鉄道車両のダイナミクスと制御 須田研究室 ―本研究室における最近の取り組みと今後の展開― <曲線通過性能向上に関する研究> 空気ばね制御 二輪一ユニット操舵台車に関する研究 原理 出口緩和曲線での輪重抜け発生を抑制 従来LV機能は輪重抜けを 助長 ア クティ ブLVで空気ばねを制御 ・ 急曲線通過性能向上 輪重抜け抑制 脱線係数低減 (低速走行) ・ 高速化 車体傾斜制御 乗り心地向上 (高速走行) ・ バリ アフリー ニーリング制御 ホーム段差解消 (停車) ・非線形踏面による重力復元力 ・車輪回転中心を車輪 /レール接触点の外側に設置 ⇒独立回転車輪に自己操舵機能がもたらされる 車輪 V 1次、2次ばね 軌道面ねじれ いずれも四点支持 先頭軸外軌輪重抜け 共同研究:住友金属工業 研究助成:財団法人 メト ロ文化財団 ア クティ ブ LVで空気ばねを制御 レ ール 重力復元力 摩擦調整材 日本機械学会技術賞受賞( 2007年 ) 重力 Spraying Train 適度な摩擦係数 車上から,内軌頭頂面へ摩擦調整材を噴射 二輪一ユニットパワーステアリング台 車 東京メトロ丸 ノ内線,千代田線にて実用化 Friction M odifier is s prayed to low rail 電磁ダンパーとパワーステ アリング機能の融合 緩和曲線のみのアク チュエータ制御 台車 枠 支 持点 独立 回転 車輪 Following Train 摩擦調整材噴射初期 噴射開始1か月 後 振動を取り除く機構 脱線 係数 (横 圧/輪 重比 ) D Cモ ータ ギヤ ヘッド 操舵 リンク 減 衰力 タイロ ッド 前軸・外軌 0 .90 0 .70 0 .50 前軸・内軌 後軸・外軌 後軸・内軌 0 .71 0 .3 4 0 .23 0 .22 0.1 3 従来 台車 共同研究:東京地下鉄 ,住友金属工業,住友金属テ クノロジ ー 0 .2 1 0 .10 0 .10 -0 .10 摩擦調整材導入後波状磨耗が解消 摩擦調整材車上噴射 0.3 4 0 .30 防振一軸台車車両 提 案台車 共同研究:東京農工大学 道辻研究室 操 舵リ ンク 従来の一軸台車車両:台車枠ピッチング運動がないため乗り心地に課題 提案一軸台車車両:台車枠におけるピッチング運動自由度を実現 駆動・制動力を考慮した二輪一ユニット操舵台車 k 自己操舵性独立回転車輪台車に新たに駆動輪を設けること により,駆動・制動機能と操舵機能を分離させる ジョイン ト 操舵リンク b1 >k 1 z k b c a k O k b1 c b2 b b2 z 1 m a b1 t t b 台車枠 2 b 曲線旋回時 操舵輪 b <b b2, m 財団法人鉄道総合技術研究 所 2 w z 駆動輪 0 共同研究:鉄道総合技術研究所 操舵輪 操舵輪 駆動輪 車体傾斜 システム フライホイールのジャイロ機能 操舵輪 操舵 リンク アクチュエータとしての利用 緩和曲線 制御ト ルク 操舵角差を考慮したリンク構造 ⇒横圧,アタック角の激減が可能 レー ル 20 0.1 5 最 適値 し 50 60 70 80 90 前 輪外 軌 前 輪内 軌 後 輪外 軌 後 輪内 軌 -40 リ ンク角 度 [ deg ] ア タッ クア ン グル [deg ] 定常 横 圧 [k N] 後輪における 最適値 0 -30 独 立回 転 車輪 0.1 a in C out O R 0.0 5 0 ジャイロ モーメント 入力トル ク ヨー ダン パ 最適化無 最適化有り 前輪における最適値 10 -10 -20 ジャイロの角運動量変 化 0.2 30 前 輪外 1 軌 前輪 内 2軌 後輪3 外軌 後 輪内 4 軌 0 外乱トルクの吸収効果 -0.0 5 -0.1 -0.2 共同研究:東京農工大学 道辻研究室 <実物軌道と台車を用いた研究> 東京大学生産技術所 トルクの増幅効果 操 舵リンク -0.1 5 千葉試験線 ジ ャイ ロ モ ーメント in 台 車枠 実験用台車 外乱トル ク 定曲線区間 緩和曲線 0.15 0.1 0.05 0 - 0.05 蛇行動現象の安定化 l ate ral di spl ac e me n t [mm] out ジ ンバルを用いたジャイロによるトルクの吸収・増 幅効果を用い,各軸まわ りの車両の姿勢を制御 o ve r ce n trifu gal acc . [G] 第 14回鉄道技術連合 シンポジウム リンク系ジオメトリを考慮した二輪一ユニット操舵台車 シ ョットガンセッション 優秀論文発表賞 (2007年12月) 超急曲線における内輪,外輪に必要な -0.1 0 5 ti me [se c ] 10 共同研究 筑波大学 4 ダンピング効果 2 0 Gyro 0rpm Gyro 4000rpm -2 -40 1 2 3 4 time [sec] 5 <快適性に関する研究> 快適性の定量的評価に関する研 究 研究成果を基に東急電鉄が 新型車両 7000系 を実用化 4台の実験用台車 を所有 車輪/レールの接触幾何 ア スファルト舗装が施されており, LRTと 自動車交通の総合的な実験・検証が可能 試験線の諸元 急曲線(48.3m)における車輪 /レールの 接触状態の把握 実験とシ ミュレーシ ョンによる比較 を検討 バックゲージ接触,フラン ジトップ接触におけ る解析も実施 ・軌間 1,435mm(標準軌) ・軌道全長 107.0m > 直線 片端 4.4m, 片端 16.4m > 緩和曲線 両側 10.0m > 定常曲線 66.2m(曲線半径 48.3m) ・勾配 最大 13.0‰ ・ 50Nレール使用 ・内軌側に脱線防止ガードレール設置 ・定常円曲線部での地上計測 ・実験計測ベース(ミニライノ) 2+1の 座席配置 実物大鉄道車両モ ックアップによる 座席配置実験 共同研究:東急車輛製造 シミュレータを用いた被験者官能評価実験 振動のほかに視覚は乗り心地の重要 な評価項目か 視覚と振動の関係に着目 モー ションシミュレータを用いた乗り心地の官能評価実験の実施 新幹線列車や在来線列車などの車窓(視覚)と振動をさまざまに組 み合わせ,実験を実施 共同研究:鉄道総合技術研究所,東京理科大学 杉山研究室 共同研究:東日本旅客鉄道 モーションシミュレータ 今後の展開 ・千葉試験線,1/10スケール試験線を用いたさまざまな試験の実施 ・マルチボディダイナミクス解析ソフトを活用した鉄道車両のモデリング,シミュレーションの実施 ・独立回転車輪を有する新たな操舵台車の提案・実現性の検討 鉄道技術推進リサーチユニット
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