動き出した台車を止めようとし陳列棚との間に挟まれケガ

ハ ーネス型以外の安全帯はノー
最低でも腰の高 さに親綱 を
橋爪建設
産業医との正 しい付 き合 い方
最終回 どの ように見 つ けるか ?
プラネット代表取締役 根岸勢津子
重傷 災 害発 生 時 の 対処
中山 貞男
■ 災 害 の あ らま し ■
社労士が教える
労災認定の境界線
所長 鶴 田 晃 一
︲ 東京会
一般 社 団 法 人 S R ア ップ 2
鶴 田社 会 保 険 労 務 士 事 務 所
動き出 した台車 を止 めようとし陳 列棚 と の間 に挟 まれケガ
日用雑貨を販売するスーパーマーケ ッ ト
での出来事。 商品の品 │‖ し 陳列を担 当 し
ているA。
いつ ものように、ス トックヤー ドか らカ
ゴ付台 11に 洗剤な どた くさんの商n「 をfI.ん
で、売 り場 に向か っていた。その「│は 、お
腹 の具合が今ひ とつ で、急に トイ レに行 き
た くな り、その場に台車を置いたままに し、
トイレヘ駆け込んで しまった。
他部署への郵使物をlJけ るために、たま
たまそこに通 りかかった事務の Bは 、台 ■
がIl」 き出 しているのに気づ き、 このままだ
と陳列棚にぶつかって しまうと思い、あわ
てた Bは 、必死 に ヒめよ うと台 中を押 さえ
たのだが 正まらず、陳列棚 と台 中の間に腕
を挟まれケガを して しまったものである。
■ 判断 ■
台11を 止めようとした Bの 行動は、 Bの
本来業務ではな く、また指揮命令によって
行 つたものではないが、Inlll.内 で起 きよ う
としている事故を防 ぐために した行為であ
り、業務遂行性、業務起区1性 が認め られ、
業務上 と判llrlさ れた。
■ 解説 ■
急 いでい た Aが 台 rlの ス トッパー を掛
けず にその場 を離れ て しまった とい う、
ちよつとした不注意が原因で起 きた事故で
あ る。通達 では、労働保 険 にお け る業あ
災害は、労働者が 事業主の支配 下にあるこ
とに伴 う危険が現実化 したもの との経験則
上認め られるものをい うとされてお り、B
のケガが業務災害 に該 当す るか否かは、業
務遂行性 の有無および業務起因性 の有無 に
よって判 断される ことになる。
〈安全スタッフ〉2013
10 1
まず、今ヽ1の 事故が 1'業 主の21Lド にあ
ることに伴 う危険が現実化 したものである
か考察 してみよう。
Aが 取 った行動は、ス トッパー を掛けず
≒
にその場を離れ たこと自体、安全配慮 に欠
けた行為であるが、体 ll不 良 もあ りとっき
に とった行動である。恣意的な行為でもな
く、 日常 に起 こり得 ることであ り、何 らか
の原因で台
:が 動 き出 して しまったもので
あろう。
\
また、 Bの 取 つた行動は、事業主の支配・
・
↑r理 ドで突発 事故 (本 来は、 1ヒ まつている
べ き台車が動 き出 して陳列棚 に衝突す る状
回のケー スでは、 Aの 不注意 によって発生
況)を 回避 しようとした緊急業務 (■ 急に
した事故であ り、 Bは とっさに災
停 止させる)に 従事 しているとい うことが
できる。 Bは 郵使物を他部署へ層│け る とい
`写
動を とった ことによ り被災 したのであ
り、
う業務遂行中であったわけであるが、その
性が認められるといえる。
途中で、台 車が動き出 してい ることを発見
防lL行
他に業務 Lと 認め難い ll情 もな く業務起因
ここで区り1し て考えなければいけないの
し、 この ままだ と陳列棚 と衝突 し被害が出
が、直接業務 と関係のない B
る と予測 して、危険 I避 や災害防止行動を
良心に基づいて行動を し被災 した場合、労
とるのは、社長 として 当然 の合理的行為で
災保険制度では、業務外 とされ労災認定が
あると考えられる。
されないということである。
L・
lln人
の誠意や
、Fi火 して
`Lし
いる際にケガを負 うことや、陳列棚│か ら商
動 き出 しているのに気付 き、 止めようとし
不安全な状態で置かれていたのが原因
て被災 したのであるので業務 上とされてい
で落 ドしケガをすることな どは、危険が現
るが、 Bが 郵便を出 しに郵使局へ 市lか い途
中にある他社スーパーな どでたまたま今日
例えば
llllが
社内で火災が発
ヒしたもの といえる。 これ らの場合、 日
実イ
・ll火 活動
の 前で発生 している火災に、初期
今回のケー スでは、「1社 店舗内の台車が
│
と同 じ状況を見かけ、
「 1じ 行動を ,キ 意で行
をする ことなどは、本来の業務ではないが、
い、被 災 した場合は、労災認定がされない
通常行 うであろう行動 といえるだろう。
とい うことになる。同 じ行動であっても業
次に、業務起因性が認め られるか否かに
ついては、次のようになる。
していない との判断をされる とい うことで
「事業主の支配 管理 ドにあって業務 に
従
l・
務起因1:し 、 X務 遂行‖1の 2つ の条件を満た
している場合、災製子
は被災労働者の業
務 としての行為や事業場の施設・ 設
ある。
今回の事故 は、 Aの 不注意か ら危険が現
管
実化 し発生 したものであ り、災害防 lLの 観
`の
のと
るも
“
考 えられ るので、他に業務 卜と認め難い事
点か ら、安全 に対す る意識づ けや 11故 の情
llが ない限 り、業務 Lと ,認 め られる」。今
あろう。
川:状 況な どが原因
となつて発/1す
報共有な ど企業 としての啓蒙活動が必要で
《安全スタッフ》2013
10 1 31