ネパール地震救援活動報告 - 熊本赤十字病院

日本赤十字社 BHC-ERU ネパールメラムチ村より
第 3 班は 7 月 9 日から診療を開始しています。
日本赤十字社の受付によると現在までの患者数は 11,000 人を超えました。
私は今回第 3 班の看護師長として派遣され、計 13 名のスタッフとともに元気でにぎやかに活
動しています。
これまでの第 1 班・2 班と同じくメラムチ村で到着後からすぐに第 2 班から第 3 班への引継
ぎが始まりました。
私たち医療班の主な役割は、日赤 ERU チームが現地クリニックから撤退する際、クリニック
の診療が被災前、あるいはそれより良い状態で運営されるように撤退することです。
そのため、保健省とネパール赤十字社とともに、メラムチ村のクリニックあるいは学校教育
の場に、期限内にスムーズに引き継ぐことができるよう計画的に動いています。
仕事と生活について、簡単に報告します。
第 3 班のカトマンズ到着時は、雨季で雷雨に見舞われ、メラムチ村到着時はさらに高温多湿
の気候に誰もが発汗多量となりました。私も適応するのに 3 日間程度かかりましたが、その後
はハツラツと健康に過ごせています。
撤収班ですのでこれまでの派遣のように創造的に新たな活動を作っていくというよりは、む
しろスムーズな撤退を考えながら日々起こってくるハプニングに対応していますので、初めて
の派遣者は戸惑いとストレスを感じている人がほとんどでした。この 1 週間でお互い考えを述
べあい、残り 2 週間で完了する難しさを感じながら行動しています。
熊本から第 1 班と第 2 班とに継続して要員が派遣されていたこともあり、現地スタッフから
も「熊本からか」と待っていたかのように声をかけられ、これまで前任者の皆さんの尽力のお
かげでスムーズに活動に入ることができています。
村の人々はとてもひとなつっこくて、両手を合わせて「ナマステ」と挨拶すると、硬い表情
もすぐに和らぎ笑顔を返してくれます。メラムチ村で出会うネパールの人々はとても穏やかで
友好的ですので、雨季で天候も変わりやすく厳しい環境下での 6~8 人のテント生活は苦ではな
くなっています。
第 3 班は 1 人も消化器症状は出ていないようです。技術要員が毎日安全な水を管理し、トイ
レ環境についても排泄物を手作業で処理し衛生状態改善に努められ、更に管理要員が食事や現
地スタッフ雇用等の管理もされるため、それぞれが役割分担して健康な生活を送りながら ERU
活動ができていますので、前任者含めてみんなへの感謝の気持ちで過ごしています。
早朝はヒマラヤ山脈が遠くにくっきり見えることもあり、その美しさに毎日感動しながら、
ここに派遣されて ERU として現地ボランティアと活動する意義を感じています。
被災者の方々の気持ちを考えながら、残りの時間を第 3 班の目標達成に向けて頑張ります。
2015 年 7 月 19 日 第 3 班 ERU 看護師長 今村尚美