こどもの病気【第 9 回】 気管支喘息 気管支喘息とは、“発作性に笛性喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す疾患であり、 発生した呼吸困難は自然ないし治療により軽快、治癒するが、ごく稀には致死 的である。”と定義されています。わかりづらいですね。簡単に言うと、突然ヒ ューヒュー・ゼイゼイして痰のからんだ咳を激しく出て呼吸が苦しくなってし まいます。自然に、もしくは治療を受けることで良くなりますが、同様のエピ ソードを繰り返してしまう病気です。 このような兆候があったときは注意しましょう。 ウイルス性の気管支炎でも同様の症状が出ることも多いですが、繰り返すこ とが気管支喘息の特徴であるとともに気管支炎との違いです。初めてのエピソ ードを含めて初めの時期は“喘息性気管支炎です”や“将来気管支喘息になる かもしれないね”、“気管支喘息の予備軍だね”などと病院で説明を受けること が多いです。一般的には 3 回以上同じような症状が繰り返せば気管支喘息と診 断されます。夜中や明け方に咳き込んで起きてしまうこどもは要注意です。ま た、ヒューヒュー・ゼイゼイはしないけれど、夜の咳がひどかったり、寒い日 に外で遊んでいたりスポーツをしたりすると咳がいっぱい出たりする場合も軽 い喘息(咳喘息)の可能性があります。 気管支喘息の本態は、以前はアレルギーと考えられていました。しかし、現 在ではアレルギーも含めた気道の炎症と考えられるようになっています。炎症 のため、気管の粘膜が腫れ、気道が狭くなります。粘度の高い分泌物(痰)が 多量に分泌されさらに空気の通りを悪くします。 ĝŐÿºð(-@)(<*ŸB= ' 'I_h{ŕ¼'¶/DCƈłŕ¼G<"% CË(<*ŸB= &Ű<.ĮŰ á*A-IwvP{C±.-I_h {ŕ¼Gü"% C°šïƘ8B8I_h{ŕ ¼Gäü"% C'ď*ĥĹ=" B~Ľ="B81 ęE*)C' ƖƉGà '*V{V{B·1()" B82~3 ęA *)C'ƖƉ"7) *Ç=ĉą*·Ž:@*)"B8I wvP{-ļı.Üƚƃ:*#D%Ä©8ƛI wvP{o{ZƜ-@)I_h{ŕ¼Gü" ¿ƠIwvP{o{Z ËH.5B=Ybũœ)(88)£ħ* Ó%ĝƆƅā*)"% C(ĝƆƅāï-ƃ);DA-£ħ&ºðŁ àŸD8Ĭ-Ŋĝ&<ŁųŁDC'< B88ƖƉ)(-LKvUõĔ&<ĝƆŢDC-&ºðŁ =)B8I_h{ŕ¼-â Ë.÷ƌ* ĝŐÉ)" BƖƉGà*)"BC'&ļı))C屮 & ºðŁ.Ïś*<C@*Ťĩ) ğĿ*@"%żì8 ŚBžºðŁŸC'ur^uyR'¶/DCĝƆŖř-Ä© ŸBÎ*.*øAŒ¬)£ħ&ŁŸC@*)B8 -@)ıö*)A) @*C;*ĈďA"B'ŐĴG C'ëů*)B8 喘息の治療の目的は、日常生活を普通に送れるようにすることです。こども にとっての正常な日常生活とは何でしょうか。第一に、身長・体重など身体的 に正常な発育ができていることがあげられるでしょう。同時に、よく眠れ、食 事もいっぱい摂れ、元気に遊べ、機嫌も悪くならないことなどもあげられるで しょう。さまざまな治療がありますが、それらによる副作用がないこともあげ られます。 実際の治療は、二つの面に分けられます。一つは発作が起こらないようにす る治療で、もうひとつは実際に発作が起きたときに行われる治療です。どちら の治療でも、患児本人の気道の状態を知ることが大切です。家庭でできるその ための方法としてピークフローメーターを用いる方法があります。ピークフロ ーとは、十分に息を吸った状態から思い切り吐いたときの最大の息の速さのこ とです。 発作が起こらないようにする治療は、一般に長期管理に対する薬物療法とい われ、年齢や発作のタイプによって異なります。年に何回か季節の変わり目な どに発作が起こるタイプは軽症間歇型と呼ばれ、去痰剤や気管支拡張剤などを 発作時に用います。軽い喘鳴を伴った咳を月に 1 回以上繰り返しますが、日常 生活に差しさわりのないタイプは軽症持続型と呼ばれ、オノンやキプレス、シ ングレアなどのロイコトリエン拮抗薬や吸入ステロイド薬が用いられることが 多いです。週に 1 回以上発作があり,時に日常生活に支障をきたすような発作 になるタイプは中等症持続型と呼ばれ、フルタイド、キュバール、パルミコー トなどの吸入ステロイド薬が中心となります。ロイコトリエン拮抗薬が併用さ れることも多いです。ほぼ毎日発作があり、週に 1 回以上大きな発作を起こす タイプを重症持続型と呼び、さらに多い量の吸入ステロイド薬が治療の中心と なり、ロイコトリエン拮抗薬などの併用が行われます。以前、よく用いられて いたテオドールなどのテオフィリン製剤はけいれん等の副作用がおきやすいこ とがわかり、徐々に用いられなくなっています。特に 2 歳未満の症例やけいれ んを起こしたことのある症例、熱のある症例に用いる場合は注意を要しますの で主治医とよく相談してください。 実際に発作が起きてしまったときは、喘鳴が聞こえたり、のどや肋間、胸と おなかの境が息を吸うときにへこんだり(陥没呼吸)、唇や爪の色が悪くなった りします(チアノーゼ)。このような時は、まず、安静にしてメプチンやベネト リンなどの気管支拡張剤の吸入をしてください。もし、去痰剤なども持ってい れば内服させてください。改善がなければ、2~3回は吸入を繰り返してもか まいません。それでも改善がない、もしくは一時的には良くなるがまた悪化す る場合は病院を受診してください。乳幼児の喘鳴によく用いられるホクナリン テープなどの貼付剤は効果が出るまでに数時間かかるため、急性発作の場合に は効果は期待できません。 ぜんそくを悪くする要因はさまざまです。 喘息の薬物療法について説明してきましたが、薬以外にも重要なことはたく さんあります。環境整備も大切です。掃除はしっかりしてください。ぬいぐる みやクッションなどダニの巣になりやすいものはなるべくなくしましょう。布 団もこまめに干しましょう。毛足の長いじゅうたんも感心しません。できれば 掃除の行き届いたフローリングが理想です。動物が原因で喘息発作を起こす子 供もたくさんいます。ペット対策も重要です。タバコの煙は喘息を誘発する大 きな要因です。お子さんに喘息発作を起こさせたくなければ禁煙してみてくだ さい。ご家族みんなで喘息についての知識を深めて、喘息とうまく付き合い、 喘息を乗り切りましょう。 ダニ・カビの住みにくい部屋にしましょう。 行徳総合病院小児科 佐藤俊彦
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