家族勉強会 A B

2015
6月
藍里病院
依存症 家族勉強会のお知らせ
「問題があるからその行動はやめないといけないのよ」という理屈だけでは
依存症レベルの行動は修正できません。なぜならその行動はもう意志や理性
だけではコントロール不能になっているからです。力任せではうまくいきませ
ん。
《飲むことで何が助かっていたか?》
飲むことによって必ずその人が助かっていたことがあるはずです。いわゆる
飲酒することの短期的なメリットです。その構造が複雑になればなるほど、助
かることがその人にとって重大であればあるほど、飲酒という行動は手放せな
いものになっていきます。左の図にある未整理のままにしていたことや手当し
ないままになっていた心の重荷がなにかの折に不安や悲しみや怒り・恨みを
引き起こす時に、アルコールはその処しがたいやっかいな感情を一瞬決してく
れる特効薬になります。アルコールでとりあえず消す方法を覚えたら、手間の
かかる方法はもう選ばなくなります。
《止めてから大事なこと》
氷山の絵です。表面に出ている部分が目に見える部分です。アルコール問題の場合
はここにさまざまな現実的な問題が現れます。薬物問題もギャンブル問題も同様です
コントロールを失わせるような強烈な欲求をここでは「衝動」と書いています。人に行動
させる刺激を言います。これは目には見えません。そして、この衝動に内面的に刺激
を与えるのが氷山に底に沈んでいる厄介な心理的な問題です。
まずは飲酒を止めることが最優先課題です。心理的な問題を解決したら飲
酒が止まるというような構造にはもうなっていません。順序を間違わないこと
が大事です。シラフの生活ができるだけ安定して続くようになっていくためには、
その人の氷山の底にどんなものがあるかをまず一度調べることが必要です。
かなり深刻なものを持っている人もいますし、さほどではない人もいます。一
律ではありません。止め始めの1年はまず止めることを最優先にしましょう。
そして、気持ちや生活が安定してきたら少しずつ未整理なものを整理していき
ましょう。一人でやろうとせず、治療者やカウンセラーに手伝ってもらいながら、
一歩一歩確かめながらやっていくことがコツです。飲酒によってカバーされて
いた自分を再発見する過程だと思います。否定的なことばかりではなく、思っ
てもいなかった自分の一側面が見える事だったあります。
ご家族の方には依存症の回復とはこういう一面もあるということをわかって
いただきたいと思います。
勉強会A 講義形式での勉強会です。アルコール依存症やギャンブル依存、薬物依存などの依存症についての講義です。それぞれの依存症のことについても取り上げて 画像などを活
用してわかりやすく説明していきます。家族がどう対応したらいいのかが焦点です。
勉強会B 勉強会Aでは質疑応答に時間がとれません。疑問点やそれぞれの家族のかかえた問題などについて、もっとつっこんだ話などができればと思っています。他の家族の方の話
も聞いてみたいと思われる方もご参加ください。どちらかというとこじんまりした集まりで、家族会と言った方がいいかもしれません。
次回の勉強会
6月13日(土)AM10時勉強会B意見交換会:東棟会議室
6月27日(土)AM10時勉強会A講義:研修ホール