微細拡散接合技術で 熱対策部品を大幅に小型化

公益財団法人東北活性化研究センター2015年10月作成
微細拡散接合技術で
熱対策部品を大幅に小型化
企業の将来像
株式会社WELCON(新潟県新潟市)
会社概要
本社:新潟県新潟市秋葉区矢代田15-1
■拡散接合技術を利用し、従来の機械加工では為し得なかった3D中空構造体を企画から量産ま
で対応するとともに、マイクロチャンネルを基礎とした高耐圧、高密度、ハイパフォーマンス
のデバイスを提供し、省エネ・省スペース化を推進する。
■最先端の学会、業界、企業からの課題の実現には困難も伴うが、造る(創る)人、使う人が
共に喜び、在ってよかったと思われる企業をめざす。
新事業・新商品開発可能性
設立:平成18年7月
資本金:9,750万円
いま見えている姿
代表者:鈴木 裕
さらなる広がり
従業員:21名
・吸熱発電モジュール
熱発電素子の吸熱特性を活かした
吸熱発電モジュール
電話番号:0250-38-1900
URL:http://www.welcon.co.jp/
会社外観
企業紹介
産業用機械製造業
■同社は、ブラウン管製造装置メーカーの事業縮小にともない、新たな分
野に取り組んだ技術開発部門が独立して創業。
■拡散接合の分野で国内屈指の技術力を有し、従来の工法では困難または
不可能な微細構造を持つ3D構造体を実現。これをもとに、熱流体設計に
もとづく種々の製品(マイクロチャンネル熱交換器や水冷ヒートシンク、
低熱膨張高熱伝導材、極薄板型ヒートパイプ等)を開発。
■自社開発の接合装置とプロセスエンジニアリングを基盤に、基礎研究か
ら企画提案、デバイスの開発、量産までを一貫して行う。
事業・商品の概要
精密機械
分析機器
理化学機械製造業
・真空機器製造を基に
した、国内有数の拡
散接合技術による熱
流体設計製品の企画
開発から量産
(マイクロチャンネル
熱交換器、水冷ヒー
トシンク、低熱膨張
高熱伝導材、極薄板
型ヒートパイプ等)
【マイクロチャンネル熱交換器(WEL-Cool)】
・微細な穴が空いた薄板を拡散接合することにより、1本の流路断
面が1μm∼1mmのマイクロチャンネル構造を形成。
・従来の熱交換器に比べ、伝熱面密度(熱交換の体積に対する伝
熱面積)の大幅な向上と圧力損失の抑制による小型化を実現。
また、冷媒の使用量を減らせ、コスト削減にも貢献。
・2013年度からは、水素ステーションで使用する高圧水素に利用
可能な熱交換器(WEL-CoolH2A)を市場投入。
【低熱膨張高熱伝導材(Wel-Therm)】
・異なる素材を拡散接合することにより、高熱伝導率と低熱膨張
係数を高いバランスで両立させた複合材料。
・熱伝導コア径、配置密度、総厚などすべて自由設計が可能。
また、全金属製のため高い靭性を確保。
・タングステンやモリブデンなどの希少金属を全く使用せず、低
コストで少量多品種生産が可能。
・熱発電モジュール
マイクロチャンネル構造
電子装置、
電子部品製造業
に内蔵する熱発電素子
通信機器、
信号装置製造業
・熱アクチュエーター
膨張係数が異なる異種金属を拡散接合し
膨張変形を利用したアクチュエーター
機械部品
(バルブ、軸受、ネジ等)
製造業
・マイクロミキシングノズル
マイクロチャンネル構造の微細構
造を利用するミキシングノズル
・ループ型ヒートパイプ
マイクロチャンネル熱交
換器構造を利用するルー
プ型ヒートパイプ
精密機械
分析機器
理化学機械製造業
・湿式粉砕装置
マイクロチャンネル構造の
流路を利用する爆砕装置
飲食料品製造業 医薬品製造業
フランジ型
マイクロチャンネル熱交換器
水素ステーション向け
マイクロチャンネル熱交換器
知的財産(主な特許・ノウハウ・ライセンスなど)
■特許出願中・特許
・プローブ装置(特開2015-015419)
・蒸気インジェクタおよびヒートポンプ装置(特開2014-218939)
・ヒートパイプ(特開2014-163615)
・容器(特許第5613257号)
・熱伝導複合材及びその製造方法(特許第5292556号)
・ベーパチャンバ(特許第5180385号)
■商標
・WEL−Cool(登録第5660988号)
・WEL−HeatRibbon(登録第5660989号)
・Wel−Therm(登録第5382233号)
■表彰・受賞歴
低熱膨張高熱伝導材の内部構成
・日本機械学会賞「優秀製品賞」(2013年度)
・日本塑性加工学会「三井精密技術賞」(2010年度)
※「新事業・新商品開発可能性」はシステム・インテグレーション株式会社の監修による。