苗 は林木 として珍 しく挿 し穂 で 、木 に くい けれ ども、繰 り返 し学者の証 明が な されてい るもので あ る。 バ イオを使 って ク の先端の業 を とって きて大地 に挿 す と、挿 ロー ンを増やす 上の原理 は ここにあ る。 種子 か ら苗 を育 て るのは原則で あ るが 、 され た穂 はやがて根 を出 して育 ってい く。 原料 は試験管 内の挿 し木 にであ る。但 し この方法 では親 の性質がその まま子 に伝 わ 元 になるのは植物体 で はな く例 えば先端 の り、誠 に便 利 なので穂 を採 るだけが 目的 の 採穂 園が作 られて い る。 ここの スギは背 が 芽 ( 頂芽) や 葉 の 付 け 根 か ら出 た芽 ( 腋 低 く、 なるたけ沢山の穂が採れ るよ う様 々 育 て る。 人工培地 は化学薬品 だけか ら成 り 一 立 つ ものが多 いか ら、案 品の 部 の濃度 を な工夫 が されてい る。 全 く同 じ植物 を親か ら子 へ と増殖 して い くの を ク ロー ン増 殖 とい う。何 か ら何 まで 全 く同 じの クロー ン人間 な どとい うのが ア ニ メに登場 す る くらい、 この言葉 は流行 に な った。 スギの挿 し木は ク ロー ン増殖 の典 84 技 術 教 室 芽) で ある。 これ を試験管内の人工培地 で 変 えた り、 あ る実品 を除 くのは簡単 に出来 る。害 菌に悩 まされ ないで作業 をす るの も 容 易で ある。 こん な利点 を使 い 、培 地 の薬 品組成 、特 に植物 ホルモ ンの割 合を工 夫す る と植 え付 けた頂芽 、腋 芽 は発根 す る。挿 ってい る。植物 の細胞 は どれ も 目的 をもつ 、 例 えば葉 の細 胞 、花 の細胞 な どとい うょ う て も要 は挿 し木で 、 これ は_上 記頂芽 、 腋芽 に。 それ が カル スの細胞 は 目的 をもた ない。 その もの を幼植物 にす るのではな く、 これ 方 向性 をな くして しまった細胞 なので ある。 ら芽 の植 え付 けた場 所 周囲 に発生す る組織 、 カル スは大量生産 に 向 いてい るが都合 が悪 い ことに変異が起 こ りやす い。植物 の性 質 これ を不定芽 (ふて いが)と よぶが 、 これ を切 り取 った もの を別の人工培地 に移 して 育 て る。 不定芽 を育 て るには、頂芽〈願芽 を育 て るのに較 べ多 くの工夫がい る。 これ が バ イオであ る。 で も不定芽 は一 度 に数本 は 出 るので成功すれ ば効 率 が良い。育 て た 不定芽 か らは シュー トとい う若 い葉がで る。 不定芽 一 つ か ら 4本 は採れ るので 、 その シ ュ ー ト1本 1本 を切 り取 って発根用培地 に 移 して根 を出 させれ ば、仮 に 3週 間 に一 度 が元 の もの と変 ることが あ るのだ。 だか ら 折 角良 い性質 の木の ク ロー ンを育 て るつ も りなのに カル ス化で変 った もの となる とい うことも起 こ るのであ る。 ‖Ⅲ町 品││ 巾 ﹂ ■柿■一一 然 と植 え られて い る。良 くみ る と形 は小 さ くとも スギであ り、ヒ /キ で あ り、 マ ツで ところで この カル スは実 に妙 な性質 をも シュ ー トを切 った として も 1年 に40億本 の 幼植物 がで きる計 算 になる。不定芽 とは耳 慣れ ない名 だが 、芽 は頂点 とか葉 の腋 とか か ら普通 はで るの に、 それ以外か ら出て く るこ とが あ り、 それ らを名 づ けた もので あ る。特別 な性質 は ない らしい。 さて もっと人工的 なバ イオもあ る。今 ま での と同 じよ うに頂芽 、腋芽 を人工培地 に 植 え付 ける。但 し人工 培地 の実品 を工夫 す バ イオの基本 は 自然 では特別 の植 物 で し か 出来 なか った ことを多 くの植 物 で しか も 人工的 に量産す る こ とで あ る。 バ イオを使 った増殖 ( マイク ロプ ロパ ゲ ー シ ョン) は 塊が出来 る。 これ は カル ス と呼ぶ細 胞 の集 世界 中で研究 され ていて 、 テ ー ダマ ツ、 ラ ジア ー タマ ツ、 ュ ー カ リ、 ポ プラな どで成 団で あ る。 この カル スは簡単 に バ ラバ ラに 功 して い る。 しか し実用化 の例 は未 だ ない。 な るので微生物 の よ うに育 て易 い。 バ イオ 在来法 と較 ベ コ ス トが合わ ないそ うで あ る。 に ピ ッタ リの植物体 であ る。 さて この カル 実用化 されれ ば採 穂 園の仕事 はな くな る し、 る。 そ うす る と植 え付 けた芽 の周辺 に 白 い スを培地 を工 夫 して育 て る と先 ず不定胚 が 首圃 も激減 す るので 、筋 肉労働 の削減 は 明 分化 して くる。 不定胚 とい うの も不定芽 同 かで あるが 。 様耳慣れ た言 葉で はない。受精 していない のに 、受精 した ときと似 た形 で 出 る胚 が不 定胚 で 、普通 の植 物 で も出来 る こ とが あ る が 、培養細胞 では よ く出 る。 この不定胚 は 適 当 な人 工培地で育 て る と、根 が出、 シ ュ No 452 1 99o年 3月 号 85 裸 の細胞 捧本角1 孝 東京大学 の演 習林が南房総 にあるが 、 そ の 名物 の一 つ 「 相の沢 スギ品種試験地」 で は 日本中か ら3 3 品種 の スギを集 めて きて挿 し木 で 高を育 て 、最 大7 8 本、最小 1 7 本、 合 品種 がで るチ ャ ンスが ある。 スギは一 つ の花 に雄 しべ と雌 しべ が つ く タイ ブ 〔 両性花 ) で はな く、一 つ の 木 に雄 計 1 3 8 0 本の スギが 品種 ご とに縦 に生 えてい 花 と雌 花 が つ くタイプ ( 異性花 ) で ある。 雄 しべ の花粉 、雌 しべ の極珠 は前年 の夏頃 る。 1 9 4 1 年4 月 に苗 を植 えた とあ るが 、 も で き次年 の春二 月、雄 しべ か ら花 粉 が飛ん う見 事 な林 とな って いる。 南西斜面 に広が べ につ く。例 の スギ花粉症 で有名 な でl t t し った林 には遠 くか らみ る と明瞭 な縞が現 わ 多量の花紛 の発生 で ある。雌 しべ にた ど り れ る。縞 の 美 しさは品種 ごとの 生長の違 い ついた花粉 は花粉管 を雌 しべ の中に伸 ば し が生んだ 自然の妙で あ る。 スギ の学 名 は て受 精 に成功 す る。 で あって 、 これ 以 こん な千順 を人の意志 でや るのは存外大 外 の 名 はつ いてい ない。木 の種類 に よる と 変種 とい うのが あ って 、v a r … … とつ け くわ え られ る。上 に述 べ た 3 3 種 の スギは 変 であ る。新 しい 品 種 を得 る こ とを 「育 種J と い うが 、育 種で予 め選択 した スギの 変種 ではないか ら分類 学 では区別出来 ない す るには まず雌花 と して選 んだ木の雄花 は 程似 てい ることになる。 だか ら生長 の違 い 邪魔で ある。 それ を除か なければ な らない。 はその 品種がその 七地 に合 っていたか どう 放 ってお けば招かれ ざる交配が起 こるか ら で ある。 また選 んだ雄花 を取 って きて 一つ か に よ り生 まれ た と考 えて よか ろ う。 べ を交配 させ よ うと 雄 しべ と別の木 のl t E し スギの苗 は 、九州地方では挿 し穂 で育 て 一つ 、雌花 につ け るの も木の背の高 さを考 るこ とが 多 い。 つ ま り好 く育 ち、耐候性 、 え ると楽 ではない。 こん な面倒 な仕事 は少 Frl病 虫害性 に勝れ た精鋭樹 と呼 ばれ る スギ しの誤差 は覚悟 で もっ と単 純化す るのが 自 の穂 先の実 を とって きて大地 に さす。挿 さ 然の成 り行 きだが 、現実 に も交配の 目的 に れ た穂 はやがて根 を出 し育 ってい く。 この は採種同 と称す る植物 園が つ くられ てお り、 方 法 は数 を増 やすのには誠 に便 利 であ るが 、 合 日的的 に 木を配置 して 白然の力で行 って 規 の性 質が その まま子 に伝 わ ってい くだ け い る。例 えば選択 したl t r 花 を持 つ木 を中心 で あ って 、新 しい性質の スギは■ まれ て こ に 、 その周辺 に選択 した雌 化 をもつ 木 を多 ない。新 しい品 種 を うるにはご承知の よ う 数配置す る。選択 した雌 花 は 自分の木 の雄 に 惟 しべ と雌 しべ を く, , つけて 種 を とる方 花 とも交配す るが 、 これ か ら生 まれ る種 は をサ 及る。 こ うして ■ またけこもt / ) に 新 しt ヽ 術 教 る。 これで可成 り労 力の減 った仕事 とな る こ うい った育種 に所謂 バ イテ クが どん な れ た細胞 同士 は簡単 に融 合 させ る。細胞瞑 風に使 えるか は成 果が労 力節減 に繋 が るだ けに興味 が あ る。 バ イテ クの簡単 な利用 に 東京大学 農学 部 技 が周辺 の雄花 との交配 で生 まれ た もの と成 ス トと呼ぶ もので あ り、勿論 その周 りには と 細胞膜 (持は原形質隈 )が あ るので細胞 の 経験 が ある。 そ こで発芽 した ものは殆ん ど 森 の 科学 (33) 室 半分は発芽 しない し、生長 も しない とい う 中身が こばれ 出 ることは ない。 この裸 に さ は比較的 簡単 な処理 で穴が開 く。 キ リとポ プラの プ ロ トプラス ト融 合の例 で は 、 カル はl T N の 培 養 が ある。受精 はす るが親が類 縁 シウムイオ ン と高濃度の ポ リエ チ レング 1' 関係が うす い ときにはl T N は 育 ちに くい とい コールが使 われ てい る。 さて 2種 の プ ロ ト う。 受精 したl T S を 無 菌的 に取 り出 して適 当 な培地 を探 して培養すれ ば一 人前 の植物 と プラ ス トが融 合すれ ば、条件 に よ リプ ロ ト なる。 これ は従来の交配 に バ イテ クを絡 ま 育 てて新植物 を得 る。 キ リとポ プラの融 合 せた方法で、栄養 を良 くして未熟児 を育 て は地 球上 にない植物 を生 む。 しか しこの誕 る類 いで あろ う。 生 には難問題 が多す ぎて ポ プラギ リは未 だ 自然 の交配 とは花粉 の細胞 と胚珠 の細 胞 プラス トの周 りに細胞壁 がで きる。 これ を 生 まれ てい ない。残念 な こ とに キ リとポ プ を融 合 させ ることで ある。花粉 や胚珠以外 ラとの融合で はポ プラの プ ロ トプラ ス トが の細胞 をお互 いに くっつ けて も両者 は融合 キ リの プ ロ トプラス トの中 は入 った ものの しない 、 これ は言 うまで も無 い こ との よ う 細胞膜 の合体 は起 こらない。 つ ま リポ プラ に思 われ てい る。 バ イテ クはそれ に挑戦 す る。 そ こで どの細 胞 を選ぶか 。既 に述 べ た を抱 えた キ リの細胞が生 まれ たに過 ぎない 。 それ では一 つ の塚 として品種が違 うポ プ が植物 の細 胞 は どの細抱 も全能性 をもつ 。 ラ同士 の プ ロ トプラス ト融 合は どうだ ろ う。 だか らどん な細胞 だ って融 合 しさえすれ ば それが 出来 ただけで もポ プラの耐病性 が 向 生 まれ た新細胞 は両 植物 の性 質 を持 つ 新植 上す るこ とはあ りうる。 だか ら似 た もの同 物 となる筈で ある。花粉 や睡珠 以外の細胞 士 の融合 も無駄 ではない。斉藤 さんの仕事 で 人工的 な融 合 をす るには融 合の邪魔 とな だ とキ リ同士 、 ポ プラ同土 の融合 は 出来 た る組織 を採 り除 けば よい。 そのためには ど とい う。 うす るか。先ず細胞 の レベル まで植物 をバ ラバ ラに る。 そ して細胞 の皮 を幸Jいで裸 に ころ個体 に まで殆ん ど生育 しない。花粉 と す る方法 を とる。 か胚珠 とかの細胞 を プ ロ トプラス トに まで 細抱 と細 胞 の接着部 を壊 し、一 つ一 つ の バ ラバ ラの細胞 にす るには ペ クチナ ー ゼ と 単純化 したためにお きた障害 で あろ う。 い う分解酵素 を使 う。接 着部が ペ クチ ンで は ミカ ン とニ レで知 られ て い る程度で あ る。 出来 てい るか らで あ る。次 に細胞 の皮 を剥 しか し植物細胞 の全 能性 を信 じれ ば、 この く。細胞 の皮 は細胞壁 (吉は細胞膜)と 呼 方法が育種 で役立 つ の は 日に見 える。 しか し融 合 した プ ロ トプラス トは今 の と 今 までに融合 した細胞 が植 物 に成 った例 ばれ て い るが 、 なんで 出来 てい る とお考 え で あろ うか。 それ は主 にセル ロー スで あ る。 そ こで 壁 を除 くには酵 素 セル ラー ゼ を使 う。 酵素 はかせい ソー ダな どと同 じ化 学試薬 で 安定 な もの は商品 にな ってい る。 セルラ ー ゼで皮 は景Jがれ る。残 ったのが プ ロ トブラ No453 1990年 4月 号 85 甘 ノ /
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