薬局だより No. 156 号

薬局だより
No.
156 号
H24 年 7 月
話題の新薬 ホスレノール顆粒
慢性閉塞性肺疾患について No5
高リン血症治療剤 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の薬物療法
気管支拡張薬
バイエル薬品は、
「ホスレノール顆粒」
(一般名:炭酸ラ
気管支拡張薬には、①抗コリン薬②メチルキサンチ ンタン水和物)を新発売した。リン酸と不溶性の化合物
ン③β2 刺激薬があります。(6 月号より続き)
を形成する希土類金属ランタンを構成成分とし、透析中
③ β2 刺激薬 の慢性腎不全患者における高リン血症の改善を効能効
吸入抗コリン薬と同様に、気管支拡張作用や肺機能 果とする。既存のチュアブル錠は、口中で十分に噛み砕
の改善により、呼吸困難などの自覚症状や運動能力 き、唾液又は少量の水で飲み込む必要がある。本剤は噛
QOL を改善させる効果が認められている ●薬品名
み砕くことが困難な患者(高齢者等)にも、ホスレノー
ル製剤の特徴である血管石灰化のリスクを増やさずに
短時間作用型吸入剤:サルタノールインヘラー 優れたリン管理が期待できる製剤である。 薬価は メプチンエアー
ベネトリン吸入液
短時間作用型経口剤:スピロペント メプチン 長時間作用型吸入剤:オンブレス セレベント
長時間作用型貼付剤:ホクナリンテープ
●特徴
250mg分包= 194.1 円 500mg分包= 284.8 円 副作用情報 カロナール
昭和薬品化工から販売されている解熱鎮痛剤であるカ
短時間作用性の薬剤は、効果発現までの時間は抗 ロナールは、直近 3 年間に同剤投与と因果関係が否定で
コリン薬より速い
きない副作用として急性汎発性発疹性膿疱症:4例、間
長時間作用性の薬剤は、効果発現は遅く、最大効 質性肺炎:2例、間質性腎炎関連症例:6例が報告され
果が得られるまで、1~2 時間かかるため、即効 た。そのため、「重大な副作用」の項に「急性汎発性発
性は期待できない
疹性膿疱症」「間質性肺炎」「間質性腎炎・急性腎炎が
貼付剤は吸入薬に比べて気管支拡張効果は劣るが 追記された。 夜間症状の改善や QOL 改善に優れている
●主な副作用 振戦、動悸、頻脈、頭痛、血清 K 値の低下等 経口薬>貼付薬>吸入薬の順に出現する
ワクチン効果か?患者半減
子供の細菌性髄膜炎を予防するインフルエンザ菌b型
(ヒブ)ワクチンの公費接種が広がった 2011 年に、ヒ
④ ステロイド薬・長時間作用性β2 刺激薬配合剤 ブ感染により髄膜炎になった 0~4 歳の患者発生率が、
●薬品名 アドエア シムビコート その前3年間の平均と比べて半減したことが、厚生労働
●特徴
省の調査で分かった。ワクチンの公費助成が同時に始ま
単剤使用するよりも呼吸機能や運動耐容能、呼吸
った肺炎球菌による髄膜炎も、11 年は同じく 25%減少。
困難感の改善、増悪頻度の減少に優れている
国立病院機構三重病院長は「公費助成によるワクチンの
●主な副作用 普及が成果を出しつつあるとみてよい」と話している。
嗄声、口腔及び咽喉刺激感 厚労省は 13 年度から原則無料の予防接種法改正の準備
長期安全性に関しては、眼や骨への影響は少ない
を進めており、こうした政策の実現を後押ししそうだ。 が、肺炎のリスクが増加する可能性がある ふれあい鶴見ホスピタル 薬剤部 DI室