電波の日記念講演会 講演 4 モータースポーツで培った技術がもたらす 安心・安全・快適・信頼 ~無線技術とカーオプトロニクスを考える~ 株式会社 JVC ケンウッド 代表取締役社長 兼 COO 辻 孝夫 氏 モータースポーツで培った技術がもたらす 安心・安全・快適・信頼 ~無線技術とカーオプトロニクスを考える~ 株式会社JVCケンウッド 代表取締役社長 辻孝夫 2015年5月25日 電波の日 記念講演会 資料 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 1 〔スライド2, 約30秒のビデオ再生(企業CF モータースポーツ篇)〕 冒頭からにぎやかな映像を流しておりますが、 ではありますが、まずは大変地味にナローバン 株式会社JVCケンウッドのCOOを務めており ドの世界を少々お話しさせて頂いた上で、後半 ます辻孝夫でございます。 は通信並びに映像、その他諸々の技術を融合さ 本日は「電波の日」ということで、この記念 せた自動運転にかかわる部分について、お話を 講演の1プログラムを務めさせて頂く訳であり させて頂きたいと思います。基本的には二つ、 ますが、冒頭、吉良局長、ソフトバンクの宮内 「無線技術とモータースポーツ」についてと、 さん、それから、WOWOWの和崎さんのお話、 「カーオプトロニクス」という、自動運転にか 基本的にはブロードバンドの世界についてのお かわる当社の取り組みについてお話させて頂き 話だったように思います。 ます。 私どもは、無線には深くかかわっている内容 1 モータースポーツで培った技術がもたらす 安心・安全・快適・信頼 ~無線技術とカーオプトロニクスを考える~ 1. 会社概要 2. 無線技術とモータースポーツ 3. カーオプトロニクスを考える Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 3 当社とモータースポーツのかかわり McLaren Honda パートナーシップ WTCC スポンサーシップ SUPER GT スポンサーシップ Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 4 冒頭ご覧頂いたのは、当社がスポンサードし これらは、当社にとりましてはイノベーショ ておりますモータースポーツ・イベントの一つ ン創造の場であり、プラットホームであり…、 で、WTCC(ワールドツーリングカーチャンピ 貴重な経験をさせて頂くと共に、これらの活動 オンシップ)を題材にした企業CFでございます。 を通じて得られる様々な経験と試行錯誤を技術 当社は「マクラーレン・ホンダF1チーム」、そ 開発に活かし、事業展開をしております。 れから、「WTCC」、「スーパーGT」などのモー タースポーツ・イベントを様々な形で支援させ て頂いております。 2 「マクラーレン・ホンダF1チーム」に関して 具体的には後程詳しくご説明いたしますが、 ですが、当社はマクラーレンチームのオフィシ 要は“ドライバーとピット間をつなぐ、音声コ ャルサプライヤーとして23年間、今年で24年目 ミュニケーション・システム”の開発と提供を に入りますが、レースの勝敗を左右する重要な 行っております。 位置づけを担っております。 当社とモータースポーツのかかわり マクラーレン・ホンダF1チームのオフィシャルサプライヤーとして、 レースで重要な位置づけを占める無線システムの開発を通じ、共にレースに参戦。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 5 一方、 「WTCC ワールドツーリングカーチャ モータースポーツの世界では、毎戦大変観客 ンピオンシップ」並びに「スーパーGT」は、市 が多く、数多くのエキサイティングなドラマが 販車をベースにしたレースでございますので、 展開される訳でございますが、これが当社のブ 当社の一つの柱でありますカーナビを中心とし ランディングにも一役買っていると自負してお たカーエレクトロニクス事業の展開において、 ります。 大変親和性が高いものと考えております。 3 当社とモータースポーツのかかわり WTCC、スーパーGTは、市販車をベースにしているため、 カーエレクトロニクス事業を展開するJVCケンウッドとの親和性が高い。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 6 また、「スーパーGT」には、スーパーGT300 可能なのですが…実は、手ブレを全て防止して とGT500というクラスがあるのですが、当社は しまいますと、全く迫力の無い映像になってし GT500クラスにおきまして、全車両への“TV まうという事もあり、あえて振動を残しつつ、 放送用公式車載カメラの提供”や、 “コース上の 臨場感を伝えるように調整を施しております。 この様なレース現場で直面する、熱・振動・ コーナーカメラの供給”を行っております。 実はこういうレース車両の車載映像は、大変 騒音など、さまざまな課題への挑戦が技術を進 振動が激しく、この振動を除去することが必要 化させる訳でありまして、当社製品の品質向上 です。いわゆる手ブレの防止です。これは勿論 に、つながっております。 当社とモータースポーツのかかわり スーパーGTでは、「GT500クラス」全車両への車載カメラの供給や、 コース上のコーナーカメラを供給している Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 4 7 2008年にホールディングカンパニーを設立 さて、ここで当社の生い立ちについて少しご 説明させて頂きたいと思います。 し経営統合、2011年に現社名へ社名変更し、そ 当社は、日本ビクターとケンウッドが経営統 れぞれの事業会社をすべて統合致しました。 合し、誕生した会社でございます。 当社会社概要 (1927年設立) (1946年設立) 日本ビクター株式会社 株式会社ケンウッド (2008年経営統合) (2011年社名変更、合併) 企業ビジョン 事業概要 安心と感動を世界の人々へ 映像技術、音響技術、無線技術、音楽・映像ソフト Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 8 また、ケンウッドは、JVCと同じく音響ブラ まずは両ブランドについて簡単にご紹介いた ンドとしても世界的に知られておりますが、日 します。 JVC(日本ビクター)は、1927年に日本ビク 本において最初にオール・トランジスタ化した ター蓄音機株式会社としてスタート致しまして、 経緯もございます。 最も有名な開発エピソードはVHSですね。VHS 1983年には米国で業務用無線に参入いたし はフォーマットの闘いが随分ありまして、ソニ まして、米国では大きなシェアを誇っておりま ーさんのベータマックスとの覇権争いで、幸い す。例えば、米国政府ですと、国務省ですね。 にも当社のVHSが多くのメーカーのご支持の 全てか否かは把握し切れておりませんが、国務 下、全世界に普及し、一時はグローバルスタン 省傘下の全世界における在外のアメリカ大使館 ダードとして世界を席巻いたしました。 では、当社の無線機を使って頂いております。 ちなみに、米国の鉄道会社におけるマーケット 一方、ケンウッドでございますが、主力であ る業務用無線機は、現在、世界で第2位のマー シェアは90%を超える状況でございます。 ケットシェアを占めております。 5 ビクターとケンウッドの生い立ち 日本ビクター株式会社 株式会社ケンウッド 日本ビクター蓄音機株式会社設立 1927 日本初のテレビジョン受像機完成 1939 ビクター音楽産業株式会社 (現株式会社JVCケンウッド・ ビクターエンタテインメント)を設立 1972 家庭用VHSビデオカセッター 第1号機「HR-3300」発売 1976 カメラ一体型VHSビデオムービー 初号機「GR-C1」発売 1984 HDカメラ用 次世代ハイスピード・プロセッサー (LSI)を開発 2010 1946 有限会社春日無線電機商会設立 1957 日本メーカとして初めて FMチューナーの輸出を開始 1960 トリオ株式会社に社名変更 1966 業界で初めて音響製品を完全トランジスタ化 1983 米国で業務用無線機器分野に本格参入 1986 2007 株式会社ケンウッドに社名変更 独自開発したデジタル業務用無線 “NEXEDGE”シリーズを北米で発売 2011 株式会社JVCケンウッドに吸収合併 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. さて、話は戻りますが、本日のお話の趣旨は 9 でございます。それでは早速、 「無線技術とモー 「無線技術とモータースポーツ」、そして、二つ タースポーツ」のパートに入りたいと思います。 目に「カーオプトロニクスについて」がテーマ モータースポーツで培った技術がもたらす 安心・安全・快適・信頼 ~無線技術とカーオプトロニクスを考える~ 1. 会社概要 2. 無線技術とモータースポーツ 3. カーオプトロニクスを考える Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 6 10 「フォーミュラ1」といいますと、今年から れが決まってしまう…という訳ですね。 マクラーレンチームがホンダさんのパワーユニ 少々余談になりますが、フォーミュラマシン ットで参戦する事になり、 “ホンダ・ハズ・カム は強烈なダウンフォース(車体を地面に押さえ バック”ということで、大変話題になっており つける力)を作りながら走っているのですが、 ます。 実は前方のスタビライザーで 1/3、後方のウイ 昨日行われたモナコグランプリでは、8位に ングで 1/3、そして、車体全体の形状で 1/3 ぐ 入賞となり、今シーズン初めてのポイント獲得 らいのダウンフォースを発生させて走っており となりました。これは私どもとしても、大変嬉 ます。ご来場の皆様も、過去、色々な映画で車 しいニュースですね。 がトンネルの天井を走っているような映像をご このレースは、自動車関連をはじめとする 覧になったことがあると思いますが、フォーミ 様々な最新技術の集大成でございまして、また、 ュラマシンは、丸いチューブ型のトンネルであ モータースポーツは総合バランスの競技、サー れば、その強烈なダウンフォースのお蔭でその キットは自動車の技術向上で最も重要な総合実 まま天井を走ることが出来ると言われておりま 験場の一つでございます。エンジンはもちろん、 す。まあ、実際は燃料供給の問題、その他諸々 シャーシ、空力、ボディー、タイヤ、電子部品 の条件があるので、どの程度長く走れるのかは など、その時点における最先端技術の結晶体で 定かではございませんが、それほどの空力を有 あると同時に、技術開発の場であり、人材開発 しているという事ですね。 の場でもございます。 例えば、タイヤ。タイヤは摂氏105度で最も 当社はケンウッド時代より、1980 年の半ばに 能力が発揮できる特性になっております。した サファリラリー(これはスバルさんでございま がって、レーシングカーはピットではタイヤを す)、ル・マン(これはクレーマーポルシェの無 装着せずに色々な調整を行います。トライアル 線システムのサポートとして)などのレースに で走る直前に、105℃の適温に温めたタイヤを 関わっており、1991 年からは「マクラーレン・ 装着して、それでトライアルを戦う訳ですね。 F1 チーム」のオフィシャルサプライヤーとして 予選が終わって本戦になりますと、スタートグ チームをサポートしております。 リッドにタイムの速い順番に並んでいく訳です オフィシャルサプライヤーといいますのは、 が、スタートを待つ間も、実は、タイヤにカバ 技術面でチームをサポートし、一緒にレースを ーをかけて熱風を送り込んでいます。で、105℃ 戦って参ります。まさにチームに技術力を認め の状態をキープしたままスタート直前にカバー られて契約する訳でありますが、全てのレース を取り払って、各チームが一斉にピットに戻る 場に当社の社員が同行し、現場でリアルタイム …。そこでレースがスタートする訳です。 の調整を行っております。 昨年は年間19戦、 「フォーミュラ1」のレース また、ピット内ではクルー達が常に無線で連 が世界各国で行われました。コックピット・運 絡を取り合っておりまして、それぞれがカスタ 転席以外は、第1戦と第19戦の最終レースでは マイズされたヘッドセットを使用しています。 80%ぐらいが入れ変わってしまいます。それ位 マクラーレン・テクノロジーグループの会長で 大変な技術の塊で、毎戦ごと、ありとあらゆる あるロン・デニス氏のヘッドセットからドライ 技術がアップグレードされて行く訳ですね。 バーのヘッドセットに至るまで、常に 80 本ぐ らいのヘッドセットを我々が管理しております。 したがいまして、年間巨額のお金がかかる訳 でありますが、ゆえに、弱小チームは資金を賄 使用する無線機器を開発し、それをサプライす えずに、結果として上位を占めるチームは顔ぶ る訳です。 7 昨年の第 17 戦、アメリカグランプリがオー ーミュラマシンのウイング・レプリカを記念と スティン、テキサスで開催されましたが、実は して頂戴しました。 ここで、我々がマクラーレンチームとタッグを また、この 400 戦という長きに渡るスポンサ 組んで 23 年、記念すべき 400 戦目のお祝いを ードにつきましては、記念のロゴ、エピソード 致しました。こちらはロン・デニスさんですね。 と共に多くのメディアにも取り上げて頂き、非 右側が当社の会長の河原でございますが、フォ 常に有り難く思っております。 マクラーレン・F1チームと共に歩んだ400戦! 2014年 第17戦(アメリカGP)で、マクラーレンF1チームへの無線システム供給が400戦! 23年間に渡り最新無線技術の開発、システム提供、人的サポートを継続。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 11 ちな み にフ ォー ミ ュラ マシ ン には 、車 体 に くガレージへ伝送される訳であります。位置情 色々なロゴが貼られていますよね。実はロゴを 報はもちろん、タイヤの状態、エンジン、油圧、 貼るには大変なお金がかかりまして、一説によ 電圧、それから路面情報等々ですね。 ると、1 平方センチあたり 1 億円…とも、言わ マシンからガレージへテレメトリー伝送され れています。1 平方センチのロゴでは、貼って たデータは、同時に、ロンドン郊外にございま も当然見えませんから、当然ながら、ロゴはあ すマクラーレン本社へも、ブロードバンドで送 る程度の大きさになる訳です。したがって、最 信されます。 そこには、例えば NASA の管制センターのよ 低数億円、大きなロゴですと年間 100 億円、200 うなセクションがございまして、リアルタイム 億円…というような金額になります。 に得た情報を基に、レースと同時進行で戦略を 練っている訳でございます。 現代のレースはまさに情報戦でございまして、 このガレージ、すなわち、ピットとマクラー 特に「マクラーレン・F1 チーム」というのは、 レンの本社の間では、1 周の間におよそ 2GB も 各レース場での気象情報を含め、極めて子細に のデータが同時共有されております。 データを取っております。サーキットを走行中 また、リアルタイムで色々なデータを蓄積し のマシンから、様々なデータがマクラーレン社 ておりますが、1 周ごとに解析し「直ぐに活用 のテレメトリーシステムを通して途切れる事無 するデータ」、そして、ガレージ内のサーバにそ 8 のデータを蓄積しておいて「必要に応じて取り の情報に基づいて練られた戦略のドライバーへ 出して解析・活用する」ケースがございます。 のフィードバックは、音声…すなわち無線で行 このように、ガレージには多くの情報が集積 われるという点であり、ここに当社の無線機器 される訳でありますが、ここで重要なのは、そ が使われております 現在のレースは、まさに情報戦である マクラーレン・ホンダF1チームの情報戦略、情報の流れとオペレーション 【ドライバーへの情報フィードバック・指示】 ・ビットイン戦略(指示) ・レース状況、順位 ・走行車の状況を把握した、最適な作業準備 など ガレージ ポータブル機及びヘッドセット サーキット レピーター 【データ収集】 ● インターコム 音声通信 テレメトリ データ 毎周あたり 約2GBの データを伝送/フィード バック ・位置情報 ・天候 / 路面情報 ・タイヤ ・エンジン ・油圧 / 油温 /電圧 ・燃料残量 など ● 走行車両 (ドライバー) マクラーレン本社 (イギリス) 【リアルタイムでレース分析/戦略立案/ピットへの指示】 ・走行車の状況がリアルタイムで本国へ伝送され、 状況に最適な戦略を立案。 ※サーキットとマクラーレン本社間の通信、およびテレメトリシステムは、マクラーレン・ホンダのインターネット回線システムを使用。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 実際にあったエピソードで、これは 2010 年 12 ンドン本社からサーキットに空輸したそうです。 の日本グランプリですが、フリー走行中にマシ それは金曜日のことでしたが、土曜日の午後一 ンがクラッシュして、1 つしかないフロントの に開催する予選には無事間に合ったそうで…、 空力パーツが壊れてしまったそうです。状況は ロンドンと日本は 8 時間の時差がありますから、 データ伝送により、ロンドンの本社でも同時に 実際は十数時間で新しいパーツを作って鈴鹿ま 把握しているので、即座にパーツを製作し、ロ で届けた事になりますね。 〔スライド13, フォーミュラマシンのステアリング画像による説明〕 これは、フォーミュラマシンのステアリング え式で、色々な情報が表示されます。ギアポジ でございます。ドライバーにフィードバックさ ション、ラップタイム、燃料の残量、ブレーキ れた情報をもとに、ドライバーは瞬時に指示を のバランス、それにエンジンやデフのモードを 理解し、判断をして、多岐にわたる操作を行い 切りかえた場合に、それを大きく表示する…等 ます。ちなみに、このステアリングは約 5 万ド ですね。それから、クラッシュや雨でセーフテ ルすると言われております。 ィーカーが入った場合に、規定ペースに対する 接続する時のピンが 30 本以上…ステアリン プラスマイナス・タイムも表示されます。まさ グの裏側にピンがついています。沢山ボタンが に究極のシステムとなっております。 付いていますよね。また、ディスプレイは切替 9 次は、レース場における無線機の位置づけで ンの状態・戦略を把握するために必要な、ドラ ございますが、一つは、マシンセッティング時 イバーとピット間における情報共有ツールとし の、ピットクルーとドライバー間のコミュニケ て。それから、ピットイン戦略の指示手段とし ーションツールとして。次に、レース中のマシ て…等、重要な役割を担っております。 レースにおける無線機の位置づけ レース現場で無線機に求められるもの ①騒音の中、クリアな音質で会話できること。(聞き直しが無い=タイムロス/ 安全) ②途切れることなく、キチンと会話ができる事。(高速移動中でも、コース全体で途切れない) ③セキュリティー対策 ポータブル機及びヘッドセット レピーター 音声通信 音声通信 音声通信 音声通信 走行車両 (ドライバー) インターコム Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 14 また、レース場での無線機の運用であります 事ですね。途切れる事無く、シッカリと会話が が、これは開催場所によって微妙に周波数帯が 出来る。これが中々難しい話でございまして、 違います。基本的には 150MHz 帯と 400MHz 同時にセキュリティ対策も重要なポイントでご 帯を使用し、ARIB スタンダード T98 が採用さ ざいます。 れております。ナローバンドの世界ですので、 かつて当社がマクラーレンチームにアナログ チャンネルスペーシングは 12.5kHz、それと少 の無線機を提供してきた時期がございました。 し派生版の 6.25kHz でのチャンネルスペーシ マクラーレンチームの戦績が非常に良かった時 ングとで運用しておりまして、実際のデータレ 期に、実はアナログの無線機が他のチームに傍 ートは 4.8k です。先程のブロードバンドと比較 受されておりまして、ピットインの情報や気象 しますと、極めてゆったりした話でございます。 情報など、情報が筒抜けになっていた様なので すね。で、途端に勝率が悪くなってしまいまし レースにおける無線機の位置づけで、一番重 た。その後デジタル無線機を導入し、スクラン 要なのは、レース場で騒音の中、クリアな音質 ブルをかけた瞬間に(勿論これだけが理由では で会話ができる事であります。聞き直しが無い 無く、総合的な対策もあったと思われますが)、 という事、それから、タイムロスが無いという また勝率が上がった…という逸話もございます。 10 レースでの無線機運用(基本仕様) 使用周波数について (5月スペインGP例) ◎ VHF帯 ◎ UHF帯 ドライバー用途に使用する。 ガレージ用途に使用する。 (各ドライバー担当用が2波づつ + タイヤ担当に各1波(各ドライバーごとに1名) + スペア1波)=計7波 その他、ケータリング用(1波)、 マーケティング部門連絡用の無線機(2波)も 別途申請。 ( ドライバー2人に各1波+スペア各1波) <国ごとの周波数割り当てについて> 年単位で使用したい周波数を具体的な数値とともに申請を行う。 ※実態としては、各国希望に添わない場合が多い。 (例)・・・右表の 「黒字が申請通りの周波数」、「赤字が申請と異なり、代替え配布された周波数」です。 無線方式 1. 出力のハイパワー対応 ~FM方式のため、効率よく高出力が可能=小型設計 2. 通信距離の確保(通話品質) ~アナログ無線と同等以上のエリアを確保可能 通話品質 ・レースで使用している無線方式は、米国、および海外ではNXDN規格として利用されている。 ・実は、同方式は日本でも広く使われている方式(4値FSK)です。 Digital FM 3. 無線機が安価である。(回路がシンプルで安価) 信号 強 弱 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 15 と、聴力機能に障害が出てくるレベルとなりま また、サーキットの騒音環境は、本当に過酷 す。例えば、落雷の音とかですね。 であります。これはおおよその目安ですが…日 常的な騒音 レベルです と、静かな オフィスが フォーミュラマシンのエンジンノイズという 50dB から 60dB と言われております。ここは のは、ピークが 140dB 位だと言われていました。 多分それ位だと思いますね。百貨店、街中、そ 去年からルールが変わりまして、エンジンの最 して交差点、新幹線と、どんどんレベルが上が 高回転数を 14,000 回転に抑えるという事で、 り、飛行機の離発着時の音は 100dB ぐらいです 耳栓が無くてもレースを観戦することができま ね。極めてうるさい。そして、110dB を超える す。一昨年までは、耳栓が無いと近くで観戦で きないと言われる位、激しい騒音でした。 サーキットは過酷なまでの環境騒音に溢れている 他の環境騒音とのレベル比較 dB 140 130 サーキット 120 110 カミナリ 聴力機能に障害 飛行機 離着陸の音 100 90 極めてうるさい 新幹線の音 80 70 交差点の騒音 うるさい 街頭の騒音 60 百貨店など商業店舗の中 日常音 50 静かなオフィス Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 11 16 そこで、私どもがチームへ供給するカスタマ 今ここで会話している様な、静かな会話環境を イズをした無線システムでありますが…このよ 創り出す。それが一つ。 うな無線機です。どのようにカスタマイズする 加えて、ドライバーの耳の形に合わせたイヤ かという事ですが、一言で言うと、強力なノイ ーピースであるとか、レース場のどこにどの様 ズキャンセリングですね。110~120dB ぐらい なアンテナを立てると一番特性が良いか等、総 の強烈なエンジン音を、ノイズとして除去し、 合的なシステム構築を行います。 マクラーレン・ホンダF1チーム向け NEXEDGEカスタマイズシステム カスタマイズシステムの概要と特徴 【概要】 ・業務用デジタル無線機「NEXEDGE」をベースに、マクラーレン・ホンダF1チーム向けにカスタマイズ ・様々な技術的対応(セクション別)+ 選任エンジニアによる現場サポート 【特徴】 ・音質改善/ノイズキャンセリング ・使用形態に合わせたカスタム対応 ・セキュリティ対策(秘話性の追及) Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 17 〔約 15 秒の音声再生(ノイズキャンセル有り)〕 どの様なノイズキャンセリングかご体験頂く ために、本日は音声を三つ用意しております。 これは、システムを開発時のサンプル音声で、 如何ですか? これは全く同じソースです。 ノイズをキャンセルしない状態、次にキャンセ ノイズを取ったらこのように聞こえるという事 ルしたらこういう状態というのを実験的に再現 であります。 したデータです。最後に、実際のレース現場で では次に、実際のレースでの会話音声を少し のドライバーとピット間の会話音声です。その お聞き頂きます。 三つを続けてお聞き頂きます。 〔約 15 秒の音声再生(実際のレース音声通話)〕 〔約 15 秒の音声再生(ノイズキャンセル無し)〕 私自身、この会話の内容は正直言ってわかり ません。しかしながら、100dB 以上のノイズが、 このように、何を言っているのかサッパリ分 かりませんね。次にノイズキャンセリングがど このように綺麗にキャンセルされて聴こえるの のように効果的であるか、聞いて頂きます。 が、お分かり頂けたと思います。 12 それから、カスタマイゼーションの一部でご 少し話は変わりますが、実はピット内は大変 ざいますが、以前はヘルメットの中にスピーカ 清潔に保たれております。ちょっと大げさに言 ーを装着しまして、それで音声を聞いていたの いますと、まるで半導体の工場のような感じで ですが、最近はドライバーの耳の型を取り、こ して、皆さん特殊な靴を履かれていますし、特 の様なオリジナルのイヤーピースと組み合わせ にマクラーレン・チームはそうなのです。わず た究極のヘッドセットになっております。 かでもゴミが落ちておりますと、それがエンジ また、システムや機器は、レースに提供する ンに悪さをする事もあります。仮に食べ物を床 度に色々なブラッシュアップが行われ、常に進 に落としても、そのまま食べても全く気になら 化をし続けております。 ない…というような、気持ちになります。それ ほど清潔な状態が保たれているのです。 レースでブラッシュアップし続ける無線技術 ①車載ユニットの軽量・小型化 ・衝撃/振動/熱対策 ・最新モデルは初期型の1/4以下のサイズに。(= マシン軽量化) ②歴代システム ・初期アナログ時代は使用する周波数帯を1台づつ手入力。 ・2005~2007年モデル :ケンウッド初のデジタル無線機。(開発に3年/ 独自方式による秘話性/ ロボット的でない自然な音声) ・更にコンパクト化と通話品質の改良を重ね、2014年から最新モデル。 2000年頃まで 使用されたモデル 幻のモデル 2005~2007年モデル 2008~2013年モデル 2014年~モデル Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 13 18 次に、要素技術の将来的な展望であります。 鉄道、大規模店舗、遊技施設場など、色々考え このような場で培った技術を総合的に、いわゆ られますね。 るパブリックサービスの分野でどのように提供 実は、先程ご講演なされた WOWOW の和崎 するかという事でありますが、例えば先程お聞 社長のところへも、当社がノイズキャンセリン き頂いた高品位なノイズキャンセリング技術は、 グ機能搭載の無線機を納めさせて頂いている次 環境ノイズの大きな現場での活躍が、おおいに 第でございます。 期待できます。例えば、消防であるとか、警察、 要素技術の将来的展望 レースの現場で培った要素技術は、様々な用途へ展開。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 19 得意とする 4 値 FSK デジタル無線技術による、 ということで、当社無線パートのまとめでご 標準規格策定にも参加させて頂きました。 ざいます。 これは次世代消防士のシステムでございます。 また、ナローバンドデジタルの通信方式であ 当社は今、米国で色々なトライアルを行ってお る ARIB スタンダード T102 策定にも参加させ りますが、生体情報も含め、位置情報、それか て頂いております。 ら、当然、ボイス…音声通信も含めた総合的な 現在、防災行政無線における新規格として、 システムを提案して、一部の消防署、もしくは、 4 値 FSK の追加採用が提唱されておりますが、 それに類するところで実験を行っております。 これが実現致しますと、「安全・安心」で、「よ 電波利用の拡大並びに多様化というのは、社 り信頼性の高い」無線通信システムが、 「より安 価に」提供可能になると思います。 会、経済、文化の発展、成長や、国民生活の「安 心・安全」の確保に不可欠であります。当社が 14 要素技術の将来的展望 レースの現場で培った要素技術は、様々な用途へ展開。 心拍数 心電図波形 呼吸速度 等 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 20 このような“経験に裏づけされた要素技術” 続きまして、 「カーオプトロニクス」をテーマ を付加することで、無線機器製造メーカーの一 に、少し視点を変えてお話をさせて頂きたいと 社として、さらに通話品質の向上なども含め、 思います。 社会に貢献して参りたく思います。以上、無線 機器についての前段をご説明させて頂きました。 モータースポーツで培った技術がもたらす 安心・安全・快適・信頼 ~無線技術とカーオプトロニクスを考える~ 1. 会社概要 2. 無線技術とモータースポーツ 3. カーオプトロニクスを考える Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 15 21 今年の 1 月、米国のラスベガスで、CES とい 今回当社は、マクラーレンの 650S スパイダ う、展示会が開催されました。元々はコンシュ ー(いわゆるスーパーカーですね)という車に ーマーエレクトロニクスショーなのですが、最 電子コックピットを搭載したコンセプトカーを 近は車関係の出展企業がものすごく多く、ひょ 展示いたしまして、これが大変評判になりまし っとして、これがそのうちに「カーエレクトロ た。このベース車両は日本でも販売しておりま ニクスショーの CES に変わるのではないか…」、 すが、650 馬力、約 3,000 万円のスポーツカー などと、冗談交じりに言われております。 でございます。 「2015 International CES」で展示されたコンセプトカー 当社が開発中のHUD、車載用カメラ、電子ミラーなどを搭載した 「デジタルコックピット・システム」採用のコンセプトモデル Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 22 コンセプトカーには開発中の「デジタルコッ そして、電子ミラー。この 3 つのディスプレ クピットシステム」を搭載した訳でありますが、 イに 8 つのカメラから得られる情報を表示して、 車載用カメラを全部で 8 台積んでおります。赤 死角無く、周りを監視致します。現在はあえて 外線カメラが 2 台、通常のカメラが 6 台でござ 三面鏡のようにしていますが、将来的にはフラ います。それから、HUD(ヘッドアップディス ットにする予定です。 プレイ)を総合的に進化させたもので、一つは、 それから、ここにあるのがヘッドアップディ インフォテインメントの要素ですね。また、従 スプレイで、必要な情報を 7 メートルぐらい前 来のカーオーディオ、ナビの要素も含めてあり 方に大きなスクリーンを置いたような虚像とし まして…ここが電子メーターとなります。 て作り出して、情報を見易く確認できるように しております。 後程詳しくご説明しますが、この電子メータ ーは、走行状況によって表示内容がどんどん変 化致します。 16 ドライバーの視界確保支援に着目した「i-ADAS(革新的先進運転支援システム)」を搭載 当社が開発中のHUD、車載用カメラ、電子ミラーなどを搭載した 「デジタルコックピット・システム」採用のコンセプトモデル ヘッドアップ ディスプレイ 電子ミラー 電子ミラー ディスプレイ 電子メーター インフォテインメント ディスプレイ Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 冒頭の吉良局長のお話にもございましたが、 23 という運転支援システムが、これから大きな話 自動運転、それに先立って、いわゆる 題となってまいります。 ADAS(Advanced Driving Assistance System) i-ADAS(革新的先進運転支援システム) ・より正確な情報を入口から出口まで(一貫したシステム構築への取り組み)。 ・サイドミラーを取り除くことによる空力抵抗の減少(燃費改善)。 ・電子化による情報のリアルタイム処理・伝達技術。 後方視野 自動緊急ブレーキ / レーンキーピングアシスト/ 車線逸脱警告など バックカメラ 機能:駐車時の後方障害物確認 ステレオカメラ/単眼カメラ バックカメラ 使用デバイス:HDカメラ ステレオカメラ 機能:障害物検知、人検出、車両検知 車線変更補助 レーダー Gateway 使用デバイス:レーザーレーダー サイドカメラ 遠赤外線カメラ MOST 機能:後方接近車両検知・警告 LIN 死角検知 電子ミラー(カメラ) 歩行者検出 使用デバイス:FULLHDカメラ 機能:死角低減 遠赤外線カメラ 使用デバイス:非冷却マイクロボロメータ 機能:夜間走行時人物認識、警報表示 (HUD、音声) Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 24 当社が今回、提案したシステムには、前方の でありますが、実は、電子コックピットの考え 赤外線カメラ、後方のカメラ、それから、サイ 方は、そもそも 1980 年代に飛行機からスター ドカメラとか、こういうものを総合的に積む訳 トした次第であります。 17 当時はグラスコックピットという言い方をし 当社が目指す安全運転支援でございますが、 ました。それが 10 数年たって、高速鉄道(い これは色々ございますが、まずは映像を見て頂 わゆる新幹線)に採用されるに至り、さらに 20 くのが、一番良いと思います。 年ぐらいを経て、やっと車に搭載されるという ところまで来た訳であります。 〔スライド 25, 動画を再生しながら説明(デジタルコックピット走行時イメージ)〕 ディスプレイで直ぐにわかる…という、こんな 夜間、ヘッドライトをつけなくても、赤外線 感じでございます。 カメラでこのように見えます。ヘッドアップデ おそらく 2 年ぐらい先には、当社のシステム ィスプレイ、デジタルミラー、インフォテイン が搭載された車が市場に出回るのではないかと メント情報などを総合的に表示します。 これが、ノーマルな状態ではこういう表示で 想像しておりますが、しかしながら世界の国々 すが…ここの表示(電子メーターとインフォメ には、どの国にも道路交通法というのがござい ーションディスプレイ)がどんどん変わってい まして、技術が進化するだけでは解決しない問 きますね。それから、後方がこの様に見える。 題も、多々ございます。 視線をそらさずに、必要な情報がヘッドアップ カーオプトロ二クスと無線によるADASの進化 情報とそれを伝える無線、表示、操作デバイスなど技術がシームレスに機能し、 新たな価値が現実となる カーエレクトロニクス技術 光学技術 車載カメラ (電子ミラー) 電子メーター HUD ナビゲーション カーオプトロ二クス 視線 検出 過酷環境 での信頼性 インフォ テインメント サラウンド ビュー CAN データ カメラ 画像解析 データ ITS データ 音楽/映像 /SNS等 コンテンツ 伝送 無 線 技 術 / 情報サービス これからの車載情報機器を取り巻く世界 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 26 例えば、ドアミラーですね。本当はカメラに 200km ぐらいで走っていますと、ドアミラーの 変えた方が良いのではないかと思います。ただ ような小さな物でも、ドラッグペナルティーと し、色々な技術的ハードルがございます。 いう、いわゆる空気抵抗ですね…これが相当大 きな問題になってきます。速度の 2 乗に比例す 例えば、ドイツにアウトバーンという速度制 限のない高速道路がございます。時速 150km、 るからですね。 18 将来、道路交通法の問題が解決されて、サイ 良局長のお話にもありましたが、ITS について ドミラーにかわって小さなカメラを設置するよ も然り、新しく次の段階に入ってまいります。 うになりますと、高速道路での高速走行時には それから、電子ミラーですが、これは単に光 燃費が 1 割程度良くなると言われています。 学的な鏡を電子的に置き換えるだけでは無く、 ただ、現在のサイドミラーというのは、光学 センサーとして全ての画像を解析する事が可能 式のミラーですよね。これを電子カメラにしま となります。その画像を解析する事によって、 すと、どうしても画像の遅延が出てまいります。 運転者の特性などが、ビッグデータの解析によ 時速 200km で走るということは、秒速約 60m り判るようになるかもしれません。 になります。ということは、画像がもし 1/100 私の運転は、どうも 30 分ぐらい運転すると 秒遅れれば、約 60cm の差が生じます。 センターライン側に寄る傾向にあるとか、逆で そうすると、実際、走行時に画面に映し出さ あるとか、蛇行するとか…ですね。そういうデ れる映像は、もし 200km で走っていた場合、 ータが、将来どのように解析されて、どのよう 60cm ズレているということになります。この な活用がされるか…というのは、これはまた別 画像の遅れは安全上、非常に問題になってくる な話でございますが。 訳であります。 当社は、以前より映像技術について開発し続 いずれにしましても、我々が目指すデジタル けてきた技術の蓄積がございまして、詳しいこ コックピットのシステムは、様々な情報・サー とは省略しますが、当社の電子ミラーの場合、 ビスを統合して、その視認性を高めて、 “ドライ 画像の遅れ、レーテンシーが数ミリセカンドで バーにとってより安全に、快適な運転環境を提 ございまして、そこが自動車メーカーの方々か 供する”、そういう仕組みでございます。 ら高く評価を頂いている部分でございます。 最後でございますが、自動車はこれからも、 これからカーオプトロニクスと無線によって、 どんどん発展していきます。年間約 1 億台の車 ADAS という、Advanced Driving Assistance が毎年新車として生産される訳でありますが、 System というものが進化していく訳でござい その中で平 均数台のカ メラが車に 搭載され、 ますが、単に運転支援としてだけでは無くて、 色々な目的に使われて行きます。 インフォテインメント技術がさらに進む事によ そうすると、数億台の市場がこれから数年先 って、エンタテインメントとの融合が可能とな には出現する訳でありますが、当社が過去 VHS る訳であります。 から延々と築き上げて参りました「画像技術」、 先般も、当社はカーナビとして初めて、ハイ 「音響技術」、そして、前半でご紹介しました「無 レゾリューションという、非常に高帯域まで音 線技術」。当社はこれらの総合力を結集させ、 楽を再現できる音源に対応したカーナビを発売 ADAS に象徴されるような車の運転支援システ いたしました。 ムを通じて安全に貢献をしてまいりたいと思う 次第であります。 また、これからはスマートフォンなどによっ て情報の流れが双方向に変わってまいります。 2020 年には、東京オリンピック・パラリンピ そうしますと、今度はセキュリティの問題も大 ックが開催されます。よく日本で「安全・安心」 きな問題になってまいります。 と言われます。 スマホを通じてネットワークにつながった瞬 間に、今度はセキュリティの問題も出てくる訳 当社のビジョンも「感動と安心を」世に問う でありまして、色々な情報サービス、冒頭の吉 ております。しかし、日本にも色々と課題があ 19 りますが、オリンピック・パラリンピックに向 「安心・安全」に加えて、日本の特長を一番 けて海外に発信できる事は何か? 良く表すのは「快適と信頼」ではないか?…と、 私は思います。 安心・安全・快適・信頼 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 「安心・安全・快適・信頼」というこの四つ 27 私どももその一助となるべく、これからも一層 の言葉、これはまさに日本が世界に誇る特長で の努力を続けて参りたいと考えております。 ございます。これをさらに世界に広めるために、 本日は長らくのご清聴、有難うございました。 Copyright © 2015 JVCKENWOOD Corporation. All rights reserved. 20 28
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