板倉町立板倉中学校「いじめ防止基本方針」 平成 26 年 2 月 28 日策定 1、いじめに対する基本認識 勇気 思いやり 協力 【平成 25 年度 ぐんまの子ども「いじめ防止宣言」より】 すべての子どもと大人が「いじめはどこの学校でも、どの学級でも、どの子どもにも起こ り得る」という認識をもつ。 (1)いじめは人権侵害であり、「いじめを絶対に許さない学校」をつくる。 (2)いじめられている子どもの立場に立ち、絶対に守り通す。 (3)いじめる子どもに対しては、毅然とした対応と粘り強い指導を行う。 (4)保護者との信頼関係づくり、地域や関係機関との連携協力に努める。 【平成 25 年度「群馬県いじめ防止基本方針」より】 上記の考え方のもと、板倉中全教職員が「いじめは、どこの学校・どこの学級・どの子どもに も起こりうるものであり、いじめ問題にまったく無関係な子はいない」という認識に立ち、全校 生徒が「いじめのない明るく楽しい学校生活を送ることができる」ように、この「いじめ防止基 本方針」を策定した。 板倉中「いじめ防止プラン」 Ⅰ 未然防止 いじめは人権侵害であり断じて許さない、絶対に見過ごさないという意識を高める 生徒一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育み、思考をプラスに転じる Ⅱ 早期発見 3 いじめの早期発見に努める Ⅲ 早期対応 4 いじめの早期解決のため、教職員間の連携・各種機関との連携を図る 5 学校と家庭が協力して対応する Ⅳ 校内組織 6 いじめ問題に取り組むための校内組織を整備する 7 いじめが原因で「自殺」が起こってしまった時の対応 1 2 Ⅰ 1 未然防止 いじめは人権侵害であり断じて許さない、絶対に見過ごさないという意識を高める 生徒一人一人が認められお互いに相手を思いやる心を、学校教育全体を通して取り組み 「いじめは絶対に許されない」という意識を高める。 ①人権尊重の精神の涵養を図る人権教育や豊かな心を養う道徳教育を通して、命の大切さ や思いやりの心、集団で協力することのすばらしさについて考えさせる ②学級活動や総合的な学習の時間で、ソーシャルスキルやグループエンカウンターなどの 手法を使い、自分と他人では思いや考えが違うことに気づかせたり、よりよい友達関係 について考えさせたりする。 ③生徒会を中心にした「いじめ防止の取組」を推進する。 ・つながろう、さわやか板中生をスローガンに、挨拶運動を推進する。 ・一人一人のよいところを見て、お互いを尊重しあう。 2 生徒一人一人の自己有用感を高め、自尊感情を育み、思考をプラスに転じる 分かりやすい授業や基礎基本を身に付けさせる授業を通して、「できた」「分かった」 -1- という達成感や成就感から自己有用感、自尊感情を育てる。 ①各教科等の指導において、生徒同士が互いに関わり合えるような「学び合い学習」を積 極的に位置づけ、人間的なふれ合いを通してコミュニケーション力を養い、互いに認め 合いながら、互いの意見を鍛え合いながら集団解決を図る良さに気づかせる。 ②学校・学年行事等において、他者と関わる機会を積極的に工夫し、「人の役に立った」 「こんなに認められた」「自分にもできた」という経験を通して、自己有用感を味わ わせ、自尊感情を高め、プラスの思考ができるように育てる。 Ⅱ 3 早期発見 いじめの早期発見に努める いじめは早期に発見することが、早期の解決につながる。そのために、日常の活動の中 で生徒との信頼関係を構築することが大切となる。いじめは、大人が気づきにくいところ で行われ潜在化しやすいという認識に立ち、生徒の小さな変化を敏感に察知する感性を養 うことが重要である。 いじめの態様 ア、冷やかし、からかい、悪口、脅し文句、いやがることを言う イ、仲間はずれ、集団による無視 ウ、軽くぶつかる(または、そのふりをする)、たたかれる、蹴られる エ、金品をたかられる オ、ものを隠される、盗まれる、壊される、捨てられる カ、いやなこと・恥ずかしいこと・危険なことをされたり、させられたりする キ、ネット(パソコン、携帯)上で、悪口を書かれる 上記の行為が繰り返されることにより、いじめられている児童は、「自分はだめな 人間だ」「親に心配をかけたくない」「どうせ訴えても改善されない」「訴えたら仕返 しが怖い」という心理がはたらき、いじめが見えにくいものとなってしまう。 ①毎月 25 日前後を「生活アンケートの日」として位置づけ、アンケート調査により実態 を把握する。記入内容によっては、個別面談を行い対応する。 ②休み時間や昼休み、放課後の部活動の機会に、生徒の様子に目を配る。「生徒がいると ころには教師がいる」ことを目指し、生徒と共に過ごす機会を積極的に設ける。 ③家庭学習ノートや日記指導を通して、心のつぶやきを敏感にキャッチする。 ④SC,教育相談員による定期的な生徒の観察(授業参観等)により、担任とは違った視 点で問題の早期発見を行う。 Ⅲ 4 早期対応 いじめの早期解決のため、教職員間の連携・各種機関との連携を図る いじめの兆候を発見したときには、最悪を思って、慎重かつ素早く、誠意を持って組織 で対応する。被害生徒保護を鉄則とし、加害生徒から守る、自傷から守る対応を行う。 ①正確な実態把握を行う。 ・当事者双方、周りの生徒から聞き取り調査をし、記録する。 ・関係教職員と情報を共有し、いじめの状況を把握する。 ・ひとつの事象にとらわれず、いじめの全体像を把握する。 ②指導体制、方針、指導手順を慎重に協議し決める。 ・生徒指導部会を核に、方針、指導手順を明確にする。 ・対応する教職員の役割分担を決め、誰が、いつ、どう対応するかを全教職員の共通理 解を図る。 ・教育委員会、関係諸機関と連携し、方針・対応について確認する。 -2- ③生徒を指導する ・いじめられた生徒を保護・支援し、心配や不安を取り除く。 ・いじめた生徒に対して、いじめは絶対に許されないことを指導し、謝罪の会で終結と する。 ④保護者と連携する ・いじめを受けた生徒の保護者、及びいじめた生徒の保護者と直接会って、情報を共有 し相互理解を深め、今後の方針など具体的な話をする中で協力を求める(早期の危機 回避、謝罪の会での終結など)。 ⑤事後の対応 ・いじめられた生徒、いじめた生徒については、継続した観察・指導を行う。 ・SCや教育相談員と連携して、心のケアを行う。 ・生徒対応について、保護者に具体的な助言をする。 ・思いやりの心を重点にした指導の充実を図り、誰もが大切にされる学級づくりを行う。 5 学校と家庭が協力して対応する 問題が起こった時だけの連絡や家庭訪問では、保護者との信頼関係は築けない。問題が 起こっていない時こそ保護者との信頼関係を築くチャンスである。日ごろから、生徒の活 躍や成長した点について学級通信等で伝えておくことが、信頼関係作りの第一歩である。 ①保護者がいじめに気づいた時に、即座に学校へ連絡できるようにする。 ②いじめられた生徒の保護者に対しては、その実態や方針などを伝え、学校として全力で 守り通すことを伝え、今後の対応を知らせながら不安や心配を取り除く。 ③いじめた生徒の保護者に対しては、「いじめは絶対に許されない」という毅然とした姿 勢を示し、事の重大さを認識してもらうとともに、今後の関わりかたなどを一緒に考え るなど具体的な助言をする。 Ⅳ 6 校内組織 いじめ問題に取り組むための校内組織を整備する(別様:板倉中学校いじめ対応図) いじめ問題への取組については、学校長のリーダーシップのもと「いじめを根絶する」 という強い意志をもち、学校全体で組織的に取り組む。そのためには、いじめの「未然防 止・早期発見・早期対応」について、全教育活動の中で実践していくことが重要である。 いじめが起こった時の「組織的対応」 ① アンケート,教育相談,生徒,地域,保護者の情報によりいじめを認知した教職員 ② 生徒指導主事・教頭 校長 教育委員会・関係諸機関への連絡 ③ 生徒指導部会(いじめ対策委員会:含む教育相談)による「方針・手順」の検討 ・実態把握について、指導方針の決定について、教職員の役割分担について ④ 緊急職員会議の招集 ・全職員の共通理解 ⑤ いじめ解消に向けた対応 ・当事者、傍観者、保護者、地域 ⑥ 7 再発防止・未然防止活動 いじめを認知した場合は、教職員が一人で抱え 込まずに、学校全体で対応することが大切である。 組織対応は生徒指導上の諸問題対応の際、最も重 視されなければならない。単独の対応は配慮に欠 ける危険性があり、いじめが深刻化したり、保護 者とのトラブルに発展したりすることがある。校 内チームによる取組の効果は大きい。 いじめが原因で「自殺」が起こってしまった時の対応 不幸にして「生徒の自殺」が起こってしまった場合は、(1)校長を中心にした管理職 -3- の対応(2)生徒指導主事、学年主任、学級担任の対応(3)養護教諭、SC(教育相談 員)の対応の大きく3つの方面で分担し対応する。 (1)校長を中心にした管理職の対応(含学年主任、PTA会長) 校長は、①遺族への対応、②保護者への対応、③マスコミ・地域への対応、④全校 生徒への対応などで前面に立ち、全体を指揮する。 ①遺族への対応 ・遺族へは、できるだけ早く連絡をする。(継続して接触を続ける) ・自殺の事実を子どもや保護者、マスコミに伝えるに当たっての、遺族の了解を得る。 ・事実を伝える際は、「家族からは、○○(自殺、事故死等)と聞いています。」とい う表現で伝える。 ・葬儀への生徒の参列についても確認する。 ②保護者への対応 ・自殺についての事実、学校の対応、今後の予定を「緊急保護者会」を開いて伝える。 ・保護者が今後自分の子どもに適切に接することができるように、子どもへの接し方や 校内カウンセリング、外部の医療機関、相談できる機関などの情報を提示する。 ③マスコミ、地域への対応 ・マスコミ対応の情報発信は管理職(校長・教頭)が窓口になる。 ・教育委員会と連絡を密にとり、「子どもを守る」「遺族のサポート」「第二の犠牲者 を出さない」の3つを念頭に置き、一貫した体制で対応する。 ・マスコミ対応の留意点は6つ ①生徒の自殺の手段を詳細に伝えない。 ②自殺を美化しない。 ③遺書や写真を公表しない。 ④原因を単純化しない。 ⑤センセーショナルに扱わない。 ⑥特定の誰かの責任にしない(プライバシーへの配慮)。 (「前の日に同級生と言い争いがあった」などの断片的な情報は、特定の生徒に 責任が及びかねないので特に慎重に行う。) ④全校生徒への対応 ・事件後に在校生徒に内容を説明するときは、「全校集会」を開くと、パニックが伝 染する恐れがあるので、校長は校内放送を使って全校生徒に「死亡の事実だけ」を 伝えるようにする。 (該当学級へは、校長が出向いて「死亡の事実のみ」を伝える) ・自殺については、「学級担任」から伝える。 ・心理的なサポートができるように、相談室には町教委の指導の元、カウンセラー を配備する。 (2)生徒指導主事、学年主任、学級担任の対応 ・教師によって伝える内容が大きく変わらないように、伝える内容の基本形を決めて から各クラスで伝える。(自殺を美化しない、自殺した人を非難しないなど) ・葬儀への参列について、話し合う。(強要はしない。) ・心理的な不安への対応として、カウンセラーとの連携を図る。 (3)養護教諭、SC、教育相談員の対応 ・一人ひとりへの対応もあるが、全体を広く把握するという視点で、教員同士や外部 専門家、専門機関との連携を図る。 ・管理職、養護教諭、SC、教育相談員、関係する学級担任、運営委員による「ケア 会議」を調整する。 -4-
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