【介護問題解決事例】 遠距離介護 家族状況:被介護者 男性 84 歳、名古屋市在住、独居、子供男性 2 人(東京在住)兄弟姉妹なし 相談者:長男Aさん 被介護者:男性(要介護1、認知症あり、排泄はトイレ、食事は配食サービス普通食を自身で摂取。徘徊・事故リスク高くなる)性 格:頑固 介護者:長男Aさん(東京在住:会社員 54 歳男性、夫婦二人暮らし、夫婦フルタイムの共稼ぎ、子供は独立し別居) 次男Bさん(東京在住:会社員 51 歳男性、夫婦二人暮らし、夫人は専業主婦、子供 1 人は独立し別居) (相談前の状況) Aさんが隔週土日に介護のため帰省。BさんまたはBさんの奥様が隔週土日帰省。平日はヘルパーによる身体介護。食事 は配食サービスを利用。A・B両家の介護帰省が体力・精神・経済的に大きな負担となっていた。Aさんはお父様を東京 に呼び寄せて老人ホーム入居させること希望。Bさんは名古屋での生活を希望していた。 (相談サービス内容) AさんBさんに集まっていただき、NPOを交えご相談される。NPOからBさんの希望を尊重しつつ、今後、名古屋の実 家で、認知症のお父様が生活を続ける危険性とご家族の法的リスクなどを実例で説明する。Bさんが納得されて施設入居 に方針が決定する。 当初は有料老人ホームを検討されていたが、費用を考慮してグループホームに入居をお勧めし、身体介護が重度化した場 合に、老人ホームへ入居する方が有利とご説明する。頑なに入居を拒否されるお父様には病気で病院に入院することにして 入居していただく。(その他:入居に必要な準備や、施設選択に必要な情報を提供する) (その後の結果と方針) A・Bさんの介護労働負担がなくなる。費用負担は被介護者の年金 13 万円とA・Bさん各 6 万円を負担されることになる。 (A・Bさんの月額帰省費用とほぼ同額の負担)。お父様に成年後見人をつけることをお勧めし、その後の介護費用の捻出 及び(自宅売却等)、円滑な相続を実現されることもお勧めする。 家族・介護者が海外在住/被介護者日本在住 家族状況:被介護者 女性 82 歳、東京都在住、独居、子供男性1人(米国は在住)兄弟姉妹なし 相談者:息子さん 被介護者:女性 82 歳(要支援2、物忘れ年齢相応、排泄はトイレ、食事は配食サービスと自炊、徘徊リスクなし、性格は 温厚。 介護者:長男さん(米国在住:会社員 50 歳男性、夫婦二人暮らし、子供2人米国在住) (相談前の状況) 介護者となる家族が海外在住のため、自宅で一人暮らししている親のケガや急病が心配、加えて体の衰えも進んでいるので、早い時期に 安全で介護が重度になった場合や、病気になっても住み続けられる施設に入居させてやりたい。費用負担に関しては経済的にゆとりがある ので、なるべくハードが充実し、生活が楽しめる施設に入居させたい。ただ、仕事の関係で長男さんが長期間帰国することが難しいので、出 来るだけ短期間で施設を決めたい。 (その後の流れ) 海外の息子さまと被介護者の希望に適した、看護師 24 時間常駐で大手企業が経営する、介護付有料老人ホーム複数の情報提供を行 うと共に、入居相談に必要な健康診断の受診もあらかじめ完了してもらう。息子さんが来日される日程に合わせて、施設見学をセットし見 学にも同行することにより、短期間で入居施設を決定していただく。 1 家族不和の在宅介護 家族状況:被介護者 女性 83 歳、相談者の義母、東京都在住、娘 3 人、兄1人 88 歳(神奈川) 長女夫婦と同居、次女(千葉在住)、三女(東京在住) 相談者:長女のご主人 被介護者:女性 83 歳(要介護5、認知症重症意思疎通困難、排泄はオムツ、食事軟菜食を全介助)性格:頑固 介護者:長女さん(同居 58 歳同居、夫婦二人暮らし、介護のため離職、子供は独立し別居) 三女さん(東京在住:52歳、夫婦二人暮らし、介護のため離職、子供は独立し別居) 他:次女は介護に協力せず(千葉在住、55歳、専業主婦、夫と息子の3人暮らし) (相談前の状況) 長女さんが被介護者がと同居し、三女さんが通いで介護に協力し実母を介護するが、次女さんが介護にまったく協力されず。そのため 介護する姉妹2人が体力・精神的ともに限界状況になり、姉妹間の不和状態が続き、長女と次女の間に暴力沙汰まで発生する。 経済的には事業者からの介護サービス料金が、介護保険で認められた利用限度額を大幅に超過したため、業者に支払う 料金が20万円を超えていた。加えて長女と三女が介護のため離職したため、各々の収入が8万円程度、合計16万円 程度の収入減が発生した上に、母親の収入(年金)では支出を賄えない状況になり、母親の蓄えが減り続ける状態になる。 しかし、姉妹で今後の介護に関する話合いを冷静にできる状況ではなかった。 (相談サービス内容) 姉妹間の感情悪化を改善することが難しいと判断し、姉妹3人の夫が話合いの場を持っていただき、姉妹の役割分担を決 ることをお勧めする。 (その後の方向性) 姉妹の夫の話合により、次女が毎月10万円の経済援助をする代わりに介護する義務は免除される。また、介護方針の 決定権は長女と三女が持つことになり、当面の間は長女宅で介護を継続されることになる。しかし長女と三女が在宅介護 が無理と判断した場合には、老人ホーム等に入居させることも選択肢として考える。 独居者の介護 家族状況:ご本人 女性 79 歳(要支援 2、東京在住、子供なし、姉 1 人、亡夫の親族あり) 相談者:ご本人 (相談前の状況) 介護してくれる子供も無く、最近、体力や認知症になることが不安になってきたので、安心して最後まで暮らせる施設に入居したいが、老人 ホームの選び方がわからないし、経済的に大丈夫なのか心配がある。また、死んだあと残った財産は夫の親族に渡したくない。できれば姉か 姉の娘に相続させたい。入居する施設は自宅になるべく近い場所が良い。 (相談サービス内容) 資産内容を確認させていただき次のアドバイスを行う。①月々の施設費用支払い続けること想定して、定期預金を終身個 人年金保険に組み替える。②看護師 24 時間勤務型介護付有料老人ホームを紹介③入居後 3 か月経過した時点で、終の棲家と して問題がなければ、自宅を売却し金融資産を増やす④相続対策のため遺言書作成をお勧めする。 2 認知症・独居者の介護 家族状況:ご本人 女性 81 歳(要介護 2、認知症、独居、横浜在住、親族状況妹様 80 歳、横浜在住 1 人、甥姪様 7 名) (相談前の状況) 認知症で一戸建てに独居。徘徊などの問題行動はなかったが、火事等の事故リスクは日ごとに高まっていた。日常生活の支援は妹様が お手伝いされていた。経済的には恵まれたかただったので、年金受取口座と信金の預金を妹様が管理されて日常生活に支障はなく、当座 の老人ホーム入居資金にも問題はない。自宅以外にも複数の不動産保有。金融資産も信金以外に保有されていると推測された。(金 額は確認できず) 相談日の 1 週間前に腹痛で緊急入院される。入院後は腹痛もなくなり、病院での検査でも病気は見つからなかったため、病院より早期の 退院を迫られていた。この時点で病院の指導により介護認定調査を完了されていたが、認定結果がでるまで 3 週間程度かかる状態。 妹様が退院後に自宅に戻り生活するのは無理と判断され、妹様宅から近く交通の便が良く、安心して最後まで生活可能な施設を紹介し て欲しいとの相談があった。また姉の財産は姉のために使ってやりたいし、相続で親族が争うことも避けたい。 (相談サービス内容) ① 資産・収入状況のヒアリングを行う。②認知症の重度化及び身体介護の重度化に対応可能な 24 時間看護師常勤の介護付老 人ホームを紹介する。③老人ホーム見学に同行する。④長期的な老人ホーム費用の捻出と、成年後見・相続を想定した場合、法律的な 準備が必要と考え、妹様に弁護士との無料相談を勧める。➄親族会議にNPO担当者と弁護士が同席し、ご本人の介護に関する将来 予測(今後必要な介護労働負担と費用予想)と老人ホームに入居するメリット及び、今後の費用捻出と相続などを念頭においた法律的 な準備をお勧めする。⑥老人ホームの入居契約に同席する。 認知症者の安全確保 家族状況:ご本人 女性 84 歳(要介護 2、認知症、独居、ひとり娘様は介護拒否、姉妹弟様4名) (相談前の状況) ご本人様は一戸建てに独居。徘徊などの問題行動はなかったが、火事等の事故リスクは日ごとに高まっていた。親族からひとり娘様に母親の 介護するように説得されていたが、娘様は介護を拒否されていた。そのため、弟様がご本人の独居は無理と判断し、弟様の取引銀行の系 列不動産会社から、NPOに入居可能な老人ホームの紹介依頼がある。 (相談後の状況) 弟様に複数の老人ホームを紹介し、妹様が紹介したホームを見学されてご入居先を内定される。 しかし、その後に娘様がお母様の老人ホーム入居費用を捻出するために、お母様の資産が使われて減ることを心配し、お母様の身柄を自 宅に連れ帰り同居されることになった。 姉妹弟様にとっては娘様の行動は予想外だったが、結果的には娘様と同居されることにより、火事や事故の危険が無くなったので、老人ホー ム入居は見送りとなる。ただし、娘様が再度介護を拒否した場合には、老人ホーム入居させることにする。 3
© Copyright 2024 ExpyDoc